トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 着用形姿勢調節装置
【発明者】 【氏名】小関 光弘

【氏名】小林 宏

【要約】 【課題】本発明は、使用者の姿勢を容易に調節することができる着用形姿勢調節装置を提供することを目的とするものである。

【解決手段】使用者10の胴部及び両足を被覆するように構成されている可撓性の被覆体11に、弾性膨張体12〜19を取り付け、空気を給排することにより弾性膨張体12〜19を伸縮させ、使用者10の姿勢調節動作を補助するようにした。空気給排部20を制御する制御部21には、使用者10が横たわった上体で膝を曲げ上体に対して腰部を捻るように弾性膨張体12〜19を伸縮させるためのプログラムを記憶させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも使用者の胴部を被覆するように構成されている可撓性の被覆体、この被覆体に設けられており、気体を供給・排出されることにより伸縮されるとともに、上記使用者が上記被覆体を着用して横たわった状態で上記使用者の腰部を上体に対して捻る方向へ上記被覆体に引張力を与える複数の伸縮引張体、これらの伸縮引張体に対して気体の供給・排出を行う気体給排部、及び上記使用者の腰部を捻るように複数の伸縮引張体を伸縮させるためのプログラムが記憶されており、上記気体給排部を制御する制御部を備えていることを特徴とする着用形姿勢調節装置。
【請求項2】 少なくとも使用者の胴部及び両足を被覆するように構成されている可撓性の被覆体、この被覆体に設けられており、気体を供給・排出されることにより伸縮されるとともに、上記使用者が上記被覆体を着用して横たわった状態で上記使用者の膝を曲げる方向及び上体に対して腰部を捻る方向へ上記被覆体に引張力を与える複数の伸縮引張体、これらの伸縮引張体に対して気体の供給・排出を行う気体給排部、及び上記使用者の膝を曲げるように複数の伸縮引張体を伸縮させるためのプログラムと腰部を捻るように複数の伸縮引張体を伸縮させるためのプログラムとが記憶されており、上記気体給排部を制御する制御部を備えていることを特徴とする着用形姿勢調節装置。
【請求項3】 上記制御部には、上記使用者の一方の足の膝を曲げた後、他方の足側へ腰を捻るように上記気体給排部を制御するプログラムが記憶されていることを特徴とする請求項2記載の着用形姿勢調節装置。
【請求項4】 上記被覆体は、網目状であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の着用形姿勢調節装置。
【請求項5】 上記伸縮引張体は、気体が供給されると、太さが増大するとともに長さが短くなって引張力を発生し、気体が排出されると、弾性により復元する弾性膨張体であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の着用形姿勢調節装置。
【請求項6】 上記複数の伸縮引張体は、上記被覆体の右肩部から前部を通り左腰部に連続的に延びる右捻り用弾性膨張体と、上記被覆体の左肩部から前部を通り右腰部に連続的に延びる左捻り用弾性膨張体とを含んでいることを特徴とする請求項5記載の着用形姿勢調節装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使用者が着用することにより、例えばベッド上で寝返りをうつ動作など、使用者の姿勢調節動作を助ける着用形姿勢調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば被介護者に寝返りをさせるなど、被介護者の姿勢を調節する場合、少なくとも1人の介護者が人力で被介護者を動かしていた。また、このような介護者による介護動作を助けるため、例えば特開平11−276533号公報には、介護者が着用する介護用衣服が示されている。この介護用衣服には、被介護者を持ち上げるためのベルトが取り付けられており、介護者が正しい姿勢で被介護者を持ち上げられるようにしている。
【0003】また、例えば特開平8−66435号公報には、ベッドに設置されたエアマットの膨張、収縮により、ベッド上の被介護者に寝返りをさせる介護装置が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような介護者が着用するタイプの従来の介護用衣服では、介護者にかかる荷重は軽減されず、被介護者の体重が重い場合などには、介護者への負担がそのまま大きくなってしまう。また、介護者が着用する手間だけでなく、ベルトを安全に被介護者に装着するなどの手間がかかってしまい、作業効率が低くなってしまう。
【0005】一方、従来のベッド式の介護装置では、大形のエアマットを使用する必要があり、これに伴ってエアポンプ等も大容量化し、装置全体が大形で高価になってしまう。また、被介護者の寝ている位置や姿勢等によって、エアマットの配置や制御を変えることは困難であり、被介護者の位置や姿勢を介護者が調節する必要があり、作業効率が低くなってしまう。
【0006】この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、使用者の姿勢を容易に調節することができる着用形姿勢調節装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る着用形姿勢調節装置は、少なくとも使用者の胴部を被覆するように構成されている可撓性の被覆体、この被覆体に設けられており、気体を供給・排出されることにより伸縮されるとともに、使用者が被覆体を着用して横たわった状態で上記使用者の腰部を上体に対して捻る方向へ被覆体に引張力を与える複数の伸縮引張体、これらの伸縮引張体に対して気体の供給・排出を行う気体給排部、及び使用者の腰部を捻るように複数の伸縮引張体を伸縮させるためのプログラムが記憶されており、気体給排部を制御する制御部を備えたものである。
【0008】請求項2の発明に係る着用形姿勢調節装置は、少なくとも使用者の胴部及び両足を被覆するように構成されている可撓性の被覆体、この被覆体に設けられており、気体を供給・排出されることにより伸縮されるとともに、使用者が被覆体を着用して横たわった状態で使用者の膝を曲げる方向及び上体に対して腰部を捻る方向へ被覆体に引張力を与える複数の伸縮引張体、これらの伸縮引張体に対して気体の供給・排出を行う気体給排部、及び使用者の膝を曲げるように複数の伸縮引張体を伸縮させるためのプログラムと腰部を捻るように複数の伸縮引張体を伸縮させるためのプログラムとが記憶されており、気体給排部を制御する制御部を備えたものである。
【0009】請求項3の発明に係る着用形姿勢調節装置は、使用者の一方の足の膝を曲げた後、他方の足側へ腰を捻るように気体給排部を制御するプログラムを制御部に記憶させたものである。
【0010】請求項4の発明に係る着用形姿勢調節装置は、被覆体を網目状としたものである。
【0011】請求項5の発明に係る着用形姿勢調節装置は、気体が供給されると、太さが増大するとともに長さが短くなって引張力を発生し、気体が排出されると、弾性により復元する弾性膨張体を、伸縮引張体として用いたものである。
【0012】請求項6の発明に係る着用形姿勢調節装置は、複数の伸縮引張体は、被覆体の右肩部から前部を通り左腰部に連続的に延びる右捻り用弾性膨張体と、被覆体の左肩部から前部を通り右腰部に連続的に延びる左捻り用弾性膨張体とを含んでいるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態の一例による着用形姿勢調節装置を示す正面図である。図において、使用者10は、上肢及び頭部を除いて、胴部及び両足全体(つま先まで含む)がぴったりと覆われるように、可撓性の被覆体11を着用している。被覆体11は、例えば合成繊維又は自然繊維の編み物又は織物により構成されている。また、被覆体11は、不織布や合成樹脂のシート材で構成することも可能である。さらに、被覆体11は、通気性を確保するために網目状(メッシュ状)になっている。
【0014】被覆体11には、袋状の第1ないし第8の収容部11a〜11hが設けられている。第1の収容部11a内には、伸縮引張体としての右捻り用弾性膨張体12が収容されている。第2の収容部11b内には、伸縮引張体としての左捻り用弾性膨張体13が収容されている。
【0015】第3及び第4の収容部11c,11d内には、伸縮引張体としての腹部用弾性膨張体14,15が収容されている。第5の収容部11eには、伸縮引張体としての右腿用弾性膨張体16が収容されている。第6の収容部11fには、伸縮引張体としての左腿用弾性膨張体17が収容されている。第7の収容部11gには、伸縮引張体としての右膝用弾性膨張体18が収容されている。第8の収容部11hには、伸縮引張体としての左膝用弾性膨張体19が収容されている。
【0016】弾性膨張体12〜19は、伸縮可能なゴム等の材料からなるチューブと、チューブを覆う袋体(収容部11a〜11hを袋体としてもよい)とを組み合わせてなり、気体である空気を供給すると、太さが増大するとともに長さが短くなって(例えば最大20%程度の伸縮率)、被覆体11に対して引張力を発生する。また、空気を排出すると、弾性により復元する。
【0017】また、弾性膨張体12〜19は、その縮小により被覆体11が引張されるように収容部11a〜11h内に結合(例えば縫着)されている。従って、弾性膨張体12〜19が被覆体11に与える引張力は、弾性膨張体12の伸縮により変化する。
【0018】右捻り用弾性膨張体12は、被覆体11の右肩部から前部を通り左腰部に連続的に延びている。従って、右捻り用弾性膨張体12を縮小させることにより、上体に対して腰部を右側へ捻る方向への力が、被覆体11を介して使用者10に加えられる。左捻り用弾性膨張体13は、被覆体11の左肩部から前部を通り右腰部に連続的に延びている。従って、左捻り用弾性膨張体を縮小させることにより、上体に対して腰部を左側へ捻る方向への力が、使用者10被覆体11を介して使用者10に加えられる。
【0019】腹部用弾性膨張体14,15は、使用者10の伸長方向とほぼ平行に、被覆体11の前側の胸部から腿部に渡って延びている。従って、腹部用弾性膨張体14,15を縮小させることにより、上体をくの字に折り曲げる方向への力が、被覆体11を介して使用者10に加えられる。
【0020】同様に、右腿用及び左腿用弾性膨張体16,17は、使用者10の腿を上げ下げするために使用される。また、右膝用及び左膝用弾性膨張体18,19は、使用者10の膝を曲げ伸ばしするために使用される。
【0021】また、図1では被覆体11の前面における弾性膨張体12〜19の配置について示したが、被覆体11の背面には、前面とほぼ同様に弾性膨張体12〜19が配置されている。使用者10の姿勢は、前面の弾性膨張体12〜19と、対応する背面の弾性膨張体12〜19との協動により調節される。
【0022】例えば、背面の右膝用弾性膨張体19を縮小させるとともに、前面の右膝用弾性膨張体19を排気状態とすることにより、使用者10の右膝が曲げられる。逆に、曲げた右膝を伸ばす場合は、前面の右膝用弾性膨張体19を縮小させるとともに、背面の右膝用弾性膨張体19を排気状態とすればよい。
【0023】ここでは、帯状の弾性膨張体12〜19の配置について示したが、弾性膨張体の配置位置、長さ、個数、形状等は、使用者10のどのような姿勢調節を補助するかによって、あらゆる変更が可能である。この例では、帯状の収容部11a〜11hのそれぞれに、チューブ状の弾性膨張体12〜19が複数本ずつ並列に配置されている。
【0024】各弾性膨張体12〜19は、それぞれ可撓性を有する空気給排管を介して気体給排部としての空気給排部20に接続されている。空気給排部20には、コンプレッサ及び複数の電空レギュレータ等が設けられている。空気給排部20による弾性膨張体12〜15への空気の供給・排出は、制御部21により個別に制御されている。
【0025】空気給排部20及び制御部21は、小形軽量化を図ることにより被覆体11に搭載することも可能であるが、ここでは別体として、例えば使用者10が寝ているベッドの近傍等に床置きされるものとする。
【0026】制御部21には、少なくとも膝曲げ用プログラム、腰捻り用プログラム及び組み合わせ制御プログラムが記憶されている。膝曲げ用プログラムは、使用者10の右又は左膝を選択的に曲げさせるように弾性膨張体12〜19を伸縮制御するためのプログラムである。また、腰捻り用プログラムは、使用者10の腰部を上体に対して右側又は左側へ選択的に捻るように弾性膨張体12〜19を伸縮制御するためのプログラムである。
【0027】さらに、組み合わせ制御プログラムは、膝曲げ用プログラム及び腰捻り用プログラム等の下位プログラムを組み合わせて制御するための上位プログラムである。ここでは、組み合わせ制御プログラムとして、少なくとも右寝返りプログラム及び左寝返りプログラムが含まれる。
【0028】右寝返りプログラムは、使用者10が仰向け横たわっている状態で、左膝を立てる膝曲げプログラムを実行した後、腰部を右側へ捻る腰捻りプログラムを実行するためのプログラムである。左寝返りプログラムは、使用者10が仰向けに横たわっている状態で、右膝を立てる膝曲げプログラムを実行した後、腰部を左側へ捻る腰捻りプログラムを実行するためのプログラムである。
【0029】これら種々のプログラムを制御部21に記憶させておき、制御部21の操作部を操作することにより、目的に応じたプログラムを選択的に実行させることができる。操作部は、制御部21に一体に設けても、別体としてリモートコントロールするようにしてもよい。
【0030】次に、動作について説明する。空気給排部20により弾性膨張体12〜19に対して空気を給排することにより、弾性膨張体12〜19が被覆体11に与える引張力は変化する。これらの引張力の合力に応じて、使用者10の身体が被覆体11を介して動かされる。
【0031】ここでは、使用者10として、ベッドに寝ている被介護者に被覆体11を着用させた場合について説明する。この被介護者に寝返り動作をさせたいときは、介護者又は可能であれば本人が制御部21を操作して、上記の寝返りプログラムを実行させる。
【0032】例えば、仰向け状態から右側に寝返りをさせる場合、右寝返りプログラムを実行させる。これにより、まず被介護者の左膝が立てられ、次に上体に対して腰部が右側へ捻られる。腰部の捻り量が大きくなると、これに伴って上体も右側を下にして横向きとなり、寝返りが完了する。
【0033】このとき、必要であれば、介護者が手助けをして、より最適で安定した姿勢調節を行うこともできる。このときの介護者による手助けは、例えば上体を軽く押す程度の比較的簡単なものである。被介護者がある程度の力を有していれば、この姿勢調節装置による補助力と自力とにより、介護者の手助け無しで寝返り動作をすることも可能となる。
【0034】また、右側を下にした状態から反対向きに寝返らせるには、例えば一度仰向けに戻してから左寝返りプログラムを実行すればよい。
【0035】このような着用形姿勢調節装置では、被覆体11に弾性膨張体12〜19を取り付けた軽量のウエアを着用させるだけで、寝返り動作を含む使用者10の姿勢調節を容易に行うことができ、介護者の労力を大幅に削減することができる。また、場合によっては、介護者無しで姿勢調節を行うことができる。
【0036】また、寝返りのための機構をベッドに搭載した場合に比べて、装置を安価に提供できるとともに、ベッド上での使用者10の位置や姿勢によらず、より確実に寝返り動作を補助することができる。
【0037】さらに、引張部材として機能する被覆体11により使用者10が覆われているため、弾性膨張体12〜19による引張力を広い面積で分散して受けることができ、使用者10の身体の一部に集中的に力が作用することがなく、使用者10に負担をかけずにスムーズに動作させることができる。特に、使用者10の下肢をつま先まで覆うことにより、引張力をより広い面積に分散させることができる。
【0038】なお、上記の例では、仰向けから左右に寝返る動作を補助する場合について説明したが、左又は右を下にして寝ている状態から仰向けに戻す動作を補助するプログラムを加えることも勿論可能である。逆に、仰向けに戻る動作は比較的容易であるので、使用者又は介護者の力で行うようにすれば、弾性膨張体の配置箇所を減らすことも可能である。
【0039】また、上記の例では、介護者又は本人の力と姿勢調節装置の力とによって寝返り動作を行う場合を示したが、姿勢調節装置の力のみによって、寝返り動作及びその後の微調整をさせるようにしてもよい。この場合、被覆体11は使用者10の上肢をも覆うものとし、使用者10の肩や腕までも動かせるように弾性膨張体を追加してもよい。
【0040】さらに、上記の例では、腿や膝の動きも着用形姿勢調節装置により補助するようにしたが、例えば使用者が自力で十分に足を動かせる場合には、腰部の捻りだけ補助するものであっても有効である。この場合、被覆体は、少なくと使用者の胴部を被覆するものであればよい。
【0041】即ち、種々の姿勢調節動作を補助しようとすれば、弾性膨張体の配置箇所は増加し、制御も複雑となるが、目的とする姿勢調節動作を限定すれば、弾性膨張体の配置箇所は減少し、制御も簡単になる。
【0042】さらに、上記の例では、上位と下位のプログラムに分けて動作を制御したが、等位のプログラムのみで制御してもよい。即ち、膝曲げから腰捻りまでを1つの下位プログラムで実行するようにしてもよい。さらにまた、上記の例では、気体として空気を用いたが、場合によっては空気以外の気体により弾性膨張体を伸縮させてもよい。
【出願人】 【識別番号】500444243
【氏名又は名称】日本ロボティクス株式会社
【識別番号】501155973
【氏名又は名称】小林 宏
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外7名)
【公開番号】 特開2002−306282(P2002−306282A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−117697(P2001−117697)