| 【発明の名称】 |
平滑性の改善されたアクリル系繊維からなる頭髪用ブレード |
| 【発明者】 |
【氏名】高田 雅彦
【氏名】長 謙一郎
【氏名】藤原 一晃
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| 【要約】 |
【課題】良溶媒を用いた湿式紡糸法により得られ、ハックリングロスが少なく、かつ風合いの優れたアクリル系繊維からなる頭髪用ブレードを提供する。
【解決手段】アクリロニトリル45〜80重量%と塩化ビニリデン20〜55重量%及びこれらと共重合可能なビニル系モノマー0.1〜10重量%を主成分とする共重合体を用い、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドよりなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒を用いた湿式紡糸法にて得られ、シリコ−ン系繊維処理剤等で処理した、単繊維の繊度が30〜85dtexのアクリル系繊維により達成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】アクリロニトリル45〜75重量%と塩化ビニリデン25〜55重量%及びこれらと共重合可能なビニル系モノマー0〜10重量%を主成分とする共重合体を用い、良溶媒を用いた湿式紡糸法にて得られる繊維であって、更にシリコーン系繊維処理剤を付着させてなり、単繊維の平均繊度が30〜85dtexで、ハックリングロス率が5%以下であるアクリル系繊維からなる頭髪用ブレード。 【請求項2】良溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の頭髪用ブレード【請求項3】シリコーン系繊維処理剤がアミノ変性シリコーンである請求項1記載の頭髪用ブレード。 【請求項4】シリコーン系繊維処理剤は繊維100重量部に対して0.05〜3.0重量部付着させてなるものである請求項1記載の頭髪用ブレード。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,良溶媒を用いた湿式紡糸法にて得られる人工毛髪用アクリル系繊維からなる頭髪用ブレード製品に関する。 【0002】 【従来の技術】頭髪装飾品の一つであるブレードには、アクリル系繊維が一般に用いられているが、有機溶媒としてはアセトンを用いたものが主流であった。良溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシド等)を用いた湿式紡糸法により得られるアクリル系繊維は、20dtex以下の細い繊度の繊維を製造した場合にはあまり問題にならないが、人工毛髪等に用いる太い繊度の繊維を製造した場合、繊維束を整条するハックリングでロスが多く、又、ブレードのように捲縮をかけた頭飾製品では風合いが硬くなってしまう問題がある。例えば、特開平01―148806公報では、有機溶媒としてジメチルホルムアミドを用いたのアクリル系繊維が提案されているが、前述したような、ハックリングロスやブレードの風合いの硬さは改善されていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドなどの良溶媒を用いた湿式紡糸法により得られ、ハックリングロスが少なく、かつ風合いの優れたアクリル系繊維からなる頭髪用ブレードを提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アクリロニトリル45〜75重量%と塩化ビニリデン25〜55重量%及びこれらと共重合可能なビニル系モノマー0〜10重量%を主成分とする共重合体を用い、良溶媒を用いた湿式紡糸法にて得られ、更にシリコーン系繊維処理剤を付着させてなる、単繊維の繊度が30〜85dtex、ハックリングロスが5%以下であるアクリル系繊維からなる頭髪用ブレードである。 【0005】前記良溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。 【0006】さらに本発明のアクリル系繊維は、シリコーン系繊維処理剤を付着させてなることが好ましく、なかでもアミノ変性シリコーンがより好ましい。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要件について述べる。本発明のアクリル系繊維は、アクリロニトリルが45〜75重量%と塩化ビニリデン25〜55重量%及びこれらと共重合可能なビニル系モノマー0〜10重量%を主成分とする共重合体を用いる。アクリロニトリルが45重量%未満であると耐熱性や染色性等アクリル繊維としての特性が劣る傾向となり、80重量%を超えると塩化ビニリデンの配合量が少なくなり難燃性が不足する傾向となる。これらと共重合可能なビニル系モノマーとは、染着座席となる親水性モノマー等であり、その配合量0〜10重量%であるのが好ましいが、5重量%以下の範囲が効果やコストの面からより好ましい。 【0008】前記共重合可能なビニル系モノマーの具体例としては、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩類に代表されるスルホン酸基含有モノマー、アクリル酸、メタアクリル酸、酢酸ビニル、メタクリルアミド又はそれらのエステル類、あるいは臭化ビニル、青化ビニリデン、臭化ビニリデンや塩化ビニルなどに代表される繊維の特性改良のためのモノマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、本発明のアクリル系繊維は、前記のアクリル系共重合体を、良溶媒であるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を用いて、湿式紡糸法にて製造される。該製造法では、ハックリングロスやブレードの風合いを改善するためにシリコーン系繊維処理剤を付着させることが好ましく、さらにはアミノ変性シリコーンがより好ましい。該繊維処理剤は凝固、水洗後の乾燥に入る前の工程で付着させることが好ましいが、これに限定されるものではなく、熱処理後や繊維束に付着させてもかまわない。また、繊維処理剤の付着量は、繊維処理剤固形分が繊維の乾燥重量100重量部に対し0.05〜3.0重量部であることが好ましい。0.05重量部未満では、ハックリングロスが多くなり、風合が改善されない傾向となり、3.0重量部を超えると粘着感が増加した風合いとなり好ましくない。 【0009】本発明のシリコーン系繊維処理剤としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコ−ン、エポキシ変性シリコ−ン、カルボン酸変性シリコ−ン、ポリエーテル変性シリコ−ンなどが使用できるが、これに限定されるものではない。又、本発明のアミノ変性シリコ−ンは、下記一般式(I)で表されるシリコ−ン系化合物である。 【0010】 【化1】
[但し式中、R1、R2、R3、R5、R6及びR7は炭素数1〜6のアルキルである。R4は−R8−NH−CH2−CH2−NH2であり、R8は炭素数3〜6のアルキレンである。アミン当量は500以上4000未満であり、平均分子量は5000〜100000の範囲である。またmは100〜2700整数、nは1〜200の整数である。] 該アミノ変性シリコ−ンは、炭化水素の塩化物に高温下で触媒を作用させて得たオルガノクロルシランを加水分解、縮合重合する過程の中でメチル基の一部をアミノアルキル基に置換えたものである。本発明のアクリル系繊維は、繊度が30〜85dtexである。繊度が30dtex未満であると頭髪用ブレードとしては柔らかすぎで、スタイリングが困難となる傾向にあり、85dtexを超えると硬くなる傾向にある。本発明でいうブレードとは、頭髪に編み込んで用いることのできるヘアエクステンションの1種であり、三つ編みにして用いるものが一般的である。本発明の人工毛髪繊維を加工してブレードを作る方法は、公知の製法が用いられる。例えば、ギアクリンパ−などで繊維束に捲縮をかけ、整条した後,三つ編みにすることにより作成することができる。又、ハックリングロスとは,捲縮をかけた後に所望の長さにカットした繊維束を整えるために、剣山のように針が乱立した板を用い、繊維束を針の間に通して開繊する(ハックリング)時に離脱する繊維量のことであり、本発明はハックリングロスが5%以下であることを特徴としている。該ハックリングロスが5%を超えるとハックリングの作業性が悪くなるばかりでなく、繊維に傷が付き易くなる傾向にあり、又、経済的にも好ましくない。 【0011】 【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の評価方法は、以下の通りである。 【0012】(ハックリングロス率)長さ100cmで総繊度約100万dtexの捲縮のかかった繊維束を用いてハックリングし、繊維束から離脱して損出した繊維の重量ロス率を以下の式(1)に従って算出した。 L=W0−W/W0×100 (1) ここで、Lはハックリングロス率(重量%)、Wはハックリング後の繊維束の重量(g)、W0はハックリング前の繊維束の重量(g)である。 【0013】(繊維処理剤の付着量)処理する繊維処理剤の水溶液の固形分濃度と、繊維に付着した該繊維処理剤水溶液の重量を測定し、以下の式(2)に従って算出した。 M=Wy×C/Wf (2) ここで、Mは繊維処理剤の付着量(重量%)、Wyは繊維に付着した該繊維処理剤水溶液の重量(g)、Wfは繊維の重量(g)、Cは処理する繊維処理剤の水溶液の固形分濃度(重量%)である。 【0014】(ブレ−ドの風合い)専門美容師により柔らかさを以下の3段階で官能評価した。 ○:通常のアクリル系繊維より柔らかい△:通常のアクリル系繊維と同じ柔らかさ×:通常のアクリル系繊維より硬い(実施例1)アクリロニトリルが56重量%、塩化ビニリデンが42重量%、2―アクリルアミドー2メチルプロパンスルホン酸ナトリウム2重量%からなる共重合体をジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)に溶解して濃度25重量%の紡糸原液を作製した。該原液をDMFが58重量%の水溶液、15℃の凝固浴中に、Y字形の口金を用い紡出し,次いで45℃、30重量%DMF水溶液からなる浴へ導いて2.7倍に延伸し、更に70℃、15重量%DMF水溶液からなる浴で1.5倍に延伸した。続いて90℃で水洗した後、アミノ変性シリコ−ンのエマルジョン(商品名PolonMF−14EC、信越化学工業社製)の濃度1重量%の水溶液を付着させ,145℃で乾燥させ引き続き1.5倍延伸し、120℃の湿熱で20%緩和して繊維を作成した。得られた繊維の単糸繊度は平均で56dtexであり、繊維処理剤の付着量は0.78重量部であった。次いで得られた繊維はギヤーピッチ=8mm、ギヤー深さ=5mmのクリンプ加工機械を用いて捲縮を施し、この繊維束をカットした後、束ねて整えるためにハックリングを施した。この時のハックリングロスは1.6重量%であり良好であった。さらに、クリンプ加工を施し整条した繊維束を代表的なブレードである5g×30段(レギュラーサイズ)の三つ編み商品を作成して、ブレードとしての風合いの官能評価を行った。結果を表1に示す。 【0015】(実施例2)エポキシ変性シリコ−ンのエマルジョン(商品名PolonMF−18信越化学工業社製)の濃度1重量%の水溶液を付着させた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。 【0016】(実施例3)ジメチルシリコ−ンのエマルジョン(商品名PolonMF−7信越化学工業社製)の濃度1重量%の水溶液を付着させた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。 【0017】(比較例1)プルロニック型のポリエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体のエマルジョン(商品名L−62旭電化社製)の濃度0.5重量%水溶液を付着させた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。 【0018】 【表1】
【0019】 【発明の効果】本発明により、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を用いた湿式紡糸法により得られた繊維の表面が滑らかになり、ハックリングロスが少なく、かつ風合いの優れたアクリル系繊維からなる頭髪用ブレードを得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000941 【氏名又は名称】鐘淵化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月20日(2001.2.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−249914(P2002−249914A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月6日(2002.9.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−43130(P2001−43130) |
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