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【発明の名称】 飲料用容器の栓体
【発明者】 【氏名】大野 敬司

【氏名】古和 康弘

【氏名】初本 邦生

【要約】 【課題】蓋部材開動作時の衝撃力を緩和して、蓋部材を開くスプリングの選定自由度を向上させる。

【解決手段】容器本体2の口部に着脱自在に取り付けられる筒状の肩部材4と肩部材4の開口部を開閉する蓋部材7とを、肩部材4のヒンジ軸支持部43と蓋部材7のヒンジ軸受部73とに挿通されるヒンジ軸6とで結合し、ヒンジ軸6に蓋部材7を開方向に付勢するトーションスプリング9を設け、ヒンジ軸支持部43に、蓋部材7の開動作時に、蓋部材7が摺接する突起部52を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器本体の口部に着脱自在に取り付けられる筒状の肩部材と、該肩部材の開口部を開閉する蓋部材と、前記肩部材のヒンジ軸支持部と前記蓋部材のヒンジ軸受部とに挿通されるヒンジ軸と、該ヒンジ軸に設けられて前記蓋部材を開方向に付勢するスプリングと、前記ヒンジ軸と径方向に対向する位置に設けられて前記蓋部材を閉状態に保持するロック部材とを備えた飲料用容器の栓体において、前記ヒンジ軸支持部又は前記ヒンジ軸受部の少なくとも一方に、前記蓋部材の開動作時に、前記蓋部材又は前記肩部材が摺接する突起部を設けたことを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項2】 前記突起部は、前記蓋部材の開方向に向かって、半径寸法が徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の飲料用容器の栓体。
【請求項3】 前記突起部と前記蓋部材又は前記肩部材との摺接が線接触であることを特徴とする請求項1又は2記載の飲料用容器の栓体。
【請求項4】 前記突起部と前記蓋部材又は前記肩部材との摺接面積が、前記蓋部材の開動作とともに増加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の飲料用容器の栓体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓋をワンタッチで開いて容器本体内の飲料を直接飲むタイプの飲料用容器の栓体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平9−299253号公報に開示された栓体は、容器本体の口部に着脱自在に取り付けられる筒状の肩部材と、該肩部材の開口部を開閉する蓋部材と、前記肩部材のヒンジ軸支持部と前記蓋部材のヒンジ受部とに挿通されるヒンジ軸と、該ヒンジ軸に設けられて前記蓋部材を開方向に付勢するスプリングと、前記ヒンジ軸と径方向に対向する位置に設けられて前記蓋部材を閉状態に保持するロック部材とを備えており、蓋部材のロックを解除すると、スプリングの付勢力で蓋部材が開いて容器本体内の飲料を直接飲むことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の構造では、容器本体を持って蓋部材のロックを解除したときに、スプリングの付勢力が強いと、蓋部材が勢いよく開いて肩部材に衝突し、手に不快な衝撃を感じたり、不快な衝突音を感じることがある。また、このような衝突が繰り返し行われると、肩部材のヒンジ軸支持部に衝突負荷が加わり、長期の使用により、ヒンジ軸支持部が破損する虞があった。さらに、容器本体内の飲料が少なくなった場合、容器本体が軽くなるため、衝撃力で容器本体が揺れ動き、倒れることもある。このため、スプリングの選定には、蓋の重さ、容器本体の重さ及び高さを考慮し、特に空体時の衝撃力を考慮する必要があることから、限られた付勢力のスプリングを選定せざるを得ず、スプリング選定の幅が狭くなってしまうという問題がある。逆にスプリングの付勢力が弱い場合、十分に蓋部材が開かなかったり、飲む際に傾いた蓋部材の自重により、蓋部材が倒れるという問題がある。
【0004】そこで本発明は、蓋部材開動作時の衝撃力を緩和して、蓋部材を開くスプリングを選定する自由度を向上させた飲料用容器の栓体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明は、容器本体の口部に着脱自在に取り付けられる筒状の肩部材と、該肩部材の開口部を開閉する蓋部材と、前記肩部材のヒンジ軸支持部と前記蓋部材のヒンジ軸受部とに挿通されるヒンジ軸と、該ヒンジ軸に設けられて前記蓋部材を開方向に付勢するスプリングと、前記ヒンジ軸と径方向に対向する位置に設けられて前記蓋部材を閉状態に保持するロック部材とを備えた飲料用容器の栓体において、前記ヒンジ軸支持部又は前記ヒンジ軸受部の少なくとも一方に、前記蓋部材の開動作時に、前記蓋部材又は前記肩部材が摺接する突起部を設けたことを特徴としている。また、前記突起部は、前記蓋部材の開方向に向かって、半径寸法が徐々に大きくなるように形成されていること、前記突起部と前記蓋部材又は前記肩部材との摺接が線接触であること、前記突起部と前記蓋部材又は前記肩部材との摺接面積が、前記蓋部材の開動作とともに増加することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を断熱構造の飲料用容器の栓体に適用した実施形態例を図面に基づいて、さらに詳細に説明する。図1乃至図4は本発明の第1実施形態例を示すもので、片手で持てる大きさの飲料用容器1は、金属製二重断熱構造の容器本体2と、該容器本体2の口部に着脱可能に装着される合成樹脂製の栓体3とで構成されている。容器本体2は、上部を開口した金属製の内容器21及び外容器22の上端同士を一体に接合したもので、両容器21,22間に真空断熱構造の断熱部23を有している。また、容器本体2の口部外周に、前記栓体3を螺着するネジ部24が形成されている。
【0007】栓体3は、容器本体2の口部に着脱自在に取り付けられる筒状の肩部材4と、該肩部材4にヒンジ軸6を介して結合されて肩部材4の上部開口部を開閉する蓋部材7とを備えている。
【0008】肩部材4は、容器本体2のネジ部24に螺合する取付部41と、該取付部41に組み付けられて容器本体2の口部内周に挿入される栓体受部42とで構成されている。取付部41は、一側にヒンジ軸支持部43を形成し、該ヒンジ軸支持部43にて前記ヒンジ軸6の中央部を支持している。また、ヒンジ軸支持部43と径方向に対向する位置に前記蓋部材7を閉状態に保持するロック部材8を設けている。栓体受部42は、有底筒状に形成され、ロック部材8側の上部開口周壁を一段高くして飲み口44を形成し、ヒンジ軸支持部43側を高く飲み口44側を低くした底壁45の飲み口44側に液通孔46を、ヒンジ軸支持部43側に空気孔47をそれぞれ形成し、底壁45から上部開口の間を液流路48としている。また、下部外周に、容器本体2の口部内周壁に密着するパッキン49を設けている。
【0009】ヒンジ軸支持部43は、図1の断面図に示されるように、取付部41の上部に連続して一体形成された断面略円柱状で、中心部に水平方向のヒンジ軸挿通孔51を有している。このヒンジ軸支持部43は、ヒンジ軸挿通孔51から外周への半径寸法を、蓋部材7が開方向へ回動する前半部と後半部とで、後半部を大径として、後半部の外周面に突起部52を形成している。すなわち、前半部のヒンジ軸挿通孔51から外周への半径寸法R1よりも後半部のヒンジ軸挿通孔51から外周への半径寸法R2を大きくし、突起部52の始端側を後方側に掛けて徐々に半径寸法が大きくなるようにしている。また、突起部52の始端側の先端を尖らせた三角形状にしている。
【0010】ヒンジ軸6には、ヒンジ軸支持部43の両側に、蓋部材を開方向に付勢するトーションスプリング9が巻き掛けられている。
【0011】蓋部材7は、栓体受部41の上部開口を覆う蓋部71と、該蓋部71に設けられて液流路48に挿入される内栓72とを有している。蓋部71は、一側に前記ヒンジ軸6の両端をそれぞれ支持するヒンジ軸受部73,73を形成し、該ヒンジ軸受部73,73の中間に前記ヒンジ軸支持部43の挿入凹部74を形成している。この挿入凹部74は、蓋部材7の開動作時にヒンジ軸支持部43の突起部52に内端部75が線接触するように、内端部75の深さを設定している。また、蓋部71は、挿入凹部74と径方向に対向する位置に、前記ロック部材8に係止される係止部76を形成している。前記内栓72は、前記液通孔46と空気孔47を閉状態時に密閉するシール部材77を設けている。
【0012】ロック部材8は、取付部41に設けた水平方向の支軸81にて回動可能に支持され、支軸81上部に係止部82を、支軸81下部に押動部83をそれぞれ有し、支軸81に巻き掛けられたスプリング84にて係止部82を常時閉方向に付勢されている。
【0013】このように構成された栓体3は、ロック部材8の押動部83を押すことで係止部82が外側に開き、係止部82と蓋部材7の係止部76との係合が解除され、蓋部材7は、トーションスプリング9の付勢力によりヒンジ軸6を中心にして上方へ回動して開く。この際に、蓋部材7が開いて直立状態から後方に回動する段階で、蓋部材7の挿入凹部74の内端部75がヒンジ軸支持部43の突起部52に線接触して摺接する。突起部52は、始端側の先端を尖らせた三角形状としているので、蓋部材7の開動作とともに内端部75との接触面積が増加する。これにより、蓋部材7の開方向へのスピードが遅くなり、肩部材4に衝突する前に蓋部材7の回動が停止する。
【0014】したがって、蓋部材7の開動作時の衝撃力が緩和され、容器本体2を持っている手に不快な衝撃が伝わらない。また、トーションスプリング9の付勢力の強さを考慮する必要がなくなるので、トーションスプリング9の選定の自由度が向上し、製造コストを抑えることができる。また、トーションスプリング9の付勢力が弱すぎて蓋部材が十分に開かなかったり、飲む際に傾むけると、蓋部材の自重や傾ける勢いに負けて蓋部材7が倒れるといった問題もなくなる。
【0015】図5は本発明の第2実施形態例を示すもので、ヒンジ軸支持部43の突起部52のヒンジ軸挿通孔51から外周への半径寸法を、始端側の半径寸法R2よりも後端側の半径寸法R3が徐々に大きくなるように形成している。これにより、蓋部材7の開動作時に、蓋部材7の回動が大きくなるにつれて、蓋部材7の内端部75がヒンジ軸支持部43の突起部52に強く線接触して摺接し、肩部材4に衝突する前に蓋部材7の回動が停止する。
【0016】したがって、突起部52の始端側の半径寸法R2から後端側の半径寸法R3への寸法変更を考慮することによって、蓋部材7の回動停止位置を設定することができる。また、組み付け誤差によって、蓋部材7の内端部75の深さが変動しても対応することができる。
【0017】図6及び図7は本発明の第3実施形態例を示すもので、本実施形態例は、前記第1実施形態例と同様に、始端側の先端を尖らせた三角形状として、ヒンジ軸挿通孔51から外周への半径寸法を後半部にかけて徐々に大径とした突起部78を蓋部材7のヒンジ軸受部73,73にそれぞれ形成して、蓋部材7の開動作時に各突起部78が肩部材4の上縁に線接触して摺接するようにしており、この構成でも前記各実施形態例と同様の作用効果を奏する。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の飲料用容器の栓体は、容器本体の口部に着脱自在に取り付けられる筒状の肩部材と肩部材の開口部を開閉する蓋部材とを、肩部材のヒンジ軸支持部と蓋部材のヒンジ軸受部とに挿通されるヒンジ軸とで結合し、ヒンジ軸に蓋部材を開方向に付勢するスプリングを設け、ヒンジ軸支持部又はヒンジ軸受部の少なくとも一方に、蓋部材の開動作時に、蓋部材又は肩部材が摺接する突起部を設けたので、蓋部材がスプリングの付勢力によりヒンジ軸を中心にして上方へ回動して開く際に、蓋部材又は肩部材が突起部に摺接し、蓋部材の開方向へのスピードが遅くなって肩部材に衝突する前に蓋部材の回動が停止するから、蓋部材の開動作時の衝撃力が緩和され、容器本体を持っている手に不快な衝撃が伝わらない。また、蓋部材を開くスプリングの付勢力は、蓋部材を開く力を有していればよいので、スプリングの選定の自由度が向上し、製造コストを抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000231235
【氏名又は名称】日本酸素株式会社
【出願日】 平成13年1月15日(2001.1.15)
【代理人】 【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
【公開番号】 特開2002−209764(P2002−209764A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−6500(P2001−6500)