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【発明の名称】 帽子およびその製造方法
【発明者】 【氏名】丹羽 民憲

【要約】 【課題】スカーフ等の柔軟な生地からなり折り畳んだ状態で鞄等に入れて持ち運びができる帽子として、より着用容易なものを提供する。

【解決手段】筒状に縫製された生地の先端部が折り返されて該筒状体の基端部側の開口部分から筒体内部に案内され、前記先端部と基端部とが縫合されることにより基端側の開口部分を被着部とする帽子本体12が構成されている。そして、前記筒状体の先端部が折り返されることにより形成されるループ部分16に、リボン状の装飾部材14が挿入され、この装飾部材14がループ部分16の内側において帽子本体12に取付けられることにより帽子10が構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 柔軟性を有する生地からなる筒体の先端部が折り返されて該先端部が前記筒体の基端部側の開口部分から筒体内部に案内され、前記筒体の先端部と基端部とが固定されることにより前記基端側の開口部分を被着部とする帽子本体が構成されていることを特徴とする帽子。
【請求項2】 前記筒体の先端は、開口周縁の他の部分よりも突出して設けられており、先端側の開口が隠れるように折り返された状態で前記基端部に固定されていることを特徴とする帽子。
【請求項3】 請求項1又は2記載の帽子において、前記筒体の先端部が折り返されることにより形成されるループ部分にリボン状の装飾部材が挿入され、この装飾部材が前記ループ部分の内側で帽子本体に取付けられていることを特徴とする帽子。
【請求項4】 請求項3記載の帽子において、前記装飾部材が帽子本体に対して脱着可能に取付けられていることを特徴とする帽子。
【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の帽子において、前記被着部である前記開口部分の縁部に柔軟性を有する芯地が設けられていることを特徴とする帽子。
【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載の帽子において、前記被着部である前記開口部分が弾性的に拡縮可能に構成されていることを特徴とする帽子。
【請求項7】 つばを有する帽子の頭部にさらに請求項1乃至6の何れかに記載の帽子の帽子本体が被着されることにより構成されていることを特徴とする帽子。
【請求項8】 請求項7記載の帽子において、前記つばを有する帽子に対して前記帽子本体が脱着可能に被着されていることを特徴とする帽子。
【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載の帽子の製造方法であって、略二等辺三角形の生地の底角部分を裁断して互いに平行な両端縁を形成し、これらの端縁同士を縫合することにより先端側に尖った筒体を形成し、さらにこの筒体の先端側の開口が隠れるように該筒体の先端部を基端部側に折り返して筒体の内部に案内した状態で前記筒体の先端部と基端部とを縫合することにより前記帽子本体を形成することを特徴とする帽子の製造方法。
【請求項10】 請求項9記載の帽子の製造方法において、前記略二等辺三角形の生地の底角部分を裁断することにより得られる一対の生地片同士を組み合わせてリボン状の装飾部材を形成し、前記筒体の先端部を基端部側に折り返すことにより形成されるループ部分に前記装飾部材を通して該装飾部材を帽子本体に取付けることを特徴とする帽子の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スカーフ等の柔軟な生地からなり折り畳んだ状態で鞄等に入れて持ち運びができる帽子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような帽子の一例として例えば特開平2000−32117号公報にスカーフを素材として作られる帽子が開示されている。
【0003】この帽子は、二等辺三角形の生地の頂角近傍に絞り部が設けられ、この絞り部を後頭部に当てて生地の頂角部分を後ろに垂らした状態で頭部を覆い、生地の両底角部分を後頭部に回して互いに結び止めことにより着用するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の帽子は、上記のように生地を結び止めて頭部に固定するものであるため、着用に際しては、例えばバンダナ等を頭部に着用するのと然程変わらない煩雑さがあり帽子として態をなすものとは言い難くい。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、スカーフ等の柔軟な生地からなり折り畳んだ状態で鞄等に入れて持ち運びができる帽子としてより着用容易なものを提供するとともに、その帽子を簡単に製造する方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の帽子は、柔軟性を有する生地からなる筒体の先端部を折り返して該先端部を前記筒体の基端部側の開口部分から筒体内部に案内し、前記筒体の先端部と基端部とを固定することにより前記基端側の開口部分を被着部とする帽子本体を構成したものである。この際、筒体の先端は、開口周縁の他の部分よりも突出して設けられて、先端側の開口が隠れるように折り返された状態で基端部に繋ぎ止められているものであってもよい。
【0007】このような帽子本体は、例えば略二等辺三角形の生地の底角部分を裁断して互いに平行な両端縁を形成し、これらの両端縁同士を縫合することにより先端側に尖った筒体を形成し、さらにこの筒体の先端側の開口が隠れるように該筒体の先端部を基端部側に折り返して筒体の内部に案内した状態で前記筒体の先端部と基端部とを縫合することにより前記帽子本体を形成することができる。
【0008】以上の構成では、全体が帽子としての態をなしていて一般的な帽子と同様に被着部を介して頭部に被せるだけで容易に着用することができ、また、柔軟性を有した生地から形成されているので折り畳んだ状態で鞄等に入れて持ち運ぶこともできる。特に、上記のように三角形の生地を筒状に形成してその先端部を折り返す製造方法によれば、容易に上記帽子本体を製作することができる。なお、請求項の記載において「略二等辺三角形の生地の底角部分を裁断して互いに平行な両端縁を形成し」とは、少なくとも平行な部分を有していればよい意味であって、両端縁のすべてが厳密に平行であることまでを要求するものではない。
【0009】この帽子においては、前記筒体の先端部を折り返すことにより形成されるループ部分にリボン状の装飾部材を挿入し、この装飾部材を前記ループ部分の内側において帽子本体に取付けるようにするのが好ましい。
【0010】このようにすれば装飾価値を高めて他の帽子との差別化を図ることができ、しかも装飾部材の取付け部分を外部から隠して見栄えを良くすることができる。
【0011】この場合には、例えば帽子本体の製造過程で二等辺三角形の生地の底角部分を裁断することにより得られる一対の生地片同士を組み合わせることによりリボン状の装飾部材を形成し、これを前記ループ部分に挿入して帽子本体に取付けるようにすればよい。このようにすれば生地を無駄無く利用することができ、装飾部材を取付けた帽子を合理的に製造することができる。
【0012】なお、装飾部材は、帽子本体に対して脱着可能に取付けるのがより好ましい。このようにすれば、好みに応じて装飾部材を取付けた状態と取り外した状態の二通りの形態を楽しむことができるようになる。この場合、デザインの異なる複数の装飾部材を予め用意しておくことで、より多くの態様を楽しむことができる。
【0013】また、この帽子においては、被着部である前記開口部分の縁部に柔軟性を有する芯地を設けておくのが好ましい。
【0014】このように芯地を設けることで被着部の形状をある程度保って被り易さを高めることができる。しかも、芯地が柔軟性を有するため、頭部の締付感を緩和して被り心地を保ち、また、髪型が崩れるのも抑えることができる。
【0015】さらに、この帽子においては、被着部である前記開口部分を弾性的に拡縮可能に構成しておくのがより好ましい。
【0016】このようにすれば頭のサイズに拘わらず着用時のフィット感を得ることができ、被り心地が良くなる。
【0017】なお、つばを有する帽子の頭部に上記のような帽子の帽子本体をさらに被着することにより二重構造の帽子を構成してもよい。
【0018】この帽子によれば、上記帽子本体がつば付き帽子の装飾品としての機能を発揮することとなる。なお、この場合には、つばを有する帽子に対して上記帽子本体を脱着可能に被着するのが好ましい。このようにすれば、帽子本体をつば付き帽子に被着した状態で着用する一方で、好みに応じて帽子本体を取り外して直接被ることもでき、複数の態様を楽しむことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】図1は、本発明に係る帽子を後方(背面側)から見た状態を概略的に示している。この図に示すように、帽子10は御碗型に形成された帽子本体12の後方にリボン状の装飾部材14を備えており、図2に示すように装飾部材14を後方に垂らした状態で帽子本体12を被るように構成されている。
【0021】帽子本体12において、被着部である開口部分の縁部には、例えばその略全周に亘って帯状の芯地24が内装されており、これにより開口部分の形状がある程度保たれ得るようになっている。なお、芯地24は、スポンジ等の柔軟性を有する素材から形成されており、その結果、着用時の頭部の締付感を緩和して被り心地を保ち、また、髪型が崩れるのを抑え得るようになっている。
【0022】また、帽子本体12の開口部分の縁部であって帽子10の後方には、帯状のゴム紐18が縫着されており、該ゴム紐18の弾発力により前記開口部分が拡縮可能に構成されている。これにより着用者の頭のサイズに拘わらず着用時のフィット感を得ることができるように構成されている。
【0023】前記装飾部材14は、帽子本体12とは別体に形成されており、帽子本体12の後部に形成されるループ部16に通された状態で、該ループ部16の内側で帽子本体12に縫着されている。このように装飾部材14がループ部内で帽子本体12に縫着されることにより、該縫着部分が隠れて外からの見栄えが良好に保たれ得るようになっている。
【0024】なお、この帽子10では、前記帽子本体12や装飾部材14の全体がスカーフ等の柔軟な生地から形成されており、そのため、不要なときには帽子10を小さく折り畳んだ状態で鞄等に入れて持ち運びができるように構成されている。
【0025】次に、上記帽子10の具体的な製造方法について図3〜図8を用いて説明する。
【0026】帽子10の材料である生地の種類は特に限定されるものではないが、当実施形態では正方形のスカーフを用いて帽子10を製作するものとする。
【0027】まず、図3(a)に示すようにスカーフをその対角線に沿って裁断し、これにより二等辺三角形の生地20を形成する。生地20は一枚のスカーフから2枚得ることができるが、一つの帽子10の製作には原則として一枚のみ使用する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、この生地20の頂角、底角、底辺の各部に夫々符号20a,20b,20cを付して説明することにする。
【0028】次に、図3(b)に示すように生地20をその中心線(頂角20aの二等分線)に沿って二つ折りにし、この状態で生地20の底角20bの部分を中心線と平行な線分(同図中一点鎖線で示す)に沿って裁断する。これにより図4(a)に示すように開いた状態で両端に互いに平行な端縁を有したホームベース型に生地20を加工する。
【0029】そして、同図に示すように生地20の底辺20cと平行になるように前記芯地24を生地20上に置き、さらに該芯地24を包むように生地20の底辺20cを折り返した後(図4(b))、この折り返し部分を一体に、つまり芯地24とこれを挟む生地20を一体に縫合する(同図中一点鎖線は縫合部分を示す)。
【0030】次に、図4(c)に示すように、底辺20cの折り返し端部21が外側になるように生地20を前記中心線に沿って再度二つ折りにし、互いに平行な端縁同士(図4(b)における左右両端部分)を縫合する。縫合は、同図の一点鎖線に示すように該端縁とこれに連続する斜辺とが滑らかな曲線で繋がるように行い(同図中符号36は縫合部分を示す)、不要な部分26(同図の斜線で示す部分)は切除する。
【0031】このように生地20の端縁同士を縫合することにより、図5(a)に示すように、先端側(下端側)に尖った筒体が形成される(以下、必要に応じて筒体30という)。
【0032】次に、この筒体30に前記ゴム紐18を縫着する。ゴム紐18は、同図に示すように前記生地20の縫合部分36を跨ぐように芯地24の両端部分に亘って適度に引張った状態で縫着する。そして、さらに図5(b)に示すように芯地24の部分を内側から外側に折り返し、再度ゴム紐18を引張った状態で、この折り返し部分の内外の生地20をゴム紐18の両端部および前記縫合部分36において縫合する(同図中符号38で示す部分が縫合箇所を示している)。
【0033】縫合が完了したら筒体全体を裏返し、前記縫合部分36に沿って筒体30の一定の範囲(図5(c)に符号Saで示す範囲)を絞る。すなわち、該縫合部分36に沿って生地を蛇腹状に手繰り寄せながら縫合する(図6(a))。
【0034】そして、図6(b)に示すように筒体30の先端36を切除し、該先端36側の開口34が隠れるように裁断後の先端部分を折り返してループ部16を形成し、該先端部分を基端側の開口32(すなわち、先端側と反対側の開口)から筒体30の内部に案内して前記芯地24の部分(例えば、前記折り返し端部21)に縫合する。これにより帽子本体12が完成する。
【0035】次に、上記のような帽子本体12の製作過程で切除した生地、具体的には生地20をホームベース型加工する際に切除した2枚の三角形の生地22(3(b)参照)を使って装飾部材14を製作する。
【0036】まず、図7(a)に示すように生地22を重ね合せ、その一辺を基準にして生地22が二等辺三角形となるように生地22を裁断し(図中斜線部分は切除部分を示す)、さらに該三角形の底辺に沿って両生地22を縫合して図7(b)に示すようにひし形に加工する。
【0037】次ぎ、その縫合部分40に沿って生地22全体を絞る。すなわち、該縫合部分40(同図に符号Sbで示す部分)に沿って生地22を蛇腹状に手繰り寄せながら縫合する。これによりリボン状の上記装飾部材14が完成する。
【0038】こうして帽子本体12及び装飾部材14が完成したら、次に装飾部材14を帽子本体12に縫合する。具体的には、図8に示すように装飾部材14を帽子本体12の前記ループ部16に通し、装飾部材14の両端がループ部16から均等に露出するように位置決めし、この状態で装飾部材14を帽子本体12に縫合する。この際、縫合は装飾部材14の絞りの部分を帽子本体12の芯地24の部分に縫合する。これにより帽子10が完成する。
【0039】以上のような本発明の帽子10は、生地としてスカーフ等の柔軟なものを用いながらも全体が帽子としての態をなしているため一般的な帽子と同様に頭部に被せるだけで容易に着用することができる。
【0040】また、製作も、基本的には二等辺三角形の生地20の両端を裁断して筒体を形成し、その先端部分を折り返して筒体の内部に縫合するだけの手順で行うことができるので簡単に製作することができる。しかも、装飾部材14については、帽子本体12の製作過程で切除された三角形の生地22を利用して製作するため、帽子10を合理的に製作することができるという特徴がある。
【0041】なお、上記帽子10では、装飾部材14を縫着することにより帽子本体12に対して固定的に設けているが、帽子本体12に対して装飾部材14を脱着可能に取付けるようにしてもよい。このようにすれば、例えば図9に示すように装飾部材14を取り外した状態で着用したり、あるいは図10に示すようにデザイン(大きさ、形、色彩等)の異なる装飾部材14と交換することが可能となり、複数の異なる態様で帽子10を楽しむことが可能となる。なお、この場合には、帽子本体12と装飾部材14とを面ファスナー、ボタン、ホック等を用いて脱着可能に取付けるようにすればよい。
【0042】また、上記の実施形態では、基本的に生地20を縫合することにより帽子10を製作しているが、可能な場合には、縫合する代わりに感熱接着材(感熱接着テープ)等の接着手段を用いて帽子10を製作するようにしても構わない。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態に係る帽子について図11を用いて説明する。
【0044】同図に示すように、第2の実施形態に係る帽子11は、前記帽子10とは別につば2を有する通常の帽子1を備え、この帽子1の頭部3にさらに前記帽子10を被着した二重構造を有しており、つば付き帽子1を被ることにより着用するように構成されている。
【0045】このような第2の実施形成の帽子11では主に前記帽子10が装飾効果を発揮することとなり、この帽子10と前記帽子11とによりデザインがさらに多様化される。さらに、つば付き帽子1に対して帽子10を面ファスナー、ボタン、ホック等を用いて脱着可能に構成しておくようにすれば、帽子10を取り外して帽子1、あるいは帽子10を単独で着用することもでき、また、デザイン(大きさ、形、色彩等)の異なる帽子10と交換することにより、複数の異なる態様でつば付き帽子11を楽しむことができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、筒状に縫製された生地の先端部を折り返して該筒体の基端部側の開口部分から筒体内部に案内し、前記筒体の先端部と基端部とを固定することにより前記基端側の開口部分を被着部とする帽子本体を構成するようにしたので、生地としてスカーフ等の柔軟なものを用いながらも全体が帽子としての態をなしており、一般的な帽子と同様に頭部に被せるだけで容易に着用することができるという効果がある。
【0047】また、前記帽子本体については、二等辺三角形の生地の底角部分を裁断してその両端同士を縫合することにより筒体を形成し、さらにこの筒体の先端部を基端部側に折り返して筒体の内部に案内して縫合するという手順によれば容易に製作することができるため、上記の帽子を簡単に製作することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】301027007
【氏名又は名称】千代田帽子株式会社
【出願日】 平成13年4月24日(2001.4.24)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【公開番号】 特開2002−317324(P2002−317324A)
【公開日】 平成14年10月31日(2002.10.31)
【出願番号】 特願2001−126122(P2001−126122)