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【発明の名称】 フライヤー
【発明者】 【氏名】鈴木 彰

【要約】 【課題】調理コントローラの動作の信頼性向上及び高寿命化を図ることを目的とする。

【解決手段】調理コントローラ18はケーシング21内に納められており、ケーシング21の油槽3側の面には、油槽3からの放熱を断熱するための断熱材22が設けられる。ケーシング21の上面と下面には、上部開口23と下部開口24が設けられ、下部開口24から上部開口23への空気流通経路29の途中に冷却ファン25が設けられる。冷却ファン25を動作させて発生させる開口部間を通って流れる空気の流れによって、調理コントローラ18への油槽3からの放熱に対して冷却及び断熱する。これによって、調理コントローラ18の温度上昇を抑え、動作の信頼性及び寿命の向上を図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理用油を溜めるための油槽と、該調理用油を加熱制御するための加熱制御手段と、設定温度や調理メニュー等の設定を行なうとともに該加熱制御手段に制御信号を送る調理コントローラとを備えたフライヤーユニットを、少なくとも3組以上並設した多油槽フライヤーにおいて、上記各フライヤーユニットの調理コントローラには、それぞれ電子基板の過熱を防止する冷却ファンの接続の有無を検知する接続検知手段と、該冷却ファンを駆動する駆動手段とを備え、上記複数のフライヤーユニットのうち特定のフライヤーユニットの上記調理コントローラにのみ上記冷却ファンを設けることを特徴とするフライヤー。
【請求項2】 上記フライヤーユニットを3組並設し、その中央のフライヤーユニットの調理コントローラにのみ上記冷却ファンを設けることを特徴とする請求項1記載のフライヤー。
【請求項3】 上記調理コントローラは、設定温度や調理メニュー等の操作及び表示を行なう操作表示部を備え、上記接続検知手段により検知した上記冷却ファンの接続の有無を上記操作表示部に表示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフライヤー。
【請求項4】 上記調理コントローラに温度センサを備え、上記温度センサで検知した温度が所定温度以上の時にのみ上記冷却ファンを駆動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフライヤー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の油槽を備えて食材を加熱調理する業務用のフライヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、業務用フライヤーとして、複数の油槽(バット)を備えたものが知られている。例えば、油槽が3つ設けられた3バット式フライヤーを図6,7に示す。このフライヤー1は、3組のフライヤーユニット1a,1b,1cを本体ケース内に並設して一体に設けられる。各フライヤーユニット1a,1b,1cは、調理油(以下、単に油という)を溜めるための油槽3と、油槽3内の油を加熱するための2組のパルス燃焼器4と、調理コントローラ18と、加熱コントローラ19等を備え、基本的には共通した構成である。フライヤー1の制御部は、調理メニューに応じた調理時間や設定温度を操作パネルから設定する調理コントローラ18と、調理コントローラ18で指示される設定温度で油温が維持されるようにパルス燃焼器4の動作を制御する加熱コントローラ19からなる。調理コントローラ18は、使用者が操作しやすい器具正面上部に設置されるが、その位置はフライヤー1の構造上油槽3と隣り合った位置となることから、油槽3からの放熱により熱せられてしまう。そこで調理コントローラ18の過熱による動作不良や寿命低下を防止するため、従来から、油槽3と調理コントローラ18との間に断熱材を設けたり、調理コントローラ18を納めたケーシング内に発生する自然ドラフト力による空気の流れにより冷却及び断熱していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6,7に示す3バット式フライヤーにおいては、両側のフライヤーユニット1a,1cの調理コントローラ18ではさほど問題ないが、中央のフライヤーユニット1bの調理コントローラ18は左右の油槽3からの放熱も受けるため、従来の構成では十分な過熱防止が図れないおそれがあった。本発明のフライヤーは上記課題を解決し、調理コントローラの動作の信頼性向上及び高寿命化を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の請求項1記載のフライヤーは、調理用油を溜めるための油槽と、該調理用油を加熱制御するための加熱制御手段と、設定温度や調理メニュー等の設定を行なうとともに該加熱制御手段に制御信号を送る調理コントローラとを備えたフライヤーユニットを、少なくとも3組以上並設した多油槽フライヤーにおいて、上記各調理コントローラには、それぞれ電子基板の過熱を防止する冷却ファンの接続の有無を検知する接続検知手段と、該冷却ファンを駆動する駆動手段とを備え、上記複数のフライヤーユニットのうち特定のフライヤーユニットの上記調理コントローラにのみ上記冷却ファンを設けることを要旨とする。
【0005】また、本発明の請求項2記載のフライヤーは、上記請求項1記載のフライヤーにおいて、上記フライヤーユニットを3組並設し、その中央のフライヤーユニットの調理コントローラにのみ上記冷却ファンを設けることを要旨とする。
【0006】また、本発明の請求項3記載のフライヤーは、上記請求項1又は請求項2記載のフライヤーにおいて、上記調理コントローラは、設定温度や調理メニュー等の操作及び表示を行なう操作表示部を備え、上記接続検知手段により検知した上記冷却ファンの接続の有無を上記操作表示部に表示することを要旨とする。
【0007】また、本発明の請求項4記載のフライヤーは、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のフライヤーにおいて、上記調理コントローラに温度センサを備え、上記温度センサで検知した温度が所定温度以上の時にのみ上記冷却ファンを駆動させることを要旨とする。
【0008】上記構成を有する本発明の請求項1記載のフライヤーは、調理コントローラによって設定された調理メニューや設定温度等に基づいて、加熱制御手段が油槽内の調理用油を加熱する。調理コントローラは、冷却ファンが接続されていれば、それを接続検知手段によって検知して、駆動手段によって駆動する。このため、過熱防止すべき特定の調理コントローラに冷却ファンを接続するだけで冷却ファンが適正に駆動され、油槽からの放熱に対して冷却及び断熱する。また、ファンの駆動/非駆動の切替を行なうために、ファン接続の有無を調理コントローラ毎に設定したり、冷却ファンを接続する調理コントローラの仕様をファン接続タイプとファン無接続タイプとに分けて製作するといった面倒な設定や管理を不要にできる。
【0009】また、本発明の請求項2記載のフライヤーでは、フライヤーユニットが3組並設されており、その中央のフライヤーユニットの調理コントローラは左右のフライヤーユニットの油槽からの放熱も受けるが、冷却ファンによって冷却及び断熱されるので、それほど高温となることはない。
【0010】また、本発明の請求項3記載のフライヤーでは、接続検知手段によって認識された冷却ファンの有無を調理コントローラに備えられた操作表示部に表示する。
【0011】また、本発明の請求項4記載のフライヤーは、温度センサが検知した調理コントローラの温度に応じて冷却ファンを駆動制御する。すなわち、フライヤーの周囲の環境や使用方法によって調理コントローラの温度は変化するが、この温度が所定値以上になった時にのみ冷却ファンが動作するように制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のフライヤーの好適な一実施形態について図1〜図7を用いて説明する。
【0013】図6は、3バット式フライヤーの正面外観図、図7は、3バット式フライヤーの上面外観図である。尚、本実施形態のフライヤーの正面外観及び上面外観は従来からのフライヤーと同一である。フライヤー1は、油槽を3組備えた3バット式フライヤーであり、3組のフライヤーユニット1a,1b,1cを本体ケース内に並設して一体に設けられる。各フライヤーユニット1a,1b,1cは、油を溜めるための油槽3と、油槽3内の油を加熱するための2組のパルス燃焼器4と、調理コントローラ18と、加熱コントローラ19等を備え、基本的には共通した構成である。以下、中央のフライヤーユニット1bについて説明するが、他のフライヤーユニット1a,1cについてもフライヤーユニット1bと共通の構成を有するためこの説明をもって省略する。
【0014】図2は、中央のフライヤーユニット1bの内部構造を説明するもので、図6,7の一点鎖線A−Aでの切断概略側面図である。フライヤーユニット1bは、本体ケース2内に、食材を揚げるための油が満たされる油槽3と、油槽3内に設けられて油を加熱する加熱手段としてのパルス燃焼器4と、油槽3の油を濾過するためのオイルクリーナー5とを備える。油槽3内には、油の温度を検出する油温度センサ6が設けられている。パルス燃焼器4は、油槽3内に形成された燃焼室7と、油槽3の外部で燃焼室7に繋がる混合室41とを有し、混合室41の周囲には、エアチャンバ8が設けられる。この混合室41には、上流側から元電磁弁9と主電磁弁10、ガスガバナ11を備えて燃焼ガスが供給されるガス管12が接続される。また、エアチャンバ8には、ファン13を備えた給気管14により燃焼用空気を供給可能となっている。更に、燃焼室7には、油槽3内でテールパイプ15が接続され、テールパイプ15は、油槽3の外部でデカプラ16を介して外部に開口する排気管17に接続されている。油槽3の底面は、フライヤーユニット1bの後方から前方に向かって斜め下方に傾斜し、その最下部の側面に、油排出用の排出管39が設けられ、その先端には、排出口40が備え付けられる。オイルクリーナー5は、油槽3から汚れた油を排出口40から落とし込むオイルタンク35と、オイルタンク35の底部やや上方で面状に張られた図示しないオイルフィルタと、オイルフィルタを通過した油を汲み上げて油槽3に戻すオイルポンプ36と、この油を戻すための流路を形成するオイル配管37とからなる。このようなオイルクリーナー5はフライヤーユニット1bのみに設けられており、フライヤーユニット1a,1cで使用され汚れた油も、図示しない排出管を介してこのオイルタンク35に落とし込まれオイルクリーナー5で濾過される。そしてそれぞれの油槽3へは、オイルポンプ36よりも下流部でオイル配管37から分岐されそれぞれのフライヤーユニット1a,1cの油槽3に接続された図示しない戻管を用いて戻される。
【0015】上述したフライヤーユニット1bでは、油槽3に油を満たし、加熱してから食材をバスケット(図示しない)に入れて油槽3内へ沈め調理を行う。油槽3内の油は燃焼室7及びテールパイプ15の外壁の熱により加熱され、食材は、高温の油によって調理される。
【0016】次に、フライヤーユニット1bの制御部について説明する。本体ケース2の前面上部には、調理メニューに応じた調理時間や設定温度を設定する調理コントローラ18がケーシング21内に設けられ、本体ケース2の前面下部には、油温度センサ6から得られる検出温度に応じて、調理コントローラ18で指示される設定温度で油温が維持されるようにパルス燃焼器4の動作を制御する加熱コントローラ19が設けられる。調理コントローラ18は、主要部をマイコンによって構成され、設定温度や調理時間等の表示を行う表示部20と、その操作を行う操作スイッチ38が設けられる。
【0017】調理コントローラ18は、油槽3と隣接しているため、油槽3からの放熱による内部の電子基板28の温度上昇を抑える必要がある。特に、このような3バット式フライヤー1においては、中央の調理コントローラ18は左右のフライヤーユニット1a,1cの油槽3からの放熱も受けるため、温度上昇が激しくなる。このため、中央のフライヤーユニット1bの調理コントローラ18にのみ、油槽3からの放熱に対して冷却及び断熱するための冷却ファン25が設けられる。尚、加熱コントローラ19内部にも電子部品が設けられているが、加熱コントローラ19は油槽3から離れて設けられているため、それほど過熱されることはない。
【0018】次に、調理コントローラ18の冷却機構について、図1,3を用いて説明する。図1は、中央のフライヤーユニット1bの調理コントローラ18を収納したケーシング21を側面から見た断面図であり、図3は、調理コントローラ18を収納したケーシング21を上面から見た断面図である。調理コントローラ18は、その操作・表示パネル面をななめ上向きにしてケーシング21内正面に納められる。ケーシング21の油槽3側の面には、油槽3からの放熱を断熱するための断熱材22が設けられる。ケーシング21の上面と下面には、上部開口23と下部開口24が設けられ、下部開口24から上部開口23への空気流通経路29の途中に冷却ファン25が設けられる。この冷却ファン25が回転すると、自然ドラフト力による下部開口24から上部開口23への空気の流れを加速することができ、さらに冷却及び断熱効果を高めることができる。冷却ファン25は、調理コントローラ18とコネクター26a,26bを介して接続される。調理コントローラ18は、コネクター26a,26bの接続を検知し、接続ありの場合は冷却ファン25への電力を供給すると同時に、接続ありの意味を表すマークを表示部20に表示をする。また、接続ありの時は冷却ファン25の停止検知も行う。一方、左右のフライヤーユニット1a,1cの調理コントローラ18においては、油槽3からの放熱によって電子基板28が熱せられるものの、断熱材22によって断熱したり、ケーシング21内に発生する上向きの自然ドラフト力を利用した下部開口24から上部開口23への空気の流れだけで、十分な冷却効果が得られ、冷却ファン25を必要としない。
【0019】次に、コネクター接続の有無検知方法について図4を用いて説明する。調理コントローラ18とコネクター26aとは、冷却ファン駆動用直流電流用配線30aと停止検知用配線31aとGND用配線32aと接続検知用配線33によって接続されている。また、冷却ファン25(ファンモータ)とコネクター26bとは、冷却ファン駆動用直流電流用配線30bと停止検知用配線31bとGND用配線32bによって接続されており、GND用配線32bには短絡用配線34が接続されている。調理コントローラ18は、接続検知用配線33にHIGHレベルに固定されており、コネクター26aとコネクター26bとの接続により冷却ファン25を接続すると、この接続検知用配線33がGND用配線32bにつながり、LOWレベルになることで冷却ファン25の接続を検知する。
【0020】また、調理コントローラ18の過熱防止にあたって、全ての調理コントローラ18に冷却ファン25を設ける必要はなく、調理コントローラ18は、電源投入時にファン接続の有無を検知し、その状態を表示部20に表示する。図5(a)に接続なし時の調理コントローラ18起動時の表示形態を、図5(b)に接続あり時の調理コントローラ18起動時の表示形態を示す。この図から分かるように、マーク「#」を表示部20の両脇に表示している場合は、冷却ファン25接続がありと認識している。
【0021】また、調理コントローラ18は、その内部に温度センサ27が設けられており、この温度センサ27が60℃以上を検知した時に冷却ファン25が動作するように制御する(60℃以下の時は冷却ファン25を停止)。フライヤー1の周囲の環境や使用方法によって、調理コントローラ18内部の温度が変化するため、例えば、フライヤー1の左右のフライヤーユニット1a,1cを使用しない時、つまり調理コントローラ18内部がそれほど高温にならず、冷却ファン25による冷却が不要な時は上記のようにして運転を止めることによって無駄な電力の消費を防ぐことが出来る。
【0022】以上説明したフライヤー1によれば、中央のフライヤーユニット1bに備えられる冷却ファン25により、高温となりやすい調理コントローラ18を冷却して、その温度上昇を抑えるため、動作の信頼性や寿命の向上を図ることができる。
【0023】また、調理コントローラ18が自動的にコネクター26a,26bの接続、すなわち冷却ファン25の接続の有無を検知するため、調理コントローラ毎に冷却ファンの有無を設定したり、冷却ファンを接続する調理コントローラを接続しないものと分けて製作する必要がなくなり、面倒な管理や設定を不要に出来る。また、冷却ファン25の接続の有無を調理コントローラ18の起動時に表示部20に表示するため、工場出荷時に冷却ファン25の組み付け忘れをチェックすることが容易になる。また、冷却ファン25による冷却が必要ない時には、冷却ファン25は駆動されないため、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【0024】以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施形態では、3バット式フライヤーの中央ユニットの調理コントローラ18に冷却ファン25を設けたが、4バット式フライヤーや5バット式フライヤーなどの複数のフライヤーユニットから構成されるフライヤーにおいて、左右を別のフライヤーユニットによって挟まれた調理コントローラに冷却ファンを設けても構わない。また、本実施形態では、パルス燃焼方式のフライヤーを例に挙げたが、加熱方式の種類を限定するものではなく、例えば、セラミックプレートバーナにより油槽を外側から加熱するタイプのフライヤーでも勿論良い。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1記載のフライヤーによれば、油槽からの放熱によって高温となることが予想される特定の調理コントローラに設けられた冷却ファンによって、その特定の調理コントローラを冷却するため、調理コントローラの動作の信頼性及び寿命の向上を図ることができる。また、調理コントローラが冷却ファンの接続を自動的に認識するので、生産現場における面倒な管理や設定を不要にできる。このため、フライヤー製造のコストを抑えることができる。
【0026】更に、本発明の請求項2記載のフライヤーによれば、3バット式フライヤーでは、中央のフライヤーユニットの調理コントローラは、左右の調理コントローラに比べてかなりの高温となってしまうが、冷却ファンによって冷却されるため、動作の信頼性及び寿命の向上を図ることができる。
【0027】更に、本発明の請求項3記載のフライヤーによれば、冷却ファンの接続の有無を操作表示部に表示することによって、工場出荷時の冷却ファンの組み付け忘れを容易に防止することができる。
【0028】更に、本発明の請求項4記載のフライヤーによれば、調理コントローラ内部の温度に応じて冷却ファンを駆動制御するため、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
【出願人】 【識別番号】000112015
【氏名又は名称】パロマ工業株式会社
【出願日】 平成13年2月2日(2001.2.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−223953(P2002−223953A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−26902(P2001−26902)