| 【発明の名称】 |
毛皮襟巻 |
| 【発明者】 |
【氏名】中本 純一
【氏名】室田 純子
|
| 【要約】 |
【課題】毛皮襟巻を柔軟且つ軽量にすると共に長さ調節も可能にする。
【解決手段】毛皮小片16を長手方向に継ぎ合わせて形成した毛皮帯部12−1、12−2に合皮帯部11を幅方向に平行配置して継ぎ合わせ、合皮帯部11の裏面11cにテープ状片13を縫い付けて係止手段18を有する紐14を挿通し、紐14の一部を合皮帯部11に縫い付けて裏地15を取り付けて毛皮ストール10を完成する。紐14を引き出して縮めて長さを調節し、係止手段18で位置決めする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の略長方形の毛皮小片を長手方向に継ぎ合わせて形成した毛皮帯部に、該毛皮帯部より柔らかい材質の合皮あるいは布帯部を幅方向へ平行に隣接配置して継ぎ合わせた構成としている毛皮襟巻。 【請求項2】 上記毛皮帯部と上記合皮あるいは布帯部は、複数本を幅方向に交互配置して継ぎ合わせ幅広にしている請求項1に記載の毛皮襟巻。 【請求項3】 上記毛皮帯部は、上記毛皮小片より柔らかい材質の略長方形の合皮あるいは布小片を上記毛皮小片間に介在させて長手方向に継ぎ合わせて形成している請求項1または請求項2に記載の毛皮襟巻。 【請求項4】 上記合皮あるいは布帯部は、上記毛皮帯部の背毛革となる裏面に挿通部を縫い付けて、該挿通部に少なくとも一方の端部が上記合皮あるいは布帯部の端より突出するように紐を挿通すると共に、該紐の一部を上記合皮あるい布帯部に縫い付け、上記合皮あるいは布帯部の端を上記紐が引き出されるように移動させ長手方向で伸縮自在にしている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の毛皮襟巻。 【請求項5】 上記挿通部として、両端を上記合皮あるいは布帯部の幅方向の側部と縫い合わせたテープ状片を、上記合皮あるいは布帯部の長手方向に間隔をあけて複数設け、上記紐は両端を上記合皮あるいは布帯部より突出すると共に軸線方向の中央部を上記合皮あるいは布帯部の長手方向の中央箇所に縫い付けている請求項4に記載の毛皮襟巻。 【請求項6】 上記毛皮帯部と上記合皮あるいは布帯部の両方の裏面に裏地を縫い付けると共に、上記紐の突出箇所には係止手段を取り付け、該係止手段により伸縮状態を維持している請求項4又は請求項5に記載の毛皮襟巻。 【請求項7】 複数の長方形の毛皮小片と、複数の長方形の合皮あるいは布小片とを、それぞれの長辺が対向するように交互配置して継ぎ合わせ、混在帯部を形成する一方、上記毛皮小片の背毛革となる裏面には挿通部を縫い付け、該挿通部に紐を挿通して少なくとも一方の端部を上記混在帯部の端より突出させると共に、該紐の一部を上記混在帯部に縫い付け、上記混在帯部の端を上記紐が引き出されるように移動させ長手方向で伸縮自在にする構成としていることを特徴とする毛皮襟巻。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は毛皮襟巻に関し、詳しくは、ストール、マフラー、スカーフ、ショール、カラー等として用いられる帯形状の毛皮襟巻の柔軟性を高め且つ軽量化を図ると共に、長さ調整も可能にして様々な使用状況に対応できるようにするものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、毛皮襟巻はファッション性も兼ね備えた防寒具として、広く用いられている。また、従来の毛皮襟巻の中には、使用者の体格や使用状況に合わせるため伸縮可能にしているものもある。なお、毛皮襟巻には、ストール、マフラー、スカーフ、ショール、カラー等があるが、いずれも寸法が相違する程度で同様な方法で製造されている。 【0003】図11は、原皮1に対する毛皮襟巻用の従来の材料取り状況を示している。毛皮襟巻用の材料2は帯形状であるため、原皮1の長手方向と材料2の長手方向を一致させて、原皮1より複数の材料2を裁断している。これら裁断された材料2は適宜処理がなされた後、裏地を縫い合わせ毛皮襟巻にされている。 【0004】また、図12(A)(B)は、特開昭55−137202号で開示されているミンク毛皮マフラーの製造方法によるミンク毛皮マフラー3であり、長さ調節が可能なものである。ミンクは体長が短く、図11に示す材料取りでミンク原皮から得られる材料の長さも短いため、短い長方形の材料3a、3bを長手方向に継ぎ合わせてミンク毛皮マフラー3を形成している。このミンク毛皮マフラー3は、背毛革4の左右両端も含んだ全域に切り込み5を多数入れると共に、両方の端部3c、3dには吊毛皮6を多数縫い付けている。 【0005】ミンク毛皮マフラー3の長さ調節は、両方の端部3c、3dを、それぞれが離反する方向に引っ張ると、背毛革4の多数の切り込み5が開口して拡がり、それに伴いミンク毛皮マフラー3の全長の伸びている。また、上記引張り力を解放すると、多数の切り込み5が閉鎖状態となり元の長さに戻っている。 【0006】なお、材料が毛皮でない布地襟巻であるスカーフの長さを調節するものとして、図13に示す実用新案登録第3053831号のフリルスカーフ7が開示されている。フリルスカーフ7は内部に紐8を挿通し、紐8を内部から引き出して布地7aを縮めると共に、紐8の端部のボタン8aを布地7aに取り付けたループ7bに通して縮めた状態を維持するようにしている。また、上記以外にも図14に示すように、筒状布9a、9bを布地襟巻9の両側に取り付けると共に、筒状布9a、9b内に紐9cをループ状に通して、紐9cの引張りにより長さ調節するものもある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】図11に示すように毛皮襟巻の材料2を示すような形態で裁断すると、帯形状に裁断した残りの周囲部分は材料として使用できず無駄が生じ、また、原皮に毛切れ、はげ、硬化等の箇所があれば、その箇所は材料取りの対象外となり帯形状の材料を裁断できる本数が減少し、原皮を有効に利用できない問題が生じる。特に、原皮の中央附近に毛切れ等の箇所がある場合に上記問題は深刻である。 【0008】また、上記のような材料取りから製造される毛皮襟巻は、一枚の毛皮材料から形成されるため、合皮や布を材料とした襟巻に比べて堅く重いので、使い勝手が良好でない問題がある。即ち、襟巻は着用者の首に巻き付けたり肩にかけて使用するが、毛皮襟巻は毛が生えている毛皮革部分が堅いため、体の形状に沿うように曲がって変形しにくく着用感が悪い上に、ファッション的にしなやかなラインを形成するのが困難となり、また、着用時の重量に対する負担も大きい。 【0009】一方、長さ調節に対しては、図12(A)(B)のミンク毛皮マフラー3では伸長状態を維持するためには、両端を引っ張り続ける必要があり、実際の使用状況で長さ調節を適用するのは困難で現実的ではない。また、図13の紐8による長さ調整を毛皮襟巻に適用することも考えられるが、毛皮の皮革厚さは布地に比べて厚いことに加え、一方の面に毛が存在するためスムーズに縮めるのが困難で、また、縮まった状態ではごわつきが生じ着用感も悪化することが想定され、そのまま適用できない問題がある。 【0010】さらに、図14の両側の紐9cによる長さ調整を毛皮に適用した場合では、布地が押し潰されたような形態で布全体にギャザーやシワが入り堅くなると共に見た目も悪くなり、また、全体が均等に縮まるのではなく局所的にシワ等が寄って縮まる傾向があるので、襟巻に要求される全体に自然な膨らみを形成しにくい問題もある。 【0011】本発明は、上記した種々の問題に鑑みてなされたものであり、原皮を有効に利用して柔らかく軽量な毛皮襟巻を実現すると共に、自然な膨らみを形成して長さ調整も可能にすることを課題としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、複数の略長方形の毛皮小片を長手方向に継ぎ合わせて形成した毛皮帯部に、該毛皮帯部より柔らかい材質の合皮あるいは布帯部を幅方向へ平行に隣接配置して継ぎ合わせた構成としている毛皮襟巻を提供している。このように毛皮襟巻を、毛皮のみで構成するのではなく、毛皮部分である毛皮帯部と、毛皮でない柔らかい材質の合皮あるいは布帯部で構成することで、毛皮襟巻を柔らかく且つ軽量にできる。 【0013】即ち、毛皮襟巻は、幅方向において毛皮帯部と合皮あるいは布帯部が併存する形態となり、幅方向の全てが毛皮となる一枚物の毛皮襟巻に比べ、合皮あるいは布帯部が存在する分だけ剛性が低下して柔らかくすることができる。また、合皮あるいは布は毛皮より重量も軽いため、全体が毛皮の一枚物の毛皮襟巻に対して軽量に仕上げることができる。よって、毛皮襟巻の柔らかさ及び軽量化を達成することで、使用時の使い方、例えば、首に巻き付ける際の巻き付け方の自由度も向上し、多様な使い方に対応できる。 【0014】さらに、毛皮帯部は毛皮小片を継ぎ合わせて形成しているため、原皮から裁断するものは小さい略長方形の毛皮小片となり、原皮を小さな略長方形に区分けして無駄なく利用できる。また、原皮に毛切れ箇所等が有る場合でも、その箇所のみを避けて裁断することもでき、原皮の有効利用を図れる。その上、異なる原皮から裁断した毛皮小片を組み合わせて毛皮帯部を形成すれば、色や毛の触感等が異なる種々の模様の毛皮帯部になり、デザイン的にも変化のあるものを表現できる。 【0015】これら毛皮小片は、長さを約20cm幅を2〜5cm程度に設定すると、原皮を無駄なく使用でき好適である。なお、毛皮帯部と平行に継ぎ合わせるのは、合皮帯部あるいはニット等の各種布地で形成される布帯部の何れでも可能である。また、毛皮小片を長手方向に継ぎ合わせるのは、直線状に継ぎ合わせていく以外には、なだらかに湾曲させながら継ぎ合わせて湾曲形状の毛皮帯部を形成するようにしてもよい。この場合は合皮あるいは布帯部も同様に湾曲した形状のものを用いて、毛皮襟巻を全体が湾曲した形状に形成できる。 【0016】上記毛皮帯部と上記合皮あるいは布帯部は、複数本を幅方向に交互配置して継ぎ合わせ幅広にしている。このように交互に継ぎ合わせていけば、柔らかく軽量な毛皮襟巻を様々な幅寸法で製造できる。即ち、毛皮襟巻は、従来よりストール、マフラー、スカーフ、ショール、カラー等として種々のサイズのものが提供されているが、上記のように毛皮帯部と合皮あるいは布帯部を、所要本数、交互に継ぎ合わせれば、どのような幅寸法やデザインでも製造でき、流行や顧客のニーズ等にも対応できる。 【0017】上記毛皮帯部は、上記毛皮小片より柔らかい材質の略長方形の合皮あるいは布小片を上記毛皮小片間に介在させて長手方向に継ぎ合わせて形成することが好ましい。このように毛皮帯部も毛皮小片と合皮あるいは布小片を継ぎ合わせて形成すると、毛皮帯部における毛皮部分の量が低減され毛皮帯部自体を一段と柔らかく且つ軽量にできる。即ち、毛皮帯部を曲げようとすると、柔らかい材質の合皮あるいは布小片の箇所で自然と曲げることができる。また、毛皮の使用量も低減されることとなり材料費も低減できる。 【0018】さらに、本発明は上記合皮あるいは布帯部は、上記毛皮帯部の背毛革となる裏面に挿通部を縫い付けて、該挿通部に少なくとも一方の端部が上記合皮あるいは布帯部の端より突出するように紐を挿通すると共に、該紐の一部を上記合皮あるい布帯部に縫い付け、上記合皮あるいは布帯部の端を上記紐が引き出されるように移動させ長手方向で伸縮自在にしている。 【0019】このように紐を合皮あるいは布帯部に挿通部を介して沿わして配置すると共に紐の一部を合皮あるいは布帯部に縫い付けると、上記紐の突出する端部を引張り、紐を引き出すように合皮あるいは布帯部を縮めるようにすれば合皮あるいは布帯部の長さ調節が可能となる。一方、毛皮帯部は、合皮あるいは布帯部に継ぎ合わされているため、合皮あるいは布帯部が上記のように縮められると、それに追従して縮み、結果として毛皮ストール全体が縮むことになる。よって、紐で伸縮するのは柔らかい材質の合皮あるいは布帯部であるため、毛皮自体を直接に紐で伸縮する場合に比べて抵抗無くスムーズに伸縮できる。 【0020】上記挿通部として、両端を上記合皮あるいは布帯部の幅方向の側部と縫い合わせたテープ状片を、上記合皮あるいは布帯部の長手方向に間隔をあけて複数設け、上記紐は両端を上記合皮あるいは布帯部より突出すると共に軸線方向の中央部を上記合皮あるいは布帯部の長手方向の中央箇所に縫い付けている。 【0021】このようにテープ状片を間隔をあけて多数縫い付けると、合皮あるいは布帯部を縮める場合、これらテープ状片を縫い付けた箇所を節としてアコーディオン状に折りたたまれるように波打つ状態で縮まり、毛皮ストールに要求される柔らかさを残して自然に毛皮帯部を追従させて縮めることができる。なお、上記テープ状片は等間隔で縫い付けと、偏ることなく均等に縮めることができ一段と毛皮の自然な膨らみや柔らかさを実現でき好適である。また、上記紐は両端を突出させて中央箇所を縫い付けることで、左右何れ側からもバランス良く縮めることできる。 【0022】上記毛皮帯部と上記合皮あるいは布帯部の両方の裏面に裏地を縫い付けると共に、上記紐の突出箇所には係止手段を取り付け、該係止手段により伸縮状態を維持している。このように裏地を縫い付けると紐や挿通部を露出させることなく見栄えを高めることができ、紐が引っ掛かる等の不具合も防止できる。また、紐に係止手段を設けることで、縮めた状態を維持でき使用性を向上できる。 【0023】さらに本発明は、複数の長方形の毛皮小片と、複数の長方形の合皮あるいは布小片とを、それぞれの長辺が対向するように交互配置して継ぎ合わせ、混在帯部を形成する一方、上記毛皮小片の背毛革となる裏面には挿通部を縫い付け、該挿通部に紐を挿通して少なくとも一方の端部を上記混在帯部の端より突出させると共に、該紐の一部を上記混在帯部に縫い付け、上記混在帯部の端を上記紐が引き出されるように移動させ長手方向で伸縮自在にする構成としていることを特徴とする毛皮襟巻を提供している。 【0024】このように堅い毛皮小片と柔らかい合皮あるいは布小片とを継ぎ合わせた混在帯部から毛皮襟巻を製造することで、柔らかく且つ軽量な毛皮襟巻を実現できる。即ち、交互に合皮あるいは布小片が存在するので、毛皮襟巻はこれら合皮あるいは布小片の箇所で柔らかさを達成でき、また、一枚物の毛皮襟巻に比べ毛皮部分が少ないので軽量にできる。さらに、紐により長さを調節する場合も、堅い毛皮小片に紐の挿通部を設けることで、毛皮小片が節となり合皮あるいは布小片がアコーディオン状に折りたたまれ、スムーズに毛皮襟巻を縮めることができ、自然な膨らみも形成できる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の毛皮襟巻を図面を参照して説明する。図1、2(A)(B)(C)は、本発明の第一実施形態にかかる毛皮襟巻として毛皮ストール10を示しており、中央の合皮帯部11の両側部11a、11bに毛皮帯部12−1、12−2を継ぎ合わせ、合皮帯部11の裏面11cに多数縫い付けた挿通部であるテープ状片13に紐14を挿通し、裏地15を縫い合わせ形成している。 【0026】図4(A)(B)に示すように、毛皮帯部12−1、12−2は、長方形の毛皮小片16を短辺16a同士が対向するように長手方向へ複数継ぎ合わせて長手方向に延在する帯状に形成している。これら毛皮小片16は、図3に示すように、一方の面に毛が生えている原皮20から最大限に材料取りができるように区分けして裁断している。なお、原皮20に毛切れ箇所等がある場合は、毛切れ箇所等を避けるようにした範囲内で最大限に材料取りを行い原皮を有効に利用している。なお、図3の原皮20の裁断区分けは一例であり、毛皮小片16の寸法や原皮20の状況等に応じて原皮が無駄にならないよう適宜変更可能である。 【0027】本実施形態では、毛皮小片16の寸法は長辺16bを約20cm、短辺16aを約1.5cmに設定して原皮より裁断している。なお、毛皮小片16の寸法は、上記寸法以外にも適宜設定することが可能である。これら毛皮小片16を複数継ぎ合わせて所要長さの毛皮帯部12−1、12−2を形成しており、約100cm前後の毛皮帯部12−1、12−2をそれぞれ得るには、5枚の毛皮小片16を継ぎ合わすことになる。 【0028】このように継ぎ合わす各毛皮小片16は、同一の原皮から裁断したものを用いてもよく、異なる原皮から裁断したものを用いてもよい。この場合、原皮の毛の色や風合い等が夫々相違すれば、形成される毛皮帯部12−1、12−2の毛が生えている面は、各毛皮小片毎に色等が異なる種々の模様を形成できる。 【0029】このように形成した毛皮帯部12−1、12−2は、図4(B)に示すように合皮帯部11の幅方向の両側部11a、11bに平行配置して、隣接する側辺同士を継ぎ合わせている。合皮帯部11は、毛皮帯部12と同等の長さ寸法を有し、幅寸法は本実施形態では約3cmに設定している。合皮帯部11は、毛皮帯部12−1、12−2に比べて厚みも薄い上に毛も存在しないため柔らかく軽量である。なお、合皮帯部11を用いる代わりに、毛皮帯部12−1、12−2より柔らかく軽量であるニット等の布地からなる布帯部を用いて継ぎ合わせるようにしてもよい(以下の他の実施形態でも同様)。 【0030】合皮帯部11は、図4(C)に示すように、継ぎ合わせた毛皮帯部12−1、12−2の背毛革となる側の裏面11cの両側部11a、11bに、挿通部であるテープ状片13を長手方向の両端部13a、13bのみ縫い付け取り付けている。このようにしてテープ状片13を長手方向に等間隔(本実施形態では約6cm)で多数縫い付けた後、図4(D)に示すように、各テープ状片13の縫い付けられていない中央箇所13cに、連続して紐14を挿通している。 【0031】紐14は合皮帯部11の全長寸法より長く且つ表面が滑りやすいものを使用しており、各テープ状片13に挿通して合皮帯部11に沿わした状態で、図1、図2(B)に示すように、合皮帯部11の両方の端部11d、11eより、紐14の両方の端末部14b、14cを均等に突出させている。この状態で図4(E)に示すように、紐14の一部である中央部分14aを合皮帯部11の中央箇所11fに糸19で縫い付けている。 【0032】なお、紐14は左右の突出した箇所に、紐14に対して移動可能で所要位置に係止できる係止手段18を取り付けている。係止手段18は内蔵された付勢バネ(図示せず)で係止部18aを、貫通孔18bを通過する紐14へ押し付けるようにしており、係止部18aを押すと、紐14への押し付けが解除され係止手段18を任意の位置に移動できるようにしている。 【0033】最後に、図1に示すように、裏地15を合皮帯部11の裏面11c及び両側の毛皮帯部12−1、12−2の背毛革となる面を被うように周囲部分15aを縫い付けている。この縫い付けの際、紐14の突出箇所に該当する部分は、紐14の引き出しを妨げないように、紐14の周囲が開口するようにしている。このようにして完成した毛皮ストール10は、合皮帯部11が存在するため、一枚物の毛皮ストールに比べて柔らかく軽量であり、図2(C)に示すような巻き方にもしなやかに曲がり、多様な使い方にも対応できるようにしている。また、図2(A)に示すように、毛が生えている表側は、毛が合皮帯部11を被うので合皮帯部11は特に目立つことがない。 【0034】毛皮ストール10の長さを調節するため全長を縮める場合は、図5(A)に示すように、縮める側の紐14の端部14b、14cを引っ張って紐14を直線状にすると共に、合皮帯部11の端部11d、11eを紐14の端末部14b、14cから離反させて紐14を引き出すように移動させ、合皮帯部11を縮めている。このように縮められる合皮帯部11は、テープ状片13が縫い付けられている箇所は、剛性があるため縮まず、各テープ状片13の間のみが折りたたまれ縮まっている。これら各テープ状片13は等間隔であるため、折りたたまれた状態も均等になり、全体としてテープ状片13の縫い付け箇所を節として、アコーディオン状に波を打つ状態で抵抗無くスムーズに縮められている。なお、紐14は中央部分14aで合皮帯部11に縫い付けられているので、紐14が抜けることはなく、確実に合皮帯部11を縮めることができる。 【0035】このような合皮帯部11の収縮に追従して、図5(B)に示すように、継ぎ合わされた両側の毛皮帯部12−1、12−2も縮まっているが、合皮部分11が等間隔で縮められることに対応して毛皮帯部12−1、12−2も均等に縮められるので、局所的に縮まることなく、毛皮帯部12は柔らかさ保ったまま自然な膨らみや風合いを形成して縮まっている。このようにして縮まった状態は、そのままにしておくと、合皮帯部11及び毛皮帯部12−1、12−2の復元力により元の全長に戻るため、係止手段18を合皮帯部11の端部11d、11eまで移動させて位置決め係止し、縮めた状態を維持するようにしている。 【0036】また、紐14は中央部分14aが縫い付けられているため、上記のように毛皮ストール10の合皮帯部11の両端部から中央へ調節する以外に、片方の端部から中央までのみを縮めて使用することも可能である。このようにして縮められた毛皮ストール10は、図2(B)の通常状態に比べて毛皮の毛の密度や風合い等も異なり、一本の毛皮ストール10で二通りの使い方ができ、また、縮めた状態でも図5(C)に示すように首に巻き付けるような丸めた状態にして紐14を結ぶ等、ファッション等に合わせた多様な使い方を実現している。また、このように縮める際に用いる紐14は、必ずしも毛皮ストール10の全長に沿わす以外に部分的に長さ調節をしたい場合等は、縮める箇所のみに紐14を挿通するようにしてもよい。この場合は、一端を突出させ他端は合皮帯部11に縫い付けることが好ましい。 【0037】なお、毛皮ストール10は、上記形態以外にも種々の変形例が可能であり、継ぎ合わせる毛皮帯部と合皮帯部の本数を適宜増減して、様々な幅寸法の毛皮ストールを製造することが可能である。即ち、毛皮ストールは一本の毛皮帯部に一本の合皮帯部を継ぎ合わせた最小の形態から、複数本の毛皮帯部と複数本の合皮帯部を交互に配置して継ぎ合わせた形態まで種々形成できる。 【0038】例えば、図6(A)(B)に示すように、四本の毛皮帯部12’と三本の合皮帯部11’とを幅方向に交互に配置して継ぎ合わせ、幅広の毛皮ストール10’を形成するようにしてもよい。この毛皮ストール10’においても各合皮帯部11’には紐14’を挿通して、紐14’の引き出しで容易に長さ調節を可能にしている。 【0039】また、幅広の毛皮ストール10’のような場合では、必ずしも全ての合皮帯部11’に紐14’を挿通する必要はなく、例えば、中央の合皮帯部11’のみに紐14’を挿通するようにしてもよく、あるいは、端側の合皮帯部11’のみに紐14’を挿通するようにしてもよい。このように端側の合皮帯部11’のみに紐14’を挿通した場合は、毛皮ストール10’を縮めようとすると、紐14’を挿通した合皮帯部11’に継ぎ合わされた毛皮帯部12’は、縮む割合が大きいが、紐14’を挿通した合皮帯部11’に直接継ぎ合わせていない毛皮帯部11’は縮む割合が小さくなる。そのため、毛皮ストール10’全体として湾曲形状となり、首や肩等に巻き付けやすくできる。 【0040】さらに、図7に示す毛皮ストール10”のように、毛皮小片16”を長手方向に湾曲させながら継ぎ合わせて、湾曲形状の毛皮帯部12−1”、12−2”を形成すると共に、同様に湾曲した形状の合皮帯部11”と継ぎ合わせて、通常の状態でも湾曲した毛皮ストール10”を形成するようにしてもよい。 【0041】図8(A)は、本発明の第二実施形態の毛皮襟巻として毛皮ストール30を示し、中央の合皮帯部31の両側に毛皮帯部32−1、32−2を幅方向へ平行配置して隣接状態で継ぎ合わせ形成している。図8(B)に示すように、毛皮帯部32−1、32−2は、長方形の毛皮小片36と長方形の合皮小片37の短辺36a、37a同士を継ぎ合わせて長手方向に延在する帯状に形成し、図8(C)に示すように、合皮帯部31に毛皮帯部32−1、32−2を継ぎ合わせている。これ以降は、第一実施形態と同様にして毛皮ストール30を完成している。 【0042】毛皮ストール30は、第一実施形態の毛皮ストール10に比べて、毛皮帯部32−1、32−2にも合皮の部分が存在しているため、さらに柔らかく且つ軽量に仕上がっている。また、長さを縮める場合も、毛皮帯部32−1、32−2の各合皮小片37の箇所で追従して曲がりやすいので、よりスムーズに縮めることが可能である。このように合皮小片37の箇所を曲がりやすくするためにも、合皮帯部31に縫い付ける挿通部であるテープ状片は毛皮小片36と対応する箇所に固定することが好適である。また、合皮小片37は布地からなる布小片でも代用可能である。 【0043】図9(A)は、本発明の第三実施形態にかかる毛皮襟巻として毛皮ストール50を示し、図9(B)にも示すように、長方形の毛皮小片56と長方形の合皮小片52を長辺56b、52bが対向するように交互配置して継ぎ合わせた混在帯部51から形成している。毛皮小片51は、第一実施形態と同様に原皮より裁断されている。なお、第三実施形態の毛皮ストール50では、毛皮小片56の長辺56bが毛皮ストール50の幅寸法と一致するため、製造する毛皮ストール50の幅寸法に合わせて毛皮小片56の長さ寸法を設定して裁断している。 【0044】合皮小片52は、長辺52bを毛皮小片56と同等の寸法に設定しているが、短辺52aは、毛皮小片56の短辺寸法に関係なく適宜設定している。このように形成される混在帯部51は、図9(C)に示すように、毛皮小片56の背毛革となる裏面56cに第一実施形態と同様に、挿通部としてテープ状片53を多数縫い付け、係止手段58を有する紐54を挿通して一部を混在帯部51に縫い付けた後、裏地を縫い付けている。なお、テープ状片53は、合皮小片52の短辺52aの寸法等が短い場合は、全ての毛皮小片56に縫い付ける必要はなく、適宜一つ飛ばし、二つ飛ばし等で縫い付けるようにしてもよい。 【0045】上記のようにして形成した毛皮ストール50は、幅方向に連続して毛皮が存在する箇所があるため第一実施形態の毛皮ストール10と相違した風合いを醸し出している。また、毛皮ストール50も一枚物の毛皮ストールに比べると、柔らかい合皮小片52が介在しているため、しなやかに曲げることができ、また、毛皮の使用量も少ないため軽量に仕上がっている。さらに、毛皮ストール50の長さ調節は、図9(D)に示すように、第一実施形態と同様に紐54を引き出すことで行うが、混在帯部51は柔らかい各合皮小片52で均等に縮み、毛皮の部分が相互に近接して自然な膨らみを形成している。なお、上述した以外は第一実施形態と同様である。 【0046】図10(A)(B)は、本発明の第四実施形態の毛皮襟巻として毛皮ストール60を示し、袋状にした合皮筒部61に、係止手段68を有する紐64を挿通して一部を縫い付け、合皮筒部61の外周面61aには、一直線上に球状の毛皮塊62を等間隔で多数縫い付けている。毛皮ストール60は図10(A)の伸ばした状態で使用することも可能であり、図10(B)に示すように、紐64を引き出して縮めた状態で使用することも可能である。なお、上述した本発明の第一、第二、第三及び第四実施形態の各毛皮ストールは、寸法等を適宜変更することで、他の種類の毛皮襟巻である毛皮製のマフラー、スカーフ、ショール、カラー等にも適用することができる。 【0047】 【発明の効果】上記した説明より明らかなように、本発明の毛皮襟巻を用いると、原皮を無駄にすることなく有効利用でき、材料費等の低減に貢献でき、裁断した毛皮小片の継ぎ合わせ方により様々な寸法、デザインに仕上げることができる。また、本発明の毛皮襟巻は、従来の一枚物等の毛皮襟巻に比べて柔らかく軽量であるため、様々な巻き方、使い方にもしなやかに変形して対応でき、着用時の重量による負担も軽減できる。 【0048】さらに、本発明の毛皮襟巻は、紐を引き出すようにすることで、全長を縮めることができ、伸ばした状態と縮めた状態の二通りで顧客の嗜好に合わせて多様な使い方ができる。また、このように縮める際、毛皮襟巻には合皮あるいは布の部分が介在しているため、毛皮だけを縮める場合に比べて、スムーズかつ均等に縮めることができ、毛皮の風合いを損ねることなく自然な毛皮の柔らかさを残した膨らみを形成し、商品性を大幅に向上することができる。また、寸法等を適宜設定することで、毛皮ストール、毛皮マフラー、毛皮スカーフ、毛皮ショール、毛皮カラー等として適宜適用できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】501215912 【氏名又は名称】ジョイ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年5月30日(2001.5.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072660 【弁理士】 【氏名又は名称】大和田 和美
|
| 【公開番号】 |
特開2002−348714(P2002−348714A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月4日(2002.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−162800(P2001−162800) |
|