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【発明の名称】 液体保温容器
【発明者】 【氏名】渡辺 正弘

【要約】 【課題】お湯専用の注出通路とその他の液体専用の注出通路とを設けることにより、お茶等の保冷用として使用しても、お湯にお茶等の臭いが移ってしまうということがないようにする。

【解決手段】高断熱構造の内容器3と、該内容器3を加熱する加熱手段(電気ヒータ4)と、前記内容器3内の液体を液体注出通路5を介して注出するポンプ装置6とを備えた液体保温容器において、前記液体注出通路5を、湯を注出するための湯専用通路21とその他の液体を注出するための液体専用通路22とによって構成して、お湯を注出する時には、湯専用通路21を使用し、その他の液体を注出する時には、液体専用通路22を使用することができるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高断熱構造の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の液体を液体注出通路を介して注出するポンプ装置とを備えた液体保温容器であって、前記液体注出通路を、湯を注出するための湯専用通路とその他の液体を注出するための液体専用通路とによって構成したことを特徴とする液体保温容器。
【請求項2】 前記液体専用通路を、前記湯専用通路の上流側において流路切換機構を介して分岐したことを特徴とする前記請求項1記載の液体保温容器。
【請求項3】 前記流路切換機構を切換作動させる液体選択スイッチを付設したことを特徴とする前記請求項2記載の液体保温容器。
【請求項4】 前記液体注出通路には、1個のポンプ装置を備えていることを特徴とする前記請求項2および3のいずれか一項記載の液体保温容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、湯沸かし用容器として使用可能であるとともに、保温・保冷用容器としても使用可能な液体保温容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からよく知られている液体保温容器としては、電気ヒータによって湯沸かししたお湯を電気ヒータにより保温するように構成した電気ポットと称されるものがあった。
【0003】近年、この種電気ポットにおける内容器として、高断熱構造(例えば、真空二重容器等)のものが開発されてきており、電気ヒータによる加熱を行わなくとも、長時間お湯を保温できるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように保温性能が高くなると、お茶等を保冷するために使用したいというユーザ側の要望が出てくる。しかしながら、お茶等の保冷用として使用した場合、内容器内は、洗浄できるから問題とならないが、液体注出通路内は洗浄が難しいため、お茶等の臭いが残ってしまい、湯沸かし用として使用したときに、お茶の臭いがお湯に移ってしまうという不具合が発生する。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、お湯専用の注出通路とその他の液体専用の注出通路とを設けることにより、お茶等の保冷用として使用しても、お湯にお茶等の臭いが移ってしまうということがないようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、高断熱構造の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の液体を液体注出通路を介して注出するポンプ装置とを備えた液体保温容器において、前記液体注出通路を、湯を注出するための湯専用通路とその他の液体を注出するための液体専用通路とによって構成している。
【0007】上記のように構成したことにより、お湯を注出する時には、湯専用通路を使用し、その他の液体を注出する時には、液体専用通路を使用することができる。従って、お湯にその他の液体(例えば、お茶)の臭いが移ってしまうということがなくなり、保冷用としての使用が可能となる。
【0008】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の液体保温容器において、前記液体専用通路を、前記湯専用通路の上流側において流路切換機構を介して分岐した場合、流路切換機構の切換作動により、湯専用通路あるいは液体専用通路を択一的に使用することができることとなり、お湯にその他の液体の臭いが移ってしまうということがなくなる。
【0009】請求項3の発明におけるように、請求項2記載の液体保温容器において、前記流路切換機構を切換作動させる液体選択スイッチを付設した場合、液体選択スイッチによって流路切換機構を切換作動することにより、湯専用通路にはお湯を、液体専用通路には液体を流通させることができることとなり、通路選択を確実に行うことができる。
【0010】請求項4の発明におけるように、請求項2および3のいずれか一項記載の液体保温容器において、前記液体注出通路に、1個のポンプ装置を具備させた場合、1個のポンプ装置で湯専用通路および液体専用通路にお湯および液体を流通させることができることとなり、コストダウンに寄与する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について詳述する。
【0012】この液体保温容器は、図1に示すように、内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1を開閉する蓋体2と、前記内容器3を加熱する加熱手段である電気ヒータ4と、前記内容器3内の湯あるいは液体を外部へ注出するための液体注出通路5と、該液体注出通路5を介して液体を送り出す電動式のポンプ装置6とを備えて構成されている。
【0013】前記容器本体1は、外側面を構成する合成樹脂製の外ケース7と、内周面を構成する前記内容器3と、前記外ケース7と内容器3とを結合する合成樹脂製の環状の肩部材8と、底面を構成する合成樹脂製の底板9とからなっている。
【0014】前記内容器3は、ステンレス製の有底円筒形状の内筒10とステンレス製の外筒11との間に真空空間を有する真空二重構造体からなっており、その底部には、外周部を除いて前記内筒10の底部のみにより構成された1枚板部3aが形成されている。該1枚板部3aの下面には、前記電気ヒータ4(例えば、雲母板に発熱体を保持させてなるマイカヒータ)が取り付けられている。前記内容器3の上端部には、前記内筒10の上端部を絞り加工してなる小径の給水口3bが形成されている。なお、内容器3は、図示の真空二重構造体に限定されるものではなく、外周部を真空断熱体で覆ったもの等の高断熱構造を有するものが採用できる。符号12は内容器3の温度(即ち、内容器3内に収容されている液体の温度)を検出する温度センサーである。
【0015】前記蓋体2は、合成樹脂製の上板13と該上板13に対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板14とからなっており、前記肩部材8の後部に設けられたヒンジ受け(図示省略)に対してヒンジピンを介して開閉自在且つ着脱自在に支持されている。
【0016】また、この蓋体2には、電源が接続されていない状態でも液体注出通路5を介しての液体の注出が可能なように、手動操作により駆動されるエアーポンプ15が配設されている。該エアーポンプ15は、前記蓋体2の略中央部に形成された円筒形状の凹部16内に配設されたベローズタイプのものとされており、押圧板17を介しての押圧操作により加圧空気が内容器3内に吹き込まれ、該加圧空気の圧力により内容器3内の液体が液体注出通路5を介して外部へ押し出されることとなっている。
【0017】前記蓋体2における下板14には、金属製のカバー部材18が固定されており、該カバー部材18の外周縁には、蓋体2の閉蓋時において前記内容器3の給水口3bに圧接されるシールパッキン19が設けられている。
【0018】前記液体注出通路5の途中である前記内容器3の下方位置には、前記ポンプ装置6が配設されており、該ポンプ装置6の吐出側には、流路切換機構として作用する三方弁20を介して湯を注出するための湯専用通路21とその他の液体を注出するための液体専用通路22とが接続されている。つまり、液体注出通路5の内の直管部が湯専用通路21および液体専用通路22を構成することとなっているのである。
【0019】そして、前記湯専用通路21および液体専用通路22の上端部には、お湯と液体とに共用される合流通路23が接続されており、該合流通路23は、水平方向に前方に延設されていて、前記肩部材8の前方側に形成された嘴部8a内に設けられた貯留部24に臨まされている。該貯留部24に一時的に貯溜されたお湯あるいは液体は、液体注出通路5の出口を構成する注出管25を介して外部へ注出されることとなっている。なお、貯留部25および注出管25は、取り外して洗浄できるように着脱自在とされている。
【0020】前記湯専用通路21は、透明管により構成されており、その下端部には、図2に示すように、光センサー26が設けられている。該光センサー26は、前記湯専用通路21の外側において対向配置された発光素子26aと受光素子26bとによって構成されており、湯専用通路21内に存在する液体の透明度を、発光素子26aから発光された光の受光素子26bへの受光量に基づいて検出することにより、湯専用通路21にお湯以外の液体(即ち、透明度が低いお茶やコーヒー等の液体)が誤って流れ込んでいるか否かが検知できるようになっている。そして、誤っている場合には、加熱を停止し、表示あるいは音声で知らせるようになっている。
【0021】前記肩部材8の嘴部8aには、操作パネル部27が設けられており、該操作パネル部27には、図3に示すように、給湯スイッチ28、ロック解除スイッチ29、沸騰スイッチ30、保温スイッチ31、液体選択スイッチ32および液晶表示装置33が設けられている。該液体選択スイッチ32は、液体注出通路5における三方弁20に対して切換作動を制御するためのものであり、1回の押圧操作により三方弁20が湯専用通路21側に切り換わり、2回の押圧操作により三方弁20が液体専用通路22側に切り換わることとなっている。
【0022】図4は、本実施の形態にかかる液体保温容器における制御系の構成を示すブロック図であり、マイクロコンピュータユニット(以下、マイコンという)34には、前記各種スイッチ類28〜32、温度センサー12および光センサー26からの信号が入力され、各種演算処理を行い、その結果が制御信号として電気ヒータ4、ポンプ装置6、三方弁20、液晶表示装置33およびブザー35に出力されることとなっている。符号36はタイマ回路、37は商用交流電源、38はリレーである。
【0023】前記マイコン34は、前記給湯スイッチ28およびロック解除スイッチ29の操作に応じてポンプ装置6の発停制御を行うとともに液晶表示装置33に適宜な表示を行う機能と、前記沸騰スイッチ30および保温スイッチ31の操作および温度センサー12からの信号入力に応じて電気ヒータ4への通電制御を行うとともに液晶表示装置33に適宜な表示を行う機能と、液体選択スイッチ32の操作に応じて三方弁20の切換制御を行う機能と、光センサー26からの信号入力に応じてブザー35による警報を行う機能とを有している。
【0024】上記のように構成された液体保温容器においては、次のような作用効果が得られる。
【0025】この液体保温容器は、内容器3内に収容した水を電気ヒータ4によって沸騰させた後に保温する保温容器として使用される場合と、電気ヒータ4への通電を行わず、内容器3内に冷茶やアイスコーヒー等の液体を入れて保冷する保冷容器として使用される場合とがある。
【0026】お湯を保温する保温容器として使用している場合には、液体選択スイッチ32を1回だけ押圧操作して三方弁20を湯専用通路21側に切換作動させ、この状態でポンプ装置6を駆動させると、内容器3内のお湯は、湯専用通路21を介して注出される。一方、冷茶やアイスコーヒー等の液体を保冷する保冷容器として使用している場合には、液体選択スイッチ32を2回押圧操作して三方弁20を液体専用通路22側に切換作動させ、この状態でポンプ装置6を駆動させると、内容器3内の液体は、液体専用通路22を介して注出される。つまり、内容器3内に収容されている液体の種類に応じて、湯専用通路21あるいは液体専用通路22を使用することができることとなり、お湯にその他の液体(例えば、お茶)の臭いが移ってしまうということがなくなり、保冷用としての使用が可能となる。なお、内容器3内に熱いお茶やホットヒーヒーを収容する場合もある。
【0027】ところで、液体選択スイッチ32の誤操作等により内容器3内にお湯以外の液体(例えば、冷茶やアイスコーヒー等の液体)が収容されているときに、三方弁20が湯専用通路21側に切換作動されている場合には、光センサー26が透明度が悪くなっていること(換言すれば、湯専用通路21に透明度の低い冷茶やアイスコーヒー等の液体が存在していること)を検知し、ブザー35によりユーザに警報(あるいは、要洗浄を知らせる警告)をなす。
【0028】上記実施の形態においては、三方弁20は液体選択スイッチ32の操作により切換作動されるようになっているが、内容器3内にお湯以外の液体を収容する場合には内容器3を保冷容器としてのみ使用するものとする時には、温度センサー12からの温度情報に応じて三方弁20を自動的に切換作動させるようにしてもよく、手動により三方弁20を切換操作するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高断熱構造の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の液体を液体注出通路を介して注出するポンプ装置とを備えた液体保温容器において、前記液体注出通路を、湯を注出するための湯専用通路とその他の液体を注出するための液体専用通路とによって構成して、お湯を注出する時には、湯専用通路を使用し、その他の液体を注出する時には、液体専用通路を使用することができるようにしたので、お湯にその他の液体(例えば、お茶)の臭いが移ってしまうということがなくなり、保冷用としての使用が可能となるという効果がある。
【0030】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の液体保温容器において、前記液体専用通路を、前記湯専用通路の上流側において流路切換機構を介して分岐した場合、流路切換機構の切換作動により、湯専用通路あるいは液体専用通路を択一的に使用することができることとなり、お湯にその他の液体の臭いが移ってしまうということがなくなる。
【0031】請求項3の発明におけるように、請求項2記載の液体保温容器において、前記流路切換機構を切換作動させる液体選択スイッチを付設した場合、液体選択スイッチによって流路切換機構を切換作動することにより、湯専用通路にはお湯を、液体専用通路には液体を流通させることができることとなり、通路選択を確実に行うことができる。
【0032】請求項4の発明におけるように、請求項2および3のいずれか一項記載の液体保温容器において、前記液体注出通路に、1個のポンプ装置を具備させた場合、1個のポンプ装置で湯専用通路および液体専用通路にお湯および液体を流通させることができることとなり、コストダウンに寄与する。
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成13年2月2日(2001.2.2)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2002−223943(P2002−223943A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−27330(P2001−27330)