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【発明の名称】 帽 子
【発明者】 【氏名】一杉 喜重

【要約】 【課題】コンパクトに折り畳んでも皺を生じることなく簡単に元の形状に復元可能にした帽子を提供する。

【解決手段】クラウン部1の周囲に環状のひさし部2を設けた帽子において、ひさし部2の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リング4a〜4cを挿入し、これら保形リング4a〜4cを構成する弾性モノフィラメントの太さを種々異ならせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クラウン部の周囲に環状のひさし部を設けた帽子において、前記ひさし部の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リングを挿入し、これら保形リングを構成する弾性モノフィラメントの太さを種々異ならせた帽子。
【請求項2】 最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リングを前記ひさし部の内周縁側に配置した請求項1に記載の帽子。
【請求項3】 最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リングを前記ひさし部の外周縁側に配置すると共に、その太さを0.5mm以上かつ1.5mm未満にした請求項1に記載の帽子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ひさし部を有する帽子に関し、更に詳しくは、コンパクトに折り畳んでも元の形状に復元可能な帽子に関する。
【0002】
【従来の技術】クラウン部の周囲にひさし部を設けた帽子は、ひさし部によって強い日差しから顔面や首筋を保護することができるため広く普及している。しかし、このようにひさし部を設けた帽子は、脱帽して持ち運ぶときにひさし部が嵩張って収納の邪魔になるため煩わしさを与えるようになる。
【0003】これに対して、ひさし部を有する帽子をコンパクトに折り畳んだり、ポケット等にねじ込んだり、或いはカバンに押し込んだりしても、着帽する時には皺のない元の形状に復元することが可能であれば、持ち運びを容易にして収納性を向上することができる。
【0004】しかしながら、従来の帽子は上記のようにひさし部を小さく折り畳んだりすると、元の形状に復元することが難しく、また、仮に復元できたとしても、皺が残ることによって、外観を醜くする結果になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コンパクトに折り畳んでも皺を生じることなく簡単に元の形状に復元可能にした帽子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の帽子は、クラウン部の周囲に環状のひさし部を設けた帽子において、前記ひさし部の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リングを挿入し、これら保形リングを構成する弾性モノフィラメントの太さを種々異ならせたことを特徴とするものである。
【0007】このようにひさし部の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リングを挿入したことにより、帽子を小さく折り畳んでも、その拘束状態を解除すれば、弾性モノフィラメントの弾性回復力に基づいて皺を生じることなく簡単に元の形状に復元することができる。
【0008】また、全ての弾性モノフィラメントを太くした場合は良好な弾性回復力が得られるものの折り畳みが困難になり、逆に全ての弾性モノフィラメントを細くした場合には折り畳みが容易であるものの弾性回復力が不足することになるが、上記のように保形リングを構成する弾性モノフィラメントの太さを種々異ならせることにより、良好な弾性回復力と折り畳みの容易性とを両立することができる。
【0009】本発明において、クラウン部の形状を綺麗に復元するために、最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リングをひさし部の内周縁側に配置することが好ましい。また、ひさし部の形状を綺麗に復元するために、最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リングをひさし部の外周縁側に配置すると共に、その太さを0.5mm以上かつ1.5mm未満にすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる帽子を示すものである。クラウン部1は頭部を覆うように碗状に形成されており、このクラウン部1の周囲に環状のひさし部2が放射状に設けられている。これらクラウン部1及びひさし部2は、合成繊維、綿、シルク等の布帛から構成されている。
【0011】クラウン部1及びひさし部2を構成する布帛3は、それぞれ二重構造になっている(図2参照)。ひさし部2の内周縁から外周縁までの領域には、その二重構造の布帛3,3の間に、合成樹脂製の弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リング4a〜4cが挿入されている。これら保形リング4a〜4cは、それぞれ縫糸5の縫合により、位置ずれを生じないように固定されている。
【0012】保形リング4a〜4cを構成する弾性モノフィラメントの太さは互いに異なっており、ひさし部2の最も内周縁側に位置する保形リング4aの弾性モノフィラメントが最大径を有している。本実施形態では、図示のように保形リング4aの弾性モノフィラメントを最大径とする一方で、それ以外の弾性モノフィラメントの太さは保形リング4aよりも細径で一定にすることができる。或いは、保形リング4a〜4cを構成する弾性モノフィラメントの太さをひさし部2の内周縁から外周端に向けて徐々に細くしても良い。
【0013】上述した帽子は、ひさし部2の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リング4a〜4cを備えているので、小さく折り畳んでも、その拘束状態を解除すれば、弾性モノフィラメントの弾性回復力に基づいて皺を生じることなく簡単に元の形状に復元することができる。特に、最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リング4aをひさし部2の最も内周縁側に配置しているので、この太い弾性モノフィラメントの弾性回復力によってクラウン部1の形状を綺麗に復元することができる。しかも、保形リング4b,4cは保形リング4aに比べて細くなっているので、帽子全体としての弾性力を抑えて折り畳み性を良好にすることができる。
【0014】弾性モノフィラメントを環状の保形リング4a〜4cに構成するには、その両端部を互いに接合することが好ましい。その接合方法としては、特に限定されないが、例えば図3(A)〜(C)のような手段を採用することができる。
【0015】図3(A)の接合方法は、リング状に湾曲させた弾性モノフィラメント4の両端部を突き合わせ、その突き合わせ部40を溶着させたものである。図3(B)の接合方法は、リング状に湾曲させた弾性モノフィラメント4の両端部をオーバーラップさせ、そのオーバーラップ部分をゴムチューブ又は塩化ビニル等の樹脂チューブ41により被覆固定したものである。
【0016】図3(C)の接合方法は、リング状に湾曲させた弾性モノフィラメント4の両端部をオーバーラップさせ、そのオーバーラップ部分に合成樹脂製の粘着テープ42を少しずつずらしながら巻き付けて固定したものである。但し、弾性モノフィラメントを環状の保形リング4a〜4cに構成するにあたって、図4のように弾性モノフィラメント4の両端部を互いに固定しなくても良い。
【0017】弾性モノフィラメントの最大径は、0.5〜4.0mm、より好ましくは1.0〜3.5mmの範囲に設定すると良い。フィラメント最大径を上記範囲に設定することにより、保形リング4a〜4cを小さく折り畳み可能にすると共に、原形に復元可能にする十分な弾性回復力を与えることができる。なお、弾性モノフィラメントの最小径は、0.07〜2.0mm、より好ましくは0.3〜1.0mmの範囲に設定すれば良い。
【0018】また、弾性モノフィラメントの材料としては、弾性を有する合成樹脂であれば特に限定されることはない。好ましくはナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等を使用することができ、特にナイロンは最適である。これら合成樹脂材料は、弾性を有しながら軽量であるため帽子全体を軽量化することができ、かつ腐食しないため帽子をそのまま洗濯することができる。
【0019】図5は本発明の他の実施形態からなる帽子を示すものである。本実施形態は、保形リングの太さ関係だけを上述の実施形態とは異ならせたものである。即ち、保形リング4a〜4cを構成する弾性モノフィラメントの太さは互いに異なっており、ひさし部2の最も外周縁側に位置する保形リング4cの弾性モノフィラメントが0.5mm以上かつ1.5mm未満の最大径を有している(図6参照)。本実施形態では、図示のように保形リング4cの弾性モノフィラメントを最大径とする一方で、それ以外の弾性モノフィラメントの太さは保形リング4cよりも細径で一定にすることができる。或いは、保形リング4a〜4cを構成する弾性モノフィラメントの太さをひさし部2の内周縁から外周端に向けて徐々に太くしても良い。なお、弾性モノフィラメントの最小径は、0.07〜2.0mm、より好ましくは0.3〜1.0mmの範囲に設定すれば良い。
【0020】上述した帽子は、ひさし部2の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リング4a〜4cを備えているので、小さく折り畳んでも、その拘束状態を解除すれば、弾性モノフィラメントの弾性回復力に基づいて皺を生じることなく簡単に元の形状に復元することができる。また、最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リング4cをひさし部2の最も外周端側に配置しているので、この太い弾性モノフィラメントの弾性回復力によってひさし部2の形状を綺麗に復元することができる。しかも、保形リング4a,4bは保形リング4cに比べて細くなっているので、帽子全体としての弾性力を抑えて折り畳み性を良好にすることができる。
【0021】上述した実施形態では保形リングが3本である場合について説明したが、本発明では保形リングの本数は特に限定されるものではなく、4本以上にすることも可能である。また、弾性モノフィラメントからなる保形リングは、ひさし部のみならず、クラウン部に挿入することも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、クラウン部の周囲に環状のひさし部を設けた帽子において、ひさし部の内周縁から外周縁までの領域に弾性モノフィラメントからなる複数本の保形リングを挿入し、これら保形リングを構成する弾性モノフィラメントの太さを種々異ならせたので、帽子を小さく折り畳んでも、その拘束状態を解除すれば、弾性モノフィラメントの弾性回復力に基づいて皺を生じることなく簡単に元の形状に復元することができる。
【0023】また、保形リングを構成する弾性モノフィラメントの太さを種々異ならせているので、良好な弾性回復力と折り畳みの容易性とを両立することが可能であり、特に最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リングをひさし部の内周縁側に配置した場合、その太い弾性モノフィラメントの弾性回復力によってクラウン部の形状を綺麗に復元することができ、逆に最大径を有する弾性モノフィラメントからなる保形リングをひさし部の外周縁側に配置した場合、その太い弾性モノフィラメントの弾性回復力によってひさし部の形状を綺麗に復元することができる。
【出願人】 【識別番号】593094729
【氏名又は名称】セダージャパン株式会社
【出願日】 平成12年11月6日(2000.11.6)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2002−146620(P2002−146620A)
【公開日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願番号】 特願2000−337859(P2000−337859)