| 【発明の名称】 |
ズボン等のウエスト伸縮構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】田島 和彦
【氏名】奥田 祥子
|
| 【要約】 |
【課題】ウエストが伸縮しても腰ポケットの深さや広さが変わったりすることがないズボン等のウエスト伸縮構造を提供することにある。
【解決手段】ウエスト部は、前ウエスト部と後ウエスト部と脇ウエスト部とからなり、前ウエスト表布と前ウエスト裏布との間に配置され、一端が前記脇ウエスト部に縫着され他端が前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布に縫着された第1の弾性部材と、前記脇ウエスト部の裏側に配置され、一端が後ウエスト部に縫着され他端が前ウエスト裏布に縫着された第2の弾性部材とを備え、前記脇布はタックを取って折り返されて腰ポケットの見返し部に縫着され該見返し部にはチャックを設けて該チャックにより開閉されるポケット袋を前記前身頃と該前身頃の裏地との間に設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腰ポケットを有するズボン等のウエスト部に弾性部材を配置したウエスト伸縮構造において、前記ウエスト部は、前身頃の上端部に縫着された前ウエスト表布と前身頃の裏地の上端部に縫着された前ウエスト裏布とを上端縁において縫着して形成した前ウエスト部と、後ろ身頃の上端部に縫着された後ウエスト表布と後ろ身頃の裏地の上端部に縫着された後ウエスト裏布とを上下縁で縫合して形成された後ウエスト部と、前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布との間に位置するように配置されると共に腰ポケットにおける脇布の上端部に形成された脇ウエスト部とからなり、前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布との間に配置され、一端が前記脇ウエスト部に縫着されると共に他端が前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布に共縫い状に縫着された第1の弾性部材と、前記脇ウエスト部の裏側に配置され、一端が後ウエスト部に縫着されると共に他端が前ウエスト裏布に縫着された第2の弾性部材とを備え、前記脇布はタックを取って折り返されて腰ポケットの見返し部に縫着されると共に該見返し部にはチャックを設けて該チャックにより開閉されるポケット袋を前記前身頃と該前身頃の裏地との間に設けたことを特徴とするズボン等のウエスト伸縮構造。 【請求項2】 後ウエスト部の一部にはウエストベルトの一端が縫着されると共に前ウエスト表布の端部には前記ウエストベルトを通すカンが第3の弾性部材を介して取り付けられ、長さ調節をしたウエストベルトが伸縮可能になっていることを特徴とする請求項1に記載のズボン等のウエスト伸縮構造。 【請求項3】 後ウエスト部の一部には第4の弾性部材を縫着することによりギャザー部が形成され、ウエストベルトの一端が該ギャザー部の端部に縫着されていて該ウエストベルトでギャザー部が隠蔽されるようになっていることを特徴とする請求項1又2に記載のズボン等のウエスト伸縮構造。 【請求項4】 ウエストベルトが前ウエスト表布に取り付けたベルトループを通った後にカンで折り返されるようになっていることを特徴とする請求項2又は3に記載のズボン等のウエスト伸縮構造。 【請求項5】 ウエストベルトは雄雌共用の面ファスナーで係脱されるようになっていることを特徴とする請求項2,3又は4の何れかに記載のズボン等のウエスト伸縮構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、腰ポケットを有するズボン、キュロット、スカート等(以下「ズボン等」という)のウエスト伸縮構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ズボン等のウエスト部に弾性部材を設けた伸縮構造において、伸縮によって弾性部材が露呈するのを防止して体裁を良好にするために、前身頃上端部の前ウエスト部と後ろ身頃上端部の後ウエスト部がずれた状態で伸縮するようにしたものが提案され、また、これを改良するためのものが各種の形態で提案されており(例えば、特許第2578079号公報、実用新案登録第3069120号公報等)、我々も従来のものを改良したズボン等のウエスト伸縮構造を先に提案した(特開平11−181604号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のズボン等のウエスト伸縮構造では、ウエスト部が伸縮するとこれに伴って腰ポケットの深さ等が変化し、ウエスト部が伸張すると腰ポケットが浅くなってポケット内部の収納物がはみ出して落下するおそれがあった。 【0004】また、従来のもののように、ウエスト部が伸張すると腰ポケットが浅くなる、ということは腰ポケットの入り口が大きく斜めになる、ということであり、ポケットへの水や塵埃などが侵入し易くなる。 【0005】本発明の目的は、前記のような従来のものの欠点を解消し、ウエストが伸縮しても腰ポケットの深さや広さが変わったりすることはなく、また、腰ポケットのファスナーを閉じた状態ではポケットは疑似ポケットとなっていてポケット内部に水や塵埃などが入るおそれはなく、しかもウエストが伸縮しても前記ファスナーが表に露呈することがないようにしたズボン等のウエスト伸縮構造を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係るズボン等のウエスト伸縮構造は、請求項1記載のものにおいては、腰ポケットを有するズボン等のウエスト部に弾性部材を配置したウエスト伸縮構造において、前記ウエスト部は、前身頃の上端部に縫着された前ウエスト表布と前身頃の裏地の上端部に縫着された前ウエスト裏布とを上端縁において縫着して形成した前ウエスト部と、後ろ身頃の上端部に縫着された後ウエスト表布と後ろ身頃の裏地の上端部に縫着された後ウエスト裏布とを上下縁で縫合して形成された後ウエスト部と、前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布との間に位置するように配置されると共に腰ポケットにおける脇布の上端部に形成された脇ウエスト部とからなり、前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布との間に配置され、一端が前記脇ウエスト部に縫着されると共に他端が前記前ウエスト表布と前ウエスト裏布に共縫い状に縫着された第1の弾性部材と、前記脇ウエスト部の裏側に配置され、一端が後ウエスト部に縫着されると共に他端が前ウエスト裏布に縫着された第2の弾性部材とを備え、前記脇布はタックを取って折り返されて腰ポケットの見返し部に縫着されると共に該見返し部にはチャックを設けて該チャックにより開閉されるポケット袋を前記前身頃と該前身頃の裏地との間に設けたことを特徴とする。 【0007】これにより、ズボン等は裏地を備えているから、肌触り、強度、防寒などの面で優れているのは勿論、脇布はタックを取って折り返されて腰ポケットの見返し部に縫着されると共に該見返し部にはチャックを設けて該チャックにより開閉されるポケット袋が前記前身頃と該前身頃の裏地との間に設けられているから、ウエスト部が伸縮しても腰ポケットの深さや広さが変化することはない。また、前記チャックを閉じた状態ではポケットは疑似ポケットとなっていてポケット内部に雪、水、塵埃などが侵入するおそれはなく、腰ポケットは隠しポケットとなっていてチャックを開けることにより所定の深さ、広さの腰ポケットとして使用することができる。ウエスト部が伸縮してもチャックが表面側に露呈することはなく、体裁が良好である。 【0008】請求項2に記載のものにおいては、後ウエスト部の一部にはウエストベルトの一端が縫着されると共に前ウエスト表布の端部には前記ウエストベルトを通すカンが第3の弾性部材を介して取り付けられ、長さ調節をしたウエストベルトが伸縮可能になっていることを特徴とする。 【0009】これにより、カンを通して折り返されたウエストベルトを所定の長さに調節することによりウエスト部のサイズが決定され、前記カンは前ウエスト表布の端部に第3の弾性部材を介して取り付けられているから、ウエストベルトを長さ調節した状態においても更に伸縮することができ、圧迫感が緩和されると共に運動時にウエスト部が前記ウエストベルトで決定されたサイズ以上に急激に変化してもその変化に対応することができる。 【0010】請求項3に記載のものにおいては、後ウエスト部の一部には第4の弾性部材を縫着することによりギャザー部が形成され、ウエストベルトの一端が該ギャザー部の端部に縫着されていて該ウエストベルトでギャザー部が隠蔽されるようになっていることを特徴とする。 【0011】これにより、後ウエスト部は前記ギャザー部により伸縮調整され、また、該ギャザー部はウエストベルトで隠蔽されるから体裁が良好である。 【0012】請求項4に記載のものにおいては、ウエストベルトが前ウエスト表布に取り付けたベルトループを通った後にカンで折り返されるようになっていることを特徴とする。 【0013】これにより、ウエストベルトは上下の位置ずれが防止されて位置決めされると共に身体に密着し、安定感を保ってホールド感を増大させることができる。 【0014】請求項5に記載ものにおいては、ウエストベルトは雄雌共用の面ファスナーで係脱されるようになっていることを特徴とする。 【0015】これにより、ウエストベルトの接合面全面に雄雌共用の面ファスナーを取り付けることができるから、カンで折り返されたウエストベルトを任意の位置で重合させて係脱させることができ、着用者のウエストサイズ及び好みのサイズに応じて任意に調節することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】図1〜図8は本発明に係るズボン等のウエスト伸縮構造の実施例を示し、図1は伸縮構造を有するウエスト部の要部の斜視図、図2は同じく要部の背面図、図3は脇ウエスト部と第1の弾性部材との関連を示す分解斜視図、図4は脇布及び脇ウエスト部を展開した平面図、図5は脇ウエスト部の構成を示す一部切欠した斜視図、図6は脇ウエスト部の構成を簡略化して示す斜視図、図7は吊りバンドを取り付けた状態を示すズボンの正面図、図8は同じく背面図である。 【0017】図において、Aは腰ポケットPを有するズボンであり、ウエスト部1に弾性部材を配置したウエスト伸縮構造を備えており、前記ウエスト部1は、前ウエスト部2と後ウエスト部3と脇ウエスト部4とからなり、前ウエスト部2は、前身頃5の上端部に縫着された前ウエスト表布6と図2に示すように前身頃5の裏地7の上端部に縫着された前ウエスト裏布8とを上端縁において縫着して形成され、後ウエスト部3は、後ろ身頃9の上端部に縫着された後ウエスト表布10と図2に示すように後ろ身頃9の裏地11の上端部に縫着された後ウエスト裏布12とを上下縁で縫合して形成され、脇ウエスト部4は、前記前ウエスト表布6と前ウエスト裏布8との間に位置するように配置されると共に腰ポケットPにおける脇布13の上端部に形成されている。 【0018】ウエスト伸縮構造は、前記前ウエスト表布6と前ウエスト裏布8との間に配置され、一端が前記脇ウエスト部に縫着されると共に他端が前記前ウエスト表布6と前ウエスト裏布8に共縫い状に縫着された第1の弾性部材14と、図2に示すように前記脇ウエスト部4の裏側に配置され、一端が後ウエスト部3に縫着されると共に他端が前ウエスト裏布8に縫着された第2の弾性部材15とを備え、前記脇布13はタックを取って折り返されて腰ポケットPの見返し部P1に縫着されると共に該見返し部P1にはチャック16を設けて該チャック16により開閉されるポケット袋17を前記前身頃5と該前身頃5の裏地7との間に設けた構成である。 【0019】前記脇布13及び脇ウエスト部4は、実施例では、図3〜図6に示すように構成されている。脇布13は、脇表布13aと、これと対象に形成された脇裏布13bとからなり、図3に示すように、両者の縫い代同士を中閉じする。一方、脇ウエスト部4は脇ウエスト布18に連結片19、20を連設して前記脇表布13a及び脇裏布13bの上端部にそれぞれ縫着して形成される。 【0020】この状態で、折り山22から折り返すと脇布13の一部が折り返され、表側の布片23がタックを取った形態で深さの浅い疑似ポケットの裏布23aとしてその端部23bがポケットPの見返し部P1に縫着されるようになっている。また、表側の布片24は、図2に示すように、タックを取った形態で端部24aが前記前身頃5の裏地7の端部7aに縫着されるようになっている。 【0021】また、折り山21から折り返すと脇ウエスト表布18a、19a及び脇ウエスト裏布18b、19bが形成されるようになっている。このとき、前記第1の弾性部材(帯ゴム)14の一端を前記脇ウエスト裏布18bと脇ウエスト裏布19bの連設部18cに予め縫着しておくことにより、前記折り山21から折り返すと該第1の弾性部材14が前記脇ウエスト表布19aと脇ウエスト裏布19bの間に挟まれる状態となる。また、図4及び図5に示すように、連結片20の表側片20aは前ウエスト表布6の裏布として縫着され、裏側片20bは前ウエスト裏布8の裏布として縫着される。 【0022】前記後ウエスト部3の一部、実施例では後に説明するギャザー部29の始端部29aにウエストベルト25の一端25aが縫着されると共に前記前ウエスト表布6の端部には前記ウエストベルト25を通すカン26が第3の弾性部材27を介して取り付けられ、該カン26を通して長さ調節したウエストベルト25が伸縮可能になっている。なお、図5においては、前記第3の弾性部材27及びカン26を取り外した状態で示している。また、ポケット袋17は省かれている。 【0023】後ウエスト部3の一部、実施例では前記脇ウエスト部4への接続部近傍に第4の弾性部材30を縫着することによりギャザー部29が形成され、該ギャザー部29の始端部29aに縫着されている前記ウエストベルト25によってギャザー部29が隠蔽されるようになっている。 【0024】また、前記前ウエスト表布6にはベルトループ28が取り付けられ、前記ウエストベルト25はこのベルトループ28を通った後に前記カン26で折り返されるようになっている。前記ウエストベルト25には雄雌共用の面ファスナー31が縫着されていて、ウエストベルト25を重合させることにより任意の位置で係脱できるようになっている。図中、32はバータックを示している。 【0025】図7及び図8では吊りベルト33を取り付けた吊りズボンとして示しているが、本発明に係るズボン等のウエスト伸縮構造はズボンに限らず、キュロット、スカート等にも適用し得ることは勿論である。 【0026】 【発明の効果】本発明に係るズボン等のウエスト伸縮構造によれば、請求項1に記載のものにおいては、ズボン等は裏地を備えているから、肌触り、強度、防寒などの面で優れているのは勿論、脇布はタックを取って折り返されて腰ポケットの見返し部に縫着されると共に該見返し部にはチャックを設けて該チャックにより開閉されるポケット袋が前記前身頃と該前身頃の裏地との間に設けられているから、ウエスト部が伸縮しても腰ポケットの深さや広さが変化することはない。また、前記チャックを閉じた状態ではポケットは疑似ポケットとなっていてポケット内部に雪、水、塵埃などが侵入するおそれはなく、腰ポケットは隠しポケットとなっていてチャックを開けることにより所定の深さ、広さの腰ポケットとして使用することができる。ウエスト部が伸縮してもチャックが表面側に露呈することはなく、体裁が良好である。 【0027】請求項2に記載のものにおいては、カンを通して折り返されたウエストベルトを所定の長さに調節することによりウエスト部のサイズが決定され、前記カンは前ウエスト表布の端部に第3の弾性部材を介して取り付けられているから、ウエストベルトを長さ調節した状態においても更に伸縮することができ、圧迫感が緩和されると共に運動時にウエスト部が前記ウエストベルトで決定されたサイズ以上に急激に変化してもその変化に対応することができる。 【0028】請求項3に記載のものにおいては、後ウエスト部は前記ギャザー部により伸縮調整され、また、該ギャザー部はウエストベルトで隠蔽されるから体裁が良好である。 【0029】請求項4に記載のものにおいては、ウエストベルトは上下の位置ずれが防止されて位置決めされると共に身体に密着し、安定感を保ってホールド感を増大させることができる。 【0030】請求項5に記載のものにおいては、ウエストベルトの接合面全面に雄雌共用の面ファスナーを取り付けることができるから、カンで折り返されたウエストベルトを任意の位置で重合させて係脱させることができ、着用者のウエストサイズ及び好みのサイズに応じて任意に調節することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390025128 【氏名又は名称】株式会社フェニックス
|
| 【出願日】 |
平成13年3月28日(2001.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060690 【弁理士】 【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−285407(P2002−285407A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月3日(2002.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−93108(P2001−93108) |
|