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【発明の名称】
【発明者】 【氏名】草野 勝彦

【要約】 【課題】軽量で熱伝導性に秀れ安価なアルミニウムと、耐久性、耐食性があるステンレスの特性を夫々十分発揮させつつ、ブレージング(ロウ付け)という簡易な接合方法を用いて、磁性材を強固に接合でき、軽量で熱伝導性、耐久性に秀れ、しかも安価な電磁調理器用として使用できる鍋を提供すること。

【解決手段】内側1がステンレスで、外側2がアルミの二層素材で鍋本体3を形成し、この鍋本体3の底部4外側に、接合層となる最上層5がアルミで、最底層となる最下層6を磁性材であるフェライト系ステンレスとした二層のクラッド材7をブレージングにより止着すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも内側がステンレス、外側がアルミ若しくはステンレスの二層若しくは三層素材で鍋本体を形成し、この鍋本体の底部外側に、接合層となる最上層がアルミで、最底層となる最下層を電磁誘導加熱される磁性材としたクラッド材をブレージングにより止着したことを特徴とする鍋。
【請求項2】 前記内側がステンレスで、前記外側がアルミの二層素材で前記鍋本体を形成したことを特徴とする請求項1記載の鍋。
【請求項3】 前記内側がステンレスで、中間部を鉄とし、前記外側をステンレスで形成した三層素材で前記鍋本体を形成したことを特徴とする請求項1記載の鍋。
【請求項4】 前記クラッド材は、前記接合層となる前記最上層をアルミとし、前記最下層を磁性材であるフェライト系ステンレス(18クロムステンレス鋼)としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍋。
【請求項5】 前記内側がステンレスで、前記外側がアルミの二層素材で鍋本体を形成し、この鍋本体の底部外側に、接合層となる最上層がアルミで、最底層となる最下層を磁性材であるフェライト系ステンレスとした二層のクラッド材をブレージングにより止着したことを特徴とする鍋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性、量産性に秀れた電磁調理器用として使用できる鍋に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱伝導性が良く、軽くて安価なアルミ製鍋や、耐久性、耐食性に秀れて清潔感があるステンレス製鍋が、家庭用や業務用として広く使用されているが、いずれも磁性体でないために電磁調理器には使用することができない。
【0003】また、例えば、内側がステンレスで、中間部にアルミニウムを配し、外側に磁性材であるフェライト系ステンレスを配した三層素材を絞り加工した鍋があるが、これは電磁調理器に使用でき、耐久性や熱伝導性に秀れているが、非常に高価であり、また重量も重い。
【0004】また、例えば、アルミ製鍋やステンレス製鍋の底部にブレージング(ロウ付け)により、フェライト系ステンレス(磁性材)を直接接合した比較的安価な電磁調理器用鍋もあるが、底部と磁性材との接合強度(密着度)が弱く、耐久性も劣り、熱伝導性も劣る。
【0005】本発明は、このような様々な問題を検討し、試行錯誤を繰り返し研究した末解決したもので、電磁調理器に使用できる鍋であって、軽量で熱伝導性に秀れ安価なアルミニウムと、耐久性、耐食性があるステンレスの特性を夫々十分発揮させつつ、ブレージング(ロウ付け)という簡易な接合方法を用いて、磁性材を強固に接合でき、軽量で熱伝導性、耐久性に秀れ、しかも安価な電磁調理器用として使用できる鍋を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】少なくとも内側1がステンレス、外側2がアルミニウム若しくはステンレスの二層若しくは三層素材で鍋本体3を形成し、この鍋本体3の底部4外側に、接合層となる最上層5がアルミニウムで、最底層となる最下層6を電磁誘導加熱される磁性材としたクラッド材7をブレージングにより止着したことを特徴とする鍋に係るものである。
【0008】前記内側1がステンレスで、前記外側2がアルミニウムの二層素材で前記鍋本体3を形成したことを特徴とする請求項1記載の鍋に係るものである。
【0009】前記内側1がステンレスで、中間部8を鉄とし、前記外側2をステンレスで形成した三層素材で前記鍋本体3を形成したことを特徴とする請求項1記載の鍋に係るものである。
【0010】前記クラッド材7は、前記接合層となる前記最上層5をアルミニウムとし、前記最下層6を磁性材であるフェライト系ステンレス(18クロムステンレス鋼)としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍋に係るものである。
【0011】前記内側1がステンレスで、前記外側2がアルミニウムの二層素材で鍋本体3を形成し、この鍋本体3の底部4外側に、接合層となる最上層5がアルミニウムで、最底層となる最下層6を磁性材であるフェライト系ステンレスとした二層のクラッド材7をブレージングにより止着したことを特徴とする鍋に係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0013】内側1がステンレス、外側2がアルミ若しくはステンレスの二層若しくは三層素材で鍋本体3を形成し、この鍋本体3の底部4外側に、接合層となる最上層5がアルミで、最底層となる最下層6を電磁誘導加熱される磁性材としたクラッド材7をブレージング(ロウ付け)により止着した構造としている。
【0014】従って、底部4に磁性材を設けたため、電磁調理器にも使用でき、またこの接合はブレージングによるためコスト高とならず製作も容易である。
【0015】しかも本発明は、単に磁性材を底部4外側にブレージング接合するのではなく、クラッド材7として磁性材を底部4外側に接合する、即ち接合層となる最上層5がアルミで、最底層となる最下層6を電磁誘導加熱される磁性材としたクラッド材7を底部4外側に接合する。
【0016】また、本発明は鍋本体3の内側1をステンレスとすることで耐久性を向上させ、清潔感のある鍋とすると共に、外側2をアルミ若しくはステンレスとすることで、軽量で熱伝導性が良く安価な構成とする。
【0017】従って、鍋底部4外側とクラッド材7との接合は、アルミ若しくはステンレスと、アルミの接合となるため、簡易な接合方法であるブレージング(ロウ付け)によって接合しても極めて強固な接合となる。
【0018】即ち、クラッド素材7の最上層5をアルミとし、このアルミを接合層とすることで接合強度が向上する上に、このアルミの接合相手がアルミ若しくはステンレスとなるため、極めて接合強度が高くなり、密着性が向上する。
【0019】特に、鍋本体3の外側2をアルミとすれば、鍋本体3自体一層軽量で熱伝導性が良好となり一層安価となる上に、底部4外側でのブレージング接合は、アルミどうしの接合となり、ステンレスに比べてアルミの融点が低いことから、一層接合強度が高く、密着性の極めて高い接合となり、耐久性が向上すると共に熱伝導性も極めて向上する。
【0020】従って、電磁調理器に使用できる鍋であって、ブレージング(ロウ付け)という簡易な接合方法を用いても、磁性材を強固に接合でき、軽量で熱伝導性、耐久性に秀れ、しかも安価な電磁調理器用鍋を実現できることとなる。
【0021】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】図1〜図3に示す第一実施例は、内側1がステンレス(例えば磁性材ではないが安価で耐久性のあるSUS304)とし、外側2をアルミニウムとした二層素材を絞り加工して鍋本体3を形成し、一方、接合層となる上層5をアルミニウムとし、下層6を磁性材であるフェライト系ステンレス(18クロムステンレス鋼)とした接合層のクラッド材7をブレージング(ロウ付け)により止着した構造としている。
【0023】また、フェライト系ステンレスとしては、例えば、SUS430やNAL160あるいはSUS444を使用しても良い。
【0024】従って、本実施例では、鍋本体3をSUS304とアルミニウムの二層構造としているため、安価な素材であって、軽量で熱伝導性が良く、しかも内側1にはステンレスを用いるため耐久性も秀れ、清潔感もある。
【0025】そして、外側2にはアルミニウムを配しているために、よって底部4外側がアルミニウムとなり、クラッド材7の上層5がアルミニウムであることから、ブレージング(ロウ付け)によりクラッド材7を接合すると、アルミニウムどうしの接合となって、接合強度が極めて高く、熱伝導性も高まる。
【0026】また図4〜図6による第二実施例では、内側1,外側2がステンレス(例えば磁性材ではないが安価で耐久性のあるSUS304)、中間部を鉄とした三層素材を絞り加工して鍋本体3を形成し、接合層となる上層5をアルミニウムとし、下層6を磁性材としてフェライト系ステンレス(18クロムステンレス鋼)としたクラッド材7をブレージング(ロウ付け)により止着した構造としている。
【0027】また、フェライト系ステンレスには、第一実施例と同じくSUS430系などを使用している。
【0028】本実施例では、鍋外側2をステンレスとすることで鍋底部4外側もまたステンレスとなることから、ブレージング(ロウ付け)によりクラッド材7を接合すると、クラッド材7の上層5のアルミニウムと鍋底部4外側のステンレスとの接合となるわけであるが、アルミニウムの融点が低いことと、アルミニウムよりは融点が高いが、アルミニウムと強固な接合をすることができるステンレス(磁性材でないSUS304など)とにより、第一実施例のアルミニウムどうしの接合強度より弱いが高い接合強度を実現することができ、よって熱伝導性も高まる。
【0029】尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0030】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、ステンレスとアルミという素材を電磁調理器用鍋に最適な形で有効利用し、即ち、鍋の内側にステンレスを配することで、長く清潔に、安心して様々な調理をすることができると共に、外側にアルミ若しくはステンレスを配することで、熱伝導性が良く、軽量で安価な鍋を形成できると共に、電磁誘導加熱される磁性材を有し、接合層をアルミとしたクラッド材を簡易なブレージング(ロウ付け)をすることによって強固に接合でき、耐久性に秀れ熱伝導性も劣ることなく磁性材を底部に接合できる画期的な電磁調理器用鍋となる。
【0031】請求項2,5記載の発明については、特に外側にアルミを配したことで、鍋底部外側がアルミとなり、ブレージング(ロウ付け)によりクラッド材の上部のアルミと鍋底部外側のアルミどうしの接合となるため、接合強度が極めて高くなり、耐久性も高まると共に、安価で軽量なアルミを使用していることにより、より安価で軽い極めて実用性に秀れた電磁調理器用鍋となる。
【出願人】 【識別番号】592042624
【氏名又は名称】カットウエル株式会社
【出願日】 平成13年4月2日(2001.4.2)
【代理人】 【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛 (外1名)
【公開番号】 特開2002−291615(P2002−291615A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−103670(P2001−103670)