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【発明の名称】 電気炊飯器
【発明者】 【氏名】辻 健一

【要約】 【課題】ご飯の保温量に対応した腐敗防止の確保と保温性能の向上とを図る。

【解決手段】炊飯終了後において飯器温度Tを通常保温温度Ts3より低い低温保温温度Ts1に保持するように加熱手段への通電を制御する低温保温制御を行うとともに、該低温保温制御中においては所定時間t1経過後に前記飯器温度Tを昇温させる昇温制御と、該昇温制御後において前記低温保温温度Ts1より高い保温温度で保温を行う保温制御とを繰り返し行うようにした電気炊飯器において、飯器に収容されているご飯の保温量が、設定保温量より多いと判定された場合には、ご飯の腐敗を防止するための加熱制御を実行する(例えば、昇温制御間の保温制御時間t2−t1を短縮する)ようにして、ご飯の保温量が多い時にも十分な腐敗防止効果が得られるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に飯器を収納し得るように構成された炊飯器本体と、該炊飯器本体の開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、前記飯器を加熱する加熱手段と、前記飯器の温度を検出する温度検出手段とを備え、炊飯終了後において前記飯器温度を通常保温温度より低い低温保温温度に保持するように前記加熱手段への通電を制御する低温保温制御を行うとともに、該低温保温制御中においては所定時間経過後に前記飯器温度を昇温させる昇温制御と、該昇温制御後において前記低温保温温度より高い保温温度で保温を行う保温制御とを繰り返し行うようにした電気炊飯器であって、前記飯器に収容されているご飯の保温量を判定する保温量判定手段と、該保温量判定手段により判定された保温量が予め設定された設定保温量より多い時にご飯の腐敗を防止するための加熱制御を行う腐敗防止制御手段とを付設したことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】 前記保温量判定手段を、前記昇温制御時における飯器温度の上昇度により保温量の判定を行うものとしたことを特徴とする前記請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項3】 前記保温量判定手段を、前記昇温制御時において所定時間内に所定温度まで飯器温度が上昇しなかった場合を保温量=多量と判定するものとしたことを特徴とする前記請求項2記載の電気炊飯器。
【請求項4】 前記腐敗防止制御手段を、前記昇温制御間の保温時間を短縮するものとしたことを特徴とする前記請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気炊飯器。
【請求項5】 前記腐敗防止制御手段を、1回目の昇温制御後に通常保温制御を行うものとしたことを特徴とする前記請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気炊飯器。
【請求項6】 炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御前の保温時間を短縮するようにしたことを特徴とする前記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、通常の保温温度よりも低い保温温度による保温制御(即ち、低温保温制御)を行い得るように構成された電気炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電気炊飯器においては、炊き上がったご飯を所定の保温温度に保持する保温制御が行われることとなっている。この保温制御には、例えば約72℃で保温を行う通常保温制御と、例えば約65℃で保温を行う低温保温制御とが従来から行われている。
【0003】ところで、低温保温制御による保温を長時間継続していると、ご飯に腐敗臭が生じるという不具合があるところから、低温保温制御を所定時間継続した後には、加熱手段による加熱を行う昇温工程(換言すれば、腐敗防止対策)を実行することとなっている。この腐敗防止対策としての昇温工程は、飯器に収容されているご飯の量に関係なく、例えば、図19に示すように、通常保温開始後t1(例えば、6時間)およびt3(例えば、13時間)が経過した時点で、例えば所定温度Tsh(例えば、約110℃)に昇温させることにより行われることとなっていた。なお、図16の場合の低温保温制御においては、低温保温開始から1回目の昇温制御までの間は低温保温設定温度Ts1(例えば、65℃)での保温制御が実行され、1回目の昇温制御から2回目の昇温制御までの間は前記低温保温設定温度Ts1(例えば、65℃)より高く通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)より低い中間温度保温設定温度Ts2(例えば、68℃)での保温制御が実行され、2回目の昇温制御以後は通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)での保温制御が実行されることとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記制御基準温度(即ち、110℃)は、飯器温度を検出する温度検出手段からの温度情報に基づいているため、実際のご飯温度との間にギャップがある。一方、飯器内に収納されているご飯の量は、一定ではなく、多い場合と少ない場合とがある。
【0005】上記したように、ご飯の保温量に関係なく昇温工程等の腐敗防止対策を実行した場合、ご飯の保温量が多い場合には、飯器温度が制御基準温度である約110℃に到達していても、ご飯の温度が十分に昇温せず、腐敗防止効果が十分得られない場合が生じるおそれがある。
【0006】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ご飯の保温量に対応した腐敗防止の確保と保温性能の向上とを図ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、内部に飯器を収納し得るように構成された炊飯器本体と、該炊飯器本体の開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、前記飯器を加熱する加熱手段と、前記飯器の温度を検出する温度検出手段とを備え、炊飯終了後において前記飯器温度を通常保温温度より低い低温保温温度に保持するように前記加熱手段への通電を制御する低温保温制御を行うとともに、該低温保温制御中においては所定時間経過後に前記飯器温度を昇温させる昇温制御と、該昇温制御後において前記低温保温温度より高い保温温度で保温を行う保温制御とを繰り返し行うようにした電気炊飯器において、前記飯器に収容されているご飯の保温量を判定する保温量判定手段と、該保温量判定手段により判定された保温量が予め設定された設定保温量より多い時にご飯の腐敗を防止するための加熱制御を行う腐敗防止制御手段とを付設している。
【0008】上記のように構成したことにより、飯器に収容されているご飯の保温量が、設定保温量より多いと判定された場合には、ご飯の腐敗を防止するための加熱制御が行われる。従って、ご飯の保温量が多い時にも十分な腐敗防止効果が得られる。また、ご飯の保温量が多い時だけ制御内容を変更することとなっているため、省エネに影響を及ぼすことなく、保温性能の向上を図ることもできる。
【0009】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の電気炊飯器において、前記保温量判定手段を、前記昇温制御時における飯器温度の上昇度により保温量の判定を行うものとした場合、昇温制御時における飯器温度の上昇度を検出するだけでご飯の保温量判定を行うことができる。
【0010】請求項3の発明におけるように、請求項2記載の電気炊飯器において、前記保温量判定手段を、前記昇温制御時において所定時間内に所定温度まで飯器温度が上昇しなかった場合を保温量=多量と判定するものとした場合、昇温開始してから所定時間が経過した時点の飯器温度を検出することにより、昇温制御時の所定温度まで飯器温度が上昇しなかった場合を保温量が多量と判定することができることとなり、保温量判定が容易となる。
【0011】請求項4の発明におけるように、請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気炊飯器において、前記腐敗防止制御手段を、前記昇温制御間の保温時間を短縮するものとした場合、昇温制御間の保温時間を短縮する制御を行うだけで、十分な腐敗防止効果が得られることとなり、制御内容を簡略化できる。
【0012】請求項5の発明におけるように、請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気炊飯器において、前記腐敗防止制御手段を、1回目の昇温制御後に通常保温制御を行うものとした場合、1回目の昇温制御後に低温保温制御から通常保温制御に戻すだけで、十分な腐敗防止効果が得られることとなり、制御内容を簡略化できる。
【0013】請求項6の発明におけるように、請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気炊飯器において、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御前の保温時間を短縮するようにした場合、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御が早められることとなり、より確実に腐敗防止を達成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0015】第1の実施の形態図1ないし図3には、本願発明の第1の実施の形態にかかる電気炊飯器が示されている。
【0016】この電気炊飯器は、内部に炊飯用の飯器3を収納し得るように構成され且つ空間部4を有する二重構造の炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とを備えている。
【0017】前記炊飯器本体1は、外側壁となる胴部5aと底壁となる底部5bとを有する合成樹脂の一体成形品からなる外ケース5と、内周壁となる合成樹脂製の有底筒状の保護枠6と、該保護枠6の上端と前記外ケース5の上端とを結合する合成樹脂製の肩部材7とによって構成されており、前記外ケース5、保護枠6および肩部材7に囲まれて前記空間部4が形成されている。なお、前記保護枠6内には、前記飯器3が取り出し可能に収納されることとなっている。
【0018】前記保護枠6の底面中央部には、飯器温度を検出するための温度検出手段として作用するセンタセンサー8を臨ませるためのセンサー穴9が形成されている。
【0019】前記センサー穴9を包囲するように炊飯時における加熱手段として作用する環状の電磁誘導コイル(以下、ワークコイルという)10が前記保護枠6の底面および該底面から側周面に至る間の湾曲部に対応して配設されている。該ワークコイル10は、交番磁界を発生するものであり、該交番磁界の電磁誘導により前記飯器3に誘導渦電流を発生させ、該誘導渦電流の抵抗熱を利用して加熱するものとされている。なお、飯器3は、ワークコイル10により誘導渦電流を発生させることのできる材質(例えば、磁性体材料)により構成される。
【0020】前記ワークコイル10は、前記保護枠6の底面に対して固定されたコイルダイ11と前記保護枠6の底面との間に挟持されている。符号12はフェライトコアであり、ワークコイル10による磁気が下方に存在する機器に対して影響を及ぼさないように遮閉する作用をなす。
【0021】前記センサー穴9内には、前記飯器3の底部に対して接触するようにしてセンタセンサー8が設けられている。また、前記保護枠6の側周面には、保温時における加熱手段として作用する保温ヒータとなる側面ヒータ13が取り付けられている。
【0022】前記炊飯器本体1の底部(即ち、外ケース5の底部5b)には、前記ワークコイル10の通電制御を行うためのパワートランジスタおよび整流用ダイオードブリッジ(図示省略)等の電子部品へ冷却風を圧送する電子部品冷却ファン14が配設されている。また、前記炊飯器本体1の底壁(具体的には、外ケース5の底部5b)には、前記電子部品冷却ファン14に対向して空気入口15が形成されている。
【0023】一方、前記蓋体2は、外面を構成する合成樹脂製の上板16と、内面を構成する合成樹脂製の下板17とによって構成されており、前記上下板16,17に囲まれた空間部18には、断熱材19が配設されている。
【0024】この蓋体2は、前記肩部材7の一側に形成されたヒンジユニット20を介して炊飯器本体1に対して弧回動自在且つ着脱自在に取り付けられている。
【0025】そして、前記蓋体2の中央部には、前記上板16から垂設された筒部21が形成されており、該筒部21内には、炊飯時に発生する水蒸気を外部へ排出するための蒸気排出通路22を有するスチームキャップ23が着脱自在に取り付けられている。該スチームキャップ23内には、調圧弁として作用するボール弁24が配設されている。前記スチームキャップ23の下端には、前記蓋体2の閉止時に前記飯器3の開口部3aを密閉するための熱良導体(例えば、アルミ合金)からなる放熱板25が取り付けられている。符号26はスチームキャップ23への蒸気入口、27はスチームキャップ24からの蒸気出口、28は放熱板25に形成された蒸気口、29は放熱板25の周縁と飯器3の開口部3aとの間をシールするシールパッキン、30は放熱板25と蓋体下板17との間をシールするシールパッキンである。
【0026】前記肩部材7には、肩ヒータ31が設けられており、該肩ヒータ31に対しては、前記蓋体2の閉止時に放熱板25の外周縁が圧接され、放熱板25は肩ヒータ31からの熱伝導により加熱されることとなっている。この肩ヒータ31は、断面逆U字状のヒータリング32と、該ヒータリング32内に配設された発熱体33とからなっている。
【0027】また、前記蓋体2には、前記放熱板25の内方に位置し、該放熱板25との間に空間部を介在させた状態で前記飯器3の開口部3aより内方に臨ませ且つその外周を前記飯器3の内周面に近接させて支持された熱良導体からなる内蓋34が設けられている。該内蓋34は、前記スチームキャップ23の中心部に下向きに突設された支持軸35に対して着脱自在に嵌着されるシールパッキン36に取り付けられている。
【0028】前記炊飯器本体1内の側方部位(例えば、ヒンジユニット20側)おける空間部4には、送風ファン37が前記肩部材7に取り付けられた状態で配置されている。該送風ファン37は、スクロールタイプのファンケーシングを有する遠心ファンとされている。
【0029】前記送風ファン37の吐出口37aには、ダクト38が接続されており、該ダクト38の上端は、前記肩部材7に形成された環状通路39の入口39aに臨まされている。また、前記肩部材7には、前記環状通路39と前記飯器3と前記保護枠6との間に形成される環状の隙間Cの上部とを連通する複数の連通口40が形成されている。つまり、前記送風ファン37からの送風は、前記ダクト38、環状通路39および連通口40を介して前記隙間Cの上部へ供給されることとなっているのである。符号41は前記外ケース5の胴部5aの下部に形成された空気取り入れ口である。
【0030】前記炊飯器本体1の反ヒンジ側(即ち、蓋体2をロックするロック機構42が設けられている側)における空間部4には、ワークコイル10、側面ヒータ13および肩ヒータ31等への通電制御を司る制御ユニットが組み込まれた制御基板43が配設される一方、前記肩部材7における反ヒンジ側(即ち、蓋体2をロックするロック機構42が設けられている側)には、各種操作スイッチ類(例えば、炊飯スイッチ、予約スイッチ等)および表示装置として作用する液晶表示装置を備えた操作パネル部44が設けられている。
【0031】該操作パネル部44には、図2に示すように、炊飯スイッチ45、予約スイッチ46、取消スイッチ47、保温スイッチ48、再加熱スイッチ49、メニュースイッチ50、時スイッチ51、分スイッチ52および液晶表示装置53が設けられている。該液晶表示装置53の周辺には、メニュースイッチ50の操作に応じて液晶表示装置53の矢印53aが移動して表示される各種メニュー(「白米」、「早炊き」、「玄米」、「おかゆ」、「炊込み」および「おこわ」)が表示されている。ここで、前記保温スイッチ48は、1回の押圧操作により通常保温が選択され、2回の押圧操作により低温保温が選択されることとなっている。
【0032】ついで、図3に示す電気回路図に基づいて、本実施の形態にかかる電気炊飯器における電気的構成を説明する。なお、図1および図2に示された各部に対応する部分には同一の参照符号を付して示す。
【0033】商用交流電源54からの電力は、飯器3の異常加熱を検知して溶断する温度ヒューズ55および整流回路56を経てワークコイル10に供給されるとともに、側面ヒータ13および肩ヒータ31にも供給されることとなっている。符号57は平滑コンデンサ、58は共振コンデンサ、59,60はヒータ駆動回路である。
【0034】前記ワークコイル10には、マイクロコンピュータユニット(以下、マイコンと略称する)61からIGBTドライブ回路62を経た指令によりON/OFF制御されるパワートランジスタ63からの制御信号が与えられることとなっている。
【0035】前記マイコン61は、所定のプログラムに従ってパワートランジスタ63の制御を行い、これによりワークコイル10への通電を制御する。この通電制御は、前記センターセンサ8(図1参照)内に内蔵されたサーミスタ64からの出力信号に基づいて行なわれる。
【0036】上記マイコン61は、通常の各種制御機能に加えて、炊飯終了後において飯器温度Tを通常保温温度Ts3より低い低温保温温度Ts1に保持するようにワークコイル10への通電を制御する低温保温制御を行う機能と、該低温保温制御中においては所定時間t1あるいはt2経過後に前記飯器温度Tを短時間だけ所定温度Tshに昇温させる昇温制御と、該昇温制御後において前記低温保温温度Ts1より高い保温温度Ts2あるいはTs3で保温を行う保温制御とを繰り返し行う機能と、前記飯器3に収容されているご飯の保温量Wを判定する保温量判定手段としての機能と、該保温量判定手段により判定された保温量Wが予め設定された設定保温量Wsより多い時にご飯の腐敗を防止するための加熱制御を行う腐敗防止制御手段としての機能とを有している。
【0037】ついで、図4に示すフローチャートおよび図5に示すタイムチャートを参照して、本実施の形態にかかる電気炊飯器における低温保温制御について詳述する。
【0038】ステップS1において保温経過時間のカウントが開始され、ステップS2において飯器温度Tと低温保温設定温度Ts1(例えば、65℃)との比較がなされ、ここでT≦Ts1と判定された場合には、ステップS3〜ステップS5においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts1と判定された場合には、ステップS4〜ステップS6においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、低温保温設定温度Ts1(例えば、65℃)での低温保温制御が実行されるのである。上記低温保温制御は、ステップS9において保温経過時間が所定時間t1(例えば、6時間)経過したと判定されるまで継続される。
【0039】ステップS9において肯定判定された場合には、ステップS10に進み、昇温タイマのカウントが開始され、ステップS11〜ステップS13においてワークコイル10にデューティ比=8/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=10/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=8/16での通電がなされる。つまり、昇温工程が実行されるのである。
【0040】上記昇温工程においては、センターセンサ8により検出される飯器温度Tが急上昇するので、ステップS14において飯器温度Tと昇温完了温度Tsh(例えば、110℃)との比較がなされ且つステップS15において昇温タイマが所定時間ts(例えば、4分)をカウントしたか否かの判定がなされ、ステップS14においてT>Tshと判定され、ステップS15において否定判定(即ち、4分経過していない)と判定された場合には、ステップS16においてご飯の保温量W=少がマイコン61にセットされ、ステップS14においてT≦Tshと判定され、ステップS15において肯定判定(即ち、4分経過)と判定された場合には、ステップS17においてご飯の保温量W=多がマイコン61にセットされる。つまり、保温量Wの判定がなされるのである。該保温量判定は、昇温制御時において所定時間ts(例えば、4分)内に所定温度Tsh(例えば、110℃)まで飯器温度Tが上昇しなかった場合を多量と判定するものとされている。このようにすると、昇温開始してから所定時間ts(即ち、4分)が経過した時点の飯器温度Tを検出することにより、昇温制御時の所定温度Tshまで飯器温度Tが上昇しなかった場合を保温量が多量と判定することができることとなり、保温量判定が容易となる。
【0041】ついで、ステップS18において飯器温度Tと低温保温設定温度Ts1より若干高く、通常保温設定温度T3(例えば、72℃)より低い中間保温設定温度Ts2(例えば、68℃)との比較がなされ、ここでT≦Ts2と判定された場合には、ステップS19〜ステップS21においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts2と判定された場合には、ステップS22〜ステップS24においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、中間保温設定温度Ts2(例えば、68℃)での中間温度保温制御が実行されるのである。
【0042】上記中間温度保温制御は、ステップS25において肯定判定(即ち、保温量=多と判定)され且つステップS26において保温経過時間が所定時間t2(例えば、8時間)経過したと判定されるか、ステップS25において否定判定(即ち、保温量=少と判定)され且つステップS27において保温経過時間が所定時間t3(例えば、13時間)経過したと判定されるまで継続される。即ち、中間温度保温制御は、ご飯の保温量Wが少ない時には従来の継続時間と同じ時間t3−t1(即ち、13−6=7時間)だけ継続されるが、ご飯の保温量が所定量より多い時には従来より短い時間t2−t1(即ち、8−6=2時間)だけ継続されることとなるのである。つまり、ご飯の保温量Wが多い時に中間温度保温制御時間が短縮されるようになっており、この時間短縮制御が腐敗防止制御手段として機能することとなっているのである。
【0043】ステップS26あるいはステップS27において肯定判定された場合には、ステップS28に進み、昇温タイマのカウントが開始され、ステップS29〜ステップS31においてワークコイル10にデューティ比=8/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=10/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=8/16での通電がなされる。つまり、昇温工程が実行されるのである。
【0044】上記昇温工程においては、センターセンサ8により検出される飯器温度Tが急上昇するので、ステップS32において飯器温度Tと昇温完了温度Tsh(例えば、110℃)との比較がなされ且つステップS33において昇温タイマが所定時間ts(例えば、4分)をカウントしたか否かの判定がなされ、ステップS32においてT>Tshと判定された場合には、昇温工程を終了してステップS34に直接進むが、ステップS32においてT≦Tshと判定され、ステップS33において肯定判定(即ち、4分経過)と判定された場合には、飯器温度Tが昇温設定温度Tshに到達していなくとも、昇温工程を終了してステップS34に進む。
【0045】ついで、ステップS34において飯器温度Tと通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)との比較がなされ、ここでT≦Ts3と判定された場合には、ステップS35〜ステップS37においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts3と判定された場合には、ステップS38〜ステップS40においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)での通常温度保温制御が実行されるのである。該通常保温制御は、保温経過時間が限界に達するまで継続される。
【0046】上記保温制御の時間的変化は、図5に示すタイムチャートに点線で示す通りである。なお、図5において実線で示すものは、従来の低温保温制御を示している。
【0047】即ち、飯器3内に収納されているご飯の保温量Wを、昇温工程において所定時間ts(例えば、4分)が経過しても昇温設定温度Tsh(例えば、110℃)にまで昇温しなかった場合を多量と判定し、多量と判定された場合に限り、1回目の昇温工程と2回目の昇温工程との間における中間温度保温制御時間が従来のものより短縮されることとなっているのである。
【0048】なお、ご飯の保温量Wの判定は、昇温工程における飯器温度Tの上昇度により行ってもよい。
【0049】第2の実施の形態図6および図7には、本願発明の第2の実施の形態にかかる電気炊飯器における保温制御のフローチャートおよびタイムチャートが示されている。
【0050】この場合、腐敗防止制御手段は、1回目の昇温制御後に通常保温制御を行うものとされている。
【0051】ついで、図6に示すフローチャートおよび図7に示すタイムチャートを参照して、本実施の形態にかかる電気炊飯器における低温保温制御について詳述する。
【0052】ステップS1において保温経過時間のカウントが開始され、ステップS2において飯器温度Tと低温保温設定温度Ts1(例えば、65℃)との比較がなされ、ここでT≦Ts1と判定された場合には、ステップS3〜ステップS5においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts1と判定された場合には、ステップS4〜ステップS6においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、低温保温設定温度Ts1(例えば、65℃)での低温保温制御が実行されるのである。上記低温保温制御は、ステップS9において保温経過時間が所定時間t1(例えば、6時間)経過したと判定されるまで継続される。
【0053】ステップS9において肯定判定された場合には、ステップS10に進み、昇温タイマのカウントが開始され、ステップS11〜ステップS13においてワークコイル10にデューティ比=8/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=10/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=8/16での通電がなされる。つまり、昇温工程が実行されるのである。
【0054】上記昇温工程においては、センターセンサ8により検出される飯器温度Tが急上昇するので、ステップS14において飯器温度Tと昇温完了温度Tsh(例えば、110℃)との比較がなされ且つステップS15において昇温タイマが所定時間ts(例えば、4分)をカウントしたか否かの判定がなされ、ステップS14においてT>Tshと判定された場合には、ステップS16においてご飯の保温量W=少と判定され、ステップS14においてT≦Tshと判定され、ステップS15において肯定判定(即ち、4分経過)と判定された場合には、ステップS17においてご飯の保温量W=多と判定される。つまり、保温量Wの判定がなされるのである。該保温量判定は、昇温制御時において所定時間ts(例えば、4分)内に所定温度Tsh(例えば、110℃)まで飯器温度Tが上昇しなかった場合を多量と判定するものとされている。このようにすると、昇温開始してから所定時間ts(即ち、4分)が経過した時点の飯器温度Tを検出することにより、昇温制御時の所定温度Tshまで飯器温度Tが上昇しなかった場合を保温量が多量と判定することができることとなり、保温量判定が容易となる。
【0055】そして、ステップS16において保温量W=少と判定された場合には、ステップS18に進み、飯器温度Tと低温保温設定温度Ts1より若干高く、通常保温設定温度T3(例えば、72℃)より低い中間保温設定温度Ts2(例えば、68℃)との比較がなされ、ここでT≦Ts2と判定された場合には、ステップS19〜ステップS21においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts2と判定された場合には、ステップS22〜ステップS24においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、中間保温設定温度Ts2(例えば、68℃)での中間温度保温制御が実行されるのである。
【0056】上記中間温度保温制御は、ステップS25において保温経過時間が所定時間tt3(例えば、13時間)経過したと判定されるまで継続される。即ち、ご飯の保温量Wが少ない時には従来の低温保温制御におけると同じ時間t3−t1(即ち、13−6=7時間)だけ継続されるのである。
【0057】ステップS25において肯定判定された場合には、ステップS26に進み、昇温タイマのカウントが開始され、ステップS27〜ステップS29においてワークコイル10にデューティ比=8/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=10/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=8/16での通電がなされる。つまり、昇温工程が実行されるのである。
【0058】上記昇温工程においては、センターセンサ8により検出される飯器温度Tが急上昇するので、ステップS30において飯器温度Tと昇温完了温度Tsh(例えば、110℃)との比較がなされ且つステップS31において昇温タイマが所定時間ts(例えば、4分)をカウントしたか否かの判定がなされ、ステップS30においてT>Tshと判定された場合には、昇温工程を終了してステップS32に直接進むが、ステップS30においてT≦Tshと判定され、ステップS31において肯定判定(即ち、4分経過)と判定された場合には、飯器温度Tが昇温設定温度Tshに到達していなくとも、昇温工程を終了してステップS32に進む。
【0059】ついで、ステップS32において飯器温度Tと通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)との比較がなされ、ここでT≦Ts3と判定された場合には、ステップS33〜ステップS35においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts3と判定された場合には、ステップS36〜ステップS38においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)での通常温度保温制御が実行されるのである。該通常保温制御は、保温経過時間が限界に達するまで継続される。
【0060】上記保温制御の時間的変化は、図7に示すタイムチャートに点線で示す通りである。なお、図7において実線で示すものは、従来の低温保温制御を示している。
【0061】即ち、飯器3内に収納されているご飯の保温量Wを、昇温工程において所定時間ts(例えば、4分)が経過しても昇温設定温度Tsh(例えば、110℃)にまで昇温しなかった場合を多量と判定し、多量と判定された場合に限り、1回目の昇温工程後に低温保温制御から通常保温制御に戻されることとなっているのである。このようにすると、1回目の昇温制御後に低温保温制御から通常保温制御に戻すだけで、十分な腐敗防止効果が得られることとなり、制御内容を簡略化できる。
【0062】なお、ご飯の保温量Wの判定は、昇温工程における飯器温度Tの上昇度により行ってもよい。
【0063】その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0064】第3の実施の形態図8および図9には、本願発明の第3の実施の形態にかかる電気炊飯器における低温保温制御のフローチャートおよびタイムチャートが示されている。
【0065】この場合、腐敗防止制御手段は、ご飯の保温量Wが多量と判定された場合に限り、1回目の昇温工程と2回目の昇温工程との間における中間温度保温制御時間を従来のものより短縮するものとされている。そして、1回目の昇温工程までの低温保温設定温度Ts1を炊き上げ工程における合数判定に基づいて設定するようにしている。
【0066】ついで、図8に示すフローチャートおよび図9に示すタイムチャートを参照して、本実施の形態にかかる電気炊飯器における低温保温制御について詳述する。
【0067】ステップS1において保温経過時間のカウントが開始され、ステップS2において保温スイッチ48により低温保温制御が選択されたか否か(換言すれば、低温スイッチ48が2回操作されたか否か)の判定がなされる。ここで、肯定判定された場合(換言すれば、低温保温制御が選択されたと判定された場合)には、ステップS3に進み、合数判定値による低温保温設定温度Ts1の設定がなされる。ここで、合数判定値とは、炊き上げ工程における温度上昇度=ΔT/Δt(図9参照)により決定される値のことである。例えば、温度上昇度=ΔT/Δtが所定値以上の場合を合数=大とし、所定値未満を合数=小として、合数=大の場合にはTs1=65℃とされ、合数=小の場合にはTs1=60℃とされる。このようにすると、保温開始後の保温量Wと炊き上げ工程時における合数判定値とが近似しているので、低温保温開始時から保温量Wに対応した制御を行うことができるのである。
【0068】上記のようにして低温保温設定温度Ts1の設定がなされると、ステップS4において保温制御I(即ち、低温保温制御)が実行される。該保温制御Iについては後述する。この保温制御Iは、ステップS5において保温経過時間が所定時間t1(例えば、6時間)経過したと判定されるまで継続される。
【0069】ステップS5において肯定判定された場合には、ステップS6に進み、昇温制御I(即ち、昇温と保温量判定)が実行される。該昇温制御Iについては後述する。そして、ステップS7において保温量Wによる中間温度保温設定温度Ts2の設定がなされる。例えば、昇温制御Iにおいて、保温量W=多と判定された場合には、Ts2=68℃とされ、保温量W=少と判定された場合にはTs2=65℃とされる。
【0070】上記のようにして中間温度保温設定温度Ts2の設定がなされると、ステップS8において保温制御II(即ち、中間温度保温制御)が実行される。該保温制御IIについては後述する。この保温制御IIは、ステップS9において保温経過時間が所定時間t2(例えば、8時間)経過したと判定されるまで継続される。
【0071】ステップS9において肯定判定された場合には、ステップS10に進み、昇温制御II(即ち、昇温工程)が実行される。該昇温制御IIについては後述する。この昇温制御IIが終了すると、ステップS11に進み、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)が設定され、ステップS12において通常保温設定温度Ts3による保温制御IIIが実行される。該保温制御IIIについては後述する。
【0072】なお、ステップS2において否定判定された場合(換言すれば、低温保温制御が選択されていなかったと判定された場合)には、直接ステップS11に進み、以下前記したと同様な制御が実行される。
【0073】上記保温制御の時間的変化は、図9に示すタイムチャートに点線で示す通りである。なお、図9において実線で示すものは、従来の低温保温制御を示している。
【0074】この場合、炊き上げ工程時の合数判定値に基づいて低温保温開始時の低温保温設定温度Ts1を設定するようにしている点を除いて第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0075】次に、上述した保温制御I〜IIIおよび昇温制御I、IIについて、図10〜図13を参照して説明する。
【0076】(I) 保温制御I(図10のフローチャート参照)
ステップS1において飯器温度Tと低温保温設定温度Ts1との比較がなされ、ここでT≦Ts1と判定された場合には、ステップS2〜ステップS4においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts1と判定された場合には、ステップS5〜ステップS7においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、低温保温設定温度Ts1(例えば、60℃あるいは65℃)での低温保温制御が実行されるのである。
【0077】(II) 保温制御II(図11のフローチャート参照)
ステップS1において飯器温度Tと中間温度保温設定温度Ts2との比較がなされ、ここでT≦Ts2と判定された場合には、ステップS2〜ステップS4においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts2と判定された場合には、ステップS5〜ステップS7においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、中間温度保温設定温度Ts2(例えば、65℃あるいは68℃)での中間温度保温制御が実行されるのである。
【0078】(III) 保温制御III(図12のフローチャート参照)
ステップS1において飯器温度Tと通常保温設定温度Ts3との比較がなされ、ここでT≦Ts3と判定された場合には、ステップS2〜ステップS4においてワークコイル10にデューティ比=1/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=4/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=4/16での通電がなされる。一方、T>Ts3と判定された場合には、ステップS5〜ステップS7においてワークコイル10および側面ヒータ13への通電が停止され、肩ヒータ31にデューティ比=2/16での通電がなされる。つまり、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)での通常保温制御が実行されるのである。
【0079】(IV) 昇温制御I(図13のフローチャート参照)
ステップS1において昇温タイマのカウントが開始され、ステップS2〜ステップS4においてワークコイル10にデューティ比=8/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=10/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=8/16での通電がなされる。つまり、昇温工程が実行される。
【0080】上記昇温工程においては、センターセンサ8により検出される飯器温度Tが急上昇するので、ステップS5において飯器温度Tと昇温完了温度Tsh(例えば、110℃)との比較がなされ且つステップS6において昇温タイマが所定時間ts(例えば、4分)をカウントしたか否かの判定がなされ、ステップS5においてT>Tshと判定された場合には、ステップS7においてご飯の保温量W=少がマイコン61にセットされ、ステップS5においてT≦Tshと判定され、ステップS6において肯定判定(即ち、4分経過)と判定された場合には、ステップS8においてご飯の保温量W=多がマイコン61にセットされる。つまり、保温量Wの判定がなされるのである。該保温量判定は、昇温制御時において所定時間ts(例えば、4分)内に所定温度Tsh(例えば、110℃)まで飯器温度Tが上昇しなかった場合を多量と判定するものとされている。このようにすると、昇温開始してから所定時間ts(即ち、4分)が経過した時点の飯器温度Tを検出することにより、昇温制御時の所定温度Tshまで飯器温度Tが上昇しなかった場合を保温量が多量と判定することができることとなり、保温量判定が容易となる。
【0081】(V) 昇温制御II(図14のフローチャート参照)
ステップS1において昇温タイマのカウントが開始され、ステップS2〜ステップS4においてワークコイル10にデューティ比=8/16での通電がなされ、側面ヒータ13にデューティ比=10/16での通電がなされ、肩ヒータ31にデューティ比=8/16での通電がなされる。つまり、昇温工程が実行される。
【0082】上記昇温工程においては、センターセンサ8により検出される飯器温度Tが急上昇するので、ステップS5において飯器温度Tと昇温完了温度Tsh(例えば、110℃)との比較がなされ且つステップS6において昇温タイマが所定時間ts(例えば、4分)をカウントしたか否かの判定がなされ、ステップS5においてT>Tshと判定された場合には、昇温工程を終了するし、ステップS5においてT≦Tshと判定され、ステップS6において肯定判定(即ち、4分経過)と判定された場合には、飯器温度Tが昇温設定値Tshにまで昇温していなくとも昇温工程を終了する。
【0083】第4の実施の形態図15および図16には、本願発明の第4の実施の形態にかかる電気炊飯器における保温制御のフローチャートおよびタイムチャートが示されている。
【0084】この場合、炊き上げ工程時の合数判定値に基づいて低温保温開始時の低温保温設定温度Ts1を設定するようにし、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間t4が所定値ts1(例えば、150分)より大きいときには、1回目の昇温制御前の保温時間t5を短縮するようにし、保温量Wが多量と判定された場合には、1回目の昇温制御と2回目の昇温制御との間の保温制御時間を短縮するようにしている。
【0085】ついで、図15に示すフローチャートおよび図16に示すタイムチャートを参照して、本実施の形態にかかる電気炊飯器における低温保温制御について詳述する。
【0086】ステップS1において保温経過時間のカウントが開始され、ステップS2において保温スイッチ48により低温保温制御が選択されたか否か(換言すれば、低温スイッチ48が2回操作されたか否か)の判定がなされる。ここで、肯定判定された場合(換言すれば、低温保温制御が選択されたと判定された場合)には、ステップS3に進み、合数判定値による低温保温設定温度Ts1の設定がなされる。ここで、合数判定値とは、炊き上げ工程における温度上昇度=ΔT/Δt(図16参照)により決定される値のことである。例えば、温度上昇度=ΔT/Δtが所定値以上の場合を合数=大とし、所定値未満を合数=小として、合数=大の場合にはTs1=65℃とされ、合数=小の場合にはTs1=60℃とされる。このようにすると、保温開始後の保温量Wと炊き上げ工程時における合数判定値とが近似しているので、低温保温開始時から保温量Wに対応した制御を行うことができるのである。
【0087】上記のようにして低温保温設定温度Ts1の設定がなされると、ステップS4において飯器温度Tが低温保温設定温度Ts1に到達したと判定されると、ステップS5において保温タイマにより保温開始からの経過時間t4が測定され、ステップS6において該経過時間t4に対応して1回目の昇温制御前の保温時間t5がマイコン61にセットされ、ステップS7において低温保温設定温度Ts1による保温制御I(即ち、低温保温制御)が実行される(図10参照)。この保温制御Iは、ステップS8において保温経過時間が時間(t4+t5)経過したと判定されるまで継続される。なお、前記経過時間t4の大きさに対応して複数(例えば、3個)の保温時間を設定する場合もある(例えば、t4<120分のときにはt5=4時間、120分≦t4<180分のときにはt5=3時間、t4≧180分のときにはt5=2時間とする場合もある)。
【0088】ステップS8において肯定判定された場合には、ステップS9に進み、昇温制御I(即ち、昇温と保温量判定)が実行される(図13参照)。そして、ステップS10において保温量Wによる中間温度保温設定温度Ts2の設定がなされる。例えば、昇温制御Iにおいて、保温量W=多と判定された場合には、Ts2=68℃とされ、保温量W=少と判定された場合にはTs2=65℃とされる。
【0089】上記のようにして中間温度保温設定温度Ts2の設定がなされると、ステップS11において保温制御II(即ち、中間温度保温制御)が実行される(図11参照)。この保温制御IIは、ステップS12において保温経過時間が所定時間t2(例えば、8時間)経過したと判定されるまで継続される。
【0090】ステップS12において肯定判定された場合には、ステップS13に進み、昇温制御II(即ち、昇温工程)が実行される(図14参照)。この昇温制御IIが終了すると、ステップS14に進み、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)が設定され、ステップS15において通常保温設定温度Ts3による保温制御IIIが実行される(図12参照)。
【0091】なお、ステップS2において否定判定された場合(換言すれば、低温保温制御が選択されていなかったと判定された場合)には、直接ステップS14に進み、以下前記したと同様な制御が実行される。
【0092】上記保温制御の時間的変化は、図16に示すタイムチャートに点線で示す通りである。なお、図16において実線で示すものは、従来の低温保温制御を示している。
【0093】このようにすると、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間t4が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御が早められることとなり、より確実に腐敗防止を達成することができる。
【0094】その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0095】第5の実施の形態図17および図18には、本願発明の第5の実施の形態にかかる電気炊飯器における保温制御のフローチャートおよびタイムチャートが示されている。
【0096】この場合、炊き上げ工程時の合数判定値に基づいて低温保温開始時の低温保温設定温度Ts1を設定するようにし、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間t4が所定値ts1(例えば、150分)より大きいときには、1回目の昇温制御前の保温時間t5を短縮するようにし、保温量Wが多量と判定された場合には、1回目の昇温制御後に通常保温制御を行うようにしている。
【0097】ついで、図17に示すフローチャートおよび図18に示すタイムチャートを参照して、本実施の形態にかかる電気炊飯器における低温保温制御について詳述する。
【0098】ステップS1において保温経過時間のカウントが開始され、ステップS2において保温スイッチ48により低温保温制御が選択されたか否か(換言すれば、低温スイッチ48が2回操作されたか否か)の判定がなされる。ここで、肯定判定された場合(換言すれば、低温保温制御が選択されたと判定された場合)には、ステップS3に進み、合数判定値による低温保温設定温度Ts1の設定がなされる。ここで、合数判定値とは、炊き上げ工程における温度上昇度=ΔT/Δt(図16参照)により決定される値のことである。例えば、温度上昇度=ΔT/Δtが所定値以上の場合を合数=大とし、所定値未満を合数=小として、合数=大の場合にはTs1=65℃とされ、合数=小の場合にはTs1=60℃とされる。このようにすると、保温開始後の保温量Wと炊き上げ工程時における合数判定値とが近似しているので、低温保温開始時から保温量Wに対応した制御を行うことができるのである。
【0099】上記のようにして低温保温設定温度Ts1の設定がなされると、ステップS4において飯器温度Tが低温保温設定温度Ts1に到達したと判定されると、ステップS5において保温タイマにより保温開始からの経過時間t4が測定され、ステップS6において該経過時間t4に対応して1回目の昇温制御前の保温時間t5がマイコン61にセットされ、ステップS7において低温保温設定温度Ts1による保温制御I(即ち、低温保温制御)が実行される(図10参照)。この保温制御Iは、ステップS8において保温経過時間が時間(t4+t5)経過したと判定されるまで継続される。なお、前記経過時間t4の大きさに対応して複数(例えば、3個)の保温時間を設定する場合もある(例えば、t4<120分のときにはt5=4時間、120分≦t4<180分のときにはt5=3時間、t4≧180分のときにはt5=2時間とする場合もある)。
【0100】ステップS8において肯定判定された場合には、ステップS9に進み、昇温制御I(即ち、昇温と保温量判定)が実行される(図13参照)。そして、ステップS10において保温量Wが少であるか否かの判定がなされ、ここで、肯定判定された場合(即ち、W=少と判定された場合)には、ステップS11に進み、保温量Wによる中間温度保温設定温度Ts2(例えば、65℃)の設定がなされる。
【0101】上記のようにして中間温度保温設定温度Ts2の設定がなされると、ステップS12において中間温度保温設定温度Ts2による保温制御II(即ち、中間温度保温制御)が実行される(図11参照)。この保温制御IIは、ステップS13において保温経過時間が所定時間t2(例えば、13時間)経過したと判定されるまで継続される。
【0102】ステップS13において肯定判定された場合には、ステップS14に進み、昇温制御II(即ち、昇温工程)が実行される(図14参照)。この昇温制御IIが終了すると、ステップS15に進み、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)が設定され、ステップS16において通常保温設定温度Ts3による保温制御IIIが実行される(図12参照)。
【0103】一方、ステップS10において否定判定された場合(即ち、W=多と判定された場合)には、ステップS15に直接進み、通常保温設定温度Ts3(例えば、72℃)が設定され、ステップS16において通常保温設定温度Ts3による保温制御IIIが実行される(図12参照)。
【0104】なお、ステップS2において否定判定された場合(換言すれば、低温保温制御が選択されていなかったと判定された場合)にも、直接ステップS14に進み、以下前記したと同様な制御が実行される。
【0105】上記保温制御の時間的変化は、図18に示すタイムチャートに点線で示す通りである。なお、図18において実線で示すものは、従来の低温保温制御を示している。
【0106】このようにすると、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間t4が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御が早められることとなり、より確実に腐敗防止を達成することができる。
【0107】その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0108】ところで、上記各実施の形態においては、昇温制御時において昇温状態を維持する時間は一定としているが、保温量Wに応じて昇温維持時間を設定する場合もある。
【0109】上記実施の形態においては、炊飯用加熱手段としてワークコイルを用いているが、本願発明は、炊飯用加熱手段として電気ヒータを用いたものにも適用可能なことは勿論である。
【0110】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、内部に飯器を収納し得るように構成された炊飯器本体と、該炊飯器本体の開口を開閉自在に覆蓋する蓋体と、前記飯器を加熱する加熱手段と、前記飯器の温度を検出する温度検出手段とを備え、炊飯終了後において前記飯器温度を通常保温温度より低い低温保温温度に保持するように前記加熱手段への通電を制御する低温保温制御を行うとともに、該低温保温制御中においては所定時間経過後に前記飯器温度を昇温させる昇温制御と、該昇温制御後において前記低温保温温度より高い保温温度で保温を行う保温制御とを繰り返し行うようにした電気炊飯器において、前記飯器に収容されているご飯の保温量を判定する保温量判定手段と、該保温量判定手段により判定された保温量が予め設定された設定保温量より多い時にご飯の腐敗を防止するための加熱制御を行う腐敗防止制御手段とを付設して、飯器に収容されているご飯の保温量が、設定保温量より多いと判定された場合には、ご飯の腐敗を防止するための加熱制御を実行するようにしたので、ご飯の保温量が多い時にも十分な腐敗防止効果が得られるという効果がある。
【0111】また、ご飯の保温量が多い時だけ制御内容を変更することとなっているため、省エネに影響を及ぼすことなく、保温性能の向上を図ることもできるという効果もある。
【0112】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の電気炊飯器において、前記保温量判定手段を、前記昇温制御時における飯器温度の上昇度により保温量の判定を行うものとした場合、昇温制御時における飯器温度の上昇度を検出するだけでご飯の保温量判定を行うことができる。
【0113】請求項3の発明におけるように、請求項2記載の電気炊飯器において、前記保温量判定手段を、前記昇温制御時において所定時間内に所定温度まで飯器温度が上昇しなかった場合を保温量=多量と判定するものとした場合、昇温開始してから所定時間が経過した時点の飯器温度を検出することにより、昇温制御時の所定温度まで飯器温度が上昇しなかった場合を保温量が多量と判定することができることとなり、保温量判定が容易となる。
【0114】請求項4の発明におけるように、請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気炊飯器において、前記腐敗防止制御手段を、前記昇温制御間の保温時間を短縮するものとした場合、昇温制御間の保温時間を短縮する制御を行うだけで、十分な腐敗防止効果が得られることとなり、制御内容を簡略化できる。
【0115】請求項5の発明におけるように、請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気炊飯器において、前記腐敗防止制御手段を、1回目の昇温制御後に通常保温制御を行うものとした場合、1回目の昇温制御後に低温保温制御から通常保温制御に戻すだけで、十分な腐敗防止効果が得られることとなり、制御内容を簡略化できる。
【0116】請求項6の発明におけるように、請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気炊飯器において、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御前の保温時間を短縮するようにした場合、炊飯終了時点から低温保温制御が開始されるまでの時間が所定値より大きいときには、1回目の昇温制御が早められることとなり、より確実に腐敗防止を達成することができる。
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成13年1月22日(2001.1.22)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2002−209736(P2002−209736A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−12824(P2001−12824)