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【発明の名称】 へこ帯
【発明者】 【氏名】安田 多賀子

【要約】 【課題】手間をかけることなく、着付け後の見栄えを良好にすることができるへこ帯を提供すること。

【解決手段】へこ帯1は、本体部8と芯材11とを備える。本体部8は、可撓性を有した布材3によって帯状に形成されている。芯材11は、可撓性を有し、かつ、本体部8の布材3より形状保持性を有した素材から形成されて、本体部8の長手方向の略中央部位8aに、本体部8の短手方向の略全域にわたるように、布材3に包まれて、取り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可撓性を有した布材によって帯状に形成される本体部と、可撓性を有し、かつ、前記本体部の布材より形状保持性を有した素材から形成されて、前記本体部の長手方向の略中央部位に、前記本体部の短手方向の略全域にわたるように、前記布材に包まれて、取り付けられている芯材と、を備えて構成されているへこ帯。
【請求項2】 前記本体部の長手方向の略中央部位に、前記布材を縫合し、縫合部位を背面側における前記本体部の短手方向の略中央に配置させて、前記本体部の長手方向に筒状となる筒状部が形成され、前記芯材が前記筒状部内に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のへこ帯。
【請求項3】 前記本体部の布材が、光沢を有した半透明の素材から形成されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のへこ帯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、女性用の浴衣等を含めた着物に好適なへこ帯に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、へこ帯は、男性用の着物の帯として使用されていたが、女性でも、浴衣等を着る際に使用するようになってきている。
【0003】しかし、従来の女性用のへこ帯では、柔らかいちりめん系のものが使用されており、丸帯等と相違して、芯材も配設されていないことから、しめる際に、体型を補正した後、帯板を利用しつつ、しめることとなって、手間がかかることとなっていた。勿論、帯板を使用しなければ、多数の横皺を生じさせて、へこ帯の短手方向(幅方向)に折れ曲がり、着付け後の見栄えを悪くさせていた。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するものであり、手間をかけることなく、着付け後の見栄えを良好にすることができるへこ帯を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るへこ帯は、可撓性を有した布材によって帯状に形成される本体部と、可撓性を有し、かつ、前記本体部の布材より形状保持性を有した素材から形成されて、前記本体部の長手方向の略中央部位に、前記本体部の短手方向の略全域にわたるように、前記布材に包まれて、取り付けられている芯材と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0006】そして、前記本体部の長手方向の略中央部位には、前記布材を縫合し、縫合部位を背面側における前記本体部の短手方向の略中央に配置させて、前記本体部の長手方向に筒状となる筒状部を設け、前記芯材を前記筒状部内に取り付けることが望ましい。
【0007】また、前記本体部の布材は、オーガンジー等の光沢を有した半透明の素材から形成してもよい。
【0008】
【発明の効果】本発明に係るへこ帯では、可撓性を有し、かつ、本体部の布材より形状保持性を有した芯材が、本体部の長手方向における略中間部位に、本体部の短手方向の略全域にわたるように、取り付けられている。そのため、着付け時、芯材の配設された本体部の略中央部位を、短手方向に広げた状態として、へこ帯をしめれば、帯板を使用しなくとも、幅広の状態で、型崩れすることなく、へこ帯をしめることができて、手間をかけることなく、着付け後の見栄えを良好にすることができる。
【0009】勿論、芯材は、本体部の長手方向における略中央部位に配設されているため、へこ帯を身体に巻き付けたり、へこ帯の両端を結ぶ際には、芯材が邪魔とならず、従来のちりめん系等のへこ帯と同様に使用することができる。
【0010】また、芯材は、本体部の布材に包まれて、本体部に取り付けられているため、表面側に露出したり、位置ずれすることがない。
【0011】そして、請求項2に記載したように構成する場合には、本体部の長手方向の略中央部位に設けた筒状部内に芯材を取り付けて、芯材が筒状部内に包まれることから、表面側に芯材を露出させることを完全に防ぐことができる。さらに、筒状部を形成した縫合部位が、へこ帯背面側における本体部の短手方向の略中央に配置されており、へこ帯の両端側にかけて、上縁側と下縁側との布材を、上下均等に広がるように展開させることができる。そのため、へこ帯をしめる際に、芯材の配置されている筒状部から両端側にかけての布材の収まりに関し、布材の短手方向(上下方向)の中央付近から上下の縁側にかけてのバランスが良好となって、見栄えよくへこ帯をしめることができる。
【0012】また、へこ帯の本体部を、オーガンジー等の光沢を有した半透明の素材から形成すれば、ちりめん系が多かった従来のへこ帯に比べて、光沢があり、かつ、半透明であることから、女性用の浴衣を含めた着物に使用する場合、装飾効果を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のへこ帯1は、図1〜4に示すように、本体部8と芯材11とを備えて構成されている。
【0014】本体部8は、可撓性を有した布材3によって帯状に形成されて、長手方向の略中央部位8aに、長手方向に筒状となる筒状部9を配設させて構成されている。布材3は、ナイロン製のオーガンジーから形成されている。そして、筒状部9は、長尺状の布材3を短手方向で二つ折りにするとともに、接近した布材3における短手方向の両縁3a・3b相互を、布材3と同色の縫合糸4(B)で縫合し、さらに、両縁3a・3b相互を縫合した状態で平らにし、その短手方向の両縁3c・3d相互を縫合糸4(C)で縫合して、二枚重ねの状態で、筒状部9を形成している。筒状部9の両端は、開口状態となっている。なお、縫合糸4(C)や後述する縫合糸4(A)・4(D)・6は、縫合糸4(B)と同様に、布材3と同色が使用されている。
【0015】また、筒状部9を形成した縁3c・3dの縫合部位9aは、へこ帯1の背面1c側における短手方向の略中央部位に配置させている。そして、縫合部位9aから布材3の長手方向の端末3e・3f側にかけて、布材3は、平らに広がるように、展開されている。
【0016】なお、両縁3a・3bは、それぞれ、図3に示すように、ほつれを防止するために、縫合糸4(A)を使用して、二つ折り若しくは三つ折り等の折り縫いを施されている。また、布材3の長手方向の端末3e・3fも、それぞれ、図4に示すように、ほつれを防止するために、ナイロン等からなるモノフィラメントを芯5として、縫合糸6を使用した巻き縫いを施されている。
【0017】そして、芯材11は、筒状部9における布材3を二重に筒状にした内側に、縫合糸4(D)を利用し、縫着されて、本体部8内に取り付けられている。この芯材11は、可撓性を有し、かつ、本体部8の布材3より形状保持性を有したシート状の素材から形成されて、筒状部9内の略全長でかつ略全幅に配設されるような長方形板状として、構成されている。実施形態の場合には、厚さ0.1〜1mm程度の不織布から形成されている。
【0018】なお、この芯材11の本体部8への取り付けは、筒状部9を裏返した状態で、布材3の縁3a・3bの部位に、芯材11を縫着して、行っている。
【0019】ちなみに、へこ帯1の製造は、布材3の縁3a・3bや端末3e・3fを既述したように端末処理した後、縁3a・3b相互を縫合し、さらに、縁3c・3d相互を縫合して、裏返した状態の筒状部9を形成し、ついで、芯材11を縫着した後、筒状部9の一方の開口を利用して、裏返せば、へこ帯1を製造することができる。
【0020】また、実施形態のへこ帯1の場合、筒状部9は、その長手方向の長さ寸法を約120cm、短手方向の幅寸法を約18〜20cmとしている。本体部8(布材3)の全長は、約380cmとしている。布材3の幅寸法は、約90cmである。また、芯材11は、長手方向の長さ寸法を約100cm、幅寸法を約15cmとしている。さらに、実施形態の場合、布材3はえんじ色のものが使用され、芯材11は白色のものが使用されている。
【0021】このへこ帯1の使用時には、着付け時、図5に示すように、芯材11の配設された本体部8の略中央部位8aを、短手方向に広げた状態として、へこ帯1をしめれば、帯板を使用しなくとも、幅広の状態で、型崩れすることなく、へこ帯1をしめることができて、手間をかけることなく、着付け後の見栄えを良好にすることができる。
【0022】勿論、芯材11は、本体部8の長手方向における略中央部位8aに配設されているため、へこ帯1を身体に巻き付けたり、へこ帯1の両端部1a1b側相互を結ぶ際には、芯材11が邪魔とならず、従来のちりめん系等のへこ帯と同様に使用することができる。
【0023】また、芯材11は、本体部8の布材3に包まれて、本体部8に取り付けられているため、表面側に露出したり、位置ずれすることがない。
【0024】さらに、実施形態では、本体部8の長手方向の略中央部位8aに設けた筒状部9内に芯材11を取り付けて、芯材11が筒状部9内に包まれることから、表面側に芯材11を露出させることを完全に防ぐことができる。さらにまた、筒状部9を形成した縫合部位9aが、へこ帯1の背面1c側における本体部8の短手方向の略中央に配置されており、へこ帯1の両端1a1b側にかけて、上縁3a側と下縁3b側との布材3を、上下均等に広がるように展開させることができる。そのため、へこ帯1をしめる際に、芯材11の配置されている筒状部9から両端1a1b側にかけての布材3の収まりに関し、布材3の短手方向(上下方向)の中央付近から上下の縁3a・3b側にかけてのバランスが良好となって、見栄えよくへこ帯1をしめることができる。
【0025】さらに、実施形態のへこ帯1では、本体部8の布材3が、光沢を有するとともに、透ける半透明の素材であるオーガンジーから形成されており、着付け後、豪華な装飾効果を発揮することもできる。
【0026】なお、実施形態のへこ帯1では、本体部8の布材3として、えんじ色のオーガンジーを使用したものを示したが、他の色、例えば、黄色・青色・ピンク色等のオーガンジーを使用しても良い。さらに、オーガンジーとしては、ナイロンの他、レーヨン・ベンベルグ(旭化成工業(株)商標名)等の化学繊維や絹・綿等の天然繊維から形成したものを使用しても良い。
【0027】また、本体部8の布材3としては、光沢があって、半透明であれば、オーガンジーでなくとも、ジョーゼットクレープ・シーヤ−等を使用しても良い。ただし、オーガンジーが、ウェディングドレス等の華やかな洋装の生地に使用されており、若い女性の好みに合っているため、光沢を有した半透明の布材3としては、オーガンジーを使用することが好ましい。
【0028】さらに、実施形態のへこ帯1では、布材3を二重の筒状に形成した筒状部9内に、芯材11を収納させて取り付けているため、布材3自体が半透明であっても、布材3の色と相違する白色の芯材11を極力隠すことができ、芯材11の違和感をなくすことができる。
【0029】勿論、へこ帯の本体部の布材としては、半透明の素材から構成しなくともよく、絹・綿等の天然繊維や化学繊維からなる透けない素材を使用してもよい。例えば、図6・7に示す第2実施形態のへこ帯21は、正絹からなる布材23を使用した本体部28と、芯材31と、を備えて構成されている。
【0030】本体部28は、可撓性を有した正絹からなる布材23によって帯状に形成されて、長手方向の略中央部位28aに、長手方向に筒状となる筒状部29を配設させて構成されている。そして、筒状部29は、長尺状の布材23の短手方向の両縁23a・23b相互を、布材23と同色の縫合糸24で縫合して形成されている。
【0031】筒状部29を形成した縁23a・23bの縫合部位29aは、へこ帯21の背面21c側における短手方向の略中央部位に配置させている。そして、縫合部位29aから布材23の長手方向の端末23d・23e側にかけて、布材23は、平らに広がるように、展開されている。
【0032】なお、上縁23a側は、図7に示すように、ほつれを防止するために、折り返されている。また、布材23の長手方向の端末23d・23eも、それぞれ、図6に示すように、ほつれを防止するために、折り返されて縫合されている。
【0033】そして、芯材31は、筒状部29における布材23を筒状にした内側に、縫合部位29aを形成する縫合糸24を利用し、縫着されて、本体部28内に取り付けられている。この芯材31は、第1実施形態の芯材11と同様のものが使用されて、可撓性を有し、かつ、本体部28の布材23より形状保持性を有したシート状の素材から形成されて、筒状部29内の略全長でかつ略全幅に配設されるような長方形板状として、構成されている。
【0034】このへこ帯21では、筒状部29は、その長手方向の長さ寸法を約180cm、短手方向の幅寸法を約15.5cmとしている。本体部28(布材23)の全長は、約420cmとしている。布材23の幅寸法は、約31cmとしている。また、芯材31は、長手方向の長さ寸法を約170cm、幅寸法を約15cmとしている。
【0035】この第2実施形態のへこ帯21も、第1実施形態と同様に使用し、布材23が半透明でない点を除いて、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0036】なお、第1実施形態のへこ帯1では、芯材11の配置された筒状部9を身体の回りに略一周分巻き付けるように構成し、第2実施形態のへこ帯21では、芯材31の配置された筒状部29を身体の回りに略二周分巻き付けるように設定したが、芯材11・31の長手方向の寸法は、身体の正面側の略半周分から身体の略二周分程度となる約50〜200cmの長さ寸法が望ましく、その芯材11・31を覆うように筒状部9・29を形成すればよい。そして、へこ帯1・21自体の長手方向の寸法は、布材3・23の寸法も同様であるが、350〜450cm程度、筒状部9・29の短手方向の寸法は、通常の帯の半幅となる12〜18cm程度とすればよい。
【出願人】 【識別番号】598040879
【氏名又は名称】安田 多賀子
【出願日】 平成12年12月11日(2000.12.11)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2002−180316(P2002−180316A)
【公開日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願番号】 特願2000−376220(P2000−376220)