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【発明の名称】 ヘルメットの内装体取付用掛止体及びこの掛止体を用いた内装体の取付け構造
【発明者】 【氏名】新井 理夫

【氏名】河野 清

【要約】 【課題】内装体のずれや外れを防止して確実な取付け状態を保持した上で、製作コストの削減を実現する。

【解決手段】帯状体4の面上に掛止片3を突出させてなる掛止体Aを衝撃吸収ライナー1の外周縁11に装着した状態で帽体5に嵌合させ、その衝撃吸収ライナー1の外周縁11と帽体5の間に内装体2の周端縁21を挿し込み、掛止片3に掛け止める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帽体の内側に衝撃吸収ライナーが嵌合され、その内側に内装体が着脱可能に装備されるヘルメットにおける衝撃吸収ライナーの外周縁に設けられ、内装体の周端縁に対応した掛止片を有する掛止体において、掛止体は、柔軟性を有し、変形自在な薄状素材からなる帯状体の面上に、掛止片を多数突設してなることを特徴とする掛止体。
【請求項2】 帯状体が織布である請求項1に記載の掛止体。
【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の掛止体を用いた内装体の取付構造であって、帽体と、この帽体に嵌合された衝撃吸収ライナーの外周縁の一部、又は、全周に亘って帯状体を装着して掛止片を突出させた衝撃吸収ライナーの外周縁との間に、内装体の周端縁を挿し込むと共に、掛止片に掛け止めることを特徴とする取付け構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装着者に対して、ヘルメットの被り心地の確保とぐらつきの抑制に寄与する内装体の掛止用の掛止片を備えた帯状体及びこの帯状体を用いた内装体の取付け構造に関する。
【0002】
【従来技術】従来、ヘルメットに装備されて被り心地の確保とぐらつきの抑制に寄与する内装体は、衝撃吸収ライナーに対して着脱不可能な固定タイプと、着脱可能な着脱タイプがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】着脱タイプの内装体の取付け構造として、ヘルメットの下端部における衝撃吸収ライナーと帽体との間の隙間に対して、内装体の周端縁を抜挿しすることによって着脱する構造がある。この構造の場合、取付け状態を確実にするために、衝撃吸収ライナーの外周縁付近に、内装体の周端縁に設けた掛止片を掛け止める突出した掛止片が嵌合されており、この掛止体の掛止片と内装体の周端縁の掛止片を引っ掛けることによって、衝撃吸収ライナーの帽体への嵌合時及びヘルメット使用時における内装体のずれや外れを防止して確実な取付け状態を保持している。ところで、この掛止体に用いられている環状体は、合成樹脂を用いて衝撃吸収ライナーの外周縁のサイズや形状ごとに適合するように成形したものであり、ある一定のサイズや形状の衝撃吸収ライナーのみに適用可能なものとなっている。つまり、一種類のサイズや形状の環状体の掛止体では全ての衝撃吸収ライナーに適用することができないために、サイズや形状が異なる衝撃吸収ライナーの種類に対応する掛止体を夫々用意する必要があり、このことがヘルメット製作におけるコスト高の要因となっていた。又、この掛止体は合成樹脂を用いた成形品であるため、環状体に相当の厚みを有しており、この厚みによる出っ張りを吸収するために、衝撃吸収ライナーを掛止体の厚み分削る必要があるし、掛止体を衝撃吸収ライナーに対して隙間なくぴったりと嵌合させるためには、衝撃吸収ライナーを掛止体に合わせて凹部又は段差部を設けた形状に成形する必要がある。
【0004】そこで本発明は、内装体のずれや外れを防止して確実な取付け状態を保持した上で、製作コストの削減を実現する内装体の取付用掛止体及び内装体の取付け構造の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために本発明が採用した技術的手段は、帽体5の内側に衝撃吸収ライナー1が嵌合され、その内側に内装体2が着脱可能に装備されるヘルメットにおける衝撃吸収ライナー1の外周縁11に設けられ、内装体2の周端縁21に対応した掛止片3を有する掛止体Aにおいて、掛止体Aは、柔軟性を有し、変形自在な薄状素材からなる帯状体4の面上に、掛止片3を多数突設してなる掛止体Aとしたことである。(請求項1)
【0006】
【発明の実施の形態】請求項1の発明における掛止体Aは、図1に示すように帯状体4が長手方向に連続する形態が好ましく、衝撃吸収ライナー1の外周縁11に装着するときに必要な長さに切断する。この必要な長さとは、図3に示すように、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の全周に亘って連続して装着可能な長さ、又は、図4に示すように、数本の掛止体Aが適宜間隔をおいて装着可能な長さである。掛止体Aの装着には、例えば、帯状体4の装着面42に接着剤を塗布し、衝撃吸収ライナー1の外周縁11に貼り付けて固着する方法が挙げられる。本発明によれば、掛止体Aは、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の全周に亘る巻回装着、又は、短く切断した掛止体Aを衝撃吸収ライナー1の外周縁11に適宜間隔をおいて装着することによって衝撃吸収ライナー1に装備可能なものであるので、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の形状及びサイズにかかわりなく確実に装着することができるし、外周縁11の円周長に対して帯状体4の長さに過不足を発生させることがないので、帯状体4の正確な装着状態を確保する上で極めて有効である。しかも、帯状体4が柔軟性を有し、変形自在な薄状素材から構成されていることから従来に比較して衝撃吸収ライナー1の削減量も各段に少なくすることができるし、曲面形状になじみ易いので、衝撃吸収ライナー1の外周縁11に対して隙間なくぴったりと装着することができ、またサイズ毎に対応した掛止体を用意する必要もない。したがって、本発明の掛止体Aにより、製作コストの削減を実現することができる。
【0007】帯状体4の素材としては、柔軟性を有し、しかも変形自在な薄状のもの全てを包含するが好適には織布である。(請求項2)
【0008】そして、請求項3の発明は、前記掛止体Aを用いた内装体4の取付構造を提案するものであり、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の一部、又は、全周に亘って帯状体4を装着して掛止片3を突出させた衝撃吸収ライナー1の外周縁11に、内装体2の周端縁21を被せると共に、掛止片3に掛け止めた状態で衝撃吸収ライナー1が帽体5に嵌合していることを特徴とする取付け構造にしたことによって、内装体4のずれや外れを防止して確実な固定状態を保持した上で、製作コストの削減を実現することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る掛止体Aの一例を示しており、織布を用いて長手方向に連続するように形成された帯状体4の外側面41に、帯状体4の長手方向に沿って多数の掛止片3を各々等間隔を開けて直列状に配設している。掛止片3は、硬質の合成樹脂材を用いて直方体に形成され、帯状体4に対して溶着固定してある。このようにした掛止体Aは、図3及び図4に示すように、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の全周に亘って連続状に、又は、数本(図面上4本)の掛止体A適宜間隔をおいて装着される。
【0010】以下、掛止体Aの装着方法を詳述すると、先ず、必要な長さに切断した帯状体4の装着面42に接着剤を塗布、又は、粘着材等を貼り付ける。尚、この必要な長さは、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の周長に対応する長さでもよいし、必要な部位の長さに対応する長さでもよいものであり、内装体2を確実に掛止できる長さが確保できる範囲内で自由である。
【0011】そして、接着手段が施された帯状体4を図2に示すように、衝撃吸収ライナー1の外周縁11におけるコーナー部近くに掛止片3を位置させ、衝撃吸収ライナー1の下端面12と外周縁11とに亘って貼り付けて固着する。この方法によって、図3及び図4に示すように、掛止片3を衝撃吸収ライナー1の外周縁11から突出させた状態で掛止体Aが装着される。したがって、この掛止体Aは、衝撃吸収ライナー1の外周縁11の形状及びサイズにかかわりなく確実に装着することができるので、部品コストの削減ができる。例えば、この掛止体Aは、図6に示すように、曲面形状の外周縁11を有する衝撃吸収ライナー1に対しても、織布を用いた帯状体4が曲面形状によくなじむので、隙間なくぴったりと装着することができる。尚、図4に示すように数本の掛止体Aを適宜間隔をおいて装着する場合では、例示した位置及び本数に限定されるものではなく、内装体2を確実に掛止できる範囲内であればその位置及び本数は自由である。
【0012】次に、前記掛止体Aを用いた内装体2の取付構造を図3及び図5に基づいて説明する。内装体2は下端外周面に、内装体2の周端縁21であり前記掛止片3に引っ掛けて掛け止めされる合成樹脂製の掛止環を備え、内側面には多数のパッド22を備えた環状に形成された周知のものである。以下、周端縁21を掛止環として説明し、掛止環に符号21を付す。この内装体2は図5に示すように、掛止環21部位を外側に折り返し、この折り返し部分を帽体5と衝撃吸収ライナー1の外周縁11の間に挿し込み、掛止環21の端部を掛止片3に引っ掛けることによって衝撃吸収ライナー1に装着される。このとき、内装体2の掛止環21は、衝撃吸収ライナー1の外周縁11と帽体5の内周面51に挟まれた状態で掛止片3に掛止されるので、内装体2のずれや外れが防止されて確実な取付け状態を保持することができる。しかも、前記したように衝撃吸収ライナー1の外周縁11の形状及びサイズにかかわりなく確実に装着することができる掛止体Aを用いているので、部品を含む製作コストの削減及び装着作業の遅延防止ができる。
【0013】本実施例では、掛止体Aが装着される衝撃吸収ライナー1の外周縁11に段部13を形成し、その段部13に掛止体Aを装着している。この段部13の深さは、掛止片3に掛止環21を掛止した状態で、内装体2と衝撃吸収ライナー1の外周面とが略面一となる程度にしてあり、この深さにすることによって、掛止環21が掛止片3を乗り越えて内装体2が外れてしまうことを防止すると共に、任意で内装体2を取り外すときには、内装体2とともに掛止環21を外側に引くことによって取り外しを可能としている。尚、本実施例では、掛止体Aを衝撃吸収ライナー1の下端面12と外周縁11とに亘って貼り付けて固着した例を挙げているが、この装着例に限定されるものではなく、衝撃吸収ライナー1の外周縁11にのみ貼り付けて固着するようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明の帯状体は以上説明した通り、衝撃吸収ライナーの外周縁の形状及びサイズにかかわりなく確実に装着できるものであるので、衝撃吸収ライナーの形状及びサイズごとに夫々用意する必要があった従来の掛止体に比べて、そのコストを大幅に削減することができる。その上、任意の長さに切断することによって、掛止体の装着形態及び装着部位を自由に設定することができる。つまり、必要とする部位のみに必要とする長さにした掛止体を装着することで、掛止体の無駄を省くことができるので、更なるコストの削減という点で極めて有効である。しかも、帯状体が例えば織布のような柔軟性を有し、変形自在な薄状素材から構成されていることから従来に比較して衝撃吸収ライナーの削減量も格段に少なくすることができるし、衝撃吸収ライナーの外周縁に対して隙間なくぴったりと装着することができるので、製作作業効率を極めて向上させることができる。したがって、衝撃吸収ライナーの外周縁に帯状体の装着面をぴったりと貼り合わせることができるし、外周縁の円周長に対して帯状体の長さに過不足を発生させることがないので、内装体のずれや外れを防止して確実な取付け状態を保持した上で、製作コストの削減を実現することができる。そして、請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の掛止体を用いた取付構造であるので、内装体のずれや外れを防止して確実な取付け状態を保持した上で、製作コストの削減を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000126953
【氏名又は名称】株式会社アライヘルメット
【出願日】 平成12年12月26日(2000.12.26)
【代理人】 【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男 (外2名)
【公開番号】 特開2002−201524(P2002−201524A)
【公開日】 平成14年7月19日(2002.7.19)
【出願番号】 特願2000−395403(P2000−395403)