| 【発明の名称】 |
調理器の異常検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川口 弘昭
【氏名】須藤 紀子
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| 【要約】 |
【課題】情報の微妙なずれを確実に捉え、適確な異常報知を行なう。
【解決手段】データロガー11は、蓋温度センサ35が検出する沸騰検出温度のデータを受け取り、これを記憶手段14に蓄積する。そして、記憶手段14に蓄積された沸騰検出温度の各データから、その経時変化の傾向を解析して蓋温度センサ35の異常を判定し、異常があれば異常信号を送出する。これにより、蓋温度センサ35の異常に起因する沸騰検出温度の微妙なずれを確実に捉えることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信手段を備えた調理器の制御装置と、前記通信手段に接続する記録装置とからなり、前記記録装置は、情報を蓄積する記憶手段と、情報を解析して異常を判定する解析手段と、異常時に信号を送出する報知手段とを備えたことを特徴とする調理器の異常検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯や保温などの調理を行なう調理器の異常検出装置に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】一般に、調理器の一種である保温釜は、鍋の中に米や水などの被調理物を入れて蓋をした後、マイクロコンピュータすなわちマイコンに予め記憶された制御プログラムに基づき、サーミスタなどの温度センサにより鍋の温度や内蓋の温度を検出しながら、炊飯(またはタイマー炊飯)から保温に至る一連の加熱制御を行うように構成されている。 【0003】特に、鍋の上面開口部に直接対向する内蓋の温度センサ(蓋温度センサ)は、炊飯時における沸騰完了のタイミングを検出するのに用いられており、この蓋温度センサの精度が被調理物の炊上がりに大きく関与する。したがって、蓋温度センサと内蓋との接触不良や、炊飯時における被調理物からの水蒸気の回り込みによって、実際の内蓋温度に対し蓋温度センサの検出温度が微妙にずれてしまうことがある。 【0004】従来、こうした温度センサの異常検出に関しては、完全な短絡や断線については閾値を一意的に定めて判定することができるものの、上述のような比較的小さな検出温度のずれは、その判定が難しい。特に、蓋温度センサが検出する水蒸気の温度は、保温釜を設置する場所の標高や天候による気圧変化の影響を受けるので、たとえ蓋温度センサが正常であっても検出温度が変化し、異常と判定するための閾値を一意的に設定することができなかった。 【0005】本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、情報の微妙なずれを確実に捉えて、適確な異常報知を行なうことが可能な調理器の異常検出装置を提供することをその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明における調理器の異常検出装置は、通信手段を備えた調理器の制御装置と、前記通信手段に接続する記録装置とからなり、前記記録装置は、情報を蓄積する記憶手段と、情報を解析して異常を判定する解析手段と、異常時に信号を送出する報知手段とを備えて構成される。 【0007】この場合、記録装置は、情報を調理器の制御装置から受け取って、これを記憶手段に蓄積する。そして、記憶手段に蓄積された情報から解析手段は異常を判定し、異常があれば信号としてその旨を報知手段から報知する。このように、記録装置は情報を長期的に監視し、その異常判定を行なうため、情報の微妙なずれを確実に捉えることが可能になり、報知手段による適確な異常報知を行なうことが可能になる。 【0008】 【発明の実施形態】以下、本発明における調理器の異常検出装置の好適な一実施例について添付図面を参照しながら説明する。まず、調理器の一種である保温釜単体の構成を図2に基づき説明すると、21は保温釜、22はその本体で、本体22に形成した鍋収容部23には有底筒状の鍋24が着脱自在に収容される。鍋24には水や米などの被調理物Aが収容され、例えば誘導加熱コイルや電熱式ヒータなどの加熱手段25により、鍋24ひいてはその中にある被調理物Aを加熱する構成になっている。また26は、鍋24の温度を検出する例えばサーミスタなどの鍋温度センサであり、これは鍋24の収容時においてこの鍋24の底面に弾発的に当接される。本体22内には、保温釜21の各部の動作を制御するための保温釜コントローラ1が設けられているが、その詳細については後程説明する。 【0009】31は、本体22ひいては鍋24の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体である。この蓋体31は、外殻を形成する外蓋32と、蓋体31の下面にあって鍋24の上面開口部に直接対向する略円板状の内蓋33とにより概ね構成される。また蓋体31には、鍋24内部と保温釜21の外部とを連通する蒸気口34が設けられており、炊飯時に被調理物Aから発生する蒸気Sを外部に放出する構成になっている。さらに内蓋33の温度を検出する温度センサとして、例えばサーミスタなどの蓋温度センサ35が内蓋33の上面に当接して設けられる。そして、加熱手段25により鍋24を加熱すると、鍋24内の被調理物Aから蒸気Sが発生して内蓋33を暖め、これに接触している蓋温度センサ35に熱が伝わるようになっている。なお、前記内蓋33は外蓋32に対し着脱自在で、内蓋33がおねばにより汚れた場合には、これを外蓋32から取り外して単体で洗うことができる。 【0010】図1は装置の全体構成をあらわしたブロック図であり、同図において、1は前記保温釜21に備えた制御装置に相当する保温釜コントローラで、ここには保温釜21の制御処理手段に相当するマイコン2と、LCDやLEDなどの表示手段3と、複数のキースイッチからなる操作手段4が各々設けられる。マイコン2は例えばCPUなどの制御処理機能を有する制御手段5の他に、各種プログラムやデータなどを記憶する記憶手段6と、保温釜21の外部とのデータのやり取りを可能にする通信手段7などを備えている。そして、マイコン2の入力側には、前記鍋温度センサ26や蓋温度センサ35などの温度検出手段が各々接続されると共に、マイコン2の出力側には加熱手段25が接続される。 【0011】一方、11は前記保温釜21とは独立して設けられる記録装置に相当するデータロガー(記録器)で、これは具体的にはインターネット上で展開するサーバ(パーソナルコンピュータ)を想定している。このデータロガー11は、例えば家庭内LAN(Local Area Network)やインターネットなどを利用した通信バス12を介在して、前記保温釜コントローラ1の通信手段7と双方向通信が可能なように接続しており、そこには通信バス12に直接接続して外部とのデータのやり取りを可能にする通信手段13と、保温釜コントローラ1から定期的に転送される蓋温度センサ35の温度データを蓄積する記憶手段14と、この記憶手段14に蓄積される温度データの経時変化の傾向を解析して、蓋温度センサ35が異常であるか否か判定する解析手段15と、解析手段15により蓋温度センサ35が異常であると判定したときに、異常信号を送出する異常報知手段16とを備えている。 【0012】通信バス12には、保温釜コントローラ1やデータロガー11の通信手段7,13が接続される他に、メンテナンス業者が保有する携帯電話やパーソナルコンピュータなどの情報端末18が接続される。そして、異常報知手段16からの異常信号が、データロガー11の通信手段13から通信バス12を経由して、情報端末18に転送されるようになっている。なお、前記解析手段15や異常報知手段16は、実際にはサーバ上で動作するアプリケーションプログラムがこれに相当する。 【0013】次に、上記構成について、その作用を図3および図4のグラフを参照して説明する。なお、図3は各行程における鍋温度センサ26の検出温度C1と、蓋温度センサ35の検出温度C2の変化と、加熱手段25の加熱量および通断電のタイミングとをそれぞれ示したものである。また図4のグラフは、蓋温度センサ35の沸騰検知時における検出温度C2’の日毎の経時変化をプロットしたものである。 【0014】保温釜コントローラ1を構成するマイコン2は、操作手段4から炊飯開始の操作が行なわれたとき、または情報端末18からの操作により通信手段7が炊飯開始のコマンドを受信したときに、図3の最上段に示す行程の手順にしたがって、炊飯から保温に至る一連の動作を実行する。 【0015】炊飯を開始すると、先ず所定時間のひたし行程が行なわれる。このひたし行程では、加熱手段25の入力電力を低下させつつ断続的に通電し、鍋24内をある程度加熱して、鍋4に収容した米が水を吸収しやすい状態にする。ひたし行程が終了すると自動的に加熱行程に移行し、鍋24への加熱が行なわれる。米がご飯になることは、米のでん粉がアルファ化されることであり、このためには水のある状態で98℃以上を20分維持することが条件となる。でん粉のアルファ化は65℃以上で開始されるが、沸騰までの時間が長くなると煮くずれを起こすため、加熱行程では強い火力で沸騰まで加熱するのが望ましい。このため、加熱行程が開始すると、保温釜コントローラ1は加熱手段25の入力電力を最大にして連続通電を行ない、鍋24を強加熱する。 【0016】加熱手段25による鍋24への加熱によって、鍋温度センサ26の検出温度C1は急激に上昇するが、鍋24内の被調理物Aから蒸気Sが発生すると、内蓋33の温度を検出する蓋温度センサ35の検出温度C2も徐々に上昇する。やがて鍋温度センサ26の検出温度C1が沸騰温度の近傍に達し、検出温度C1の勾配が上昇を緩めて所定値以下になると、次の安定行程に移行する。安定行程の初期には一時的に加熱手段25を断電するが、その後所定の入力電力で加熱手段25を連続通電する。このとき保温釜コントローラ1は、蓋温度センサ35の検出温度C2の勾配が上昇を止める点で沸騰完了を検出し、その時の温度を沸騰検出温度C2’として記憶手段6に記憶する。それと共に、この沸騰検出温度C2’のデータを、保温釜コントローラ1の通信手段7から通信バス12を介してデータロガー11の通信手段13に転送する。これによりデータロガー11は、沸騰検出温度C2’のデータを記憶手段14に記憶蓄積する。なお、沸騰検出温度C2’のデータは、炊飯時に保温釜コントローラ1が沸騰完了を検出する毎に定期的に送られる。 【0017】データロガー11の解析手段15は、図4に示すように、記憶手段14に蓄積された各沸騰検出温度C2’のデータと、そのデータが送られた日時との関係をグラフ上にプロットし、沸騰検出温度C2’の経時変化の傾向を判定する。なお、解析手段15によるその判定の詳細については、後程説明する。 【0018】保温釜コントローラ1が沸騰完了を検出すると、一時的に加熱手段25を断電した後、再び所定の入力電力にて加熱手段25を所定時間連続通電して、鍋24内の被調理物Aの沸騰を継続させる。そして、安定行程が終了し、次の炊上げ行程に移行すると、同様に一時的に加熱手段25を断電した後、再び所定の入力電力にて加熱手段25を連続通電する。やがて、鍋4内の被調理物がドライアップ状態となり、鍋温度センサ26の検出温度C1が沸騰点を越えて再び上昇するが、保温釜コントローラ1はこの検出温度C1が所定温度に達した時点で炊上げ完了と判断し、次のむらし行程に移行する。むらし行程では、鍋24内の水分は殆ど無くなっているが、このままの状態で保温を行なうと、鍋24内のご飯がべチャ付いた炊上がりとなる。そこでむらし行程中に、加熱手段25を一時的に通電することで、この余分な水分を追い炊きにより蒸発させる。また、加熱手段25の通電を所定時間停止することで、鍋24内のご飯を余熱でむらし、米の芯まででん粉のアルファ化を進行させる。むらし行程が終了すると、鍋24内のご飯を所定温度に維持する保温に移行する。 【0019】ところで、前記蓋温度センサ35は内蓋33を介して被調理物Aから発生する蒸気の温度を検出するために、若干の熱抵抗を受け、その沸騰検出温度C2’は94℃程度(1気圧の場合)となる。しかし、図5に示すように、内蓋33の上面と蓋温度センサ35との間におねばやご飯粒などの異物Dが挟まった場合は、熱抵抗がさらに大きくなり、沸騰検出温度C2’は通常よりも低くなる。一方、内蓋33と蒸気口34は正常時には密接しており、被調理物からの蒸気Sを速やかに保温釜の外部に排出する。しかし、ここに隙間があると、被調理物Aからの蒸気S’の一部が侵入して、これが蓋温度センサ35に直接達するため、沸騰検出温度C2’は通常よりも上昇して100℃近く(1気圧の場合)になる。 【0020】次に、解析手段15による判定の詳細を説明する。沸騰完了時における蓋温度センサ35の沸騰検出温度C2’は、正常時において中心値に対し±2℃以内に収まることが実験的に分かっている。そこで解析手段15は、数十日間の沸騰検出温度C2’のデータについて、その最高値と最低値の幅が4℃以内であるならば、蓋温度センサ35が正常であると判定する。 【0021】例えば図4に示すような1気圧での沸騰検出温度C2’の場合、中心値を94℃に設定すれば、その±2℃以内、つまり92℃〜96℃の範囲に沸騰検出温度C2’が継続的に収まっていれば、(a)の正常範囲であると判定する。しかし、この範囲を外れる状態が数日間続いた場合には、蓋温度センサ35に何らかの異常が発生した、若しくは何らかの異常が発生する可能性があると判定する。具体的には、図4の「(b)上昇」に示すように、正常範囲よりも高い状態に沸騰検出温度C2’が数日間続いている場合は、蓋温度センサ35に蒸気S’が直接達していると判定できるし、逆に図4の「(c)下降」に示すように、正常範囲よりも低い状態に沸騰検出温度C2’が数日間続いている場合は、内蓋33と蓋温度センサ35との間に異物Dが挟まっていると判定できる。なお、気候や気圧の変化に基づく沸騰検出温度C2’の変化は短期間であり、そのような短期間の変化については解析手段15で異常と判定しない。これにより、気候や気圧の変化に起因する沸騰検出温度C2’の変動を、誤って異常と誤判定する虞れを一掃できる。 【0022】解析手段15が蓋温度センサ35の異常(または異常が発生する可能性がある)を判定した場合は、異常報知手段16から通信手段13および通信バス12を経由して、メンテナンス業者が保有する情報端末18に、異常の改善依頼を要請するための異常信号が送出される。これによりメンテナンス業者は、異常の発生した保温釜21に対し、迅速な処置を行なうことが可能になる。 【0023】以上のように本実施例においては、温度センサとしての蓋温度センサ35で検出した温度データすなわち情報を転送する通信手段7を備えた保温釜21の制御装置(保温釜コントローラ1)と、通信手段7に接続する記録装置としてのデータロガー11とからなり、データロガー11は、保温釜コントローラ1からの温度データである沸騰検出温度C2’のデータを蓄積する記憶手段14と、この沸騰検出温度C2’のデータの経時変化の傾向を解析して異常を判定する解析手段15と、解析手段15による異常判定時に異常信号を送出する異常報知手段16とを備えて構成される。 【0024】この場合、データロガー11は、蓋温度センサ35が検出する沸騰検出温度C2’のデータを保温釜コントローラ1から受け取って、これを記憶手段14に蓄積する。そして、記憶手段14に蓄積された沸騰検出温度C2’の各データから、解析手段15はその経時変化の傾向を解析して蓋温度センサ35の異常を判定し、異常があれば異常信号としてその旨を異常報知手段16から報知する。このように、データロガー11は沸騰検出温度C2’のデータを長期的に監視し、その経時変化の傾向を解析して異常判定を行なうため、蓋温度センサ35の異常に起因する沸騰検出温度C2’の微妙なずれを確実に捉えることが可能になり、異常報知手段16による適確な異常報知を行なうことが可能になる。 【0025】その他に、本実施例における解析手段15は、沸騰検出温度C2’のデータが一定期間(数日間または数十日間)に渡って継続して正常範囲を外れたときにだけ、異常報知手段16による異常報知を行なうように構成している。このようにすると、例えば気候や気圧の変化に起因する短期的な沸騰検出温度C2’の変動があっても、蓋温度センサ35の異常として誤判定する虞れがない。 【0026】なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例の記録装置であるデータロガー11はインターネット上で展開するサーバを想定しているが、同等の機能を発揮する装置であれば、それ以外のものでも構わない。また、蓋温度センサ35のみならず、鍋温度センサ26についても、例えば異物が挟まった場合の検出温度の低下を、データロガー11により長期的に監視することができる。さらに、保温釜以外の各種調理器に適用することも可能である。 【0027】 【発明の効果】本発明における調理器の異常検出装置によれば、情報の微妙なずれを確実に捉えて、適確な異常報知を行なうことが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010168 【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月16日(2001.2.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
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| 【公開番号】 |
特開2002−238754(P2002−238754A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−40865(P2001−40865) |
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