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【発明の名称】 受光器を備えるヘルメット並びに吊荷下の警報装置
【発明者】 【氏名】安斉 利昭

【氏名】押野 善之

【氏名】近藤 高弘

【氏名】駒野 敏郎

【要約】 【課題】作業者が下を向いて作業を行っているような場合であっても、投光器が照射した光を受光器で確実に受光して、地面付近において吊荷の下方に存在する作業者に対して、警報が発せられるようにする。

【解決手段】クレーンのブームの先端部に取り付けられた第1投光器が照射する光を受光する受光ユニット2がヘルメットHに取り付けられている。この受光ユニット2は起立状態維持機構3を介して取り付けられており、その受光面22は常に上方を向いている。この受光面22を介して光L1,L2を受光することにより、受光ユニット2に内蔵された警報器が警報を発する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上方位置に設けられた投光器から発せられる光を受光する受光器を備えるヘルメットであって、前記受光器は該ヘルメットの左右に固定され、前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前後に少なくとも一個ずつ受光素子を内蔵し、前記各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光範囲を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後方向に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、ことを特徴とする受光器を備えるヘルメット。
【請求項2】 上方位置に設けられた投光器から発せられる光を受光する受光器を備えるヘルメットであって、前記受光器における受光面が上方を向くように、前記受光器に起立状態維持機構が設けられていることを特徴とする受光器を備えるヘルメット。
【請求項3】 前記起立状態維持機構を解除して、前記受光器を固定する受光器固定装置が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の受光器を備えるヘルメット。
【請求項4】 前記受光器の受光感度の調整が可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の受光器を備えるヘルメット。
【請求項5】 吊り機における荷吊アームの先端に吊られた吊荷の下方の警戒範囲に光を照射する投光器と、作業員が被るヘルメットに取り付けられて前記投光器から照射される光を受光する受光面を有する受光器と、前記受光器が前記投光器から照射される光を受光したときに警報を発する警報器とを備え、前記投光器から投射される光で照射される範囲の照射範囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整可能とされているとともに、前記受光器は該ヘルメットの左右に固定され、前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前後に少なくとも一個ずつ受光素子を内蔵し、前記各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光範囲を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後方向に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、ことを特徴とする吊荷下の警報装置。
【請求項6】 吊り機における荷吊アームの先端に吊られた吊荷の下方の警戒範囲に光を照射する投光器と、人体に被着される物に取り付けられて前記投光器から照射される光を受光する受光面を有する受光器と、前記受光器が前記投光器から照射される光を受光したときに警報を発する警報器とを備え、前記投光器から投射される光で照射される範囲の照射範囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整可能とされているとともに、前記受光器における受光面が上方を向くように、前記受光器に起立状態維持機構が設けられていることを特徴とする吊荷下の警報装置。
【請求項7】 前記警報器が、前記吊り機のオペレータにも警報を発するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の吊荷下の警報装置。
【請求項8】 前記受光器の近傍に配置された重機にも投光器が設けられており、前記重機に設けられた投光器から照射された光を前記受光器が受光したときに、重機との間の挟まれ警報を前記警報器から発することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の吊荷下の警報装置。
【請求項9】 前記警報器が、前記重機のオペレータにも警報を発するものであることを特徴とする請求項8に記載の吊荷下の警報装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン等の吊り機の下で作業をする作業者に警報を発する警報装置および警戒範囲照射装置が照射する光を受光する受光器を備えるヘルメットに関する。
【0002】
【従来の技術】建物を建築する際には、建築資材等の荷物を建築中の建物と当該建物の周辺との間でクレーンにより移動する作業が頻繁になされる。このようなクレーンを用いた作業では、クレーンのブーム先端に吊られた吊荷が、吊荷自身のバランスの崩れや風の影響等によって落下する危険性がある。
【0003】このような危険を回避するために、クレーンを用いた作業が行われる現場には、警戒を呼びかけるバリケートや看板等の表示が行われている。ところが、看板等の表示は、実際に危険のある範囲を具体的に特定するものではなく、その周辺の範囲も広く含めて警告している。しかも、特定の人にだけ警告するのではなく、現在においては危険のない人であってもその広い範囲にいる人全員に対して警告するものである。したがって、現在において危険のある範囲にいる作業者に警戒心を引き起こす効果は低いものであった。
【0004】このような問題点を解決するために、本出願人は、特開平7−108067号公報において、危険のある範囲にいる作業者に危険を警告することにより、当該作業者に強い警戒心を引き起こすことのできる吊荷下の警戒装置を開示した。この警戒装置は、クレーンのフック等の吊り機に取り付けられた、下方に向けて超音波、電波、光等の警戒信号を発信する発信器と、作業者の安全帽または着衣等に取り付けられた前記発信器からの警戒信号を受信する受信器と、前記受信機に接続されて前記警戒信号の受信時に音、光、振動等の手段により当該作業者に警報を発する警報器とを備えたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示された警戒装置における警戒信号のうち、超音波は乱反射があり、また電波はフックに帯電を起こさせたり、無線機に対して電波障害を起こさせる可能性がある。このため、警戒信号としては、赤外線、遠近赤外線、あるいは赤外線レーザなどの光を使用することが有効である。
【0006】ところが、作業の過程においては、作業者は下を向いて作業を行っている場合がある。ここで、たとえば受信器(受光器)の警戒信号受信部(受光部)が常時は上を向いた状態で固定してヘルメットに取り付けられていると、作業者が下を向いた時には、受光部も下を向いてしまう。光には指向性があるので、受光部が下を向いてしまうと、受光器を身につけている作業者が前記警戒範囲に入り、その警戒範囲に発信器(投光器)から発信された警戒信号である光が到達しても受光器が光を受光しないで、当該作業者に警報が発せられない危険性がある。
【0007】そこで、本発明の課題は、作業者が下を向いて作業を行っているような場合であっても、投光器が照射した光を受光器で確実に受光して、地面付近において吊荷の下方に存在する作業者に対して、警報が発せられるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した請求項1に係る受光器を備えるヘルメットは、上方位置に設けられた投光器から発せられる光を受光する受光器を備えるヘルメットであって、前記受光器は該ヘルメットの左右に固定され、前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前後に少なくとも一個ずつ受光素子を内蔵し、前記各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光範囲を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後方向に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、ことを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明は、上方位置に設けられた投光器から発せられる光を受光する受光器を備えるヘルメットであって、前記受光器における受光面が上方を向くように、前記受光器に起立状態維持機構が設けられていることを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項2に記載の受光器を備えるヘルメットであって、前記起立状態維持機構を解除して、前記受光器を固定する受光器固定装置が設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の受光器を備えるヘルメットであって、前記受光器の受光感度の調整が可能となるように構成されていることを特徴とする。
【0012】請求項5に係る吊荷下の警報装置は、吊り機における荷吊アームの先端に吊られた吊荷の下方の警戒範囲に光を照射する投光器と、作業員が被るヘルメットに取り付けられて前記投光器から照射される光を受光する受光面を有する受光器と、前記受光器が前記投光器から照射される光を受光したときに警報を発する警報器とを備え、前記投光器から投射される光で照射される範囲の照射範囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整可能とされているとともに、前記受光器は該ヘルメットの左右に固定され、前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前後に少なくとも一個ずつ受光素子を内蔵し、前記各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光範囲を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後方向に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、ことを特徴とする。
【0013】請求項6に係る吊荷下の警報装置は、吊り機における荷吊アームの先端に吊られた吊荷の下方の警戒範囲に光を照射する投光器と、人体に被着される物に取り付けられて前記投光器から照射される光を受光する受光面を有する受光器と、前記受光器が前記投光器から照射される光を受光したときに警報を発する警報器とを備え、前記投光器から投射される光で照射される範囲の照射範囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整可能とされているとともに、前記受光器における受光面が上方を向くように、前記受光器に起立状態維持機構が設けられていることを特徴とする。
【0014】請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6に記載の吊荷下の警報装置であって、前記警報器が、前記吊り機のオペレータにも警報を発するものであることを特徴とする。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の吊荷下の警報装置であって、前記受光器の近傍に配置された重機にも投光器が設けられており、前記重機に設けられた投光器から照射された光を前記受光器が受光したときに、重機との間の挟まれ警報を前記警報器から発することを特徴とする。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項8に記載の吊荷下の警報装置であって、前記警報器が、前記重機のオペレータにも警報を発するものであることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る吊荷下の警報装置の概要を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る警報装置は、本発明の吊り機である移動式クレーン(以下「クレーン」という)Cの荷吊アームであるブームCAに設けられて下向きに光L1(L2)を投光して、クレーンCにおけるブームCAの先端に吊られた吊荷Fの下方の警戒範囲を照射する吊荷下用投光器(以下「第1投光器」という)1を有している。また、作業者Mに被着される物であるヘルメットHに取り付けられ、第1投光器1から照射される光L1(L2)を受光する本発明の受光器である受光ユニット2を有している。この受光ユニット2は、起立状態維持機構3に取り付けられているとともに、受光ユニット2には本発明の警報器が内蔵されている。さらに、本実施形態に係る警報装置は、本発明の重機である油圧ショベルSの上方位置に取り付けられる重機挟まれ警報用投光器(以下「第2投光器」という)4を有している。なお、図1では、建築作業現場における躯体Pの近傍で、クレーンCのブームCAの先端に吊られた吊荷Fの下方の警戒範囲に作業者Mが存在し、油圧ショベルSは作業者Mの近傍にいる状態を描いている。
【0018】第1投光器1は、ブームCAの先端に取り付けられ、吊荷Fの真下を含む警戒範囲に光L1(L2)を照射している。したがって、クレーンCのブームCAが移動しても、照射される光L1(L2)の光軸が常に鉛直下方(すなわち吊荷Fの中心)に向くように設置してある。
【0019】第1投光器1は、図2に示すように、ケース11を有しており、ケース11の内側に光発信器12が設けられている。光発信器12は、下方に向けて光を照射している。光発信器12の下方には固定凹レンズ13が配設されており、固定凹レンズ13のさらに下方には、上下動可能な移動凹レンズ14が配設されている。また、ケース11の内側にはズーム駆動装置15が設けられておりズーム駆動装置15によって上下動させられるスライダ16の下端部に移動凹レンズ14が固定されている。したがって、ズーム駆動装置15を駆動することによってスライダ16を介して移動凹レンズ14が上下動するようになっている。また、移動凹レンズ14が上下動することによって、固定凹レンズ13と移動凹レンズ14の間の離間距離が変化する。この離間距離の変化によって、光発信器12から照射される光の照射範囲が拡大し、または縮小するようになっている。具体的には、図2に実線で示すように、移動凹レンズ14が上方に位置しているときには、固定凹レンズ13と移動凹レンズ14の間の離間距離が短く、照射範囲が8°の範囲内と狭くなっている。逆に、図2に仮想線で示すように、移動凹レンズ14が下方に位置しているときには、固定凹レンズ13と移動凹レンズ14の間の離間距離が長いので、照射範囲が18°の範囲内と広くなっている。
【0020】また、クレーンCの運転席には、ズーム駆動装置15を駆動して、照射角度を設定するための照射角度切り替えスイッチが設けられている。この照射角度切り替えスイッチには、照射角度を広くする「広い」というボタンと、照射角度を狭くする「狭い」というボタンが設けられている。これらのスイッチを操作することにより、第1投光器1のズーム駆動装置15が駆動して、第1投光器1から投射される光の照射範囲が調整される。
【0021】受光ユニット2は、図3(a),(b)に示すように、作業者Mが被るヘルメットHの側部に設けられている。本実施形態では、ヘルメットHの両サイドにそれぞれ受光ユニット2,2が設けられているが、これらの受光ユニット2,2は同一の構成を有するので、その一方について説明する。受光ユニット2は、起立状態維持機構3によってヘルメットHの側部に取り付けられており、ケース20を有する本体部21の上部に受光面22が形成されている。本体部21には、ブザー23が設けられており、第1投光器1が投射した光を受光面22で受光したときに、このブザー23から警報が発せられるようになっている。また、本体部21には、図示しない受光感度調整手段が設けられている。ブザー23は、所定感度以上の光を受光したときに警報を発するようになっているが、受光感度調整手段では、ブザーが警報を発する光の感度を調整することができるようになっている。
【0022】また、受光ユニット2は、ヘルメットHに対して起立状態維持機構3を介して取り付けられている。この起立状態維持機構3は、図3(a),(b)に示すように、取付アダプタ31を有している。この取付アダプタ31には、スイベル機構が形成されており、回転軸32によって受光ユニット2が揺動可能となるようにして支持されている。さらに、受光ユニット2における本体部21の下端部には、重錘33が取り付けられている。したがって、ヘルメットHを被る作業員が低所の作業を行う際などにかがんで頭を下げて、図3(a)に仮想線で示すように、ヘルメットHが傾いた場合であっても、常に受光ユニット2の受光面22は上方を向くように構成されている。
【0023】ところで、本実施形態では、受光ユニット2をヘルメットHの左右二個所に設けているが、上方から照射される光を受光することを考えれば、ヘルメットHの真上位置に1つ設けるのが望ましいと考えられる。しかし、ヘルメットHの真上位置に設けたのでは、現場内で足場等にあたり破損する頻度が高くなると考えられる。このため、上方からの光を受光できるように、ヘルメットHの左右2箇所に設ける態様とするのが望ましいが、もちろん、ヘルメットHの真上位置に1つ設ける態様としてもよい。
【0024】さらに、油圧ショベルSには第2投光器4が設けられている。この第2投光器4は、図4(a)に示すように、ブラケット40を介して油圧ショベルSの後部位置に取り付けられている。このブラケット40は、油圧ショベルSの後部からさらに後方に突出しており、その先端に第2投光器4が取り付けられている。このブラケット40が油圧ショベルSの後部から突出する長さはおよそ0.6mに設定されている。また、第2投光器4が設けられている高さ位置は、地面からおよそ2.5m程度の高さとなる位置である。この高さ位置は、作業者Mの身長が、背の高い者でおよそ180cm程度であることを考慮して設定されているが、これよりも多少上下した高さ位置に設けることもできる。また、油圧ショベルSの高さが2.5mに満たない場合には、適宜ブラケットなどを用いて高さを調整して取り付けることもできる。この第2投光器4は、図4(b)に示すように油圧ショベルSにおける後方および両側方の合計3箇所に設けられており、油圧ショベルSの後方および側方にいる作業者Mにその存在を報知できるようになっている。なお、本実施形態では重機として油圧ショベルSを用いており、本発明における重機としては、後方小旋回タイプ以外のものが好適な対象となるが、もちろん、後方小旋回タイプのものを対象とすることもできる。また、第2投光器4は、1つあるいは複数のものを取り付けることもできる。
【0025】これらの第2投光器4は、第1投光器1で用いた光発信器と同様の光発信器および固定凹レンズを有している。そして、光発信器で投射した光の照射範囲を固定凹レンズで拡大して、所定の範囲を光で照射できるようになっている。この第2投光器4には、図示しない角度調整機構が設けられており、投光器から照射する光の角度を調整することができるようになっている。
【0026】また、受光ユニット2の受光面22で、第2投光器4が発する光を受光したときには、ブザー23から挟まれ警報が発せられるようになっている。
【0027】以上の構成を有する警報装置の動作・作用について説明する。図1に示すように、建築作業現場では、たとえば躯体Pの近傍でクレーンCが使用される。警報装置は、このクレーンCが揚送する吊荷の下方の警戒範囲内に作業者Mが入っているときに、作業者Mに対して警報を発するものである。すなわち、第1投光器1が光L1(L2)を照射している警戒範囲Eに受光ユニット2が取り付けられたヘルメットHを被った作業者Mが侵入してきた、あるいは存在していたとする。この場合には、第1投光器1が照射する光L1(L2)が受光ユニット2の受光面22によって受光される。第1投光器1が照射する光L1(L2)を受光ユニット2が受光すると、受光ユニット2のケース20内に設けられたブザー23が警報を発して作業者Mに警戒領域にいることを知らせるものである。
【0028】このとき、作業者Mは、図5に示すように、たとえば下を向いて作業を行っている場合もある。下を向いて作業を行っていると、ヘルメットHの頂部は、側方または下方を向くことになる。いま、受光ユニット2がヘルメットHに固定されていたとしたら、受光ユニット2の受光面22は側方から下方を向いてしまうため、第1投光器1が照射する光L1(L2)または第2投光器4が照射する光L3を受光ユニット2が受光できないという事態が考えられる。第1投光器1が照射する光L1(L2)および第2投光器4が照射する光L3を受光ユニット2が受光できなければ、警報装置としての機能を果たさなくなってしまう。
【0029】この点、本実施形態に係る警報装置では、受光ユニット2はヘルメットHに対して起立状態維持機構3を介して取り付けられており、その受光面22は常に上方を向いている状態にある。このため、第1投光器1および第2投光器4が光L1(L2)および光L3を照射した際には、受光ユニット2は、確実にその光L1〜L3を受光することができる。
【0030】ここで、受光ユニット2では、第1投光器1および第2投光器4がパルス光を照射する状態で、所定のパルス光計測時間内でパルス光の検出を行っている。パルス光の検出を行う前には、所定のアンプ系電源安定化時間が設けられている。パルス光計測時間中に第1投光器1が照射するパルス光を検出しなかった場合には、消費電力を低減させるために、所定休止時間をおいて、再びパルス光の検出を行う。以後、この作業が繰り返される。また、パルス光計測時間にパルス光が検出された場合には、ブザー23によって、所定時間警報を発する。そして、警報を発し終えた後、およそ所定の休止時間をおいて、再びパルス光の検出を行う。
【0031】ところで、クレーンCによって吊荷Fを吊り上げる工程において、第1投光器1から発せられる光L1(L2)は、ブームCAで吊り上げられる吊荷Fにも照射される。ここで、吊荷Fの平面視した面積が大きい場合には、第1投光器1が発した光を吊荷Fが遮ってしまい、地面の作業者Mが被るヘルメットHに設けられた受光ユニット2まで届かないことが懸念される。そこで、第1投光器1から発せられる光が地面の作業者Mまで届くように、光を照射する範囲を2段階に設定できるようになっている。
【0032】具体的には、図2に示す第1投光器1における固定凹レンズ13と移動凹レンズ14の離間距離を調整することによって照射範囲を調整する。移動凹レンズ14が上方にある場合には、照射範囲はおよそ8°の角度範囲内となり、移動凹レンズ14が下方にある場合には、照射範囲が18°の角度範囲内となる。そして、図6に実線で示すように、吊荷Fが低い位置にある場合には、吊荷Fで遮られる面積は狭い。このため、クレーンCのオペレータは照射角度切り替えスイッチを「狭い」にして、移動凹レンズ14が上方に位置するようにズーム駆動装置15を駆動して、光L1が照射する警戒範囲がおよそ8°の角度範囲に設定される。また、吊荷Fがある程度の高さまで吊り上げられると、照射した光が吊荷Fで遮られる部分の面積が広くなる。そのため、このままでは、第1投光器1から照射された光L1が地面に充分に届かない可能性がある。そこで、図6に仮想線で示すように、吊荷Fがある程度の高さまで吊り上げられたら、クレーンCを操作するオペレータが角度切り替えスイッチを「広い」に切り替える。すると、移動凹レンズ14が下方に位置するようにズーム15を駆動して、光L2が照射する警戒範囲がおよそ18°の角度範囲に設定される。こうして、高い位置に吊荷Fがあって、光L2を遮られる面積が大きくなったとしても、第1投光器1から照射される光L2が、地面にいる作業者Mが被るヘルメットHに取り付けられた受光ユニット2に届くようになる。
【0033】また、警戒範囲をむやみに広げすぎると、受光ユニット2における警報が発せられる機会が必要以上に多くなってしまい、作業者Mの警戒心を薄くしてしまうおそれがある。そこで、適切な警戒範囲を照射できるように、広い角度範囲を照射できるだけでなく、狭い範囲を照射できるようにしておくことにより、警戒範囲をむやみに広げ過ぎないようにすることができる。
【0034】ここで、移動凹レンズ14を上方に移動させて狭い範囲で光L1を照射した場合に照らすことができる範囲と、移動凹レンズ14を下方に移動させて広い範囲で光L2を照射した場合に照らすことができる範囲を図7に示す。ここで、第1投光器1は、およそ75mの高さに設置されている。図7に示すように、狭い範囲で光L1を照射した場合には、直径およそ11mの範囲内に光を照射することができる。広い範囲で光L2を照射した場合には、直径およそ24mの範囲内に光L2を照射することができる。
【0035】ところで、吊荷Fが平板状のものである場合には、吊荷Fの直下に作業者Mが入り込むと、光L1(L2)が届かず、警報が発せられないことが懸念される。このとき、実際に吊荷Fの真下に作業者Mが入り込むのは、吊荷Fの玉掛け作業をした後、揚重作業をする場合と、警戒領域であることを知らずに、警戒領域外から警戒領域内に侵入してくる場合とが考えられる。
【0036】しかし、玉掛け作業をした後に揚重作業をする場合には、吊荷Fが吊り上げられる前に、作業者Mは吊荷Fの側方に位置している。このため、吊荷Fの直下に作業者Mが入っている状況ではないので、第1投光器1が照射する光L1(L2)を受光ユニット2が受光することができる。
【0037】また、吊荷Fの巻き上げ作業等を行っている間に、作業者Mが吊荷Fの直下に入り込むためには、必ずその周囲を通って作業者Mは入り込むことになる。これに対して、第1投光器1が照射する光L1(L2)は、吊荷Fよりも広い範囲で地面にまで到達しているので、作業者Mが吊荷Fの直下に入り込む前に受光ユニット2が光L1(L2)を受光する。このため、吊荷Fの直下に作業者Mが入り込む前に警報が発せられることになる。したがって、吊荷Fの直下に光L1(L2)が到達しなくても、警報機能は充分に満たされる。
【0038】こうして、クレーンCによる荷吊作業が行われている間、吊荷下の警戒領域に対して第1投光器1で光L1(L2)を照射することができる。このとき、受光ユニット2はその受光面22が常に上方を向いているので、吊荷Fの下の警戒領域に作業者Mがいる場合にその作業者Mに警戒領域にいることを確実に報知することができる。
【0039】また、油圧ショベルSの近傍で作業者Mが作業を行う場合もあり、油圧ショベルSの後方または側方で作業者Mが作業を行っている場合に、油圧ショベルSに挟まれる事故が懸念される。このような挟まれ事故を防止するべく、油圧ショベルSの存在を作業者Mに知らせるために、第2投光器4および受光ユニット2が使用される。第2投光器4は、油圧ショベルSにおける高所に設けられており、第1投光器1と同様に光L3を照射するが、この照射角度は、図4(a)に示すように、およそ60°の角度範囲に設定されている。したがって、作業者Mが立って作業を行っている場合には、作業者Mが油圧ショベルSの後方における所定の範囲内にいる場合に警報が発せられる。また、作業者Mが図5に示すようにかがんでいるときにも、受光ユニット2における受光面22は、常に上方を向いているので、油圧ショベルSの後方にいる作業者に対して、近傍に油圧ショベルSがあることを確実に報知することができる。また、受光ユニット2はヘルメットHの両側面に設けられているので、作業者Mが油圧ショベルSに設置した第2投光器4に対して横を向いていても、確実に光L3を受光することができる。
【0040】ここで、受光ユニット2では、所定の計測時間中にパルス光の検出を行っている。この計測時間中に第2投光器4が照射するパルス光を検出しなかった場合には、所定の休止時間をおいて、再びパルス光の検出を行う。以後、この作業が繰り返される。また、計測時間内にパルス光が検出された場合には、計測時間経過後に、ブザー23によって、所定時間警報を発する。そして、警報を発し終えた後、所定の休止時間をおいて、再びパルス光の検出を行う。
【0041】こうして、油圧ショベルSが作業者Mの近傍にあるときに、受光ユニット2はその受光面22が常に上方を向いており、さらにはヘルメットHの両側に設けられているので、その作業者Mに警戒領域にいることを確実に報知することができる。
【0042】以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。たとえば、前記実施形態では、第1投光器1が照射する光の照射角度の切り替えは、クレーンCのオペレータが目視して角度切り替えスイッチを操作して手動により行っていたが、これを自動的に切り替える態様とすることができる。この態様では、クレーンCのブームCAの高さおよび角度から第1投光器1の高さ位置を算出する。ブームCAの高さおよび角度は、ブームCAの端部に取り付けたエンコーダ式の角度検出センサによって知ることができる。また、吊荷Fを吊るすワイヤの巻き上げ量より、吊荷Fの高さ位置を算出する。このワイヤの巻き上げ量は、ブームCAの先端に取り付けられたワイヤの巻き上げを行う巻き上げ器に設けられたエンコーダ式の巻き上げ量検出器によって知ることができる。
【0043】これらのブームCAの高さおよび角度、並びにワイヤの巻き上げ量に基づいて、第1投光器1から照射される光の角度が、たとえばクレーンCの運転席に設けられた制御装置によって設定される。制御装置では、具体的には、たとえば吊荷Fが第1投光器1の高さの半分の高さ位置に到達するまでは、照射範囲を狭く設定しておく。この設定に基づいて、制御装置は、第1投光器1に対して、移動凹レンズ14を上方に移動させて狭い範囲の光L1を照射させるように信号を出力する。また、吊荷Fが第1投光器1の高さ位置から半分の高さを超えた時点で、制御装置は、照射範囲を自動的に広く設定する。この設定に基づいて、制御装置は、第1投光器1に対して、移動凹レンズ14を下方に移動させて広い範囲で光L2を照射させるように信号を出力する。
【0044】また、受光ユニット2の受光感度を調整可能な態様とすることもできる。具体的には、受光ユニット2が受光した時に電圧を発生するようにし、発生する電圧が出力する信号を、判定器が「active」と認識する電圧のしきい値を上下することによって受光感度を調整することができる。警報装置は一般に屋外での使用が想定されることにより、その使用環境は、天候、昼夜、季節、作業の種類などの諸条件に基づいてさまざまに変化する。たとえば、昼間の晴天時では警報装置が使用される環境下は非常に明るいので、太陽光によるノイズで受光ユニット2の感度が悪くなり、受光範囲が狭くなって、作業者が警戒領域にいるにもかかわらず、警報装置が作動しない可能性がある。また、消費電力が必要以上に増加してしまうことになる。逆に、夜間などでは使用環境が暗いので、受光ユニット2の感度が高くなり、受光範囲が広くなって作業者が警戒領域にいないにもかかわらず警報装置が作動してしまう。かかる不具合を防止するために、受光ユニット2の受光感度を調整することができるようにしておく。受光感度の調整は、所定のしきい値を上下することによって行うことができ、しきい値を上げると受光感度が低くなり、しきい値を下げると受光感度が高くなる。受光ユニット2には、この受光感度を上下動させるためのつまみなどを設けておくことができる。
【0045】また、第1投光器1で照射される光L1は、その中心位置から周方向に広がるにつれて、その光L1がだんだん弱くなっていく。この点に鑑み、作業者が警戒領域を広く設定して安全性を高くしたい場合には、受光ユニット2の受光感度を高く設定することができる。逆に、警報装置が過度に反応して警報が鳴り過ぎないように警戒領域を狭く設定したい場合には、受光感度を低く設定することができる。
【0046】ここで、本発明者らは、第1投光器1で照射する光L1(L2)の量が、中心部から離れるにつれて、どの程度低減するかについての実験を行った。その実験について説明する。実験は、前記実施形態で説明した警報装置を用いて行った。第1の実験では、第1投光器1の高さを40mに固定して、照射角度を8°および18°として、地面に向けて光L1,L2を照射した。
【0047】さらに、地面に第1投光器1が照射する光L1,L2の中心位置Oを中心として、30°の間隔を置いて12本の線を放射状に引き、それらの線上で、第1投光器1が照射する光L1,L2を受光ユニット2が所定の量だけ受光したときの中心位置からの距離を測定した。また、測定にあたっては、受光ユニット2の受光感度が高い場合と低い場合のそれぞれに設定した。
【0048】この実験において、第1投光器1の照射角度を8°に設定した場合において、受光感度を低く設定したときに受光ユニット2が受光することができた範囲の平均値はおよそ5.2mであり、受光感度を高く設定したときに受光ユニット2が受光することができた範囲の平均値はおよそ8.1mであった。また、第1投光器1の照射角度を18°に設定した場合において、受光感度を低く設定したときに受光ユニット2が受光することができた範囲の平均値はおよそ10.0mであり、受光感度を高く設定したときに受光ユニット2が受光することができた範囲の平均値はおよそ12.5mであった。この結果より、受光ユニット2の受光感度を高くした場合には、広い範囲で光を受光できることが判った。また、照射角度を広くした方が照射範囲が広くなることも実証された。
【0049】次に、第2の実験として第1投光器1の高さを順次高くしていきながら、前記第1の実験で示したように、受光ユニット2の受光感度を高く、あるいは低く設定したときに、受光ユニット2が受光することができる範囲の平均値を測定した。
【0050】実験の結果、一律して、受光ユニット2における受光感度の高い方が、第1投光器1が照射する光L1,L2を受光できる範囲が広いということが判った。また、受光感度を低く設定した場合には、第1投光器1が70mの高さを超えると、第1投光器1が照射する光L1を受光できなくなるという結果となった。これに対して、受光感度を高く設定した場合には、第1投光器が75mを超えても、充分に光L2を受光することができた。この結果より、たとえば第1投光器1が70mを超える高さまで持ち上げられるような場合には、感度をある程度まで高く設定しておくのが好適であることが判った。
【0051】他方、前記実施形態では、起立状態維持機構3によって、常に受光ユニット2の受光面22が上方を向くようにされていたが、この起立状態維持機構3を解除して、受光ユニット2をヘルメットHに対して相対的に動かないように固定する受光器固定装置を設けることもできる。起立状態維持機構3が常に機能していると、作業者Mが頭を傾けるたびに受光ユニット2はヘルメットHに対して相対的に揺動する。このため、作業者Mは、この揺動動作による揺れなどに伴う不快感を覚えることもある。その一方で、ヘルメットHを使用する環境、たとえば屋内でヘルメットHを使用する場合には、必ずしも警戒領域が設定されるわけではない。このように、警戒領域が設定されないにもかかわらず、ヘルメットHの起立状態維持機構3が働いて、作業者Mが受光ユニット2の傾動動作による揺れなどに伴う不快感を覚えるのは好ましい状況ではない。そこで、起立状態維持機構3に受光器固定装置を設けて、警戒範囲が設定されないようなときには、起立状態維持機構3が解除されて、受光ユニット2がヘルメットHに対して相対的に固定される態様とすることもできる。この受光器固定装置としては、たとえば起立状態維持機構3における回転軸32を締め付けて拘束し、回転不能とする固定装置や、回転軸32にピンを取り付けておき、このピンに引っかかる突起をヘルメットHから突出させて、回転軸32を回転不能にする固定装置など、適宜のものを挙げることができる。
【0052】また、前記実施形態のヘルメットHでは、起立状態維持機構3によって常に受光ユニット2の受光面22が上方を向くようにされていたが、その他の実施形態として、起立状態維持機構を設けることなく、図8(a),(b)に示すように、ヘルメットHの左右両側に取付アダプタ31’を介して受光ユニット2,2を固定するようにしてもよい。ここで各受光ユニット2は、それぞれが複数(ここでは2つ)の受光素子22’,22’を内蔵している。各受光素子22’は側面視で前後方向に55°の受光範囲をカバーするものであり、このような受光素子22’が各受光ユニット2において鉛直軸を境にして前後に二個一対で配置されているので、ヘルメットH全体としては、側面視で鉛直軸から前後に55°ずつ計110°の受光範囲を有するようになっている。なお、各受光ユニット2における受光素子22’の配置形態を決定するに際しては、以下の(a),(b)を考慮した。
(a)受光範囲の広い受光素子を多数設けるほどヘルメット全体としての受光範囲が広くなるが、その分コストが上昇し、またヘルメットが重くなって作業者の快適性が減じられる。
(b)発明者らが実験を繰り返した結果、作業者が被ったヘルメットの鉛直軸が作業中に前後に55°以上傾くことはほとんどなかった。したがって、ヘルメットH全体として側面視で鉛直軸から前後に55°ずつ計110°の受光範囲を有するようにしておけば、鉛直上方からのほとんど全ての光を確実に受光できるとともに、低コストかつ軽量とすることができ、最もバランスがよいといえるのであって、作業者Mが図8(c)に示すように下を向いていたり横を向いて作業を行っていても、常にいずれかの受光素子22’が上方からの光L1〜L3を受光できる状態となっており、受光ユニット2はその向きにかかわらず、第1投光器1または第2投光器4から照射された光L1〜L3を確実に受光して、ブザー23から警報音を発する。なお、ヘルメットHにおける受光ユニット2の数や配置形態、受光ユニット2における受光素子22’の数や配置形態はここで示したものに限られず、常にいずれかの受光素子22’で光L1〜L3を確実に受光できるように適宜定められる。
【0053】また、受光ユニット2には、第1投光器1または第2投光器4から照射された光L1〜L3を受光した際に、無線信号からなる受光信号を発信する受光信号発信手段を設けることもできる。このとき、クレーンCおよび油圧ショベルSには、それぞれ受光信号発信手段から発信される受光信号を受信する受光信号受信手段が設けられる。クレーンCにおける受光信号受信手段で受光信号が受信されると、運転席に設けられた受光信号確認ランプが点灯するようになっている。この受光信号確認ランプをクレーンCのオペレータが視認することにより、クレーンCのオペレータは、警報装置が正常に作動していることを確認することができる。また、吊荷作業中に作業者Mが警戒領域に入っているにも拘わらず、受光信号確認ランプが点灯しない場合には、警報装置が故障して、作業者Mに対して警報が発せられない状態となっている可能性がある。このような場合には、クレーンCのオペレータが、作業者Mに対して、警戒領域にいることを拡声器などを用いて知らせることもできる。なお、受光信号確認ランプではなく、警報音や警報振動等をもってクレーンCのオペレータに注意を喚起するようにしてもよい。
【0054】一方、油圧ショベルSが受光信号受信手段によって受光信号を受信した場合には、たとえば油圧ショベルSにブレーキを掛ける態様としておくことができる。作業者Mの近傍に油圧ショベルSが存在して、作業者Mの挟み込み事故を起こしやすい状態にあるときに、作業者Mに挟まれ警報を発すると同時に、油圧ショベルS自体の移動を停止させることにより、挟み込み事故を確実に防止することができる。また、油圧ショベルSにブレーキを掛ける態様とするほか、油圧ショベルSの運転手に警報を発する態様とすることもできる。かかる態様により、油圧ショベルSの近傍に作業者Mがいるときには、油圧ショベルSの運転手が、作業者Mの存在を意識して、安全を確認しながら油圧ショベルSの運転をするように促すことができる。もちろん、その他、警報として光、音、振動等をもって油圧ショベルSのオペレータに注意を喚起するようにしてもよい。
【0055】また、前記実施形態では、第1投光器1で照射できる光L1,L2の照射角度を2段階に設定したが、これを3段階あるいは4段階以上に設定することもできる。このように、光を照射できる角度を多数段階に設定することによって、複数の種類の工事に広く利用しやすくなる。
【0056】他方、躯体Pを構築する際に、固定式タワークレーンを用いる場合には、図9に示すように、クレーンジブCJの先端部に第1投光器1を設けるとともに、躯体Pの上方側面に補助用投光器1′を設けることができる。この補助用投光器1′としては、第1投光器1と同一の構成を有する投光器を用いることができる。図9に示すように、この態様に係る警報装置では、仮想線で示すように、吊荷Fが躯体Pの真上にあるときには、第1投光器1から光L4が照射される。また、実線で示すように、吊荷Fが躯体Pの真上から外れる場合には、補助用投光器1′から光L5を照射するようにしている。このように、吊荷Fの位置に基づいて照射する投光器を使い分けることによって、吊荷Fに遮断されることなく確実に警戒範囲を照射することができる。
【0057】さらに、前記実施形態では、受光ユニット2をヘルメットHに取り付けているが、受光ユニット2を取り付けるものとしては、作業者Mが被着する物であればよい。したがって、たとえば靴や作業着、ベルトなどに取り付ける態様とすることもできる。
【0058】また、クローラクレーンの走行部自体による挟み込み事故を防止するために、クローラクレーンの走行部が本発明の重機となって、第2投光器を取り付けた態様とすることもできる。さらに、前記実施形態では、第1投光器1および第2投光器4で照射される光として近赤外線を用いているが、レーザ光や遠赤外線などの他の光を用いることができるのはもちろんである。
【0059】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、作業者が下を向いて作業を行っているような場合であっても、投光器が照射した光を受光器で確実に受光して、地面付近において吊荷の下方に存在する作業者に対して、警報が発せられるようにすることができる。特に、投光器が発する光の照射範囲(警戒範囲)を調整することができるので、吊荷Fが大きい場合であっても、投光器が発する光を地面に確実に到達させることができる。
【0060】また、受光器の受光感度を調整可能とすることにより、天候、昼夜、季節、作業の種類などの諸条件によらず、投光器が照射する光を受光することができる。
【0061】さらに、作業者の近傍に存在する重機にも投光器が設けられているので、クレーンに吊られた吊荷下に作業者がいるほか、重機の近傍に作業者がいる場合にも警報器から警報が発せられる。したがって、吊荷の落下による事故のほか、重機の挟まれ事故をも防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
【出願日】 平成14年2月7日(2002.2.7)
【代理人】 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
【公開番号】 特開2002−327330(P2002−327330A)
【公開日】 平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願番号】 特願2002−30445(P2002−30445)