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【発明の名称】 造花結束品及びその製造方法
【発明者】 【氏名】杉野 晴俊

【要約】 【課題】耐候性に優れ、長期間の使用に耐え、しかも、容易に製造することが可能な造花結束品を提供する。

【解決手段】造花結束品は、(A)金属ワイヤ製の茎部10、並びに、(B)花、葉、あるいは果実の形状を有し、該茎部10の先端部11に固着されたガラス製又は樹脂製、好ましくはガラス製の装飾部20から成る造花を、複数、茎部10において束ねた造花結束品であって、(C)束ねられた複数の茎部10の一部分を被覆する樹脂層30を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(A)金属ワイヤ製の茎部、並びに、(B)花、葉、あるいは果実の形状を有し、該茎部の先端部に固着されたガラス製又は樹脂製の装飾部、から成る造花を、複数、茎部において束ねた造花結束品であって、(C)束ねられた複数の茎部の一部分を被覆する樹脂層、を備えていることを特徴とする造花結束品。
【請求項2】樹脂層は、ゴム成分を含む合成樹脂から成ることを特徴とする造花結束品。
【請求項3】茎部を構成する金属ワイヤは、熱収縮性樹脂チューブによって被覆されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の造花結束品。
【請求項4】樹脂層は、束ねられた複数の茎部の後端部から略中央部に亙って被覆していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の造花結束品。
【請求項5】茎部に針金を螺旋状に巻き付けることによって、複数の造花が茎部において束ねられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の造花結束品。
【請求項6】(A)金属ワイヤ製の茎部、並びに、(B)花、葉、あるいは果実の形状を有し、該茎部の先端部に固着されたガラス製又は樹脂製の装飾部から成る造花を、複数、茎部において束ねた後、束ねられた複数の茎部の一部分を、液状樹脂に浸漬し、次いで、該液状樹脂を乾燥することによって、束ねられた複数の茎部の該一部分を樹脂層にて被覆することを特徴とする造花結束品の製造方法。
【請求項7】液状樹脂は、ゴム成分を含む合成樹脂から成ることを特徴とする請求項6に記載の造花結束品の製造方法。
【請求項8】茎部を構成する金属ワイヤは、熱収縮性樹脂チューブによって被覆されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の造花結束品の製造方法。
【請求項9】束ねられた複数の茎部の後端部から略中央部に亙って液状樹脂に浸漬することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の造花結束品の製造方法。
【請求項10】茎部に針金を螺旋状に巻き付けることによって、複数の造花を茎部において束ねることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の造花結束品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造花結束品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属ワイヤ製の茎部、並びに、花、葉、あるいは果実の形状を有し、茎部の先端部に固着されたガラス製の装飾部から成る造花が市販されている。かかる造花の装飾効果を一層発揮させるためには、かかる造花を束ねて造花結束品とすることが好ましい。このような造花結束品は、通常、複数、茎部において造花を束ねた後、束ねられた複数の茎部の一部分をビニールテープ等で巻くことで製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような造花それ自体は、金属ワイヤ製の茎部及びガラス製の装飾部から構成されているので、高い耐候性を有している。しかしながら、造花結束品を構成するビニールテープは耐候性に乏しい。従って、かかる造花結束品を屋外に飾った場合、あるいは又、屋内においても長期に亙って飾っておいた場合、ビニールテープが剥離したり損傷し、極めて見苦しいものとなってしまう。
【0004】また、ビニールテープで巻く作業は手作業であり、コストのかかる煩雑な作業である。
【0005】従って、本発明の目的は、耐候性に優れ、長期間の使用に耐え、しかも、容易に製造することが可能な造花結束品、及び、その製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明の造花結束品は、(A)金属ワイヤ製の茎部、並びに、(B)花、葉、あるいは果実の形状を有し、該茎部の先端部に固着されたガラス製又は樹脂製、好ましくはガラス製の装飾部、から成る造花を、複数、茎部において束ねた造花結束品であって、(C)束ねられた複数の茎部の一部分を被覆する樹脂層、を備えていることを特徴とする。
【0007】本発明の造花結束品においては、束ねられた複数の茎部の一部分が樹脂層によって被覆されているので、耐候性に優れ、長期間の使用に耐え、しかも、容易に製造することが可能である。
【0008】上記の目的を達成するための本発明の造花結束品の製造方法は、(A)金属ワイヤ製の茎部、並びに、(B)花、葉、あるいは果実の形状を有し、該茎部の先端部に固着されたガラス製又は樹脂製、好ましくはガラス製の装飾部から成る造花を、複数、茎部において束ねた後、束ねられた複数の茎部の一部分を、液状樹脂に浸漬し、次いで、該液状樹脂を乾燥することによって、束ねられた複数の茎部の該一部分を樹脂層にて被覆することを特徴とする。
【0009】本発明の造花結束品の製造方法においては、束ねられた複数の茎部の一部分を、液状樹脂に浸漬し、次いで、液状樹脂を乾燥させるので、容易に製造することができ、しかも、耐候性に優れ、長期間の使用に耐え得る。
【0010】本発明の造花結束品において、樹脂層は、耐候性、耐水性等を有していれば、如何なる樹脂から構成することもできるが、例えば、ゴム成分を含む合成樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂)やエナメル系塗料(例えば、油性ペイント、水性ペイント、エナメルペイント)といったペイント類;油性ワニス(ニス)、酒精ワニス(ラッカー)といったワニス類;天然ウルシ等のウルシ類から構成することが好ましい。場合によっては、樹脂層を、加熱によって収縮した熱収縮性樹脂チューブ(例えば、難燃性ポリオレフィン樹脂を主体とした混和物を材料とした熱収縮性管状物)から構成することもできるし、樹脂層を各種の接着剤(例えば、イソシアネート系・キシレン樹脂から成る熱硬化性樹脂、ポリ酢酸ビニル・シアノアクリレート樹脂から成る熱可塑性樹脂、クロロプレン系の合成ゴム)から構成することもできる。また、本発明の造花結束品の製造方法においても、液状樹脂は、如何なる樹脂から構成することもできるが、例えば、ゴム成分を含む合成樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂)やエナメル系塗料(例えば、油性ペイント、水性ペイント、エナメルペイント)といったペイント類;油性ワニス(ニス)、酒精ワニス(ラッカー)といったワニス類;天然ウルシ等のウルシ類から構成することが好ましい。尚、本発明の造花結束品の製造方法において、「液状樹脂を乾燥する」といった概念には、使用する液状樹脂に依っては、液状樹脂を乾燥、硬化させる形態を包含する。樹脂層を構成する樹脂あるいは液状樹脂には、着色のための顔料が含まれていてもよい。
【0011】本発明の造花結束品あるいはその製造方法において、茎部を構成する金属ワイヤとして、例えば、軟鋼線材やピアノ線といった鉄や銅といった金属、ステンレス鋼や真鍮、丹銅、黄銅といった合金、非鉄金属を挙げることができる。また、その表面には、塗装、メッキ等が施されていてもよい。あるいは又、その表面は、加熱により収縮した熱収縮性樹脂チューブ(例えば、難燃性ポリオレフィン樹脂を主体とした混和物を材料とした熱収縮性管状物)によって被覆されていてもよい。加熱は、熱風によって行ってもよいし、湯に漬けることによって行ってもよい。
【0012】また、本発明の造花結束品あるいはその製造方法においては、束ねられた複数の茎部の後端部から略中央部に亙って樹脂層にて被覆され、あるいは又、束ねられた複数の茎部の後端部から略中央部に亙って液状樹脂に浸漬することが好ましい。束ねられた複数の茎部の略中央部から先端にかけての茎部は樹脂層によって被覆されていないので、例えば、茎部を曲げて、造花結束品を所望の形状とし、装飾性を高めることができる。
【0013】本発明の造花結束品あるいはその製造方法においては、仮止めのために、茎部に針金を螺旋状に巻き付けることによって複数の造花を茎部において束ねることが、工程の簡素化といった観点から好ましい。針金を構成する材料として、例えば、鉄や銅といった金属、ステンレス鋼や真鍮、丹銅、黄銅といった合金、非鉄金属を挙げることができる。場合によっては、合成繊維や天然繊維を原料とした糸によって複数の造花を茎部において束ねることもできる。
【0014】本発明の造花結束品あるいはその製造方法における装飾部を構成する花、葉、あるいは果実の形状は、如何なる形状とすることもでき、形状は、写実的な形状であってもよいし、デフォルメされた形状、変形された形状、抽象的な形状であってよい。
【0015】例えば装飾部がガラス製である場合、茎部の先端部への装飾部の固着は、ガラスを溶融状態として装飾部を作製するとき、溶融状態のガラスに茎部の先端部を挿入することによって達成することができる。
【0016】金属ワイヤの表面を加熱により収縮した熱収縮性樹脂チューブによって被覆する場合、茎部の先端部へ装飾部を固着させた後に、金属ワイヤに熱収縮性樹脂チューブを被せ、次いで、熱収縮性樹脂チューブを加熱する。この場合、装飾部近傍の茎部の部分の金属ワイヤが熱収縮性樹脂チューブによって被覆されず、露出した状態となる場合がある。このような場合には、金属ワイヤの表面を加熱により収縮した熱収縮性樹脂チューブによって被覆した後、露出した金属ワイヤの部分に錆止め処理を行うことが好ましい。錆止め処理には、束ねられた複数の茎部の一部分を被覆する樹脂層を構成する材料と同じ材料を使用することが、コストの低減、工程の簡素化といった観点から好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実施の形態に基づき本発明を説明する。
【0018】造花の模式図を図1の(A)及び(B)に示す。これらの造花は、金属ワイヤ製の茎部10と、茎部10の先端部11に固着されたガラス製の装飾部20から構成されている。それぞれの茎部10を構成する金属ワイヤは、軟鋼線材やピアノ線等から成り、難燃性ポリオレフィン樹脂を主体とした混和物を材料とした熱収縮性管状物から成る熱収縮性樹脂チューブ12によって被覆されている。茎部10の先端部11への装飾部20の固着は、ガラスを溶融状態として所望の形状に賦形して造花を作製するとき、折り曲げられた茎部10の先端部11を溶融状態のガラスに挿入することによって達成することができる。尚、茎部10の先端部11へ装飾部20を固着した後、露出した茎部10全体に熱収縮性樹脂チューブを被せ、次いで、熱収縮性樹脂チューブを高温(例えば、120゜C、15分)に加熱することによって金属ワイヤを熱収縮樹脂層で被覆する。こうして、造花を作製することができる。ここで、図1の(A)に示す装飾部20の形状は花であり、図1の(B)に示す装飾部20の形状は葉である。
【0019】本発明の造花結束品の模式図を図2に示す。この造花結束品は、造花を、複数、茎部10において束ねたものであり、束ねられた複数の茎部10の一部分、具体的には、束ねられた複数の茎部10の後端部から略中央部に亙って、樹脂層30によって一体的に被覆されている。ここで、樹脂層30は、ゴム成分を含み、緑色に着色された塩化ビニル樹脂から成る。
【0020】本発明の造花結束品は、以下の方法に基づき作製することができる。即ち、複数の造花を茎部10において金属製リングや針金で仮止めし、束ねた後、束ねられた複数の茎部の一部分(具体的には、束ねられた複数の茎部の後端部から略中央部に亙る部分)を、緑色に着色されたゴム成分を含む塩化ビニル樹脂から成る液状樹脂に浸漬する。これによって、束ねられた複数の茎部10の後端部から略中央部に亙って、液状樹脂にて、一体的に、隙間無く、被覆することができる。次に、液状樹脂を室温にて、あるいは乾燥機中で乾燥させ、液状樹脂中の溶剤を除去する。こうして、束ねられた複数の茎部10の一部分を樹脂層30で、一体的に、隙間無く、被覆することができる。
【0021】尚、針金で仮止めする場合、茎部に針金を螺旋状に巻き付けることによって、複数の造花を茎部において束ねればよい。また、図1に示したように、装飾部20近傍の茎部10の部分の金属ワイヤが熱収縮性樹脂チューブ12によって被覆されず、露出した状態となる場合がある。図1においては、この部分を矢印で示す。このような場合には、金属ワイヤの表面を加熱により収縮した熱収縮性樹脂チューブによって被覆した後、露出した金属ワイヤの部分に錆止め処理を行うことが好ましい。錆止め処理には、前記の液状樹脂を用いればよい。錆止め処理後の状態を図3に模式的に示すが、黒塗りの部分は、錆止め処理のために作業者によって塗布された液状樹脂13である。錆止め処理に用いた液状樹脂13は、束ねられた複数の茎部10の後端部から略中央部に亙って被覆した液状樹脂の乾燥時、同時に乾燥することができる。
【0022】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明した造花あるいは造花結束品の構成材料、加工方法、作製方法は例示であり、適宜変更することができる。例えば、束ねられた複数の茎部の一部分に熱収縮性樹脂チューブを被せ、次いで、熱収縮性樹脂チューブを加熱することによって、造花結束品を作製することもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明においては、束ねられた茎部の一部分が樹脂層によって被覆されているので、耐候性に優れ、長期間の使用においても、造花結束品が損傷することがない。従って、例えば、屋外や屋内での使用や装飾、あるいは、墓に供える造花結束品として最適である。また、造花結束品の作製は、束ねられた茎部の一部分を液状樹脂に浸漬し、乾燥させればよいだけなので、造花結束品の製造作業が簡素化され、造花結束品を容易に製造することができ、造花結束品の製造コストの大幅な削減を達成することができる。金属ワイヤ製の茎部が露出した部分に錆止め処理を施せば、一層、長期の使用に耐えることができる。
【出願人】 【識別番号】500470828
【氏名又は名称】広島ガラス工房株式会社
【出願日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【代理人】 【識別番号】100094363
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 孝久
【公開番号】 特開2002−220720(P2002−220720A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−300960(P2001−300960)