| 【発明の名称】 |
ゴム手袋 |
| 【発明者】 |
【氏名】松浦 亜衣
【氏名】宮本 芳明
【氏名】市川 直哉
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| 【要約】 |
【課題】簡易な方法で、しかも低いコストでもって、溶出蛋白質量を低減させた天然ゴム手袋を提供する。
【解決手段】本発明のゴム手袋は、天然ゴムからなる手袋体の内表面または両面に、基:−OHを有する微粒子を含む層を備えるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】天然ゴムからなる手袋体の内表面または両面に、基:−OHを有する微粒子を含む層を備えるゴム手袋。 【請求項2】溶出蛋白質量が100μg/g以下である請求項1記載のゴム手袋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、天然ゴムを主体とする手袋に関し、より詳しくは、天然ゴム中に含まれる蛋白質が溶出するのを抑制して、当該蛋白質によるアレルギーの発生を低減させてなるゴム手袋に関する。 【0002】 【従来の技術】天然ゴムからなる手袋は、一般に、伸びが大きく、フィット感、装脱着時の操作性、装着時の作業性等に優れていることから、業務用から家庭用、医療用までの幅広い分野で利用されている。この天然からなるゴム手袋は、天然ゴムラテックスに各種配合剤を添加した上で手袋の型の表面に塗布したり、あるいは手袋の型を前記天然ゴムラテックスに浸漬したりすることによって当該型の表面にゴム皮膜を形成した後、当該皮膜を乾燥、加硫することによって製造されるものである。こうして得られる天然ゴム手袋は、天然ゴムラテックス中に含まれる蛋白質等の非ゴム成分を不純物として含有している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】近年、天然ゴム手袋を使用すると、数時間後に呼吸困難やアナフィラキシー様症状を示す、即時型(I型)アレルギーを引き起こすことが報告されており、このような即時型アレルギーは、天然ゴムに含まれる蛋白質が抗原となって誘発するものと推測されている。従って、天然ゴム手袋から溶出する蛋白質の量を減らすことが極めて重要な問題となっている。 【0004】上記課題を解決するため、(a) 手袋の型の表面に天然ゴムラテックスの皮膜を形成した後、温水等で洗浄するゲルリーチング法、(b) 前記皮膜を加硫した後、同様にして洗浄するポストリーチング法、(c) ゴム手袋の表面に塩素処理を施す方法、(d) 上記(a) 〜(c) の方法を組み合わせる方法、等によってゴム手袋中の蛋白質を除去することが試みられている。しかし、これらの方法では、ゴム皮膜の表面部分の蛋白質が除去されるだけであって、溶出する蛋白質の量を十分に減少させることはできない。また、上記の方法を繰り返し行うことによって蛋白質の含有量を大幅に減少させることは可能であるものの、生産効率が低下して製造コストが高くなる問題を招く。 【0005】一方、本出願人は先に、蛋白質を吸着するような微粒子を添加した天然ゴムラテックスを用いてゴム成膜を形成することで、当該ゴム皮膜から溶出する蛋白質の量を減少させる方法を提案しており、前記微粒子として、表面滑性基としての基:−OHを有するものを挙げている。(特開平11−81014号公報)。しかしながら、上記公報に開示の発明は、脱蛋白処理が施された天然ゴムラテックスについての溶出蛋白質量を低減するものであって、使用する天然ゴムラテックスは、ラテックスの段階であらかじめ蛋白質の含有量を大幅に低減させたものである。これに対し、脱蛋白処理を施していない通常の天然ゴムラテックスは蛋白質を多量に含有するものであることから、かかるラテックスの溶出蛋白質量を十分に低減させるには、前記微粒子を多量に配合する必要が生じる。その結果、ゴム手袋の製造コストが極めて高くなるという問題があった。 【0006】そこで本発明の目的は、簡易な方法で、しかも低いコストでもって、溶出蛋白質量を低減させた天然ゴム手袋を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ゴム手袋を、天然ゴムの皮膜からなる手袋体と、少なくともその内表面(手と直接に接触する側の面)またはその両面に設けられた表面処理層との二層もしくは多層構造とするとともに、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスを用いて前記表面処理層を形成したときは、天然ゴムの皮膜から溶出する蛋白質の量を著しく低減させることができ、しかもかかる効果を十分に発揮させるのに必要な前記微粒子の量を低く抑えることができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明に係るゴム手袋は、天然ゴムからなる手袋体の内表面または両面に、基:−OHを有する微粒子を含む層を備えるものである。上記本発明によれば、天然ゴムからなる手袋体の少なくとも内表面に、好ましくは内表面と外表面との双方に、表面活性基としての−OH基を有する微粒子を含む表面処理層を形成する、という簡易な処理を経ることによって、当該表面処理層が設けられている側の表面からの蛋白質の溶出を高度に抑制したゴム手袋を得ることができる。特に、天然ゴムからなる手袋体の両面、すなわち当該手袋体の内表面と外表面との双方に前記表面処理層を形成したときは、天然ゴム手袋から溶出する蛋白質の量を著しく減少させることができる。 【0009】本発明によれば、天然ゴムラテックス中に含まれる蛋白質が、前記微粒子中の表面活性基である−OH基に物理的に吸着されて、さらに両者の電気的性質によって前記微粒子と強固に結合する。従って、ゴム手袋の手袋体を構成する天然ゴム中に前記微粒子を多量に配合しなくても、蛋白質の溶出量を十分に抑制することができる。上記本発明のゴム手袋は、溶出蛋白質量が100μg/g以下であることを特徴とする。 【0010】本発明において、溶出蛋白質量の値は、水に浸漬させたゴム皮膜1g当りの溶出量(μg)を示す。ゴム手袋からの溶出蛋白質量が100μg/g以下であるときには、一般的に、すなわち蛋白質に対して重度のアレルギーを示す患者が対象となる場合を除き、当該蛋白質に起因する即時型アレルギーの発生を十分に抑制することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係るゴム手袋について詳細に説明する。本発明のゴム手袋は、例えば、天然ゴムラテックスを用いてゴム手袋の本体部分(手袋体)を成膜した後、こうして得られたゴム皮膜(手袋体)の表面に、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層を形成することによって得ることができる。 【0012】具体的には、まず、手袋の型表面に天然ゴムの皮膜を形成し、このゴム皮膜の表面に前記微粒子を含有するゴムラテックスからなる層を形成した後、こうして得られた積層体を乾燥、加硫し、かつ反転脱型することによって、完成品である本発明のゴム手袋が得られる。かかる手順を経ることによって、手袋の型表面に先に成膜されたゴム皮膜(手袋体)がゴム手袋の外表面を構成し、後で成膜された前記微粒子を含有するゴムラテックスからなる層がゴム手袋の内表面を構成することとなる。 【0013】前記手袋体の両面に前記微粒子を含む層を形成するには、例えば、手袋体の成膜段階において、−OH基を有する微粒子を凝固液中に配合しておけばよい。かかる凝固液を用いて手袋の型表面に手袋体を成膜し、この手袋体(ゴム皮膜)の表面に前記微粒子を含有するゴムラテックスからなる層を形成した後、こうして得られた積層体を乾燥、加硫し、かつ反転脱型することによって、外表面および内表面に前記微粒子を含む層(表面処理層)を備えたゴム手袋を得ることができる。 【0014】手袋体の両面に前記微粒子を含む層(表面処理層)を形成する方法として、上記の方法とは別の方法を採用することも可能である。例えば、前記微粒子を含む層を内表面に備えてなるゴム手袋を前述と同様の手順にて作製した後、このゴム手袋の外表面(反転脱型後の外表面)に前記微粒子を含有するゴムラテックスを用いて表面処理層を形成することによっても、手袋体の両面への表面処理層の形成を達成することができる。 【0015】〔−OH基を有する微粒子を含む層〕本発明のゴム手袋において、−OH基を有する微粒子を含む層は、天然ゴムラテックスを用いて成膜された手袋体の表面に形成される、いわゆる表面処理層である。当該−OH基を有する微粒子を含む層は、前述のように、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスによって、または−OH基を有する微粒子を含有する凝固液によって形成される。 【0016】−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスは、天然ゴムからなるゴム皮膜(手袋体)の表面処理剤として用いられるものである。当該表面処理剤からなる層の形成は、手袋体を構成する天然ゴムの皮膜との接着性を良好なものとするために、手袋体の形成(成膜)後、速やかに形成されることが好ましい。−OH基を有する微粒子を含有する凝固液は、天然ゴムからなるゴム皮膜(手袋体)を手袋の型表面に形成させる際に用いられるものであって、前記微粒子を含有する凝固液からなる層は、手袋の型と当該型の表面に形成されるゴム皮膜との間に生じる層である。 【0017】従来、ゴム皮膜の形成に用いる凝固剤にかかる微粒子を含有するという手段は用いられていなかったが、この方法を採用することにより、手袋の型表面にゴム皮膜を形成するのと同時に、前記微粒子を含む層をゴム皮膜の表面に形成することができる。 〔−OH基を有する微粒子〕本発明に用いられる−OH基を有する微粒子は、すなわち表面活性基としての−OH基を有する微粒子であって、その具体例としては従来公知の種々のものが挙げられる。中でも、表面処理層用のゴムラテックスや、ゴム皮膜形成用の凝固液中に分散され易いものが好ましい。具体的には、シリカゲル、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子;シリカマグネシア微粒子;活性アルミナ等の酸化アルミニウム微粒子;アルミノ−シリカゲル微粒子;ゼオライト;クレー(ケイ酸アルミニウム)等が挙げられる。 【0018】前記微粒子の物性については特に限定されるものではないが、蛋白質の吸着性をより一層高いものとする上で、比表面積が50〜900m2 /g程度のものを用いるのが適当である。比表面積が上記範囲を下回ると、蛋白質の吸着能が低下したり、当該微粒子のゴムラテックスまたは凝固液中への分散性が低下したりするおそれが生じる。なお、比表面積が上記範囲を超えるものについては、一般に入手が困難である。かかる微粒子の比表面積は、上記範囲の中でも特に50〜700m2 /gであるのが好ましく、300〜700m2 /gであるのがより好ましい。 【0019】〔−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックス〕前述の、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスに用いられるゴムラテックスとしては、特に限定されるものではないが、ゴム手袋の手袋体が天然ゴムからなるものであることから、天然ゴムとの相溶性、密着性が良好であるものを用いるのが好ましい。かかるゴムラテックスとしては、例えば天然ゴム(NR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス等が挙げられる。 【0020】上記天然ゴムラテックスには、新鮮なフィールドラテックスや、市販のアンモニア処理ラテックス等が挙げられる。溶出蛋白質量のより一層の低減を目的とするには、あらかじめ脱蛋白処理を施した、いわゆる脱蛋白天然ゴムラテックスを使用するのが好ましい。この脱蛋白天然ゴムラテックスは、従来公知の方法によって製造したものであればよい。上記NBRラテックスについては特に限定されるものではなく、柔軟性等の、ゴム手袋に要求される特性を損なわない範囲であれば、例えばニトリル含量等の物性について種々のグレードのものを用いることができる。 【0021】前記ゴムラテックスにおける、基:−OHを有する微粒子の配合量は、特に限定されるものではなく、使用する微粒子の種類、物性等に応じて適宜設定されるものであるが、一般に、表面処理剤を構成するゴムラテックスに対して0〜10重量%であるのが好ましく、2〜5重量%であるのがより好ましい。前記微粒子の配合量が上記範囲を下回ると、蛋白質の吸着効果が不十分となって、溶出蛋白質量を低減させることができなくなるおそれがある。一方、前記微粒子を上記の範囲を超えて配合しても、蛋白質の吸着効果への影響は少なく、逆にゴム手袋の製造コストを上昇させたり、天然ゴム特有のゴム皮膜のソフト感が損なわれたりするといった問題を招くおそれがある。 【0022】なお、前記微粒子の市販品は通常混合物であるため、その配合量は、混合物中の有効成分の割合を考慮して設定する必要がある。例えば、前記微粒子としてコロイダルシリカを用いる場合にはSiO2 成分の量が、活性アルミナを用いる場合にはAl2 O3 成分の量が、シリカマグネシアを用いる場合にはSiO2 ・MgO成分の量が、それぞれ上記範囲を満たすように設定する必要がある。前述の、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスには、上記の−OH基を有する微粒子のほかに、例えばゴム手袋の滑性を向上させるための処理剤を配合することも可能である。 【0023】なお、ゴム手袋の内表面に滑性を付与するなどの目的で、当該内表面に上記処理剤を含むゴムラテックスからなる層を形成することは、従来広く行われていることである。従って、本発明の、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層の形成は、滑性付与層を形成する操作等の、従来広く行われている操作と併せて実施することができる。これにより、製造上、新たな工程を増やすことなく、例えばゴム手袋の内表面への滑性の付与とともに、本発明の目的であるゴム手袋表面からの溶出蛋白質量の軽減を同時に達成することができる。 【0024】ゴム手袋の滑性を向上させるための処理剤としては、例えば特開2000−290434号公報に示すような、平均粒径が3〜18μmである架橋ポリマー粒子等の、いわゆる有機充填剤が挙げられる。前記架橋ポリマーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の架橋(メタ)アクリル粒子;セルロースビーズ;ポリエチレン粒子等が挙げられる。この架橋ポリマー粒子の平均粒径は、3〜18μm、好ましくは3〜10μm、より好ましくは3〜6μmの範囲で設定される。架橋ポリマー粒子の平均粒径が上記範囲を超えると、ゴム手袋の表面に当該粒子に起因するざらつき感を生じさせてしまい、装脱着時における不快感の原因となるおそれがある。逆に、平均粒径が上記範囲を下回ると、ゴム手袋の表面に滑性を付与する効果が不十分になる。上記架橋ポリマー粒子の配合量は、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックス(すなわち、表面処理剤)の全量に対して2重量%以上、好ましくは2〜20重量%の割合で設定される。架橋ポリマー粒子の配合量が上記範囲を下回るとゴム手袋の表面に活性を付与する効果が不十分になる。逆に、配合量が上記範囲を超えて極端に多くなると、ゴム手袋の手袋体の表面に形成する層が成膜不良となるおそれがある。 【0025】〔−OH基を有する微粒子を含有する凝固液〕前述の、−OH基を有する微粒子を含有する凝固液としては、特に限定されるものではないが、ゴム手袋の手袋体が天然ゴムからなるものであることから、天然ゴムについての成膜性が良好なものであるのが好ましい。かかる凝固液としては、例えば硝酸カルシウム水溶液、塩化カルシウム水溶液等が挙げられる。前記凝固液における、基:−OHを有する微粒子の配合量は、特に限定されるものではなく、使用する微粒子の種類、物性等に応じて適宜設定されるものであるが、一般に、凝固液の総量に対して0〜10重量%であるのが好ましく、2〜5重量%であるのがより好ましい。前記微粒子の配合量が上記範囲を下回ると、蛋白質の吸着効果が不十分となって、溶出蛋白質量を低減させることができなくなるおそれがある。一方、前記微粒子を上記の範囲を超えて配合しても、蛋白質の吸着効果への影響は少なく、逆にゴム皮膜の成膜性を低下させたり、ゴム手袋の製造コストを上昇させたり、天然ゴム特有のゴム皮膜のソフト感が損なわれたりするといった問題を招くおそれがある。 【0026】〔手袋体〕本発明のゴム手袋における手袋体としては、天然ゴムを原料とする従来公知の種々の手袋が挙げられるが、本発明においては、前述の−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層を浸漬法によって形成することから、手袋体についても、天然ゴムラテックスを用いた浸漬法によって形成するのが好ましい。 【0027】なお、天然ゴムからなる手袋が有する溶出蛋白質の問題については、前述の−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層を形成することによって大幅に低減することができるものの、溶出蛋白質量をより一層低減させることが求められる場合には、手袋体を脱蛋白天然ゴムラテックスによって形成すればよい。手袋体の形成に用いられる天然ゴムラテックスや脱蛋白天然ゴムラテックスには、前述のものと同様のものが挙げられる。 【0028】(手袋体用天然ゴムラテックスへの添加剤)加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(滑性化剤)、老化防止剤、充填剤、分散剤等の、従来公知の種々の添加剤が挙げられる。加硫剤としては、例えば硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。その配合量は、天然ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.5〜1.5重量部程度であるのが好ましい。 【0029】加硫促進剤としては、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。その配合量は、天然ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.5〜2.0重量部程度であるのが好ましい。 【0030】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。その配合量は、天然ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.5〜3.0重量部程度であるのが好ましい。老化防止剤としては、一般に、非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。その配合量は、天然ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して1〜2重量部程度であるのが好ましい。 【0031】充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。その配合量は、天然ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して20重量部以下であるのが好ましい。分散剤は、主として上記各添加剤のラテックス中への分散を良好にするためのものである。かかる分散剤としては、例えば従来公知の、種々のアニオン界面活性剤が挙げられる。その配合量は、分散対象となる成分に対して2〜5重量%程度であるのが好ましい。 【0032】〔ゴム手袋の製造方法〕本発明のゴム手袋は、例えば、(I) 天然ゴムラテックスを用いてゴム手袋の本体部分(手袋体)を成膜した後、この手袋体を、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスに浸漬することによって、当該手袋体の表面に前記微粒子を有するゴムラテックスからなる層を形成する、または、(II)−OH基を有する微粒子を含有する凝固液に手袋の型を浸漬し、さらにこの方を天然ゴムラテックスに浸漬することによって、ゴム手袋の本体部分(手袋体)を成膜した後、この手袋体を、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスに浸漬することによって、当該手袋体の表面に前記微粒子を有するゴムラテックスからなる層を形成するという手順を経て製造される。 【0033】本発明のゴム手袋を製造するのに際し、手袋体の成膜後には、当該手袋体を構成する天然ゴム皮膜から蛋白質を溶出させる処理を施しておくのが好ましい。蛋白質の溶出処理方法としては、例えばゲルリーチング法等が挙げられる。手袋体の成膜後に蛋白質を除去する方法を採用することもできるが、塩素による処理ではゴム皮膜の品質を劣化させるおそれがある。従って、未加硫状態のゴム皮膜を温等水に浸漬することによって蛋白質を溶出させる、いわゆるゲルリーチング法を採用するのが好ましい。 【0034】なお、本発明において、手袋体の加硫は、後述するように、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層の形成後に行われるものであるが、前述の手袋体からの蛋白質の溶出処理は、いわゆるポストリーチング法によって、かかる加硫後に行ってもよい。上記ゲルリーチング法による蛋白質の溶出処理は、従来と同様にして行えばよい。具体的には、室温から80℃程度の(温)水浴中に、未加硫のゴム皮膜を有する手袋の型を30秒〜5分間程度浸漬させればよい。ポストリーチング法による場合は、ゴム皮膜を加硫した上で(温)水浴中に浸漬させるほかは、ゲルリーチング法と同様の手順で行えばよい。 【0035】〔溶出蛋白質量〕本発明のゴム手袋は、前述のように、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層を備える側からの溶出蛋白質量が100μg/g以下であることを特徴とする。ここで、溶出蛋白質量は、水に浸漬させたゴム皮膜1g当りの溶出量(μg)を示すものであって、具体的にはASTM D 5712−95「Standard Test Method for Analysis of Protein in Natural Rubber and Its Products 」に規定の方法に従って測定したものである。 【0036】ゴム手袋からの溶出蛋白質量は、100μg/g以下であるのが好ましい。ゴム手袋からの溶出蛋白質量が上記範囲を満足するときには、蛋白質に対して重度のアレルギーを示す患者が対象となる場合を除き、当該蛋白質に起因する即時型アレルギーの発生を十分に抑制することができる。 【0037】 【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を説明する。 〔ゴム手袋の製造〕 実施例1〜3(i) 前加硫ラテックスの調製天然ゴムのハイアンモニアラテックス(ゴム固形分60重量%、アンモニア含有量0.7重量%、ケルダール法による窒素含有率0.3%)のゴム固形分100重量部に対して、硫黄1重量部、亜鉛華1重量部およびジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(加硫促進剤BZ)1重量部を添加し、24〜48時間静置することによって、前加硫を行った。 【0038】(ii)表面処理剤の調製上記(i) で得られた前加硫ラテックスに蒸留水を添加して、ゴム固形分量が0.4重量%となるように調整した後、表面に−OH基を有する微粒子としての10%シリカマグネシア〔水澤化学(株)製の商品名「ミズカライフ」,比表面積700m2 /g〕と、有機充填剤としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子〔日本純薬(株)製の商品名「ジュリマーMB−S」,平均粒径4μm〕とを、それぞれ表1に示す割合で添加して表面処理剤とした。 【0039】なお、表1に示す前記微粒子の配合量は、当該微粒子中の有効成分の量を示すものであって、具体的には、シリカマグネシア微粒子中のSiO2 ・MgO分の量を示すものである。 (iii) 手袋体の形成および−OH基を有する微粒子を含む層の形成手袋の型を凝固液(25%硝酸カルシウム水溶液)に浸漬して50℃程度に加温した後、当該型を上記(i) で得られた前加硫ラテックスに浸漬し、型をラテックスから引き上げた後、型表面に形成されたゴム皮膜(手袋体)を室温で乾燥させた。乾燥後、型表面に形成されたゴム皮膜を70℃のお湯に3分間浸漬して、ゲルリーチングを行った。 【0040】次いで、表面にゴム皮膜を有する手袋の型を上記(ii)で得られた表面処理剤に浸漬して、当該ゴム皮膜の表面に、有機充填剤と−OH基を有する微粒子とを含む層(表面層)を形成した。さらに、100℃のオーブン中で30分間静置して、手袋体である前記ゴム皮膜と、表面層である有機充填剤と前記微粒子とを含む層との双方を加硫した。加硫後、ゴム手袋を反転脱型して、天然ゴム(NR)からなる手袋体の表面に、有機充填剤と−OH基を有する微粒子とを含む表面処理層(NRベース)を設けてなるゴム手袋を得た。 【0041】実施例4および5(i) 前加硫ラテックスの調製実施例1〜3と同様にして、天然ゴムラテックスを原料とする前加硫ラテックスを調製した。 (ii)表面処理剤の調製天然ゴムのハイアンモニアラテックスに代えて、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)のラテックスを使用し、当該NBRラテックスのゴム固形分が0.4重量%となるように調製した後、表面に−OH基を有する微粒子〔前出のシリカマグネシア微粒子,商品名「ミズカライフ」〕と、有機充填剤〔前出のPMMA微粒子,商品名「ジュリマーMB−S」〕とを、それぞれ表1に示す割合で添加することにより、表面処理剤を得た。 【0042】(iii) 手袋体の形成および−OH基を有する微粒子を含む層の形成手袋の型を凝固液(25%硝酸カルシウム水溶液)に浸漬して50℃程度に加温した後、当該型を上記(i) で得られた前加硫ラテックスに浸漬し、型をラテックスから引き上げた後、型表面に形成されたゴム皮膜(手袋体)を室温で乾燥させた。乾燥後、型表面に形成されたゴム皮膜を70℃のお湯に3分間浸漬して、ゲルリーチングを行った。 【0043】次いで、表面にゴム皮膜を有する手袋の型を上記(ii)で得られた表面処理剤(NBRラテックスをベースとする表面処理剤)に浸漬して、当該ゴム皮膜の表面に、有機充填剤と−OH基を有する微粒子とを含む層(表面層)を形成した。さらに、100℃のオーブン中で30分間静置して、手袋体である前記ゴム皮膜と、表面層である有機充填剤と前記微粒子とを含む層との双方を加硫した。加硫後、ゴム手袋を反転脱型して、天然ゴム(NR)からなる手袋体の表面に、有機充填剤と−OH基を有する微粒子とを含む表面処理層(NBRベース)を設けてなるゴム手袋を得た。 【0044】比較例1表面処理剤として、表面に−OH基を有する微粒子を全く配合しないものを用いたほかは、実施例1〜3と同様にして、ゴム手袋の製造を行った。得られたゴム手袋は、手袋体がNRからなり、表面処理層がNRベースによるものである。 比較例2表面処理剤として、表面に−OH基を有する微粒子を全く配合しないものを用いたほかは、実施例4および5と同様にして、ゴム手袋の製造を行った。得られたゴム手袋は、手袋体がNRからなり、表面処理層がNBRベースによるものである。 【0045】実施例6および7(0) 凝固液の調製天然ゴムラテックスからゴム皮膜を形成するための凝固液として25%硝酸カルシウム水溶液を使用し、この凝固液に、表面に−OH基を有する微粒子〔前出のシリカマグネシア微粒子,商品名「ミズカライフ」〕を配合した。前記微粒子の配合量は、表1に示すように、実施例6が2重量%、実施例7が3重量%であった。 【0046】(i) 前加硫ラテックスの調製実施例1〜3と同様にして、天然ゴムラテックスを原料とする前加硫ラテックスを調製した。 (ii)表面処理剤の調製実施例2と同様にして、前加硫ラテックス(天然ゴムラテックス)を原料とする表面処理剤を調製した。 【0047】(iii) 手袋体の形成および−OH基を有する微粒子を含む層の形成手袋の型を、上記(0) で得られた凝固液(−OH基を有する微粒子を含有する25%硝酸カルシウム水溶液)に浸漬して50℃程度に加温した後、当該型を上記(i) で得られた前加硫ラテックスに浸漬し、型をラテックスから引き上げた後、型表面に形成されたゴム皮膜(手袋体)を室温で乾燥させた。乾燥後、型表面に形成されたゴム皮膜を70℃のお湯に3分間浸漬して、ゲルリーチングを行った。 【0048】次いで、表面にゴム皮膜を有する手袋の型を上記(ii)で得られた表面処理剤に浸漬して、当該ゴム皮膜の表面に、有機充填剤と−OH基を有する微粒子とを含む層(表面層)を形成した。さらに、100℃のオーブン中で30分間静置して、加硫を行った。加硫後、ゴム手袋を反転脱型して、天然ゴム(NR)からなる手袋体の内表面に、有機充填剤と−OH基を有する微粒子とを含む表面処理層(NRベース)が設けられ、かつ、前記手袋体の外表面に、−OH基を有する微粒子を含む表面処理層(NRベース)が設けられてなるゴム手袋を得た。 【0049】〔ゴム手袋の物性の評価〕上記実施例1〜7および比較例1,2で得られたゴム手袋について、溶出蛋白質量(μg/g)と、当該内表面の摩擦係数とを測定し、ゴム手袋の物性を評価した。 (溶出蛋白質量の測定)ASTM D 5712−95(前出)に規定の方法に従って、ゴム手袋を水に浸漬した状態での溶出蛋白質量を測定し、ゴム皮膜1g当りの溶出量(μg)で表した。 【0050】(摩擦係数の測定)摩擦試験機〔新東科学(株)製の「トライボギア」、HEIDON−10型〕を用いて、ゴム手袋の内表面についての静摩擦係数を測定した。測定に際して、摩擦の対象物には普通紙を使用し、荷重50gの条件にて測定を行った。以上の結果を表1に示す【0051】 【表1】
【0052】表1中、「表面処理剤」とは、−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスを示す。また、「−OH基を有する微粒子」とはシリカマグネシア微粒子(前出の商品名「ミズカライフ」)を、「有機充填剤」とはPMMA微粒子(前出の商品名「ジュリマーMB−S」)を、それぞれ示す。「−OH基を有する微粒子」と「有機充填剤」の配合量は、表面処理剤または凝固液のベースとなるゴムラテックスにおける配合割合を示す。表面処理剤を構成するゴムラテックスのゴム固形分濃度は、NRおよびNBRのいずれも0.4重量%である。また、有機充填剤の粒径は4μmである。 【0053】表1より明らかなように、その内表面に、表面活性基としての−OH基を有する微粒子を含有するゴムラテックスからなる層が形成されてなる実施例1〜7のゴム手袋では、いずれも、当該層を形成していない比較例1および2のゴム手袋に比べて、溶出蛋白質量を大幅に低下させることができた。また、その内表面と外表面との両方に、表面活性基としての−OH基を有する微粒子を含む層が形成されてなる実施例6および7のゴム手袋では、溶出蛋白質の量をより一層低減させることができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183233 【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月24日(2001.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075155 【弁理士】 【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−348712(P2002−348712A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月4日(2002.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−155898(P2001−155898) |
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