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【発明の名称】 かつらフレーム
【発明者】 【氏名】山腰 稔幸

【氏名】小坂 幸輝

【要約】 【課題】頭部を把持して良く密着し且つ形崩れすることなく長期の使用に耐えるかつらフレームを提供する。

【解決手段】かつらフレーム1は形状記憶合金から成る複数の細線2(2a、2b)と、細線2を相互に圧着により連結する連結部材3と、各細線2の自由端の端部に熱処理によって形成された球状体4とを有し、細線2にはシュリンクパイプからなる植設部材6が被着される。細線2は人の頭部の曲面よりも小さな曲率で湾曲した形状であり、頭部に押し当てられて湾曲が開かれたとき復元力で頭部を把持するように作用する。細線2相互の連結は連結部材3のかしめ付けによる圧着であるので接着剤のように剥離してばらばらに分解することも、紐による結節のように連結部が緩むこともなく、長期にわたって形崩れなく使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 形状を維持する弾性体から成る複数の細線と、該細線相互を圧着により連結する連結部材と、を有することを特徴とするかつらフレーム。
【請求項2】 形状を維持する弾性体から成り人頭部の曲面に対応する曲率で湾曲して形成されており人頭部に押し当てて載置されたとき該人頭部を把持する弾性を備えた複数の細線と、外部からの押圧によって変形し内部に挿通された前記細線に圧着して該細線相互を連結する連結部材と、を有し、該連結部材により連結された前記複数の細線の全ての端部が自由端を形成して成ることを特徴とするかつらフレーム。
【請求項3】 形状を維持する弾性体から成り人頭部の曲面に対応する曲率で湾曲して形成されており人頭部に押し当てて載置されたとき該人頭部を把持する弾性を備えた複数の細線と、外部からの押圧によって変形し内部に挿通された前記細線に圧着して該細線相互を連結する連結部材と、を有し、一本の前記細線は一方の端部と他方の端部とを前記連結部材により連結され、他の複数の細線は端部以外の箇所を前記一本の細線に前記連結部材により連結されて成ることを特徴とするかつらフレーム。
【請求項4】 前記細線に被覆され人工毛髪の植設が可能な柔軟性樹脂体を更に備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のかつらフレーム。
【請求項5】 前記細線に被覆され人工毛髪の植設が可能な組紐を更に備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のかつらフレーム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状を維持する弾性体から成る複数の細線を押圧変形部材により連結して成るかつらフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、かつらは一般に人工毛髪(人毛、獣毛、又は人造毛)と、この人工毛髪を植設した織布、編布、又は樹脂膜等を縫製してなる基布で作られている。また、ときには、基布を被着した枠組、肋材、又は骨格等のフレームを有するものもある。
【0003】そして、フレームには、例えば形状記憶合金のような形状を維持する弾性体を用いたものが提案されているが、いずれも型崩れを防ぐことのみを目的としたものであった。また、形状維持弾性体として形状記憶合金の細線を用い、これらを相互に結合させてフレームを構成する場合、結合部分を半田付けしても形状記憶合金は半田付けでは強度が弱くじきに分解してしまうため、半田付け部分を更に紐で結節し、更にこの結節部分を接着剤で固めて補強するという手数の掛かる作業を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、細線の交差部を半田付けで結合させる方法は本質的に強度が弱くて分解し易く、紐による結節は長期間の使用で結節部が弛み易く、接着剤で接着しても接着剤の接着強度は捻り等には弱いから比較的短期間で接着部分が分解してしまうという性質があり、これらをいくら組み合わせてみても長期に耐える結合が維持出来ず、フレーム全体の形状を正しく維持することができないという問題を有していた。
【0005】また、従来のかつらは、止め具で自毛を挟んで止める、自毛をかつらの周縁に結節しこの結節部を更に接着剤で固めて止める、接着剤で頭皮に止める、かつらの人工毛髪と自毛とを絡めて止めるなどの方法によって使用していた。本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、頭部を把持して良く密着し且つ形崩れすることなく長期の使用に耐えるかつらフレームを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1記載の発明のかつらフレームは、形状を維持する弾性体から成る複数の細線と、該細線相互を圧着により連結する連結部材と、を有して構成される。
【0007】次に、請求項2記載の発明のかつらフレームは、形状を維持する弾性体から成り人頭部の曲面に対応する曲率で湾曲して形成されており人頭部に押し当てて載置されたとき該人頭部を把持する弾性を備えた複数の細線と、外部からの押圧によって変形し内部に挿通された上記細線に圧着して該細線相互を連結する連結部材と、を有し、該連結部材により連結された上記複数の細線の全ての端部が自由端を形成して成るように構成される。
【0008】更に、請求項3記載の発明のかつらフレームは、形状を維持する弾性体から成り人頭部の曲面に対応する曲率で湾曲して形成されており人頭部に押し当てて載置されたとき該人頭部を把持する弾性を備えた複数の細線と、外部からの押圧によって変形し内部に挿通された上記細線に圧着して該細線相互を連結する連結部材と、を有し、一本の上記細線は一方の端部と他方の端部とを上記連結部材により連結され、他の複数の細線は端部以外の箇所を上記一本の細線に上記連結部材により連結されて成るように構成される。
【0009】そして、上記かつらフレームは、例えば請求項4記載ように、上記細線に被覆され人工毛髪の植設が可能な柔軟性樹脂体を更に備えて構成され、また、例えば請求項5記載のように、上記細線に被覆され人工毛髪の植設が可能な組紐を更に備えて構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1(a) は、一実施の形態におけるかつらフレームの骨格部分を示す斜視図であり、同図(b) は、人工毛髪の植設部材を被覆して完成したかつらフレームを示す斜視図である。同図(a),(b) に示すように、かつらフレーム1は、例えば形状記憶合金のような形状を維持する弾性体から成る複数の細線2(2a、2b)と、これらの細線2を相互に圧着により連結する連結部材3とを備えており、各細線2は、それぞれ、その端部が自由端を形成している。
【0011】同図(a),(b) に示す例では、基礎フレーム部として二本の細線2aに、拡張フレーム部として4本の細線2bがそれぞれ二本の細線2aに直交する形状で連結されている。そして、各細線2の自由端を形成している端部は、熱処理によって球状に形成されている。この球状体4は、かつらとして上記のかつらフレームが人の頭部に載置されたとき、細線2の自由端が頭部の皮膚を傷つけないように皮膚を保護するためのものである。
【0012】尚、基礎フレーム部の細線2aは二本と限ることなく三本以上でもよく、また、拡張フレーム部の細線2bも四本と限ることなく5本以上あるいは三本以下であっても良いことは勿論である。上記の細線2は、人の頭部の曲面に対応するややそれよりも小さな曲率で湾曲して形成されており、人の頭部に押し付けて載置されると、頭部の曲面よりも湾曲の曲率がやや小さいため頭部の曲面によって曲率が大きくなるように広げられ、これに対して形状を維持する弾性力により元に戻ろうとするため、その復元力で頭部を把持するように作用する。
【0013】したがって、同図(b) に示すように人工毛髪5を植設するための植設部材6を細線2に被覆して完成したかつらフレーム1に、紫色、緑色、白色、あるいは金色(勿論自毛と同色でも良い)等の適宜の人工毛髪5を多数植設して完成したかつら(不図示)もまた上記のように人の頭部に押し付けて載置されたとき、良く人の頭部に適合してこれを把持する。これにより、特におしゃれ用かつら又は飾り髪用かつらとして最適な、取り扱いが容易なかつらを提供することが可能となる。
【0014】図2(a) は、上記の細線2を連結部材3によって相互に連結する工程を示す図であり、同図(b) はその連結部分の仕上がりを示す平面図、同図(c) はその側断面図である。同図(a) に示すように、先ず細線2(2a、2b)を、それぞれ連結部材3の一部材である圧着部材7(7−1、7−2)に挿通し、連結部分となる位置で、圧着部材7をかしめて細線2にそれぞれ圧着させる。
【0015】続いて、これら二本の細線2a及び2bを、圧着部材7−1及び7−2の部分で所定の形状(本例では直交する形状)に交差させ、上から連結部材3の他の一部材である補強部材8を被せるよう載置し、これら3部材(圧着部材7−1、7−2、補強部材8)を鍍金により相互に強固に接着させて、同図(b),(c) に示すように仕上げる。尚、補強部材8は接着を強固にするための補助的な補強部材であり、圧着部材7−1と7−2を直接溶接するようにしてもよい。
【0016】勿論、3部材を同時に鍍金又は溶接で接着するのではなく、作業のし易いように、別々に順次接着させるようにしてもよい。また、3個をばらばらの部材としてではなく、かしめる前の圧着部材7−1、7−2と補強部材8を、同図(b),(c) に示すような形状に一体化させた連結部材3を予め用意しておき、これに細線2a及び2bを挿通して、圧着部材7−1及び7−2の両端部をかしめて仕上げるようにしてもよい。
【0017】図3(a),(b),(c) は、それぞれ上に上記細線2に被着する植設部材6の斜視図を示し、下に細線2に被着された状態と、これに人工毛髪を結節する方法の例を断面図で示している。同図(a) に示す植設部材6は、所定の熱を加えることにより収縮するシュリンクパイプと呼ばれる中空の筒状部材である。この植設部材6をそのままの形状で用いる場合は、図2(a) に示す工程において、細線2に植設部材6と連結部材3とを交互に挿通し、加熱して植設部材6を収縮させて同図(a) の断面図に示すように細線2に圧着させる。これにより、中間の圧着部材7が位置決めされる。この後、その圧着部材7を細線2にかしめ付ける。この後、人工毛髪の植毛具(不図示)を用い植設部材6を細線2から掬いあげるようにして人工毛髪5を植毛する。
【0018】この場合、同図(b) に示すように、細線2に植設部材6を二重に被覆させてもよく、こうすると、人工毛髪5の植毛作業が更にし易くなる。また、図1(a) に示したように細線2を連結部材3で連結してから、植設部材6を被覆する場合は、図3(c) に示すように、植設部材6に軸方向の切れ目9を入れ、適宜の長さに切断する。しかる後、切れ目9により植設部材6を開いて図3(d) に示すように、中に細線2をくるむ。更に、この上から上記同様にして作成した他の植設部材6′でくるみ込むが、このとき後から被覆する他の植設部材6′の切れ目9′が、先に被覆されている植設部材6の切れ目9と重ならないように被せる。この後、加熱して植設部材6を収縮させて細線2に密着させる。
【0019】図3(c) に示す例では切れ目9と切れ目9′とが180度反対側になっているが、このように丁度反対側にするのが好ましいといえるが必ずしもその必要はない。要は重ならないようにすればよい。そして、上に被せた植設部材6′の切れ目9′を縫い合わせるようにして人工毛髪5を植設する。これにより、植設部材6及び植設部材6′が細線2に密着し、植設された人工毛髪5がかつらフレーム1に固定される。
【0020】図4は、上記かつらフレーム1の変形例を示す図である。図1(a) に示したかつらフレーム1は基礎フレーム部が二本の細線2aで形成されているが、図4に示す変形例では基礎フレーム部が一本の細線2aで形成されている。他の拡張フレーム部が4本の細線2bであること細線2aと細線2bが連結部材3によってほぼ直交して連結されていること及び細線2の自由端の先端に球状体4が形成されていることは、図1(a) の場合と同様である。図4のように構成すると特に限られた部分に、変わり色の毛髪を混入させて、頭を飾る場合に用いる小型のかつら用として好適に使用できる。
【0021】図5(a) は、他の実施の形態におけるかつらフレームの骨格部分を示す斜視図であり、同図(b) は、他部材を付加して完成したかつらフレームを示す斜視図である。尚、同図(a),(b) において、図1(a),(b) に示した構成と同一構成部分には図1(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0022】図5(a),(b) に示すかつらフレーム10は、平行する二本の細線の端部が半円状の細線と融合した形状の無端状の細線2cからなる基礎フレーム部と、この細線2cの平行部分に直交し、連結部材3により連結されて、両端がそれぞれ自由端となっている四本の細線2bからなる拡張フレーム部と、これら四本の細線2bの自由端の端部に熱処理によって形成された球状体4とを有している。上記基礎フレーム部を形成する無端状の細線2cは、一本又は二本の細線の端部を連結部材3により連結して形成される。
【0023】この場合も、無端状の細線2cは、拡張フレーム部の細線2bと同様に、人の頭部の曲面に対応するややそれよりも小さな曲率で湾曲して形成されており、人の頭部に押し付けて載置されたとき、頭部の形状(曲面)に良く適合して頭部を適宜に把持するようになっている。
【0024】そして、本例では、無端状の細線2cの閉じた内部にネット11を配設し、細線2bの、細線2cの閉じた内側に配置された部分を除いて細線2cの外側にでる自由端側の部分に、植設部材6を配設する。そして、ネット11及び植設部材6に人工毛髪5を植設する。この形状におけるかつらフレームで作成したかつらは、頭部の限られた部分に密集した人工毛髪を装着したいというような場合に好適に使用される。
【0025】図6は、無端状の細線2cを形成する連結部の他の例を示す図である。上述した無端状にするための細線2cの連結は、図5(a) に示したように連結部材3の位置で連結すると限るものではなく、図6に示すように、適宜の連結部材3と連結部材3の中間で、圧着部材7を用いて連結するようにしても良い。同図に示す例では、二本の細線2c−1及び2c−2を用い、これら互いの端部を、基礎フレーム部の平行する部分の中央で、圧着部材7を用いて連結している。勿論一本の細線を用い、平行部分のいずれか一ヵ所の連結部材3と連結部材3間で連結するようにしてもよい。
【0026】尚、図6は平面図であるため、湾曲形状が定かでないが、この場合も図1(a)又は5(a) に示したように、人の頭部の曲面に沿った形状のやや小さな曲率で湾曲して形成されている。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、接着剤や紐による連結では長期の使用に耐えない形状維持弾性体からなる複数の細線を、連結部材を用いかしめと鍍金とにより強固に連結するので、長期の使用に耐える形状維持弾性体の細線からなるかつらフレームを形成することができ、これにより、人の頭部に押し当てるだけで、頭部の曲面に対応させて形成した細線の湾曲形状により頭部を把持するように密着して装着され得るばかりでなく、形崩れすることなく長期の使用に耐えるかつら用のかつらフレームを提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000126218
【氏名又は名称】株式会社アートネイチャー
【出願日】 平成13年5月28日(2001.5.28)
【代理人】 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
【公開番号】 特開2002−348716(P2002−348716A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−158264(P2001−158264)