| 【発明の名称】 |
要介助者用衣類およびその付属品 |
| 【発明者】 |
【氏名】辻 宏平
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| 【要約】 |
【課題】新生児や乳幼児、病人、老人などの要介助者が暑いと感じているのか、寒いと感じているのかを客観的に即座に判断できるようにすること。
【解決手段】介助を要する人間が着用する衣類2,3,4であって、あらかじめ設定した基準温度を示すべく示温インキの作用により温度変化で変色する感温変色部5を、上記衣類2,3,4における皮膚温またはこれに近似する温度を検知する部位に形成した要介助者用衣類2,3,4。また、要介助者の衣類に直接付けたり、間接的につけたりする付属品であって、あらかじめ設定した基準温度を示すべく示温インキの作用により温度変化で変色する感温変色部7を形成した要介助者用衣類の付属品6。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】介助を要する人間が着用する衣類であって、あらかじめ設定した基準温度を示すべく示温インキの作用により温度変化で変色する感温変色部を、上記衣類における皮膚温またはこれに近似する温度を検知する部位に形成した要介助者用衣類。 【請求項2】前記感温変色部を形成する部位が、肌に接する部位である請求項1に記載の要介助者用衣類。 【請求項3】前記感温変色部を形成する部位が、肌着の少なくとも一部、またはその上側に位置する衣類の内側面である請求項1に記載の要介助者用衣類。 【請求項4】前記基準温度を34度前後に設定した請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の要介助者用衣類。 【請求項5】前記基準温度を、体幹部側ほど高く、末梢部側ほど低く設定した請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の要介助者用衣類。 【請求項6】介助を要する人間が着用する衣類に付属させる衣類の付属品であって、該付属品に、あらかじめ設定した基準温度を示すべく示温インキの作用により温度変化で変色する感温変色部を形成した要介助者用衣類の付属品。 【請求項7】前記衣類に取り付ける取り付け手段を形成した請求項6に記載の要介助者用衣類の付属品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば新生児や乳幼児、病人、老人など、第三者の介助が必要な人間が着用するのに適したような要介助者用衣類およびその付属品に関する。なお衣類とは、シャツや服、靴下、リストバンドなど人間が着用するすべてのものをいう。 【0002】 【従来の技術】暑くても寒くても、新生児や乳幼児、病人などは、言葉による意思表示ができず、自分でも衣類の脱ぎ着ができない。 【0003】このため周囲の第三者は、風邪などを引かせないように充分に注意をして相手の気持ちを読み取らねばならない。これまでは、介助する側の人間が、相手の表情を読んだり、手で触ってみたりして真剣に判断し、衣類を着せたり、脱がしたりしていた。 【0004】しかし、乳幼児が暑く感じているのかそれとも寒く感じているのかを、外観上、客観的に判断することはできないので、いくら真剣になっても誤った判断により不快感を与えてしまったりすることがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、要介助者が暑いと感じているのか、寒いと感じているのかを客観的に即座に判断できるようにすることを主たる課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】そのための手段は、介助を要する人間が着用する衣類であって、あらかじめ設定した基準温度を示すべく示温インキの作用により温度変化で変色する感温変色部を、上記衣類における皮膚温またはこれに近似する温度を検知する部位に形成した要介助者用衣類であることを特徴とする。 【0007】示温インキには、可逆性インキを用い、感温変色部は、塗布や捺染等、またはそのようにして形成した生地の取り付け等の適宜の方法で、適宜の形に形成する。 【0008】前記感温変色部を形成する部位は、肌に接する部位であるも、肌着の少なくとも一部、またはその上側に位置する衣類の内側面であるもよい。前者の場合には、皮膚温に対応して変色する。後者の場合には、皮膚温に近似する温度、換言すれば衣類内の皮膚に極近い位置の温度に対応して変色する。 【0009】すなわち感温変色部は、皮膚温またはこれに近似する温度が、あらかじめ設定した基準温度であるか否か、またそれより上か下かを色によって示す。感温変色部の色が基準温度に対応する色であれば、要介助者が一定の状態であることが分かる。 【0010】前記基準温度は、34度前後に設定するとよい。人体は皮膚温と環境温の差で暑い寒いを感じるが、暑くもなく寒くもなく快適に感じるときの平均皮膚温が、一般に34度とされているからである。基準温度にはある程度、例えば1〜2度の幅を持たせるとよい。 【0011】しかし、どの部位の感温変色部でも同一の基準温度でよいのではなく、体幹部側に形成する感温変色部ほど高く、末梢部側に形成する感温変色部ほど低く設定する。同様に衣類の種類、肌に直接触れる衣類なのか上に被せる衣類なのかによっても感温変色部の基準温度の設定を変える。 【0012】この場合、感温変色部が基準温度に対応する色である時には、要介護者の皮膚温は、理想的な34度前後であるので、要介護者は暑くもなく寒くもなく快適に感じていると推定できる。また基準温度よりも高い温度の色になると、衣類内の温度も高いということになり、暑いと感じていると推定でき、基準温度よりも低い温度の色になると、衣類内の温度も低いということになり、寒く感じていると推定できる。 【0013】別の手段は、介助を要する人間が着用する衣類に付属させる衣類の付属品であって、該付属品に、あらかじめ設定した基準温度を示すべく示温インキの作用により温度変化で変色する感温変色部を形成した要介助者用衣類の付属品であることを特徴とする。 【0014】この付属品は、衣類に直接取り付けたり、紐等を介して吊り下げて衣類の中に収めたりして様々な付属のさせ方で使用し、その色を適宜見て、上述のように色により客観的に判断する。 【0015】なお、この要介助者用衣類の付属品には、介助を要する人間が着用する衣類に取り付ける取り付け手段を形成するとよい。衣類の種類等に応じて好みの位置に取り付けることができる。好ましくは、着脱可能であるのがよい。洗濯するときなどに外すようにすれば、長期間にわたって使用できる。 【0016】 【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、以下図面を用いて説明する。 【0017】図1は、要介助者としての乳児1と、その衣類2,3,4を示した斜視図である。乳児1が身に付けている肌着2と衣服3と靴下4には、図示したような温度変化で変色する感温変色部5を形成し、乳児のおかれた温度環境を一目で客観的に知ることができるようにしている。 【0018】すなわち感温変色部5は、示温インキの作用により変色するが、単なる温度表示ではなくて、あらかじめ設定した基準温度であるか否か、またそれよりも上か下かを表示できるようにしている。 【0019】基準温度としては、通常に使用する衣類の場合、快適さを感じるといわれる場合の平均皮膚温度の34度前後に設定するとよい。基準温度には、1〜2度の幅を設ける。 【0020】図2は肌着2を、図3は衣服3を、図4は靴下4を示す正面図で、肌着2の場合には、その襟首と胸元に、衣服3の場合には襟と袖口と裾口に、靴下の場合には足首に対応する位置に、感温変色部5を形成している。 【0021】感温変色部5は、金属錯塩系インキ、液晶インキ、染料型インキのような周知の可逆性示温インキを用いるが、中でも、色数と変色温度選択性を特徴とする染料型インキを用いるのが好ましい。 【0022】色は、基準温度の色とそれより下の色と上の色との少なくとも3種類に分けるわけであるが、例えば基準温度の場合の色を白もしくは無色透明に設定し、下の色を青、上の色を赤というように設定すれば、色とそれに対応する情況を記憶に頼らずとも、発色により明確に把握できる。また、発色情況を対比するための標本部分(図示せず)を感温変色部5に並べて設けるもよい。例えば基準温度のときの色に着色した部分を、しま模様や縁取り状に形成する。さらに、上記3種類に分けるほか、温度の高低の程度によって色が変わるように多数色に分けるもよい。 【0023】感温変色部5の形成は、塗布や捺染、その他そのようにして形成した生地の取り付け等適宜の方法で行う。 【0024】図5は、肌着2の襟首の部分を示す構造説明図で、感温変色部5を形成する生地を、示温インキを有した生地5aで形成し、通常の縫製手段により取り付けている。 【0025】図6は、肌着2の胸元に形成した感温変色部5の一例で、示温インキ層5bを捺染(プリント)により形成した例で、図7は、示温インキを有した生地5aを縫製や粘着剤により貼り付けた例である。図8は肌着2の内側、すなわち皮膚に直接接する皮膚温を検知可能な位置に形成した例で、示温インキを有した生地5aを肌着2の裏側に貼り付けている。図示例では、肌着2の生地に窓部2aを形成して感温変色部5の変色情況が直接的にわかるようにしているが、窓部2aを形成せず、めくれば分かる状態であるもよい。またこのような感温変色部5の形成の仕方は、肌着2ではなく、その上を覆う衣服3に対して行うのにも適する。けだし、衣服3内の、より皮膚に近い部分の温度を検知できるからである。 【0026】上述の衣服3や靴下4にも、同様にして感温変色部5を形成するが、その形成部位に応じて基準温度の設定を変える。その温度の関係を概念的に示すと図9のようになる。 【0027】すなわち上記肌着2の襟首や胸元のように体幹部に近い部位では、基準温度を34度より若干上、例えば34.5±0.5度くらいに設定する。これに対し、上記衣服3の袖口や裾口は、末梢部側になる上に、肌着2のようにその大部分を肌に対して密に直接接触させるものでもないので、例えばおよそ1〜2度低く設定する。靴下4に形成する感温変色部5でも、同様、もしくはそれより若干低めに設定する。 【0028】乳児1がこのように構成された肌着2や衣服3、靴下4を図1に示したように着用していれば、母親等の介助者は、見ただけで、乳児1が暑いと感じているか、寒いと感じているかが分かる。すなわち、形成する衣類の種類と形成部位に応じて基準温度を変えた各感温変色部5の色が、基準温度を示す色であれば、乳児は快適に感じていると判断することができる。なお、もし寒い季節であって、衣服2の襟における端の方の色が基準温度よりも低い温度を示す場合でも、襟の基部が基準温度を示す色であれば、乳児1の温度環境に問題はない。 【0029】衣服3や靴下4のいずれかの感温変色部5が基準温度よりも低い温度を示す場合には、衣服3をめくるなどして肌着2の感温変色部の色を確認してみて、基準温度であれば、薄物を掛けてやる程度でよく、肌着2の感温変色部5が基準温度よりも低い温度を示す場合には、厚手のものを掛けてやったり上着を掛けてやったりする必要がある。 【0030】衣服3や靴下4のいずれかの感温変色部5が基準温度よりも高い温度を示す場合には、衣服3や靴下4を薄手のものに変えるなり、脱がせるなり適宜対応する。 【0031】このように乳児のおかれている温度情況は見れば分かるので、簡単であって、即座に対応することができる。しかも、基準温度に基づいて判断するので、見た目による判断は正確である。 【0032】図10は、要介助者用衣類の付属品6を示す斜視図である。この付属品6は、必要なときに衣類に取り付けられるようにしたもので、示温インキを有した生地7(感温変色部)の裏面に、柔軟な合成樹脂シートなど適宜の材料からなる基材8を設け、この基材8の裏面に、取り付け手段の一例として再粘着性の粘着層9を形成している。このように構成した付属品6は、前述の肌着における胸元に形成した感温変色部5のように使用できる。貼り付ける衣類の種類や位置に応じて、基準温度を設定しておく。この例では、示温インキを有した生地7の全体が感温変色部になるが、部分的に形成するもよい。特に、色を対比させる部分を成形しておくと、何色がどの情況であるかとの判断を記憶に頼らず行わせることができる。 【0033】このように直接取り付けるほかに、例えば首や衣類の一部に掛ける紐などを取り付けておき、これを利用して身体に保持して、適宜引き出して色を確認するような使用もできる。 【0034】なお、以上の説明はこの発明の一例であり、他の構成を採用することもできる。例えば、衣類には、上述の肌着2、衣服3、靴下4のほか、寝巻き、帽子、リストバンド等であるもよい。また、感温変色部や付属品の形状も、図示以外の形成であるもよい。 【0035】 【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、要介助者の皮膚温またはこれに近似する温度、換言すれば衣類内の皮膚またはその皮膚を包む空気の温度が、基準温度とどのような関係であるのかを色によって示すので、客観的に要介助者の寒暖の情況を判断することができる。このため、要介助者の立場に立った対応を容易にとることができる。 【0036】また、基準温度を設定してこれとの対比で判断するので、正しい判断を一目で簡単にすることができる。介助者が要介助者を触ったりして判断するだけの場合には、主観等の働きにより判断を誤る事もあったが、感温変色部の存在によりチェック機構が成立することになり、判断の正確さを得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501227029 【氏名又は名称】辻 宏平
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| 【出願日】 |
平成13年6月6日(2001.6.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067747 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 良昭
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| 【公開番号】 |
特開2002−363809(P2002−363809A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月18日(2002.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−171008(P2001−171008) |
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