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【発明の名称】 強度の改良されたミノ毛
【発明者】 【氏名】千葉 健

【要約】 【課題】油剤処理などを行なっても、糸抜けが生じず、かつミシン部の触感も実用上違和感のない頭飾用ミノ毛を提供する。

【解決手段】ミノ毛のミシン縫いされた縫製部分を反応性弾性接着剤で補強する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ミシン縫いされた縫製部分を反応性弾性接着剤で補強したミノ毛。
【請求項2】 人毛、再生コラーゲン繊維、塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維およびポリプロピレン繊維よりなる群から選択される少なくとも1種の繊維からなる請求項1記載のミノ毛。
【請求項3】 前記反応性弾性接着剤が、シラノール基、加水分解性ケイ素基、エポキシ基、チオール基およびイソシアネート基よりなる群から選択される少なくとも1種の反応性基を1分子中に平均1.1〜10個有し、数平均分子量が500〜100000の反応性高分子化合物を含有する請求項1または2記載のミノ毛。
【請求項4】 前記反応性弾性接着剤の粘度が、23℃で0.01〜50Pa・sである請求項1、2または3記載のミノ毛。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウィッグやウィービングなどの頭飾製品として用いられるミノ毛に関する。
【0002】
【従来の技術】頭飾製品であるウィービングにおいては、繊維束をウィッグ用ミシンで縫製してミノ毛としたものであって、ストレートスタイルとカールスタイルがあり、カールスタイルでは得られたミノ毛をパイプに巻いて熱セットによりカールを付与する。さらにミノ毛をヘアキャップに縫い付け、スタイルを整えたものがウィッグである。
【0003】このようにして得られた製品は、装着時にスタイルを整えるために櫛通しやブラッシングなどを行なう。この際にかかる力によって、ミシン部からの糸の抜けが起きる場合があり、実用上の大きな問題となっている。これを抑制する目的で、通常は溶剤型接着剤でミシン目を補強するなどの対策を講じている。
【0004】ところが、ウィービングなどの頭飾製品では、スタイル調整、触感改良または輝きの付与などの目的で、製造過程において油剤処理を行なう。油剤としては、触感、風合い、滑り性などの特性を発現させる目的で、シリコーン系またはポリエーテル系油剤を用いることが多い。油剤処理は通常、ミノ毛全体を所定濃度に調整した油剤にディッピングなどによって行なわれ、ミシン部も油剤に浸される。通常用いる溶剤型接着剤では、油剤による膨潤、油剤への溶解などで、接着強度が著しく低下し、糸抜けが生じていた。加えて、溶剤型接着剤は用いる樹脂のガラス転移点が室温以上のものが多く、接着剤塗布後は、ミシン部の触感が硬くなることも問題であった。
【0005】反応性接着剤としては、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などがあり、高い剪断強度と接着力を有するが、硬化後は一般的に硬くて脆い材料である。したがって、櫛通しやブラッシングを着用状態で行なうと、ミシン部が硬いため装着感が低下するなどの問題が生じる。また、櫛通しなどの衝撃により、ミシン部が折り曲げなどの衝撃を受けると、接着剤の基材が硬い場合、樹脂そのものの破壊が進行することがある。破壊によって生じた樹脂片は、異物として装着者に嫌われるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油剤処理などを行なっても、糸抜けが生じず、かつミシン部の触感も実用上違和感のない頭飾用ミノ毛を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ミシン縫いされた縫製部分を反応性弾性接着剤で補強したミノ毛に関する。
【0008】前記ミノ毛は、人毛、再生コラーゲン繊維、塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維およびポリプロピレン繊維よりなる群から選択される少なくとも1種の繊維からなることが好ましい。
【0009】前記ミノ毛において、反応性弾性接着剤は、シラノール基、加水分解性ケイ素基、エポキシ基、チオール基またはイソシアネート基よりなる群から選択される少なくとも1種の反応性基を1分子中に平均1.1〜10個有し、数平均分子量が500〜100000の反応性高分子化合物を含有することが好ましい。
【0010】さらに、反応性弾性接着剤の粘度は、23℃で0.01〜50Pa・sであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の頭飾用ミノ毛は、ミシン縫いされた部分で折り返され、その上からさらにミシン掛けされた縫製部分を反応性弾性接着剤で補強した頭飾用ミノ毛である。ミノ毛は通常、ミノ毛作製用三連結ミシンを用いて作製されるものであり、ミノ毛上部は2重に折られており、加工時あるいは装着時の糸抜けが起きにくいようにミシン部には数回のミシンがけがされている。このミシン部を反応性接着剤で補強することにより、糸抜けを防ぐことができる。
【0012】通常のウィッグあるいはウィービングを作製する行程では、三つ編みコンロー(自毛を頭部に沿って三つ編みすることをいう)を行ない、ミノ毛を専用針で縫着してミシン加工したのちカール形状付与などを行ない、さらに触感、風合い、滑り性などの特性を発現させる目的で、シリコーン系またはポリエーテル系油剤を用いてミシン部も油剤に浸されるようにディッピングなどによって油剤処理を行なう。本発明で使用する反応性弾性接着剤は、硬化後、溶剤への溶解性はほとんどなく、耐油剤性が高いことから、油剤処理後も充分な接着強度を発現し、糸抜けを抑制することが可能となる。
【0013】本発明で使用する反応性弾性接着剤は、硬化後も弾性を有する接着剤であり、櫛通しなどの衝撃を受けた場合にも、接着基材の破壊が起きず、かつ、接着剤を塗布した部分も硬くならないことを特徴とする。このような接着剤としては、シリコーン系、変性シリコーン系、ウレタン系、エポキシ変性シリコーン系、ポリサルファイド系、複合変性ポリマー系などがあげられる。これらの反応性弾性接着剤は、主成分である反応性高分子化合物が、分子間で架橋することで弾性体を形成することを特徴とする。反応性高分子の反応性基としては、反応性の制御のしやすさ、得られる接着剤の接着性能などの点で、シラノール基、加水分解性ケイ素基、エポキシ基、チオール基またはイソシアネート基などが好ましい。反応性高分子中にこれらの反応性基が1種類のみで存在してもよく、複数存在していてもよい。反応性基の数は架橋時の接着強度および弾性の確保のうえで重要であり、1分子中に平均1.1〜10個であることが好ましく、1.2〜5であることがより好ましい。反応性基数が1以下では安定な架橋構造がえれれず、1分子中の反応性基数が過剰に存在する場合、硬化状態で硬く脆いものとなる傾向がある。
【0014】反応性高分子化合物は、数平均分子量が500〜100000であることが好ましく、1000〜30000であることがより好ましい。本発明における反応性弾性接着剤では、反応性高分子化合物が反応することで架橋構造を構築するが、架橋点間の分子鎖長が短い場合には得られた硬化物は硬く脆いものとなり、鎖長が長すぎる場合には硬化物強度が弱く、糸抜けを抑制するだけの強度を発現できなくなる傾向がある。また、反応性高分子化合物における反応性基の位置はとくに制限されるものではないが、弾性構造が発現しやすいことから、分子鎖末端に存在することが好ましい。
【0015】このような反応性高分子化合物の主鎖を形成する化合物としては、たとえば日刊工業新聞社発行の工業材料、第47巻、第13号に記載されている。具体的にはポリジメチルシロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド(たとえば鐘淵化学工業(株)製、MSポリマーおよびカネカサイリル)、ポリブチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリピロピレンオキシド共重合体などのポリエーテル類;ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびこの水素添加物さらにはポリイソブチレン(たとえば鐘淵化学工業(株)製、エピオン)などの炭化水素系重合体;ポリウレタン、アクリル酸エステル系重合体(たとえば特開2001−11321号公報などに記載)、ポリサルファイドなどがあげられる。
【0016】反応性弾性接着剤には、必要に応じて各種成分を添加してもよい。たとえば、硬化促進のための硬化触媒、被着体との粘接着性を確保のための粘着性付与剤および接着性付与剤、架橋構造の緻密化を目的とした架橋助剤、硬化した接着剤の基材硬度を調整するための有機および/または無機のフィラー、耐候性を確保するための酸化防止剤、紫外線吸収剤などの老化防止剤、耐候接着性を確保するための光重合性化合物、接着剤組成物の粘度を調整するための可塑剤などがあげられる。前記成分の配合比率は目的とするミノ毛からの糸抜けを抑制するものであれば、とくに制限されるものではない。
【0017】可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシルなどの非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレンなどのポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体などのポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などの2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類などを単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
【0018】可塑剤としては、このほかに揮発性の低分子化合物も用いることが可能である。たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、オクタン、エチルシクロヘキサン、ノナン、オクタンなどの飽和炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなどの水酸基含有化合物;メチルクロライド、ジクロルメタン、クロロホルム、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどがあげられる。
【0019】可塑剤を用いる場合の配合量はとくに限定されるものではないが、反応性高分子化合物100重量部に対して5〜1000重量部であることが好ましい。1000重量部を越えた場合、硬化前の組成物粘度が低いため、流動性が高くなり作業性に問題が生じ、5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなる傾向がある。
【0020】シランカップリング剤としては、たとえば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなどのイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシランなどのビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレートシラン類などをあげることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステルなどもシランカップリング剤として用いることができる。
【0021】シランカップリング剤の配合量は、反応性高分子化合物100重量部に対し0.1〜20部であることが好ましい。20重量部を越えた場合、硬化性組成物を硬化させた硬化物のゴム弾性がなくなり、弾性接着剤としての機能を果たさなくなることがある。0.1重量部よりも少ない場合、硬化時間が長いあるいは充分な硬化物が得られず、必要な接着性能発現しなくなる傾向にある。
【0022】硬化触媒とシては、たとえば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ビスノニルフェノキシド、ジブテニル錫オキシドなどの4価のスズ化合物類;オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫などの2価のスズ化合物類;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナートなどのキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などのアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸などとの塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒などが例示できる。
【0023】これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。硬化触媒の配合量は、反応性高分子化合物100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましい。硬化時に20重量部を越えた場合、局部的な発熱や発泡が生じ、良好な化合物が得られ難くなるほか、貯蔵時の安定性が低下することなどが生じ、0.1重量部より少ない場合、硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合が生じる傾向にある。
【0024】フィラーとしては、たとえば、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、フュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラックのような補強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末およびシラスバルーンなどのような充填材;石綿、ガラス繊維およびフィラメントのような繊維状充填材などがあげられるが、必ずしも必要とするものではない。
【0025】フィラーを用いる場合の配合量は、反応性高分子化合物100重量部に対して5〜1000重量部であることが好ましい。1000重量部を越えた場合、接着剤組成物の流動性が著しく低下して作業性が低下し、5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分発現しない傾向がある。充填材は単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0026】老化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤、リン系ヒドロペルオキシド分解剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ニッケル系光安定剤などがあげられる。
【0027】前記フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが例示できる。
【0028】前記芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが例示できる。
【0029】前記硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネートなどが例示できる。
【0030】前記リン系ヒドロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどが例示できる。
【0031】前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどが例示できる。
【0032】前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが例示できる。
【0033】前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−ベンジロキシベンゾフェノンなどが例示できる。
【0034】前記ヒンダートアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが例示できる。
【0035】前記ニッケル系光安定剤の具体例としては、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n−ブチルアミンニッケル(II)などが例示できる。これらの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。単独で使用した場合と比較して、併用することによってより有効に機能することがある。
【0036】老化防止剤の配合量は、反応性高分子化合物100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ましい。0.1重量部未満の場合には、耐候性の改善効果が充分でないことがあり、20重量部をこえると組成物の色調や、接着性低下を引き起こす傾向がある。
【0037】前記反応性弾性接着剤の粘度は、23℃で0.01〜50Pa・sであることが好ましい。粘度の下限は0.02Pa・s、上限は20Pa・sであることがより好ましい。反応性弾性接着剤を用いてミノ毛のミシン部を補強する場合、必要以上に高粘度であって充分な流動性を示さないとミシン部全体に接着剤を行き渡らせるためには大量に塗布することが必要となり、接着剤を多量に使用することになる。これは、コスト高になるばかりでなく、仕上がり部に接着剤が多量に付着することから外観もわるくなる。他方、反応性弾性接着剤の粘度が低すぎる場合、ミシン部のみに接着剤を塗布しようとしても、低粘度なために流動性が高く、ミシン部から毛先方向に向かい、接着剤が浸透し、最終的に得られる製品はミシン部近傍の毛の束が接着剤により収束させられるため使用できない。
【0038】ミノ毛に用いる繊維は、通常頭飾用に使用される繊維であればとくに制限されるものではないが、風合い、糸抜けを押さえるための接着力確保のし易さから、人毛、再生コラーゲン繊維、塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維が好ましい。これらを単独で用いてもよく、2種以上の繊維を混合した繊維を用いてもよい。
【0039】前記人毛とは、通常ウィッグあるいはウィービングに使用されるものであり、未処理人毛をはじめ、殺菌、脱色、着色あるいは油剤処理などのいずれかまたはそのいくつかの行程を経た処理人毛も含まれる。
【0040】前記再生コラーゲン繊維とは、可溶化コラーゲンを塩析条件下で紡糸し、これにホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物あるいはエピクロルヒドリンのようなエポキシ化合物などのアミノ基と反応する成分を反応させ、必要に応じてクロム塩あるいはアルミニウム塩を作用させることで、製造される繊維であり、たとえば特開平4−50370号公報に記載されている。
【0041】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0042】なお、実施例においてとくに断らない限り、「部」は「重量部」を表す。
【0043】製造例1牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した皮片1200g(コラーゲン分180g)に30重量%に希釈した過酸化水素水溶液30gを投入後、乳酸水溶液で溶解し、pH3.5、固形分7.5重量%に調整した原液を調製した。原液を減圧下で撹拌脱泡機((株)ダルトン製、8DMV型)により撹拌脱泡処理し、ピストン式紡糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置して脱泡を行なった。かかる原液をピストンで押し出したのち、ギアポンプ定量送液し、孔径10μmの焼結フィルターで濾過後、孔径0.275mm、孔長0.5mm、孔数300の紡糸ノズルを通し、硫酸ナトリウム20重量%を含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸および水酸化ナトリウムでpH11に調整)へ紡出速度5m/分で吐出し、再生コラーゲン繊維を得た。
【0044】つぎに、得られた再生コラーゲン繊維(300本、20m)を、エピクロロヒドリン1.7重量%、水酸化ナトリウム0.0246重量%、および硫酸ナトリウム17重量%を含有した水溶液1.32kgに25℃で4時間浸漬したのち、さらに反応液温度を43℃に昇温して2時間含浸した。
【0045】反応終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行なった。こののち、硫酸アルミニウム5重量%、クエン酸三ナトリウム塩0.9重量%、水酸化ナトリウム1.2重量%を含有した水溶液1.32kgに30℃で含浸し、反応開始から2時間後、3時間後および4時間後にそれぞれ5重量%水酸化ナトリウム水溶液13.2gを反応液に添加した。反応終了後に反応液を除去後、流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗を行なった。
【0046】ついで、作製した繊維の一部をアミノ変性シリコーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬して油剤を付着させた。50℃に設定した熱風対流式乾燥機内部で繊維束の一方の端を固定し、他方の端に繊維1本に対して2.8gの重りを吊り下げ2時間緊張下で乾燥させ、繊維を得た。
【0047】製造例2還流塔および攪拌機付きの50Lの反応釜に、アセトニトリル(2640g)中にCuBr(251.82g、1.76モル)を分散させた懸濁液を仕込み、反応釜内をチッ素シールしたのち65℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(6.0kg)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(526.70g、1.46モル)、アセトニトリル(695g)、ペンタメチルジエチレントリアミン(12.0mL、58.5ミリモル)(以下、トリアミンと略す)を加え、反応を開始した。80℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(24.0kg)を連続的に滴下した。アクリル酸ブチルの滴下途中にトリアミン(36.0mL、176ミリモル)を追加した。引き続き80℃で加熱攪拌後、1,7−オクタジエン(6.448kg)、トリアミン(120.0mL、585ミリモル)を添加し、さらに80℃で4時間加熱攪拌を続けた。そののち一時加熱攪拌を中断し、トリアミン(80.0mL、390ミリモル)を追加して90℃で4時間加熱攪拌を行なうことにより、重合体[1]を含有する反応混合物(重合反応混合物[1])を得た。
【0048】重合体[1]はGPC測定(ポリスチレン換算)により数平均分子量は23600、分子量分布は1.21であり、重合体1分子当たりに導入された平均のアルケニル基の数を1H NMR分析により求めたところ、2.9個であった。
【0049】重合体[1](3.8kg)に酢酸カリウム(87g)、ジメチルアセトアミド(3.8L)を加え、チッ素気流下100℃で8時間撹拌した。混合物を減圧加熱処理したのち、トルエンで希釈して、ろ過し、ろ液を濃縮することで重合体[2]を得た。
【0050】重合体[2](3.8kg)にキョーワード500SH(協和化学、380g)、キョーワード700SL(協和化学、190g)およびキシレン(760mL)を加え、チッ素気流下100℃で5時間15分加熱撹拌した。これをトルエンで希釈して、ろ過し、ろ液を濃縮して重合体[3]を得た。
【0051】2Lの耐圧反応容器に、重合体[3](1300g)を仕込み、気相部をチッ素置換した。100℃に加熱し、攪拌しながらチッ素気流下でオルトギ酸ジメチル(17mL、0.16モル)、ジメトキシメチルヒドロシラン(59mL、0.47モル)を添加した。引き続き100℃に加熱攪拌しながらチッ素気流下で白金触媒(0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体のキシレン溶液)を添加して反応を開始した。ただし、白金触媒の使用量は、白金として30ppmとした。100℃で2時間加熱したのち、冷却し、反応混合物を払い出した。混合物を濃縮し、末端にシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)(重合体[4])を得た。重合体[4]はGPC測定(ポリスチレン換算)により数平均分子量は27000、分子量分布は1.41であり、重合体1分子当たりに導入されたシリル基は、1H NMR分析より、2.5個であった。
【0052】製造例3製造例1で作製した再生コラーゲン繊維をよく開繊して、17100dtexに調整した繊維束(10g/58.4cm)を櫛入れすることで、繊維束の全体長を66.0cmになるようにずらした。ミノ毛作成用三連結ミシン(MYUNG SUMG INDUSTRIAL CO.LTD.製)を用いて、得られた繊維束からミノ毛を作製した(ミノ幅20cm)。
【0053】実施例1市販の架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体(鐘淵化学工業(株)製、SAT200、ジメトキシメチルシリル末端ポリプロピレングリコール、数平均分子量:9000、分子量分布:2.0、重合体1分子当たりのシリル基数:約2)100部に、可塑剤(数平均分子量3000のポリプロピレングリコール)100部、さらにシランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A−1122)を12部添加し、均一に攪拌を行なった。均一に混合された時点で、さらに硬化触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化成(株)製、U−220)を5部添加し素早く混合して、湿分硬化型弾性接着剤組成物を得た。得られた接着剤を製造例3で得られたミノ毛のミシン部に、スポイトを用いてミシン部が完全に接着剤で覆われるように塗布した。こののち、室温にて1時間放置し、ミシン部を補強したミノ毛を得た。
【0054】実施例2実施例1における可塑剤を除いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0055】実施例3製造例2で得られた架橋性シリル基を有するアクリル系重合体100部に、可塑剤(ジオクチルフタレート)を50部およびシランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A−1120)を5部添加し、均一に攪拌を行なった。成分が均一に混合した時点で、さらに硬化触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化成(株)製、U−220)を10部添加し素早く混合して、湿分硬化型弾性接着剤組成物を得た。得られた接着剤を製造例3で得られたミノ毛のミシン部に、スポイトを用いてミシン部が完全に接着剤で覆われるように塗布した。こののち、室温にて1時間放置し、ミシン部を補強したミノ毛を得た。
【0056】実施例4市販の架橋性シリル基を有するポリイソブチレン系重合体(鐘淵化学工業(株)製、EP−505S、ジメトキシメチルシリル末端ポリイソブチレン、数平均分子量:16000、分子量分布:1.2、重合体1分子当たりのシリル基数:1.3)150部に、可塑剤(出光興産(株)製、PS−32)90部、フィラーとして溶融シリカ(龍森、ヒューズレックスE1)100部および酸化チタン(石原産業(株)、Tipaque#820)10部、シランカップリング剤3種(日本ユニカー(株)製、A−1310、A−187およびA−171)を各1部、および酸化防止剤(旭電化工業(株)製、Mark AO−50)0.3部を添加し、均一に攪拌した。成分が均一に混合された時点で、さらに硬化触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化成(株)製、U−220)を4部添加し素早く混合して、湿分硬化型弾性接着剤組成物を得た。得られた接着剤を製造例3で得られたミノ毛のミシン部に、スポイトを用いてミシン部が完全に接着剤で覆われるように塗布した。こののち、室温にて1時間放置し、ミシン部を補強したミノ毛を得た。
【0057】実施例5実施例1における弾性接着剤の代わりに、市販の弾性接着剤(セメダイン(株)製、スーパーX)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0058】実施例6実施例1における弾性接着剤の代わりに、市販の弾性接着剤(セメダイン(株)製、スーパーX)100部にアセトン100部を添加し、混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0059】実施例7アセトンの添加量を300部とした以外は、実施例6と同様にしてミノ毛を得た。
【0060】比較例1実施例1における弾性接着剤の代わりに市販の溶剤型酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)製、スチロール用、反応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0061】比較例2実施例1における弾性接着剤の代わりに市販のエマルジョン型エチレン酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)製、紙用、反応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0062】比較例3実施例1における弾性接着剤の代わりに市販の溶剤型ポリウレタン系接着剤(コニシ(株)製、多用途、反応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0063】比較例4実施例1における弾性接着剤の代わりに市販のシアノアクリレート系接着剤(セメダイン(株)製、ゼロタイム、反応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0064】比較例5製造例3で得た状態(接着剤処理なし)のミノ毛を比較品として用意した。
【0065】評価方法(接着剤粘度)接着剤組成物(吸湿前)の粘度は東京理科機械(株)製の粘度計を用いて、23℃にて測定を行なった。
【0066】(糸抜け試験)ミノ毛のミシン部を上にした状態で固定した。ついで、1本の毛先を手でしっかりとつかみ、真下に向かって力をかけた。接着力が充分な場合には、繊維がミシン部近傍で切断した。同様の操作を10回行ない、糸抜けと切れの割合から接着力の評価を行なった。
【0067】(耐油剤試験)アミノシリコーン系油剤原液(アミノシリコーンおよび乳化剤からなる成分)に固形分濃度0.6%になるように水を添加して調整した油剤に、得られたミノ毛を20分間浸析させ、50℃に設定したオーブンにて乾燥させた(乾燥時間1時間)。こののちに抜け試験を行ない、油剤処理による接着力の変化を観察した。
【0068】(触感)接着剤塗布を行なったミノ毛のミシン部の触感を以下の3段階で評価した。
【0069】評価ランク1;ミシン仕上げ時と比較し、違和感のない柔らかさであり、手でミシン部の折り曲げを30回行なっても、ミシン部には変化が感じられない。
【0070】評価ランク2;ミシン仕上げ時に比較して、やや硬く感じる。ただし、手でミシン部の折り曲げを30回行なっても、ミシン部には変化が感じられない。
【0071】評価ランク3;ミシン仕上げ時に比較して、硬いため、違和感があり、手でミシン部の折り曲げを30回行なうと、触感が柔らかくなり、接着剤の一部が剥離するのが観察される。
【0072】(仕上がり)接着剤粘度に由来する仕上がりに関しては得られたミノ毛の外観を観察し、以下の3段階で評価した。
評価ランク1;ミシン部に接着剤が均一に行き渡り、かつ、接着剤の厚塗りなども観察されない。
評価ランク2;ミシン部の接着剤の厚塗り、部分的な塗りムラなどが観察される。
評価ランク3;ミシン部のほかに、接着剤がミシン部近傍の毛束部への移動が観察される。
【0073】
【表1】

【0074】評価結果は表1にまとめた。
【0075】検討の結果、通常用いられる非反応性接着剤においても油剤処理を行なう前では比較的良好な接着性を示しているものの、油剤処理を行なうことで、接着能力が低下し、糸抜けが大量に発生した。これに対して、反応性接着剤では油剤処理の有無にかかわらず、接着能力の低下は観察されなかった。触感に関してはシアノアクリレート系接着剤のような硬化後に室温で弾性を有していない接着剤を用いたものは、ミシン部が硬くなり、加えて折り曲げなどの操作で接着剤の基材の破壊が進行することも確認された。これに対して弾性接着剤を用いた場合には、触感も柔らかく、折り曲げ時にも基材の破壊が起きないことから、有効性が確認された。
【0076】接着剤の粘度に関しては実施例5、6および7の結果から、接着剤組成物の粘度が高すぎる場合は、流動性が確保できないため、ミシン部に均一に塗布できずに、塗りムラや、厚塗りが生じてしまう。一方、低粘度すぎる場合には、ミシン部には均一かつ薄く塗ることが可能であるが、ミシン部以外への液の移動も起きてしまうことが観察された。
【0077】
【発明の効果】本発明のミノ毛は油剤処理などを行なってもミシン部からの糸抜けがなく、接着部がしなやかであり、外観上も美しく仕上げることが可能である。このため、これまで頭飾用ミノ毛を用いた商品であるウィービングおよびウィッグにおける糸抜けの問題が改善された商品が提要できる。
【出願人】 【識別番号】000000941
【氏名又は名称】鐘淵化学工業株式会社
【出願日】 平成13年3月19日(2001.3.19)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外3名)
【公開番号】 特開2002−275718(P2002−275718A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−78763(P2001−78763)