| 【発明の名称】 |
身体保護用補助具及び身体保護具 |
| 【発明者】 |
【氏名】田原 康正
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| 【要約】 |
【課題】車両の側面衝突から身体保護用衣服を着衣した乗員を保護することができる身体保護用補助具を提供する。
【解決手段】本発明の身体保護用補助具は、身体保護用衣服10を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部22,23を備えると共に、座席シート50に付設されたシートベルト60を挿通可能なベルト挿通部21a,21bを有し、シートベルト60をこのベルト挿通部21a,21bに挿通した上で、身体保護用衣服10に接続可能であり、シートベルト60によって、身体保護用衣服10と共に支持される構造である。従って、車両の側面衝突の際には、その衝撃を衝撃吸収部22,23が吸収して、身体保護用衣服を着衣した乗員を保護することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 身体保護用衣服を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部を備えると共に、座席シートに付設されたシートベルトを挿通可能なベルト挿通部を有し、シートベルトをこのベルト挿通部に挿通した上で、前記身体保護用衣服に接続可能であり、シートベルトによって、前記身体保護用衣服と共に支持される構造であることを特徴とする身体保護用補助具。 【請求項2】 前記衝撃吸収部が、中空であって、この中空部内に気体が充填されることにより膨張して使用形状となることを特徴とする請求項1記載の身体保護用補助具。 【請求項3】 乗員に着衣される身体保護用衣服と、該身体保護用衣服を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部を備えると共に、座席シートに付設されたシートベルトを挿通可能なベルト挿通部を有し、シートベルトをこのベルト挿通部に挿通した上で、前記身体保護用衣服に接続可能であり、シートベルトによって、前記身体保護用衣服と共に支持される構造である身体保護用補助具とを具備することを特徴とする身体保護具。 【請求項4】 前記身体保護用衣服が、身頃と、この身頃に取り付けられる補強用ベルト部材とを備えてなり、かつ肩部において、前記身頃を形成する布地と前記補強用ベルト部材の少なくとも一方が折り重ねられていると共に、その折り重ね部位が縫製糸により縫い合わされていることを特徴とする請求項3記載の身体保護具。 【請求項5】 前記身体保護用衣服は、前記身頃を形成する布地と前記補強用ベルト部材を構成する肩ベルトとが重なり合うように固着されており、肩部において、当該布地と肩ベルトとが共に折り重ねられ、その折り重ね部位が縫製糸により縫い合わされていることを特徴とする請求項4記載の身体保護具。 【請求項6】 前記身体保護用衣服は、前記折り重ね部位に、複数の縫合線が形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の身体保護具。 【請求項7】 前記身体保護衣服が、前記身頃又は補強用ベルト部材との間にシートベルトの接続部として機能する隙間が形成されるように両端が固着されるベルト通し部を備えると共に、このベルト通し部に、固着部位である両端にそれぞれ隣接して、縫製糸による複数の縫合線が形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1に記載の身体保護具。 【請求項8】 前記身体保護用衣服を着衣した乗員の首廻りに装着され、乗員の頭部を保護可能な頭部保護用補助具を具備することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1に記載の身体保護具。 【請求項9】 前記頭部保護用補助具が、中空であって、この中空部内に気体が充填されることにより膨張して使用形状となることを特徴とする請求項8記載の身体保護具。 【請求項10】 前記頭部保護用補助具が、前記身体保護用衣服に一体的に設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載の身体保護具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車事故などから座席シートに着座した乗員を保護するため、着衣した乗員を保護する身体保護用衣服と併用される身体保護用補助具に関する。また、本発明は、前記身体保護用衣服及び身体保護用補助具を備えた身体保護具に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、自動車事故から座席シートに着座した子供を保護するため、チャイルドシートが普及している。しかし、チャイルドシートは、通常、バケット型で、座席シートに取り付けた際にはスペースをとられるし、重量が重いので持ち運びにも不便であり、また、座席シートに対する脱着も面倒であるという欠点を有する。もちろん、一旦取り付けた後、取り外す必要がなければ、さほど問題とならないが、大人だけで乗車する場合や他人の自動車に子供を乗せてもらう場合など、チャイルドシートの脱着を行わなければならない機会も多い。また、不使用時の保管にも場所を取るという欠点がある。 【0003】このような問題を解消するため、チャイルドシートに代わるものとして、近年、座席シートに付設されたシートベルトとの接続部を備えたベスト型、半袖の洋服等の布地からなる身体保護用衣服が開発されている。この身体保護用衣服は、着衣、脱衣が容易であると共に、布地からなるため軽量で持ち運びも容易であるという利点を有する。かかる身体保護用衣服は、万一の事故に備え、相当の荷重がかかった場合でも身頃が破損等したりすることがないように、また、乗員の身体を保持することができるように作られている必要があり、身頃には、その肩、胸、腰等の部位に補強用ベルト部材が付設されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の身体保護用衣服では、着衣した乗員の背後からシートベルトを用いて座席シートに固定する構造であるため、自動車の側面からの衝突に対しては、身体保護機能を発揮し得ないという問題がある。また、乗員の身体を補強用ベルト部材が付設された身頃により包み込むようにして保持する構造であるため、衝突時の衝撃が直接乗員の身体に加わるという欠点もある。 【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、車両の側面衝突から身体保護用衣服を着衣した乗員を保護することができる身体保護用補助具を提供することを課題とする。また、本発明は、車両の前後方向からの衝突のみならず、側面衝突に対しても十分な身体保護機能を発揮することができる身体保護具を提供することを課題とする。また、本発明は、座席シートに対する脱着が容易で、座席シートから取り外した際に嵩張らず、保管にも場所を取らない身体保護用補助具及び身体保護具を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するため、請求項1に記載の本発明では、身体保護用衣服を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部を備えると共に、座席シートに付設されたシートベルトを挿通可能なベルト挿通部を有し、シートベルトをこのベルト挿通部に挿通した上で、前記身体保護用衣服に接続可能であり、シートベルトによって、前記身体保護用衣服と共に支持される構造であることを特徴とする身体保護用補助具を提供する。請求項2に記載の本発明では、前記衝撃吸収部が、中空であって、この中空部内に気体が充填されることにより膨張して使用形状となることを特徴とする請求項1記載の身体保護用補助具を提供する。請求項3に記載の本発明では、乗員に着衣される身体保護用衣服と、該身体保護用衣服を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部を備えると共に、座席シートに付設されたシートベルトを挿通可能なベルト挿通部を有し、シートベルトをこのベルト挿通部に挿通した上で、前記身体保護用衣服に接続可能であり、シートベルトによって、前記身体保護用衣服と共に支持される構造である身体保護用補助具とを具備することを特徴とする身体保護具を提供する。請求項4に記載の本発明では、前記身体保護用衣服が、身頃と、この身頃に取り付けられる補強用ベルト部材とを備えてなり、かつ肩部において、前記身頃を形成する布地と前記補強用ベルト部材の少なくとも一方が折り重ねられていると共に、その折り重ね部位が縫製糸により縫い合わされていることを特徴とする請求項3記載の身体保護具を提供する。請求項5に記載の本発明では、前記身体保護用衣服は、前記身頃を形成する布地と前記補強用ベルト部材を構成する肩ベルトとが重なり合うように固着されており、肩部において、当該布地と肩ベルトとが共に折り重ねられ、その折り重ね部位が縫製糸により縫い合わされていることを特徴とする請求項4記載の身体保護具を提供する。請求項6に記載の本発明では、前記身体保護用衣服は、前記折り重ね部位に、複数の縫合線が形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の身体保護具を提供する。請求項7に記載の本発明では、前記身体保護衣服が、前記身頃又は補強用ベルト部材との間にシートベルトの接続部として機能する隙間が形成されるように両端が固着されるベルト通し部を備えると共に、このベルト通し部に、固着部位である両端にそれぞれ隣接して、縫製糸による複数の縫合線が形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1に記載の身体保護具を提供する。請求項8に記載の本発明では、前記身体保護用衣服を着衣した乗員の首廻りに装着され、乗員の頭部を保護可能な頭部保護用補助具を具備することを特徴とする請求項3〜7のいずれか1に記載の身体保護具を提供する。請求項9に記載の本発明では、前記頭部保護用補助具が、中空であって、この中空部内に気体が充填されることにより膨張して使用形状となることを特徴とする請求項8記載の身体保護具を提供する。請求項10に記載の本発明では、前記頭部保護用補助具が、前記身体保護用衣服に一体的に設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載の身体保護具を提供する。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳しく説明する。図1は、本発明の一の実施の形態に係る身体保護具の構成を示す図である。この図に示したように、本実施形態の身体保護具は、身体保護用衣服10、身体保護用補助具20及び頭部保護用補助具30を有して構成される。 【0008】身体保護用衣服10は、図2に示したように、前身頃11及び後身頃12を構成する布地の所定部位を縫製することにより、袖なしのベスト型に形成されている。前身頃11の略中央には、襟ぐり10aから裾10bにかけて着衣又は脱衣のための開閉部13が設けられ、この開閉部13はファスナにより開閉するようになっている。後身頃12には、その両端が後身頃12を形成する布地に強固に縫合されたベルト通し部14が設けられており、後身頃12とベルト通し部14との間に形成される隙間に、自動車の座席シート50に付設されたシートベルト60が挿通される構成となっている。すなわち、この後身頃12とベルト通し部14との隙間がシートベルト60との接続部として機能する。 【0009】図3は、身体保護用衣服10の内部に付設された補強用ベルト部材15を正面側からみた斜視図である。この補強用ベルト部材15は、前身頃11の裏面側と後身頃12の裏面側に縫製されており、両側の肩部に位置する肩ベルト15aと、胸部に位置する胸ベルト15bと、裾部に位置する裾ベルト15cとを有して構成されている。かかる補強用ベルト部材15は、前身頃11及び後身頃12を構成する布地のみで構成した場合よりも、耐荷重強度を大きくするために設けられるものである。胸ベルト15b及び裾ベルト15cは、正面の中途で分断され、それぞれ、その端部にバックル15d,15eが設けられており、これらのバックル15d,15eによって胸ベルト15b又は裾ベルト15cを締めることで、乗員の身体にフィットさせることができる。 【0010】身体保護用衣服10は、また、自動車が衝突した際の衝撃をより多く吸収するため、両側の肩部及びベルト通し部14に衝撃吸収手段が施されている。すなわち、第1の衝撃吸収手段として、図4(a)及び(b)に示したように、両側の肩部において、前身頃11及び後身頃12を構成する布地と、補強用ベルト部材15を構成する肩ベルト15aとが共に折り重ねられていると共に、その折り重ね部位Aが、当該部位Aの襟ぐり10aと袖ぐり10cとの間で上下方向に並列に4本の縫合線16a〜16dが形成されるように、縫製糸16を用いてミシンにより縫い合わされている。 【0011】また、第2の衝撃吸収手段として、図5(a)及び(b)に示したように、ベルト通し部14が、後身頃12を形成する布地に対し、その両端が強固に縫合されていると共に、その強固の縫合部位(固着部位)B,Bにそれぞれ隣接して、上下方向に並列に3本の縫合線16e〜16gが形成されるように、縫製糸16を用いてミシンにより縫い合わされている。 【0012】上記の第1及び第2の衝撃吸収手段において、縫合線の形成本数は、適宜変更可能であり、その本数が多いほど、より衝撃を吸収することができる。また、縫合線を形成する縫製糸16の素材は限定されず、天然繊維や合成繊維からなるものを用いることができる。また、縫製糸16は、衝撃を吸収するため、所定以上の衝撃により解ける必要があり、補強用ベルト部材15を身頃11,12に取り付ける際の縫合強度より小さな縫合強度となる縫製手段により、身頃11,12や補強用ベルト部材15に縫い込まれる。 【0013】なお、本実施形態では、補強用ベルト部材15を前身頃11及び後身頃12の裏面側に固着しているが、それらの表面側に固着することもできることはもちろんである。また、補強用ベルト部材15の構成は何ら限定されるものではない。また、前身頃11や後身頃12の適宜位置に通気用のメッシュ部を形成することもできる。さらに、ベルト通し部14は、その両端が必ずしも後身頃12を形成する布地に固着されていなくてもよく、例えば、補強用ベルト部材15を構成する胸ベルト15bと裾ベルト15cが前身頃11及び後身頃12の表面側に固着されている場合に、ベルト通し部14の両端を、それぞれ、その胸ベルト15bと裾ベルト15cに固着することもできる。 【0014】また、ベルト通し部14の他の縫合方法としては、例えば、補強用ベルト部材15を構成する胸ベルト15bや裾ベルト15cに、ベルト通し部14の両端を共に内側に折り返して、その両端を強固に縫合し(図10(a)参照)、次に、その強固の縫合部位(固着部位)B,Bに対し、ベルト通し部14の両端に隣接した重なり部位を、縫製糸16を用いてミシンにより縫い合わせ、上下方向に並列に3本の縫合線16e〜16gを形成するようにしてもよい(図10(b)参照)。上記実施形態のように、単にその両端を後身頃12に強固に縫合しただけでは、自動車の衝突時において、シートベルト60がベルト通し部14の両端のうちのいずれか一方に偏った場合に、その一方の端部に大きな負荷が集中するため、縫合線16e〜16gを形成する縫製糸16のみならず、固着部位Bまでも破断するおそれがあるが、このように両端を共に内側に折り返して後身頃12に強固に縫合しておくことで、固着部位Bの破断を防止することができる。また、縫合線16e〜16gを胸ベルト15bや裾ベルト15cに縫い合わせて形成することにより、衝突時において、各ベルト15b,15cは着用者の身体に密着した状態にあるため、縫合線16e〜16gのみが確実に破断して衝撃を吸収することができる。 【0015】身体保護用補助具20は、図6に示したように、厚さ方向に貫通する2つの長孔からなるベルト挿通部21a,21bが形成された背部21と、この背部21により連結され、該背部21に直交するように設けられた衝撃吸収部22,23とを有して構成される。背部21と各衝撃吸収部22,23は、それぞれ中空であって、その内部で相互に連通しているので、図示しない1つの気体充填口からその中空部内に気体が充填されることにより、背部21はその厚みを増加させるように膨張し、各衝撃吸収部22,23は、該背部21よりも前方に突出するように膨出して、全体として平面視で略コ字状の形状となる。この身体保護用補助具20を形成する素材としては、少なくとも各衝撃吸収部22,23を形成する素材が、気密性を保つことができる柔軟なものであれば限定されるものではなく、例えば、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維等をその素材として用いることができる。また、各ベルト挿通部21a,21bは、必ずしも背部21に形成される必要はなく、例えば、各衝撃吸収部22,23に、その厚さ方向に貫通するように形成してもよい。 【0016】頭部保護用補助具30は、図1に示したように、中空であって、その中空部内に気体が充填されることにより、平面視で略C字状となるように形成されている。この頭部保護用補助具30は、後述するように乗員の首廻りに装着され、車両衝突時において、乗員の首から頭部に至る範囲を保護する機能を果たす。なお、この頭部保護用補助具30も、気密性を保つことができる柔軟な素材から形成されている。また、上記機能を果たし得るのであれば、頭部保護用補助具30の形状は限定されるものではない。また、本実施形態では、頭部保護用補助具30が、身体保護用衣服10等とは独立して設けられているが、身体保護用衣服10に一体的に設けることもできる。すなわち、頭部保護用補助具30を、身体保護用衣服10の襟ぐり10aに沿って縫着したり、ボタンやホック等を用いて、該襟ぐり10aに取り外し可能に取り付けるようにしてもよい。 【0017】上記した構成の身体保護具は、以下のように使用される。すなわち、図1に示したように、まず、身体保護用補助具20に気体を充填し、その身体保護用補助具20の背部21に形成された一方のベルト挿通部21aに、座席シート50に付設されたシートベルト60を、背部21の背面側から正面側へ通すように挿通する。次に、このシートベルト60を、身体保護用衣服10を構成する後身頃12を形成する布地とベルト通し部14との間に形成される隙間(接続部)に挿通する(図2(b)参照)。そして、さらに、このシートベルト60を、身体保護用補助具20の背部21に形成された他方のベルト挿通部21bに、背部21の正面側から背面側へ通すように挿通して、その先端の金具60aをシートベルト固定用のバックル61に接続する。それにより、身体保護用補助具20がシートベルト60を介して身体保護用衣服10に接続されると共に、該シートベルト60によって、身体保護用衣服10と共に支持される。 【0018】座席シート50に着座する乗員は、図7に示したように、シートベルト60に接続された身体保護用衣服10を着衣すると共に、首廻りに、気体が充填された頭部保護用補助具30を装着し、身体保護用補助具20の背部21に背中を当てるようにして座席シート50に着座する。それにより、身体保護用補助具20の各衝撃吸収部22,23が身体保護用衣服10を着衣した乗員の両側にそれぞれ配置される。 【0019】通常の使用時において、乗員の上半身は、乗員の腰部付近に位置して配置される身体保護用衣服10の接続部がシートベルト60に接続されているのみであるため、ある程度の自由度を有する。従って、かかるシートベルト60や、チャイルドシートのシートベルトによって上半身を拘束する場合のような身体的束縛感を与えることがない。 【0020】そして、自動車の前方又は後方からの衝突に際しては、身体保護用衣服10によって、乗員の上半身が前方へ飛び出さないように保持することができると共に、該身体保護用衣服10に設けられた第1及び第2の衝撃吸収手段により、その際に受ける衝撃をより緩和することができる。すなわち、かかる衝突によって、乗員は、その上半身が前傾姿勢となって前方へ飛び出そうとする。この際、ベルト通し部14が、乗員の上半身が前方へ飛び出そうとすることで、シートベルト60によって後方へ引っ張られる(図8(a)参照)。そして、この際に生ずる荷重によって、ベルト通し部14の、強固の縫合部位B,Bにそれぞれ隣接して、上下方向に並列に配設された3本の縫合線16e〜16gを形成する縫製糸16が次々に破断していき、前記縫合線16e〜16gが、その内側に位置するものから順に解れていく(図8(b)参照)ことで、その衝撃を吸収することができる。その結果、乗員が受ける衝撃が緩和され、ダメージも少ないものとなる。 【0021】また、この第2の衝撃吸収手段が働くのと同時に、あるいはそれに前後して、第1の衝撃吸収手段が働く。すなわち、両側の肩部に位置する折り重ね部位Aが、乗員の上半身が前方へ飛び出そうとすることで荷重を受け、これにより、当該部位Aに、並列に配設された4本の縫合線16a〜16dを形成する縫製糸16が次々に破断していき、前記縫合線16a〜16dが、後身頃12側に位置するものから順に解れていく(図9(a)参照)。そして、最終的に、折り重ね部位Aの折り返しが解かれる(図9(b)参照)。かかる作用によっても衝撃が吸収されるため、上記した第2の衝撃吸収手段との相互の作用により、乗員が受ける衝撃がさらに緩和され、ダメージもより少ないものとなる。 【0022】一方、自動車の側面衝突に際しては、身体保護用補助具20によって、乗員が左右いずれかの方向に横転したり、飛び出さないように、その上半身を受け止めることができると共に、その際の衝撃を吸収することができる。すなわち、かかる衝突によって、乗員は、その上半身が左右いずれかの方向に横転したり、飛び出そうとするが、この際、気体が充填された各衝撃吸収部22,23が乗員の上半身を柔軟に受け止めて、その際の衝撃を吸収することができる。それにより、乗員が受ける衝撃が緩和され、ダメージも少ないものとなる。 【0023】さらに、乗員の首廻りには、頭部保護用補助具30が装着されているため、上記のような衝突時において、頭部保護用補助具30によりその衝撃が吸収されるので、首から頭部に至る範囲に受ける衝撃やダメージも少なくて済む。 【0024】他方、不使用時においては、身体保護用衣服10の接続部及び身体保護用補助具20の各ベルト挿通部21a,21bに挿通されたシートベルト60を上記とは逆の手順で取り外すだけで、身体保護用衣服10及び身体保護用補助具20を座席シート50から極めて簡単に取り外すことができる。また、身体保護用補助具20及び頭部保護用補助具30の内部に充填された気体を抜くことによって、それらの容積を減少させることができると共に、柔軟な素材から形成されているため、それらを折り畳むこともできる。従って、座席シート50から取り外した後も嵩張らず、保管場所も小さいスペースで足りる。また、軽量であるため、携行する際にも便利である。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の身体保護用補助具によれば、身体保護用衣服を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部を備えると共に、座席シートに付設されたシートベルトを挿通可能なベルト挿通部を有し、シートベルトをこのベルト挿通部に挿通した上で、前記身体保護用衣服に接続可能であり、シートベルトによって、前記身体保護用衣服と共に支持される構造であるため、車両の側面衝突から身体保護用衣服を着衣した乗員を保護することができる。 【0026】また、本発明の身体保護具によれば、乗員に着衣される身体保護用衣服と、該身体保護用衣服を着衣した乗員の両側に位置し、側方からの衝撃を緩和する衝撃吸収部を備えると共に、座席シートに付設されたシートベルトを挿通可能なベルト挿通部を有し、シートベルトをこのベルト挿通部に挿通した上で、前記身体保護用衣服に接続可能であり、シートベルトによって、前記身体保護用衣服と共に支持される構造である身体保護用補助具とを具備して構成されるため、車両の前後方向からの衝突のみならず、側面衝突に対しても十分な身体保護機能を発揮することができる。 【0027】また、本発明の身体保護用補助具及び身体保護具によれば、座席シートに対する脱着が容易であり、座席シートから取り外した際にも嵩張らず、携行に便利で、保管場所も小さいスペースで足りるという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000236735 【氏名又は名称】不二精器株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月29日(2001.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073139 【弁理士】 【氏名又は名称】千田 稔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−294506(P2002−294506A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−95894(P2001−95894) |
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