| 【発明の名称】 |
誘導加熱用食器及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿部 和彦
【氏名】中島 廣輝
【氏名】西村 洋
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| 【要約】 |
【課題】食器の高級感や清潔感を保持しながら食材を効率よく加熱できるようにすること、及びその誘導加熱用食器を簡単に製造できるようにする。
【解決手段】陶磁器製の食器本体1の底内部に空洞3を設け、空洞3内にステンレス板2を配置する。そして、空洞3の壁面とステンレス板2との間にクッション層として溶融ガラス体4を介在させた。製造は、食器の形状に成形した成形粘土の底の内部に、グラスウール6等の多孔質布状体を周囲に巻いたステンレス板2を埋め込んで焼成して行なう。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 陶磁器製の食器本体と、該食器本体の底の内部に設けた空洞と、該空洞内に配置した金属板とを具えたことを特徴とする誘導加熱用食器。 【請求項2】 前記空洞の壁面と金属板との間にクッション層を介在させたことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱用食器。 【請求項3】 前記クッション層として耐火性緩衝材を用いたことを特徴とする請求項2記載の誘導加熱用食器。 【請求項4】 前記耐火性緩衝材がセラミックファイバであることを特徴とする請求項3記載の誘導加熱用食器。 【請求項5】 前記耐火性緩衝材がセラミックシートであることを特徴とする請求項3記載の誘導加熱用食器。 【請求項6】 食器の形状に成形した粘土の底の内部に、多孔質布状体を周囲に巻いた金属板を埋め込んで焼成することを特徴とする誘導加熱用食器の製造方法。 【請求項7】 前記多孔質布状体がグラスウールであることを特徴とする請求項6記載の誘導加熱用食器の製造方法。 【請求項8】 前記多孔質布状体が石膏含浸布であることを特徴とする請求項6記載の誘導加熱用食器の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高周波誘導加熱により食材を加熱する際に用いる誘導加熱用食器及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、高周波誘導コイルにより金属製鍋に渦電流を発生させることにより鍋を加熱し、その熱により鍋の中の食材を調理するようにした高周波誘導加熱装置があるが、最近、食器に金属層を設けることにより食材を食器に入れたまま調理ができるようにすることも検討されている。 【0003】その食器は、例えば、図4に示すように、陶磁器製の食器本体1の内側底面に金属膜15を塗布しその上に釉薬層16を施して焼き付けたものである。この食器の中に食材を入れて高周波誘導加熱装置にセットすると、金属膜15が加熱され、その熱で食材を加熱する。このような食器を用いれば食材が金属膜15から直接熱を受けて効率よく加熱される。 【0004】また、図5に示すように、陶磁器製の食器本体1の外側底面に金属ペースト焼付層17を形成した誘導加熱用食器も考えられている。この食器の中に食材を入れて高周波誘導加熱装置にセットすると、金属ペースト焼付層17が加熱され、その熱が食器本体1を通して伝わって、食材が加熱される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に示されるような誘導加熱用食器では、内側底面に金属膜15を塗布しているため、金属膜15が直接見えてしまい、食器の高級感や清潔感が損なわれるという問題点があった。 【0006】また、図5に示されるような誘導加熱用食器では、金属ペースト焼付層17の熱が食器本体1を通して食材に伝わるため、加熱の効率が悪い上、金属ペースト焼付層17が熱で変色するという問題点があった。 【0007】本発明は、そのような問題点を解決すること、すなわち、食器の高級感や清潔感を保持しながら食材を効率よく加熱できるようにすること、及びその誘導加熱用食器を簡単に製造できるようにすることを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、請求項1に記載の誘導加熱用食器は、陶磁器製の食器本体と、該食器本体の底の内部に設けた空洞と、該空洞内に配置した金属板とを具えたことを特徴とする。このようにすると、食器の高級感や清潔感を保持しながら食材を効率よく加熱できる。 【0009】また、請求項2に記載の誘導加熱用食器は、前記空洞の壁面と金属板との間にクッション層を介在させたことを特徴とする。このようにすると、加熱時に金属板が振動して騒音を発するのを防止することができる。 【0010】また、請求項3に記載の誘導加熱用食器は、前記クッション層として耐火性緩衝材を用いたことを特徴とする。このようにすれば、食器製造時の焼成の熱を受けてもクッション層が溶融せずに良好な緩衝効果を発揮する。 【0011】また、請求項4に記載の誘導加熱用食器は、前記耐火性緩衝材がセラミックファイバであることを特徴とする。このようにすると、良好な緩衝効果が得られる。 【0012】また、請求項5に記載の誘導加熱用食器は、前記耐火性緩衝材がセラミックシートであることを特徴とする。このようにしても、良好な緩衝効果が得られる。 【0013】また、請求項6に記載の誘導加熱用食器の製造方法は、食器の形状に成形した粘土の底の内部に、多孔質布状体を周囲に巻いた金属板を埋め込んで焼成することを特徴とする。このようにすると、請求項1又は2に記載の誘導加熱用食器を簡単に製造することができる。 【0014】また、請求項7に記載の誘導加熱用食器の製造方法は、前記多孔質布状体がグラスウールであることを特徴とする。このようにすると、食器本体の底の内部に適度の平板状の空洞ができるとともに、空洞の壁面と金属板との間に適度のクッション層ができる。 【0015】また、請求項8に記載の誘導加熱用食器の製造方法は、前記多孔質布状体が石膏含浸布であることを特徴とする。このようにしても、食器本体の底の内部に適度の平板状の空洞ができるとともに、空洞の壁面と金属板との間に適度のクッション層ができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の誘導加熱用食器の断面図である。図1において、1は食器本体、2はステンレス板、3は空洞、4は溶融ガラス体である。 【0017】本発明の誘導加熱用食器では、陶磁器製の食器本体1の底内部に空洞3を形成し、その中に金属板、例えば、ステンレス板2を収納し、かつ、空洞3の壁面とステンレス板2との間にクッション層として溶融ガラス体4を介在させている。ステンレス板2を食器本体1の底内部に収納させたため、食器本体1の外観は、通常の陶磁器製食器と変わりなく高級感や清潔感を保持できる。また、ステンレス板2を食器本体1の底内部に収納したため、発熱源となるステンレス板2と食器内の食材との間の距離は小さくなり、ステンレス板2から食材への熱伝導がよくなって、加熱効率を高くできる。 【0018】ただ、ステンレス板2を食器本体1の底内部に直接埋め込むと、両者の熱膨張率の差により、加熱時に食器本体1にクラックが発生してしまう。そこで、ステンレス板2と食器本体1との間に隙間ができるようにした。すなわち、食器本体1の底内部に空洞3が形成されるようにし、その中にステンレス板2を収納するようにした。 【0019】その際に問題となるのは、加熱時にステンレス板2が空洞3の中で振動して騒音が発生するという点である。すなわち、加熱装置の高周波誘導コイルでステンレス板2に高周波磁束を与えると、ステンレス板2に高周波振動が発生し、ステンレス板2が空洞3の壁面に当たって大きな振動音が発生するのである。それを防止するため、空洞3の壁面とステンレス板2との間にクッション層として溶融ガラス体4を介在させている。その結果、空洞3の壁面とステンレス板2との間を完全に拘束せずに、加熱時に両者の熱膨張率の差を吸収できるようにしながら、騒音の発生を防止できるようにしている。 【0020】この誘導加熱用食器は、通常の誘導加熱装置のほか、病院の給食の配送及び配膳を行うのに用いる配送・配膳カートに内蔵させた誘導加熱装置でも使用できる。 【0021】次に、そのような誘導加熱用食器の製造方法について説明する。図2に示すように、食器の形状に成形した生素地本体5の底の内部に、グラスウール6を周囲に巻いたステンレス板2を埋め込み、その状態で焼成窯に入れて焼成して誘導加熱用食器を作る。そして、グラスウール6は、焼成中に融けて体積が縮小し、ステンレス板2の周囲には、図1に示したような空洞3が形成されるとともに、空洞3の壁面やステンレス板2の周囲に溶融ガラス体4が付着してクッション層ができる。 【0022】なお、上記実施形態では、グラスウール6を用いたが、グラスウール6以外に、石膏を綿布等に含浸させた石膏含浸布や発泡プラスチック等、焼成時に体積が縮小して残渣が残る多孔質布状体を用いることができる。また、食器本体1の中に入れる金属板としても、ステンレス板2に限定されず、鉄,アルミニウム,銅,銀等を用いることができる。その内、鉄、特に軟鉄は、錆び易いという問題はあるが、その導電性及び磁性により最も効率的に発熱する。 【0023】図3は、他の実施形態を示す図である。この実施形態では、クッション層を形成する材料として、焼成時に体積が縮小して残渣が残る多孔質布状体の代わりに、焼成時に溶融しない耐火性緩衝材を用いている。そのような耐火性緩衝材は、焼成時に体積が縮小しないため上に述べたような方法では、空洞が形成されない。 【0024】そこで、この実施形態では、図3(イ)〜(ニ)に示すように、食器の形状に成形した生素地本体5の底の内側又は外側に、予め平板状の凹陥部7を形成し、その中に、周囲にセラミックファイバ8を軽く巻いたステンレス板2を入れる。そして、開口部を生素地本体5と同じ材料でできた蓋部分9,10,11,13で覆い、生素地本体5と蓋部分9,10,11,13とを完全に密着接合させる。 【0025】さらに、図3(イ),(ロ)のものは、境界部をへらや指を使って境界線が見えなくように加工する。また、図3(ハ),(ニ)のものは、蓋部分11,13の縁部12,14をへらや指で押し潰して、生素地本体5と蓋部分11,13との境界が滑らかになるようにする。その後、900℃以下の温度で素焼きした後、釉薬を施してから1400℃以下の温度で本焼きする。 【0026】その際、生素地本体5は焼成により収縮するため、凹陥部7の大きさも小さくなる。一方、凹陥部7の中のステンレス板2は、焼成時に熱膨張する。そのため、ステンレス板2の大きさは、焼成温度下で熱膨張したときの大きさが、焼成により収縮したときの凹陥部7の大きさより小さくする必要がある。 【0027】なお、上記実施形態では、耐火性緩衝材としてセラミックファイバ8を用いたがそれに限定されず、セラミックシート等、その他の材料を用いることもできる。食器本体1の中に入れる金属板としても、ステンレス板2に限定されず、鉄,アルミニウム,銅,銀等を用いることができる。 【0028】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。すなわち、請求項1に記載の誘導加熱用食器は、陶磁器製の食器本体と、該食器本体の底の内部に設けた空洞と、該空洞内に配置した金属板とを具えたことを特徴とする。このようにすると、食器の高級感や清潔感を保持しながら食材を効率よく加熱できる。 【0029】また、請求項2に記載の誘導加熱用食器は、前記空洞の壁面と金属板との間にクッション層を介在させたことを特徴とする。このようにすると、加熱時に金属板が振動するのを防止することができる。 【0030】また、請求項3に記載の誘導加熱用食器は、前記クッション層として耐火性緩衝材を用いたので、食器製造時の焼成の熱を受けてもクッション層が溶融せずに良好な緩衝効果を発揮する。 【0031】また、請求項4に記載の誘導加熱用食器は、前記耐火性緩衝材をセラミックファイバとしたので、良好な緩衝効果が得られる。 【0032】また、請求項5に記載の誘導加熱用食器は、前記耐火性緩衝材をセラミックシートとしたので、良好な緩衝効果が得られる。 【0033】また、請求項6に記載の誘導加熱用食器の製造方法は、食器の形状に成形した粘土の底の内部に、多孔質布状体を周囲に巻いた金属板を埋め込んで焼成することを特徴とする。このようにすると、請求項1又は2に記載の誘導加熱用食器を簡単に製造することができる。 【0034】また、請求項7に記載の誘導加熱用食器の製造方法は、前記多孔質布状体がグラスウールであることを特徴とする。このようにすると、食器本体の底の内部に適度の平板状の空洞ができるとともに、空洞の壁面と金属板との間に適度のクッション層ができる。 【0035】また、請求項8に記載の誘導加熱用食器の製造方法は、前記多孔質布状体が石膏含浸布であることを特徴とする。このようにしても、食器本体の底の内部に適度の平板状の空洞ができるとともに、空洞の壁面と金属板との間に適度のクッション層ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社 【識別番号】595122969 【氏名又は名称】九州セラミックス工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月16日(2001.2.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100963 【弁理士】 【氏名又は名称】野田 陽男
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| 【公開番号】 |
特開2002−238749(P2002−238749A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−39323(P2001−39323) |
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