トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 電気貯湯容器
【発明者】 【氏名】坂下 慎一

【要約】 【課題】保温時の消費電力を可及的に低減できるようにする。

【解決手段】内容器を加熱する保温加熱手段と、内容器内の湯の湯温を検出する湯温検出手段と、該湯温検出手段によって検出される内容器内の湯温が所定温度範囲内となるように保温加熱手段をON,OFF制御する保温制御手段とを備えてなる電気貯湯容器であって、保温時の消費電力を低減するための消費電力切替手段を設け、この消費電力切替手段が操作されている保温状態下において、上記湯温検出手段によって検出された内容器内の湯の湯温が、上記所定温度範囲の上限値以上の温度である時は、当該湯温が上記所定温度範囲の下限値と推定される値に低下するまで上記保温加熱手段をOFFにするとともに上記湯温検出手段をOFFにして、上記保温制御手段への湯温検出データの取り込みを停止するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内容器を加熱する保温加熱手段と、内容器内の湯の湯温を検出する湯温検出手段と、該湯温検出手段によって検出される内容器内の湯温が所定温度範囲内となるように保温加熱手段をON,OFF制御する保温制御手段とを備えてなる電気貯湯容器であって、保温時の消費電力を低減するための消費電力切替手段を設け、この消費電力切替手段が操作されている保温状態下において、上記湯温検出手段によって検出された内容器内の湯の湯温が、上記所定温度範囲の上限値以上の温度である時は、当該湯温が上記所定温度範囲の下限値と推定される値に低下するまで上記保温加熱手段をOFFにするとともに上記湯温検出手段をOFFにして、上記保温制御手段への湯温検出データの取り込みを停止するようにしたことを特徴とする電気貯湯容器。
【請求項2】 上記保温加熱手段および湯温検出手段のOFF時における湯温が、上記所定温度範囲の下限値まで低下したことの検出は、当該電気貯湯容器自体の湯温低下特性に基いて予じめ設定されている上記保温加熱手段をOFFにしてから上記下限値に低下するまでの所要経過時間によってなされるようになっていることを特徴とする請求項1記載の電気貯湯容器。
【請求項3】 上記保温加熱手段および湯温検出手段のOFF時における湯温が、上記所定温度範囲の下限値まで低下したことの検出は、上記保温ヒータがOFFされた後に同OFF時の温度から所定の基準温度まで低下する湯温の低下特性から当該電気貯湯容器自体の湯温低下特性を推定し、同推定された湯温低下特性に基いて決定される上記所定の基準温度から上記下限値に低下するまでの所要経過時間によってなされるようになっていることを特徴とする請求項1記載の電気貯湯容器。
【請求項4】 上記所定温度範囲の下限値を、通常想定されるユーザーの使用可能な温度レベルの範囲内で、低く設定してあることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気貯湯容器。
【請求項5】 通常想定されるユーザーの使用可能な温度レベルの範囲内は、お茶、コーヒー等のための70℃〜95℃の範囲内であることを特徴とする請求項4記載の電気貯湯容器。
【請求項6】 上記内容器を断熱構造のものとして保温性能を向上させたことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の電気貯湯容器。
【請求項7】 上記消費電力切替手段が操作されている保温状態下において、上記保温ヒータOFF後の時間の経過に基いて湯温の低下を減算して表示するようにしたことを特徴とする請求項2,3,4,5又は6記載の電気貯湯容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、低消費電力での保温を可能とした電気貯湯容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電気貯湯容器は、保温加熱手段(通常保温ヒータ)を備えており、同保温加熱手段を、例えば図11に示すように目標とする設定保温温度98℃を中心とする所定制御温度幅(T1℃〜T2℃)の範囲でON,OFFすることにより、平均して所望の設定保温温度98℃に保持するようになっている。したがって、電気貯湯容器は、必要な時に必要な温度(98℃)の湯を得ることができるという点で、非常に便利である。
【0003】しかし、上記保温加熱手段は、当然ながら略常時通電状態に保持されるから、保温時間が長くなると、その消費電力量(電気代)が馬鹿にならない。
【0004】このような事情から、最近では、内容器自体を断熱機能が高い真空二重構造にして保温性能を向上させたり、またタイマーを使用して外出時や夜間には、所定時間内保温加熱手段への通電を断ち、保温温度そのものを通常時より低くして保温し、湯温が所定値よりも低くなるか、又は設定時間が経過すると、再び通電を開始して元の高い保温温度で保温するようにしたものが提供されるようになっている。
【0005】また、光節電スイッチを設けて、室内が暗くなると、自動的に保温加熱手段への通電を断って通常より低い温度状態で保温し、明るくなるか、又は所定温度以下に湯温が低下すると、再び通電を開始して通常の温度状態に戻すといったものもある。
【0006】また、このような保温状態において、その時の実際の湯温を表示部に表示するようにしたものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の従来例は、その何れのものも上記湯温制御又は湯温表示のために、常に底センサ等の湯温検出手段に通電して置き、その湯温検知データを常時マイコン側保温制御手段に取り込んで湯温を監視するようにしている。
【0008】ところが、この底センサ等の湯温検出手段は、例えば図10の符号12に示すように、一般にサーミスタ等の高抵抗体よりなっている。したがって、それに常時一定の電圧(+5V程度)を印加して置くということは、そこでの消費電力も大きい。
【0009】また、同サーミスタ部分で検出された湯温検知データをマイコン側に一定の周期で常時取り込むとすると、それだけマイコン側のデータ取込回数も多くなり、それだけ余分な駆動電力を必要とする。
【0010】これらの問題は、特に当該電気貯湯容器を上述した真空2重構造の内容器タイプのものとして保温性能を向上させる一方、ベローズ等の手動給湯手段を設けてAC電源がない非通電状態においても給湯できるようにし、さらに、それに対応してバックアップ電源を設けて、当該AC電源のない非通電状態においても内容器内の湯温を表示できるようにしたものの場合に問題となる。
【0011】本願発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、保温時における保温加熱手段のOFF時間を長くするとともに、同OFF時間内においては上記湯温検出手段をもOFFにして保温制御手段側に湯温検出データを取り込まないようにすることによって、上述のような消費電力を可及的に小さくするようにした電気貯湯容器を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0013】(1) 請求項1の発明この発明の電気貯湯容器は、内容器を加熱する保温加熱手段と、内容器内の湯の湯温を検出する湯温検出手段と、該湯温検出手段によって検出される内容器内の湯温が所定温度範囲内となるように保温加熱手段をON,OFF制御する保温制御手段とを備えてなる電気貯湯容器であって、保温時の消費電力を低減するための消費電力切替手段を設け、この消費電力切替手段が操作されている保温状態下において、上記湯温検出手段によって検出された内容器内の湯の湯温が、上記所定温度範囲の上限値以上の温度である時は、当該湯温が上記所定温度範囲の下限値と推定される値に低下するまで上記保温加熱手段をOFFにするとともに上記湯温検出手段をOFFにして、上記保温制御手段への湯温検出データの取り込みを停止するようにしたことを特徴としている。
【0014】したがって、該構成では、上記消費電力切替手段が操作されている省エネモードでの保温状態下においては、その時の実際の湯温が制御温度幅である所定温度範囲の上限値以上にあることを条件に保温ヒータをOFFにし、当該湯温が上記所定温度範囲の下限値と推定される値に低下するまでの間は同OFF状態を維持することにより、目標とする保温温度の平均値を低くし、保温ヒータへの通電時間を短縮することによる消費電力の節減と、それに併せて、さらに底センサ等の湯温検出手段をもOFFにし、マイコン側保温制御手段への湯温検出データの取り込みを停止することによる消費電力の節減との2つの節電方法による有効な消費電力の節減が実現され、電気貯湯容器全体として、より効果的な消費電力の節減が可能となる。
【0015】(2) 請求項2の発明この発明の電気貯湯容器は、上記請求項1の発明の構成において、上記保温加熱手段および湯温検出手段のOFF時における湯温が、上記所定温度範囲の下限値まで低下したことの検出は、当該電気貯湯容器自体の湯温低下特性に基いて予じめ設定されている上記保温加熱手段をOFFにしてから上記下限値に低下するまでの所要経過時間によってなされるようになっていることを特徴としている。
【0016】したがって、該構成では、上述のように湯温検出手段をOFFにし、マイコン側保温制御手段への湯温検知データの取り込みを停止したとしても、実質的に目標とする湯温(下限値)の検知を行うことが可能となり、任意に設定された所定温度範囲内での適切な保温制御を行うことができる。
【0017】(3) 請求項3の発明この発明の電気貯湯容器は、上記請求項1の発明の構成において、上記保温加熱手段および湯温検出手段のOFF時における湯温が、上記所定温度範囲の下限値まで低下したことの検出は、上記保温ヒータがOFFされた後に同OFF時の温度から所定の基準温度まで低下する湯温の低下特性から当該電気貯湯容器自体の湯温低下特性を推定し、同推定された湯温低下特性に基いて決定される上記所定の基準温度から上記下限値に低下するまでの所要経過時間によってなされるようになっていることを特徴としている。
【0018】したがって、該構成では、上述のように湯温検出手段をOFFにし、マイコン側保温制御手段への湯温検知データの取り込みを停止したとしても、実質的に目標とする湯温(下限値)の検知を行うことが可能となり、任意に設定された所定温度範囲内での適切な保温制御を行うことができる。
【0019】(4) 請求項4の発明この発明の電気貯湯容器は、上記請求項1,2又は3の発明の構成において、上記所定温度範囲の下限値を、通常想定されるユーザーの使用可能な温度レベルの範囲内で、低く設定してあることを特徴としている。
【0020】このように保温時における制御温度幅の下限値をユーザーの使用可能な温度レベルの範囲内で下げると、その分だけ保温加熱手段のOFF時間を長くすることができ、上記湯温検出手段のOFF時間も長くすることができるので、さらに消費電力を低減することができるようになる。
【0021】(5) 請求項5の発明この発明の電気貯湯容器は、上記請求項4の発明の構成において、通常想定されるユーザーの使用可能な温度レベルの範囲内は、お茶、コーヒー等のための70℃〜95℃の範囲内であることを特徴としている。
【0022】したがって、該構成では、お茶、コーヒー等のための70℃〜95℃の範囲内において、上述の各省エネ保温制御がなされる。
【0023】(6) 請求項6の発明この発明の電気貯湯容器は、上記請求項1,2,3,4又は5の発明の構成において、上記内容器を断熱構造のものとして保温性能を向上させたことを特徴としている。
【0024】このような構成によると、保温性能が大きく向上し、湯温の低下特性が緩慢になるので、上記保温ヒータ、湯温検出手段各々のOFF時間を十分に長くすることができ、さらに有効に消費電力を低減することが可能となる。
【0025】(7) 請求項7の発明この発明の電気貯湯容器は、上記請求項1,2,3,4,5又は6の発明の構成において、上記消費電力切替手段が操作されている保温状態下において、上記保温ヒータOFF後の時間の経過に基いて湯温の低下を減算して表示するようにしたことを特徴としている。
【0026】したがって、該構成では、消費電力切替手段が操作されている省エネモードでの保温状態下にあっては、上記保温ヒータOFF後の時間の経過に基いて湯温の低下を減算して湯温が表示される。
【0027】そのため、湯温センサ等の湯温検出手段がOFFでも湯温の表示が可能となり、便利になるとともに電力消費量も節約される。
【0028】
【発明の効果】以上の結果、本願発明によると、可及的に保温時の省エネ効果が高い電気貯湯容器を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の電気貯湯容器の幾つかの実施の形態の構成と作用について説明する。
【0030】(各実施の形態に共通な電気貯湯容器本体部の構成)図1ないし図5には、後に述べる本願発明の各実施の形態に共通な電気貯湯容器本体部分の構成が示されている。
【0031】この電気貯湯容器は、先ず図1および図2に示すように、貯湯用の内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1の上部側開口部を開閉する蓋体2と、前記内容器3を湯沸し時において加熱する第1の加熱手段である湯沸しヒータ4Aと、前記内容器3を保温時において加熱する第2の加熱手段である保温ヒータ4Bと、前記内容器3内の湯を外部へ給湯するための給湯通路5と、AC電源が接続されている状態において前記給湯通路5を介して内容器3内の湯を外部に送り出す電動給湯ポンプ6と、AC電源が接続されていない状態において前記給湯通路5を介して内容器3内の湯を外部に送り出す手動式のエアーポンプ18とを備えて構成されている。
【0032】前記容器本体1は、外側面部を構成する合成樹脂製の筒状の外ケース7と、内側面部を構成する前記内容器3と、前記外ケース7と内容器3とを上部側で一体に結合固定する合成樹脂製の環状の肩部材8と、底面部を構成する合成樹脂製の皿状の底部材9とからなっている。
【0033】前記内容器3は、ステンレス製の有底円筒形状の内筒10と同じくステンレス製の円筒形状の外筒11との間に真空断熱空間を設けた保温性能の高い真空二重構造体からなっており、その底部には、外周部を除いて前記内筒10の底面部のみにより構成された1枚板部3aが形成されている。該1枚板部3aは若干上方に高く突出して成形されていて、その下面側には、前記湯沸しヒータ4Aと保温ヒータ4B(例えば雲母板にワット数の異なる2組の発熱体を保持させたマイカヒータよりなる)が取り付けられている。前記内容器3の上端部には、前記内筒10側の上端部を中心軸方向に向けて絞り加工したヒートキープ構造の小径の給水口3bが形成されている。また符号12は、前記内容器3の温度(換言すれば、内容器3内の湯の温度)を検出する湯温検出手段として作用する底センサ(湯温センサ)であり、前述した図10の従来のものと同様にサーミスタよりなっている。
【0034】該底センサ12は、後述するように消費電力切替手段である消費電力切替スイッチ70がON操作されている省エネ保温モード下において少なくとも保温ヒータ4BがOFFされている時、また同状態であって湯温Tが所定温度T3℃よりも低くなった時は、OFFされる。そして、該底センサ12のOFF時における湯温は、後述するように所定の制御温度幅T1℃〜T2℃の範囲内での所定温度時点(T1℃又はT3℃)から下限側の所定温度値T2℃まで低下するのに要する時間(t又はtb)の経過に基き、当初の湯温値(T1℃又はT3℃)を減算しながら後述する液晶表示部47の湯温表示部47aに表示するようになっている。
【0035】したがって、該場合の湯温値Tの表示には、上記底センサ12を必要とせず、上記底センサ12による電力の消費もない。
【0036】もちろん、上記保温ヒータ4BがONで底センサ12もONの時には、当該底センサ12の湯温検知データに基いて湯温Tが表示される。
【0037】さらに、符号13は前記内容器3の満水位を表示する凸状の満水位表示部である。
【0038】前記蓋体2は、合成樹脂製の上板14と該上板14に対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板15とからなっており、前記肩部材8の後部に設けられたヒンジ受け16に対してヒンジピン17を介して上下方向に開閉自在且つ着脱自在に支持されている。
【0039】また、この蓋体2には、AC電源が接続されていない状態でも前記給湯通路5を介して外部への給湯が可能なように、手動操作により駆動されるエアーポンプ18が配設されている。該エアーポンプ18は、前記蓋体2の略中央部に形成された円筒部19内に配設されたベローズタイプのものとされており、押圧カバー20Aと押圧板20Bを介して蛇腹構造のベローズ20Cを下方に押圧操作することにより、ベローズ20C内の加圧空気20Dが空気吹込口を介して内容器3内に吹き込まれ、該加圧空気の吹き込み圧力によって内容器3内のお湯が給湯通路5を介して外部へ押し出されるようになっている。また、20Eはベローズ20Cの上方への復元バネ、15Aは下板15側のベローズ支持板である。なお、符号21a〜21dは、下方から上方に向けて相当に連通した蓋体2の蒸気排出通路、22は同蒸気排出通路21a〜21dの蒸気導出部21a側途中に配設された転倒止水弁である。
【0040】前記蓋体2における下板15の下面には、金属製の内カバー部材23が固定されており、該内カバー部材23の外周縁には、前記蓋体2の閉蓋時において前記内容器3の給水口3bの上面に圧接される耐熱ラバー製のシールパッキン24が設けられている。
【0041】前記給湯通路5の上流端側である前記内容器3の下部位置には、内容器3側湯導入筒6a、給湯ポンプ側湯吸入口6bを介して電動給湯ポンプ6が配設されており、この給湯通路5においては上記湯導入筒6aを介して湯吸入口6bより吸入された湯が当該電動給湯ポンプ6の作用により、その吐出口6cから吐出され、同給湯通路5の直管部5aを経て外部への注出口5cに導かれる。また、必要に応じ前記給湯通路5の前記内容器3における満水位表示部13よりも下方位置となる直管部5a部分には、該給湯通路5を通るお湯の流量を測定するための流量センサーが設けられる。
【0042】さらに図1および図2、図3において、符号35は、後述する各種スイッチ類の操作面や液晶表示部の表示面を備えた操作パネル部、51は、マイコンユニット60や各種スイッチ類38〜41,70、液晶表示装置(駆動部)等を備えたマイコン基板、51aは、マイコン基板51の支持部材、50は、前記電動給湯ポンプ6や湯沸しヒータ4A、保温ヒータ4Bの駆動回路54,55,56、安定化電源回路57等を備えた電源基板である。
【0043】前記操作パネル部35には、例えば図2〜図5に示すように、給湯スイッチ38、給湯ロック解除スイッチ39、再沸騰スイッチ40、保温選択スイッチ41、消費電力切替スイッチ70、再沸騰表示用LED44、保温選択表示用LED45、給湯ロック解除表示用LED46、液晶表示部47が設けられている。
【0044】前記液晶表示部47には、時刻/時間/湯温/作動状態等兼用表示部47a、保温設定温度表示部47b、まほうびん保温表示部47cおよび省エネモード表示部47d等が設けられており、各種の便利な情報表示がなされるようになっている。
【0045】次に図3は、上記構成の電気貯湯容器本体における制御回路部の構成を示すブロック図であり、上述した電源基板50側の電源スイッチSW、トライアック53、トライアック駆動回路54、リレー駆動回路55、インタラプト回路(IRQ回路)56、安定化電源回路57、給湯回路58等を、それぞれマイコン基板51側のマイコンユニット60に接続して構成されている。また、電源基板50側には、AC電源52が電源プラグおよびソケット部を介して、また湯沸しヒータ4Aが電源スイッチSWを介して、また保温ヒータ4Bが電源コネクタC1を介して、また電動給湯ポンプ6がコネクタC2を介して、さらに底センサ12がコネクタC3を介して、各々対応する部分に接続されている。また、マイコン基板51上のマイコンユニット60には、さらに液晶表示部47、再沸騰表示用LED44、保温選択表示用LED45、給湯ロック解除表示用LED46、給湯スイッチ38、再沸騰スイッチ40、保温選択スイッチ41、給湯ロック解除スイッチ39、消費電力切替スイッチ70、圧電ブザー61、発振回路62、リセット回路63等が、各々接続されている。
【0046】(変形例)なお、以上の消費電力切替スイッチ70は、例えば保温中には使用しない既設のスイッチ(例えば再沸騰スイッチ40)を兼用させても良い。
【0047】また省エネモードのリセットは、上記消費電力切替スイッチ70を再度プッシュする場合の他に、給湯ロック解除スイッチ39をON操作するように兼用させてもよい。
【0048】以下、以上のような構成の電気貯湯容器を前提として実施される保温時の各種省エネ制御の内容について詳細に説明する。
【0049】(実施の形態1)先ず、図6のフローチャートおよび図7のタイムチャートは、本願発明の実施の形態1に係る電気貯湯容器の保温時における省エネ制御システムの内容を示している。
【0050】この制御システムの特徴は、上述の消費電力切替スイッチ70がON操作されている状態で湯沸し並びにカルキ抜きが終って保温モードに移行した最初からの省エネ保温モード状態の場合および既に移行している保温モードの途中において上述の消費電力切替スイッチ70がON操作された途中からの省エネ保温モード状態の場合の各場合において、前述した目標とする保温温度幅(T1℃〜T2℃)の下限値T2℃を、通常想定されるユーザー側の使用可能な湯温の範囲内において前述の図11の従来例の場合よりも低く設定(92℃)することによって、保温中における保温ヒータ4BのトータルのOFF時間を可能な限り長くするとともに、当該保温ヒータ4BのOFF時間(OFF期間)中においては上述した湯温検出用の底センサ(サーミスタ)12への印加電圧をOFFにしてマイコンユニット60側への温度検知データの取り込みを停止することによって、底センサ12およびマイコン60の温度検出回路部分での電力消費をなくすようにして、それぞれ有効かつ十分に保温時における消費電力を節減するようにしたことを特徴とするものである。そして、その場合、一旦OFFにした上記保温ヒータ4BをONにする上記下限値T2℃への湯温の低下の検出は、予じめ当該電気貯湯容器自体の保温特性からくる湯温の時間的な低下特性(或る温度から或る温度まで低下するのに何れ位の時間がかかるか)に対応して設定されている設定経過時間によって特定されるようになっている。
【0051】すなわち、該制御では、図6のフローチャートのステップS1に示すように、同制御が開始されると、先ず最初に現在の制御モードが保温モードであるか否かが判定される。そして、その結果、NOの保温モードでない制御モード(例えば湯沸しモード)の場合には、保温モードになるまで同保温モードの判定を繰り返す。
【0052】一方、同保温モードの判定で、YES(保温モード)と判定されると、次にステップS2に進んで、現在の湯温が、例えば図7のタイムチャートに示す当該省エネ制御における湯温制御幅(T1℃〜T2℃)の上限値T1℃(例えばT1℃=99℃)以上であるか否かを判定する。その結果、NOの現在の湯温Tが上限値T1℃(99℃)よりも低いときには、ステップS3に進んで上記保温ヒータ4BをONにした後リターンして以上の動作を繰り返し、上記保温モードがリセットされて保温が終了されない限り上記保温ヒータ4Bを加熱駆動して上記内容器3内の湯温Tが上記湯温制御幅の上限値T1℃(99℃)以上になるまで上げる。他方、YESの現在の湯温Tが上記上限値T1℃(99℃)以上の状態にある場合(図7のtoの状態)には、次のステップS4で上記保温ヒータ4BをOFFにする。
【0053】この結果、今例えば現在の湯温Tが図7のto時のように99℃以上あったとすると、当該保温ヒータ4BのOFFにより、例えば図7の特性に示すように、内容器3内の湯温Tは当該電気貯湯容器の製品構造等保温特性によって特定される所定の経過時間tを経て徐々に上記下限値T2℃(92℃)まで低下して行く。この経過時間tは、当該製品毎に予じめ実験によってマイコンユニット60のメモリ中に固定的に設定されている。
【0054】また、同保温ヒータ4BのOFFとともにステップS5で上述の底センサ12も同時にOFFにし、上記マイコンユニット60への温度検知データの取り込みを停止する。
【0055】この結果、上記保温ヒータ4BのOFFと合わせて湯温検出に伴う消費電力が低減される。
【0056】一方、該保温ヒータ4B、底センサ12のOFFに同期して次のステップS6で、上記所定の時間tをカウントするためのタイマーのカウント動作をスタートさせる。そして、同タイマーのカウント値を基に続くステップS7で、実質的に現在の湯温Tが図示の下限値T2℃(92℃)まで低下したか否かを示す上記所要時間tが経過したか否かの判定を行う。同判定では、その判定結果がYESとなるまで何回か判定し、YESになった時点でステップS8に進み、上記保温ヒータ4Bを再びONにするとともにステップS9で上記底センサ12をONに戻し、マイコンユニット60への温度検知データの取り込みを再開して、内容器3内の湯温Tの変化を監視しながら上記湯温制御幅の上限値T1℃以上となるまでの保温加熱を実行する。
【0057】つまり、該構成では、上記湯温制御幅の上限値T1℃から同下限値T2℃までの間において、上限値T1℃で保温ヒータ4BをOFFした時に湯温Tが下限値T2℃まで低下するに必要な所要時間tの経過を判定し、同時間tが経過、つまり内容器3内の湯温Tが同上限値T1℃から下限値T2℃まで低下して、同下限値T2℃(92℃)よりも低くなりそうになると、再び上記保温ヒータ4BをONにするとともに底センサ12をONにすることによって湯温Tを監視しながらの通常の保温加熱制御を実行し、内容器3内の湯温Tを図7の湯温制御幅上限値T1℃(99℃)以上まで上げるようにしている。
【0058】そして、以後少なくとも省エネモード下での保温状態においては、上述と同様の制御を繰り返すことにより、結果として、目標とする保温温度の平均値を低くし、保温ヒータ4Bへの通電時間を短縮することによる消費電力の節減と、それに併せて底センサ12のサーミスタ部をOFFにし、マイコンユニット60への温度データの取り込みを停止することによる消費電力の節減との2つの節電方法による有効な消費電力の節減により、電気貯湯容器全体として、より効果的な消費電力の節減を可能としている。
【0059】特に後者の電源OFFに伴う底センサ12のOFF、マイコン60への温度検知データの取込停止による消費電力の節減は、例えば電源プラグが抜かれた給湯装置停電状態において、例えばバックアップ電源の設置により、上述の液晶表示部47に対して図5のような水温表示を行えるように構成した製品の場合の省エネにも有効となる。
【0060】(実施の形態2)次に、図8のフローチャートおよび図9のタイムチャートは、本願発明の実施の形態2に係る電気貯湯容器の保温時における省エネ制御システムの内容を示している。
【0061】この制御システムの特徴は、上述の消費電力切替スイッチ70がON操作されている状態で湯沸し並びにカルキ抜きが終って保温モードに移行した最初からの省エネ保温モード状態の場合および既に移行している保温モードの途中において上述の消費電力切替スイッチ70がON操作された途中からの省エネ保温モード状態の場合の各場合において、前述した目標とする湯温制御幅(T1℃〜T2℃)の下限値T2℃を、通常想定されるユーザー側の使用可能な湯温の範囲内において前述の従来例(図11)の場合よりも低く設定(T2=92℃)することによって、保温制御中における保温ヒータ4BのトータルのOFF時間を可能な限り長くして消費電力を低減するとともに、同保温ヒータのOFF時間(OFF期間)中においては上述した湯温検出用の底センサ(サーミスタ)12への印加電圧をOFFにしてマイコン60側への温度検知データの取り込みを停止することによって、当該底センサ12およびマイコンユニット60の温度検出回路部分での電力消費をもなくすようにして、それぞれ有効かつ十分に保温時における消費電力を節減するようにしたことを特徴とするものである。そして、その場合、一旦OFFにした保温ヒータ4BをONにする上記湯温制御幅下限値T2℃への湯温Tの低下の検出は、上記保温ヒータ4BをOFFにした省エネ制御開始初期の所定の温度降下幅間において当該電気貯湯容器自体の製品特性からくる湯温の低下特性を湯温の低下に要する時間をパラメータとして検出し、同検出された経過時間をパラメータとして示される湯温の低下特性に対応して最終的に決定される以後の予想経過時間によって特定されるようになっている。
【0062】すなわち、図8のフローチャートのステップS1に示すように、同制御が開始されると、先ず最初に現在の制御モードが保温モードであるか否かが判定される。そして、その結果、NOの保温モードでないモード(例えば湯沸しモード)の場合には、保温モードになるまで同保温モードの判定を繰り返す。
【0063】一方、同保温モードの判定で、YES(保温モード)と判定されると、次にステップS2に進んで、現在の湯温Tが、図9に示す当該省エネ制御における湯温制御幅(T1℃〜T2℃)の上限値T1℃(例えばT1=99℃)以上であるか否かを判定する。その結果、NOの上限値T1℃(99℃)よりも低いときには、ステップS3に進んで保温ヒータ4BをONにした後リターンして以上の動作を繰り返し、湯温Tを湯温制御幅の上限値T1℃(99℃)以上となるまで上げる。他方、YESの現在の湯温Tが上記T1℃(99℃)以上の状態にある場合(例えば図9のタイムチャートのtoの状態)には、次のステップS4で上述の保温ヒータ4BをOFFにする。
【0064】この結果、今例えば現在の湯温Tが図9のタイムチャートのto時のように99℃以上あったとすると、当該保温ヒータ4BのOFFにより、例えば図7の湯温低下特性に示すように、内容器3内の湯温Tは所定の時間ta,tbを経て徐々に上記下限値T2℃(92℃)まで低下して行く。
【0065】そこで、上記保温ヒータ4BのOFFに同期して、次のステップS5で当該所定の時間ta,tbをカウントするためのタイマーをスタートさせる。
【0066】そして、先ず最初にステップS6で、現在の湯温Tが上記保温ヒータ4BをOFFにした時のT1℃(99℃)から同温度T1℃よりも所定値低い温度T3(例えばT3=97℃)まで低下したか否かを判定し、YESになった時点でステップS7に進み、上記タイマーのカウント値を基に上記湯温Tが上記T1℃からT3まで低下するのに要した時間taを演算する。そして、それに基き続くステップS8で、同時間taから同じく保温ヒータ4BのOFF状態において湯温Tが上記下限値T2℃(92℃)まで低下するのに必要な時間tbを決定(予測)し、続くステップS9で同時間tb内上記保温ヒータ4BのOFFを継続するとともに、さらに、ステップS10で上記底センサ12をもOFFにして、マイコンユニット60への温度検知データの取り込みを停止する。
【0067】この結果、上記保温ヒータ4BのOFFと合わせて湯温検出に伴う消費電力が低減される。
【0068】その後、ステップS11で、同保温ヒータ4Bおよび底センサ12のOFF時間tbの経過を判定し、YESの同時間tbが経過、つまり内容器3内の湯温Tが上記下限値T2℃(92℃)まで低下し、それより低くなりそうになると、ステップS12で改めて上記保温ヒータ4BをONにするとともに底センサ12をONに戻して、内容器3内の湯温Tを監視しながらの通常の保温加熱制御を実行し、内容器3内の湯温Tを図9の湯温制御幅(T1℃〜T2℃)の上限値T1(99℃)以上まで上げる。
【0069】以後、少なくとも省エネモード下での保温状態においては、上述と同様の制御を繰り返すことにより、結果として、目標とする保温温度の平均値を低くし、保温ヒータ4Bへの通電時間を短縮することによる消費電力の節減と、それに併せて底センサ12のサーミスタ部をもOFFにし、マイコンユニット60への温度検知データの取り込みを停止することによる消費電力の節減との2つの節電方法による有効な消費電力の節減により、電気貯湯容器全体として、より効果的な消費電力の節減が可能となる。
【0070】特に後者の方法による消費電力の低減は、例えば電気プラグが抜かれた停電状態において、バックアップ電源の設置により、液晶表示部47に対して図5のような湯温表示を行えるように構成した場合の省エネ対策(バッテリ上りの防止)に有効となる。
【0071】(他の実施の形態)なお、以上の各実施の形態における通常想定されるユーザの使用可能な温度レベルの範囲内T1℃〜T2℃は、上述のような99℃〜92℃の範囲に限らず、例えば、コーヒー、お茶等のための95℃〜70℃の範囲内として、下限値T2℃を上記の場合よりも更に低く設定することも可能である。そのようにすると、上記保温ヒータ4Bおよび底センサ12のOFF時間が更に長くなり、より一層電力消費量が節約される。
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成13年2月2日(2001.2.2)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2002−223946(P2002−223946A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−26259(P2001−26259)