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【発明の名称】 車両用シートのヘッドレスト
【発明者】 【氏名】佐 藤 学

【氏名】中 野 伸 行

【要約】 【課題】ヘッドレストにポケット部を形成する。構成が簡易で安価に小物や飲み物を保持する。ヘッドレストの起立状態でもポケット部を利用可能とする。

【解決手段】ヘッドレスト31のヘッドレスト本体32の中央部に開口部33を形成する。ヘッドレスト本体32の開口部33にヘッドレスト本体32よりも垂下可能な袋状のポケット部37を形成する。ヘッドレスト31を上部横杆22に設ける。上部横杆22の上部にヘッドレストステー35の挿入用の透孔41と連通する横方向に延びるガイド溝42を形成する。上部横杆22にヘッドレストステー35が立ち上がった状態で係止される係止片43を形成する。上部横杆22の上部にヘッドレストステー35の挿入用の透孔41と連通する上部横杆22の軸心方向と直交する方向に延びるヘッドレストステー35の傾倒用の溝部47を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用シートのシートバックに、ヘッドレストステーを介して取付けられ、前記ヘッドレストステーが立ち上がった状態と倒された状態に保持可能な車両用シートのヘッドレストにおいて、前記ヘッドレストが中央部に開口が形成されたヘッドレスト本体を有し、該ヘッドレスト本体の開口部にヘッドレスト本体よりも垂下可能な袋状のポケット部が形成されていることを特徴とする車両用シートのヘッドレスト。
【請求項2】 前記ヘッドレストがシートバックのバックフレームの上部横杆に設けられ、該上部横杆の上部にヘッドレストステーの挿入用の透孔と該透孔と連通する横方向に延びるガイド溝とが形成され、前記透孔に挿入されたヘッドレストステーを前記ガイド溝に沿って横方向に移動させた状態で上部横杆の内部の底部側に前記ヘッドレストステーが立ち上がった状態で係止される係止片が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートのヘッドレスト。
【請求項3】 前記上部横杆の上部にヘッドレストステーの挿入用の透孔と該透孔と連通する上部横杆の軸心方向と直交する方向に延びる溝部が形成され、前記透孔に挿入されたヘッドレストステーを前記溝部に沿って前方または後方に移動させてヘッドレストステーが倒された状態とされることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートのヘッドレスト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シートのヘッドレストに関し、更に詳細に説明すると、車両用シートのシートバックに、ヘッドレストステーを介して取付けられ、前記ヘッドレストステーが立ち上がった状態と倒された状態に保持可能な車両用シートのヘッドレストに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、車両用シート等には、ヘッドレストが取付けられ、このヘッドレストのヘッドレストステーはシートバックのバックフレームに取付けられたホルダー部材に取付けられている。このヘッドレストステーをホルダー部材を介してヘッドレスト本体を起立位置と、前倒位置とに揺動可能に装着した構成が実公平6−4750号公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両用シートのヘッドレストの場合には、ヘッドレストを略水平状態に倒した状態とし、このヘッドレストにポケット部を形成したものが存在せず、ヘッドレストを利用して簡易な構成で安価に小物や飲み物を保持することができず、更にヘッドレストの起立状態でポケット部を利用することができる構成は存在していない。
【0004】本発明の目的は、ヘッドレストを確実に保持することができ、またヘッドレストを略水平状態に倒すことができ、更にヘッドレストに小物等を収納することができるポケット部を形成することができ、構成が簡易で安価に小物や飲み物を保持することができ、ヘッドレストが起立状態でもポケット部を利用することがでる経済性に優れた車両用シートのヘッドレストを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に鑑みてなされたもので、本発明の請求項1に記載の車両用シートのヘッドレストは、車両用シートのシートバックに、ヘッドレストステーを介して取付けられ、前記ヘッドレストステーが立ち上がった状態と倒された状態に保持可能な車両用シートのヘッドレストにおいて、前記ヘッドレストが中央部に開口が形成されたヘッドレスト本体を有し、該ヘッドレスト本体の開口部にヘッドレスト本体よりも垂下可能な袋状のポケット部が形成されていることを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2に記載の車両用シートのヘッドレストは、前記ヘッドレストがシートバックのバックフレームの上部横杆に設けられ、該上部横杆の上部にヘッドレストステーの挿入用の透孔と該透孔と連通する横方向に延びるガイド溝とが形成され、前記透孔に挿入されたヘッドレストステーを前記ガイド溝に沿って横方向に移動させた状態で上部横杆の内部の底部側に前記ヘッドレストステーが立ち上がった状態で係止される係止片が形成されていることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項3に記載の車両用シートのヘッドレストは、前記上部横杆の上部にヘッドレストステーの挿入用の透孔と該透孔と連通する上部横杆の軸心方向と直交する方向に延びる溝部が形成され、前記透孔に挿入されたヘッドレストステーを前記溝部に沿って前方または後方に移動させてヘッドレストステーが倒された状態とされることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用シートのヘッドレストの実施の形態について、図面を参照して詳述する。図1乃至図9は本発明に係る車両用シートのヘッドレストをシートバックに適用したもので、図1は本発明に係わる車両用シートのヘッドレストをシートバックに適用した斜視図であり、図2(a),(b),(c)はヘッドレストを夫々示すもので、(a)はヘッドレストステーが略水平状態に倒された状態の斜視図、(b)はヘッドレストステーが起立状態の側面図、(c)はヘッドレストステーが略水平状態に倒された状態の側面図、図3は図1のX1−X1線断面図、図4は図1のX2−X2線断面図、図5は図1のX3−X3線断面図、図6はフック部材を取付けた状態の断面図、図7はカップホルダーを取付けた状態の断面図、図8は図7のカップホルダーの挿入位置の断面図、図9は立体構造織編物からなる表皮材の一部断面斜視図である。
【0009】図1に示す如く、車両用シートはシートクッション(図示せず)とシートバック13とを備えている。このシートバック13は本実施の形態ではベンチタイプに形成されているが、ベンチタイプに限定されるものではない。図1及び図2に示す如く、車両用シートのヘッドレスト13のバックフレームとしてのシートフレーム21は上部横杆22に取付けられた両側部フレーム22a,22aと、この両側部フレーム22a,22aの下端に連結された下部フレーム22bとを備え、両側部フレーム22a,22aの間には中央フレーム22cが設けられている。
【0010】このベンチタイプのシートバック13に隣接して運転席としてのシートバックが設けられる。前記中央フレーム22cの上下端部が上部横杆22及び下部フレーム21bに対して左右方向にスライド可能に設けられ、ベンチタイプのシートに着座する着座者の人数や体格等に応じて中央フレーム22cをスライド調整することができる。前記上部横杆22の両端に取付ブラケット23が夫々固着され、この上部横杆22の両端の取付ブラケット23が車体のボディ等の固定側に夫々固着される。この上部横杆22は側突時に側部空間を確保するための補強バーを兼ねている。
【0011】またシートフレーム21の上部横杆22は押し出し成形により形成され、またはアルミ合金,マグネシウム合金等からダイカスト成型等により形成されている。このシートフレーム21は断面略四角形状に形成されているが、断面円形状やその他の多角形とすることができる。
【0012】前記シートフレーム21の上部横杆22には、ヘッドレスト31が取付けられている。このヘッドレスト31は中央部に前後方向に貫通する開口部33が形成されたヘッドレスト本体32を有し、ヘッドレスト本体32に左右一対のヘッドレストステー35が設けられている。このヘッドレストステー35の下端にはフランジ部35aが形成されている。
【0013】また図2(a),(b),(c)に示す如く、ヘッドレスト本体32の開口部33に袋状のポケット部37が形成されている。このポケット部37はネット部材から形成されているが、ネット部材に限定されるものではない。また開口部33のネット部材からなる袋状のポケット部37はヘッドレスト本体32より下方に垂下することができる大きさに形成されている。
【0014】図2(a),(c)に示す如く、ヘッドレストステー35の前倒状態で袋状のポケット部37にビンのような長い物品を収納することができ、また図2(b)に示す如く、ヘッドレストステー35の起立状態で袋状のポケット部37を後方に垂下させて前方から小物を収納することができ、また反対側から、即ち、袋状のポケット部37を前方に垂下させて後方から小物を収納することができる。
【0015】図3乃至図5に示す如く、前記パイプフレームから形成されたシートフレーム21の上部横杆22は、上部にヘッドレストステー35の挿入用の透孔41と、この透孔41と連通する横方向に延びるガイド溝42とが形成され、前記透孔41に挿入されたヘッドレストステー35を前記ガイド溝42に沿って横方向に移動させることができる。
【0016】また図3に示す如く、ヘッドレストステー35を前記ガイド溝42に沿って横方向に移動させた状態で上部横杆22の内部の底部側に前記ヘッドレストステー35が立ち上がった状態でヘッドレストステー35の下端のフランジ部35aが係止されるガイドレール状の係止片43が形成されている。
【0017】図4に示す如く、前記透孔41にヘッドレストステー35を挿入する場合に、フランジ部35aが係止片43と当接しないように、係止片43に切欠部45が形成され、ヘッドレストステー35をガイド溝42に沿って横方向に移動させた状態では、フランジ部35aが係止片43に係止される。
【0018】前記パイプフレームから形成されたシートフレーム21に表皮材25が張設されている。この表皮材25は、図9に示す如く、表裏の織編物からなる表面基布26と裏面基布27とを有すると共に、前記表裏の基布26,27と一体に織編された弾力性を有する中間層28とを有する立体構造織編物から形成されている。
【0019】尚、本実施の形態では表皮材25を立体構造織編物から形成したが、表皮材25は立体構造織編物から形成するものに限定されるものではなく、通常の表皮材を用い、シートフレーム21にパッド材を取付けた状態で表皮材で被覆する車両用シートにも適用することができる。
【0020】尚、表皮材25の上端を上部横杆22の下端位置までとし、上部横杆22に別途形成された被覆部材を取付けることもでき、また上部横杆22の上端を巻き込んで表皮材25の端部を取付ける場合には、ヘッドレストステー35用の透孔41とガイド溝42に対応して透孔及びスリットを夫々形成すればよい。
【0021】前記立体構造織編物からなる表皮材25はナイロン,PP,PE等の合成樹脂繊維から形成することができ、弾力性や引張強さは糸のフィラメントの太さにより種々得ることができ、表皮材25の厚さは5mm以上の厚さに形成することができる。尚、本実施の形態では厚さ10mmのものを用いた。この立体構造織編物からなる表皮材25はダブルラッセル編機等で製造することができる。
【0022】図5に示す如く、前記上部横杆22の上部にヘッドレストステー35の挿入用の透孔41と連通する溝部47が形成され、この溝部47は上部横杆22の軸心方向と直交する方向に延びて形成されている。前記溝部47は前方に略90°の範囲で形成されている。
【0023】尚、本実施の形態では上部横杆22の上部から前方に略90°の範囲で溝部47を形成したが、上部横杆22の上部より後方に溝部47を形成することもできる。この溝部47に沿ってヘッドレストステー35を前倒または後倒させると、図2(a),(c)に示す如く、ヘッドレスト本体32の開口部33の収納部としてのポケット部37を利用することができる。
【0024】尚更に、ヘッドレストステー35の前倒または後倒は略90°の範囲に限定されるものではなく、倒された状態であればよく、90°以上または90°以下であってもよく、簡易にヘッドレストステー35の傾倒角度を設定することができる。
【0025】また、図3乃至図7に示す如く、前記上部横杆22の前後の側面にはガイドレール51,52が夫々形成され、このガイドレール51,52は横方向に延びる上下一対の対向する略L字状のレール片51a,52aから夫々形成されている。尚、図5に示す如く、ヘッドレストステー35を前倒させた際に、ガイドレール51の下部のレール片51aにヘッドレストステー35が支持されている。
【0026】図6に示す如く、ガイドレール51にはフック部材55が取付けられている。このフック部材55は取付部56とフック部57とを有し、取付部56の先端の係止部56aがガイドレール51のレール片51aにより係止されている。またフック部57の上端57aが軸支部58によ枢支され、フック部57が前後方向に回動可能に取付けられている。
【0027】尚、フック部材55の取付部56の係止部56aをガイドレール51に挿入するには、レール片51aの端部に、図8に示すと同様の切欠部53を設ければよく、フック部材55をガイドレール51に沿って移動させて所望とする位置で使用することができる。また後部のガイドレール52にもフック部材55を取付けることができる。またフック部材55のフック部57を左右方向に回動可能に取付けることもできる。
【0028】図7には本発明の異なる実施の形態が示されており、前記ガイドレール51にカップホルダー61を取付けたものである。このカップホルダー61は取付部62とホルダー部63とを有し、取付部62の先端の係止部62aがガイドレール51のレール片51aにより係止されている。
【0029】尚、カップホルダー61の取付部62の係止部62aをガイドレール51に挿入するには、図8に示す如く、レール片51aの端部に切欠部53を設ければよく、カップホルダー61をガイドレール51に沿って移動させて所望とする位置で使用することができる。
【0030】尚、前述せるガイドレール51,フック部材55及びカップホルダー61は図示の形状に限定されるものではなく、種々変形変更することができ、フック部材55及びカップホルダー61をガイドレール51に複数取付けることもできる。
【0031】
【発明の効果】以上が本発明に係る車両用シートのヘッドレストの実施の形態であるが、本発明の請求項1に記載の車両用シートのヘッドレストによれば、ヘッドレストが中央部に開口が形成されたヘッドレスト本体を有し、該ヘッドレスト本体の開口部にヘッドレスト本体よりも垂下可能な袋状のポケット部が形成されているので、ヘッドレストを確実に保持することができると共に、ヘッドレストを倒された状態にしてヘッドレストの袋状のポケット部を小物やドリンク等の収納部に利用することができ、またヘッドレストの起立状態においても袋状のポケット部を利用することができる。
【0032】また、本発明の請求項2に記載の車両用シートのヘッドレストによれば、前記ヘッドレストがシートバックのバックフレームの上部横杆に設けられ、該上部横杆の上部にヘッドレストステーの挿入用の透孔と該透孔と連通する横方向に延びるガイド溝とが形成され、前記透孔に挿入されたヘッドレストステーを前記ガイド溝に沿って横方向に移動させた状態で上部横杆の内部の底部側に前記ヘッドレストステーが立ち上がった状態で係止される係止片が形成されているので、ヘッドレストステーを上部横杆の透孔よりガイド溝に移動させることにより簡易迅速に係止片に係止することができ、ヘッドレストを確実に固定することができる。
【0033】また、本発明の請求項3に記載の車両用シートのヘッドレストによれば、前記上部横杆の上部にヘッドレストステーの挿入用の透孔と該透孔と連通する上部横杆の軸心方向と直交する方向に延びる溝部が形成され、前記透孔に挿入されたヘッドレストステーを前記溝部に沿って前方または後方に移動させてヘッドレストステーが倒された状態とされるので、溝部の設定に応じてヘッドレストステーを前後方向に傾倒させることができ、溝部の長さによりヘッドレストの傾斜角度を簡易に設定することができ、ヘッドレストの袋状のポケット部を簡易迅速に小物やドリンク等を収納して利用することができる。
【0034】本発明の車両用シートのヘッドレストによれば、ヘッドレストを確実に保持することができ、またヘッドレストを略水平状態に倒すことができ、更にヘッドレストに小物等を収納することができるポケット部を形成することができ、構成が簡易で安価に小物や飲み物を保持することができ、ヘッドレストが起立状態でもポケット部を利用することがでる経済性に優れた車両用シートのヘッドレストを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【識別番号】000210089
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ システムズ株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100074170
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 修
【公開番号】 特開2002−291569(P2002−291569A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−99557(P2001−99557)