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【発明の名称】 改善した浸出特性を備えるフィルター材
【発明者】 【氏名】ホルスト ダンハウザー

【氏名】ダニー メゲル

【氏名】ハートムート サロウ

【要約】 【課題】充填物等を最適に浸出できる浸出飲料用のフィルター材又はろ紙の提供。

【解決手段】フィルター材がフィルター材の面積重量に対して1から70重量%の量の超吸収性繊維を含むことを特徴とするフィルター材を作製する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 特に浸出飲料用のフィルターポーチ及びフィルターバッグを作製するためのフィルター材であって、該フィルター材がフィルター材の面積重量に対して1から70重量%の量の超吸収性繊維を含むことを特徴とするフィルター材。
【請求項2】 前記面積重量が、8及び90g/m2の間、好ましくは10及び25g/m2の間であることを特徴とする、請求項1記載のフィルター材。
【請求項3】 フィルターの基材が、針葉樹のセルロース、落葉樹のセルロース、及び/又はマニラアサ繊維等の天然繊維で形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルター材。
【請求項4】 前記フィルター材は2層からなり、第1層が天然繊維と及び超吸収性繊維とからなり、かつシール可能なポリマー繊維からなる第2層を該第1層上に被覆していることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルター材。
【請求項5】 前記フィルター材が、フィルター材の面積重量に対して、2から30重量%の、好ましくは3から10重量%の量の超吸収性繊維を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルター材。
【請求項6】 抄紙機のウェットセクションにおいて、前記フィルター材の面積重量に対して、1から70重量%の、好ましくは2から30重量%の、さらに好ましくは3から8重量%の量の超吸収性繊維を、抄紙機上に用意した前記フィルター基材中に組み込むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のフィルター材の製造方法。
【請求項7】 前記超吸収性繊維を、ラテックス又は他の化学バインダーにより前記フィルター基材に結合することを特徴とする、請求項6記載の製造方法。
【請求項8】 前記超吸収性繊維を、機械的強化法(例えばピンニング)により前記フィルター基材に結合することを特徴とする、請求項6記載の製造方法。
【請求項9】 前記超吸収性繊維を、流体力学的な強化法により前記フィルター基材に結合することを特徴とする、請求項6記載の製造方法。
【請求項10】 前記超吸収性繊維が(メタ)アクリレート共重合体を含むことを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】 前記超吸収性繊維が架橋アクリレート共重合体を含み、随意的に塩形態で架橋していることを特徴とする、請求項10記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的に改善した浸出特性をもつフィルター材又はろ紙に関し、フィルター材から加工され、かつ浸出する物質で満たされたバッグが、当該技術分野において知られるバッグよりもより短時間の間に、色及び芳香について強く浸出できるように改良されている。
【0002】
【従来の技術】ティーバッグ、コーヒーバッグ、芳香剤用及び/又は香辛料用フィルターバッグ等を熱ろ過及び冷ろ過するのためのフィルター材の製造、並びに飲料産業向けの茶用及びコーヒー用のろ紙の製造は、当該技術分野において既に知られるものである。
【0003】一般的に、フィルター材は、例えば、天然繊維あるいは天然繊維と合成繊維とを組み合わせた繊維等のフィルター基材から、当該技術のそれぞれの分野自体で知られる方法で特定の抄紙機を使用して作製される。
【0004】第一工程において、天然繊維の水性懸濁液を抄紙機のスクリーン上に適用し、その後、繊維懸濁液を脱水チャンバーを通過させる。この結果、天然繊維からなる第1繊維層が移動スクリーン上に形成される。天然素材及び合成繊維双方によるヒートシール可能な紙を製造する場合は、第二工程において、抄紙機のスクリーンが移動を続けている間に、第二の懸濁液の形態でホットシール可能な合成繊維を第二脱水チャンバーに通し、第二脱水チャンバーに渡って第1層上に合成繊維の第2層を被着させる。互いに積層した2層の繊維層をもつ抄紙機のスクリーンを移動し続けると、乾燥させることになり、それにより前記合成繊維は第1繊維層上に融合させ、合成繊維を第1層の天然繊維と結合させることができる。
【0005】この方法で2層を部分的に浸透させることができる。
【0006】上述の方法により作製した、ヒートシール可能な又はヒートシール可能でないフィルター材を、自動梱包装置で、最終的にバッグに成型し、紅茶を充填する。
【0007】慣習的には、微細な紅茶粒子を多量に有する紅茶を充填する。紅茶のフィルターが、実際に所望されるのであるが、高多孔性、つまり穴の数がより多いと、微細な紅茶粒子が細孔を通じて落ちる。このことは、バッグを使用する際や、及びバッグの持ち運びにおいてさえも非常に望ましくないものである。この不利を防止する一つの可能性としては、紅茶の塵のロスが減少する程度に非常に小さな細孔を形成することである。しかし、同時に紅茶の浸出が減少する。
【0008】欧州特許公開公報94 107 709.1は、基層とメルトブローポリマー層と呼ばれる層とからなる紅茶用フィルター材について記載している。この既知の紅茶用フィルター材では、浸出を著しく悪化することなく紅茶のロスが最小になるように、必要細孔を互い違いにしている。
【0009】米国特許公報A-4 289 580では、ろ紙の表面を界面活性剤により親水性にしている。さらに、フィルター材に対して、紅茶の浸出を最適化するために抄紙機上で流体力学的に穿孔処理を行っている。
【0010】上述の通り、紅茶用バッグとして及び他の抽出可能な被充填物用バッグとしてフィルター材を使用する際には、迅速なろ過(浸出)が望まれる。しかし、現在使用されている紅茶ろ紙は、バッグを動かさないと水/ろ紙の界面で抽出された紅茶が非常に急速に高濃度となる。バッグ内部とバッグ外部との間の濃度勾配はバッグを動かさなければ元に戻らないため、この高い濃度(遮断濃度)が充填物「紅茶」の更なる浸出を抑制する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、浸出液体中で動かすことさえなく充填物を最適に浸出できる、特に浸出飲料用のフィルター材又はろ紙を提供することである。本発明の更なる目的は、このフィルター材又はろ紙の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的の解決方法は、「超吸収性繊維」とも呼ばれる強力に水分を吸収する繊維を一定量フィルター基材中に組み込むことにより、得られたバッグ形状のフィルター材は、充填物の最適な浸出を確保するために浸出液体中で動かす必要がないという発見に基づくものである。
【0013】本発明の他の視点としては、特に浸出飲料用のフィルターポーチ及びフィルターバッグを作るためのフィルター材で、該フィルター材がフィルター材の面積重量に対して1及び70重量%の量の超吸収性繊維を含むことを特徴とするフィルター材を提供することである。
【0014】本発明の他の視点は、特に浸出飲料用のフィルターポーチ及びフィルターバッグを製造するための方法で、抄紙機のウェットセクションにおいて、得られる前記フィルター材の面積重量に対して1から70重量%の量の超吸収性繊維を、抄紙機上に用意したフィルター基材中に組み込むことを特徴とする製造方法である。
【0015】本発明に係るフィルター材中に組み込まれた超吸収性繊維により、バッグ表面の上述の遮断濃度はバッグを機械的に動かすことさえなく解消される。なぜなら、水を吸収して超吸収性繊維の形状が大きく変化を受けると、超吸収性繊維が変位して、界面で微小なうずが生じる。超吸収性繊維によるこの微小なうずにより、紙界面での必要な濃度勾配が復活する。この結果、紅茶又は充填物がより早く浸出する。
【0016】本発明に関し使用される「高い水分吸収性の超吸収性繊維」の用語は、膨潤することにより水などの液体を多量に吸収できる繊維を意味する。例えば、液中の電解質の含有量に依存して、約20分の制限時間内に繊維だけでは繊維1 gあたり約25g、30g、50g、60g、又は85gもの液体の自由膨潤が起きる(比較として、従来のセルロースは繊維だけでは繊維1 gあたり約3 gの液体を吸収するに過ぎない)。本発明において使用される超吸収性繊維は、例えばケーブルシールド用の材料又はオムツの素材として既に使用されているものであり、好ましくは、(メタ)アクリレート及びスチレン、アクリレート及びメタクリレート、酢酸ビニル及び(メタ)アクリレート、塩化ビニリデン及び(メタ)アクリレート、アクリルアミド及び(メタ)アクリレート、又はブタジエン及び(メタ)アクリレートからなる共重合体のような(メタ)アクリレート共重合体である。更に好ましくは、本発明において使用される共重合体は、架橋アクリレート共重合体であり、特に架橋がナトリウム塩等の塩形態で部分的に存在するのが好ましい。これらの共重合体は、英国グリムズビーのTechnical Absorbents LTD.からOasis101、111、112、121若しくは122の商標名で、又はカナダ アルバータ州ハイリバーのCamelot TechnologiesからFiberan(登録商標)及びFibergarb(登録商標)の商標名等、一部市販されている。無水マレイン酸及びイソブチレンの変性共重合体、例えばCamelot Technologies LTD.のFiversorb(登録商標)も使用可能である。
【0017】本発明に係るフィルター材は、通常8及び90g/m2の間の面積重量を有し、好ましくは10及び25g/m2の間の面積重量を有する。前記超吸収性繊維と組み合わせる前記フィルター材は、天然繊維及び合成繊維から作ることができる。天然素材は、例えば針葉樹のセルロースの及びマニラアサ繊維の天然繊維とすることができる。本発明に係るフィルター材が2層からなるフィルター材である場合、フィルター材の面積重量に対して、第1層あるいはシートは60から90重量%からなり、第2層あるいはシートは10から40重量%からなる。通常第1層は、天然繊維と、本発明に基づき付加する超吸収性繊維とからなる。ヒートシール可能なフィルター材を用意する場合は、本発明に基づき、主としてシール可能なポリマー繊維からなる第2層を第1層上に被覆することができる。このようにしてヒートシール可能なフィルター材を得る。
【0018】本発明に係る製造方法を実施する際に、前記超吸収性繊維を、フィルター材の面積重量に対して、好ましくは1から70重量%、更に好ましくは2から30重量%、最も好ましくは3から8重量%の量で抄紙機上に用意したフィルター基材に付加する。前記繊維は、従来のウェット工程において天然繊維との混合物として使用可能となる。繊維の結合は、通常の自然な水素結合によりもたらされる。しかし、超吸収性繊維は、ラテックスによる接着により、機械的マット化法(matting)(ピンニングによるマット化法(pinning))により、流体力学的補強法(ウォータージェット)により、又は適切な合成接着繊維を使用する熱接着によりフィルター材内に一体化することも可能である。
【0019】以下の実施例により本発明を更に説明する。
【0020】
【実施例】超吸収性繊維を含むバッグが、超吸収性繊維を含まないティーバッグと比較して改善した紅茶浸出性を示すことを吸光度測定により検出することができる。
【0021】この測定のために、面積重量が11g/m2の従来の寸法を有するフィルター基材と、選択的に1.2g/m2の超吸収性繊維Oasis 101とから、全面積重量が12.2g/m2のティーバッグを作り、得られたティーバッグに「紅茶」を充填する。予め定めておいた量の熱湯を一つのティーバッグ上に注ぐ。ポンプ作用により、得られた(色の付いた)紅茶を光度計に通して循環する。445nmの波長を有する光線が、くみ上げられて光度計を通して紅茶を通る。測定された吸光度はデジタル的に記録される。この吸光度は、液体中の吸収によってビームが減衰する指標を示すものである。吸光度がより高くなると、紅茶の浸出がより濃くなる。図1に添付したグラフがこれを明確に示す。例えば、3分の通常浸出時間で、フィルター基材と及び超吸収性繊維とから作製したティーバッグは、8から10%のより高い吸光度を示し、従って、従来のバッグよりもより良く紅茶が浸出されたことを示す。改善した紅茶の浸出効果は、超吸収性繊維の付加量を増やすことにより改善する。フィルター材の面積重量に対して、2から30重量%の間の、好ましくは3から10重量%の間の割合の量の超吸収性繊維が特に有利であることが分かった。
【出願人】 【識別番号】501481377
【氏名又は名称】パップセル パピーア ウント セルローズ テクノロジー ウント ハンデルス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PAPCEL PAPIER UND CELLULOSE TECHNOLOGIE UND HANDELS GMBH
【出願日】 平成13年12月13日(2001.12.13)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作 (外1名)
【公開番号】 特開2002−263003(P2002−263003A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−380188(P2001−380188)