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【発明の名称】 ポケット構造及びそれを備えた衣料
【発明者】 【氏名】松崎 光昭

【要約】 【課題】携帯電話機を使用する時に、ポケットに収納されている電話機が、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機でも、非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらでも比較的容易に取り出し易い位置に収納しうるポケットの構造、ならびにかかるポケット構造を有する衣料を提供する。

【解決手段】袋布6上方部分の袋布内側の横方向周囲長(Q×2)が、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態で縦方向に収納可能な袋布内側の横方向周囲長を有し、袋布下方部分の袋布内側の横方向周囲長(R×2)は、袋布6上方部分の袋布内側の横方向周囲長(Q×2)より小さく、かつ折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態では、袋布下方部分に折り畳みタイプの携帯電話機が入らないが、非折り畳みタイプの携帯電話機の下方部分が縦方向に挿入可能な袋布内側の横方向周囲長(R×2)を有しているポケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポケット袋布における深さ方向の上方部分の袋布内側の横方向周囲長を大きくし、下方部分の袋布内側の横方向周囲長を小さくしたポケット袋布を有することを特徴とする携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項2】 袋布上方部分の袋布内側の横方向周囲長が、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態で縦方向に収納可能な袋布内側の横方向周囲長を有し、袋布下方部分の袋布内側の横方向周囲長は、それより小さく、かつ前記折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態では、袋布下方部分に折り畳みタイプの携帯電話機が入らないが、非折り畳みタイプの携帯電話機の下方部分が縦方向に挿入可能な袋布内側の横方向周囲長を有している請求項1に記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項3】 袋布内側の横方向周囲長が大きい部分の玉縁口布の上縁からの深さが、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態における当該携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度であり、袋布内側の横方向周囲長が大きい部分と小さい部分の袋布前面側の玉縁口布の上縁からの合計の深さが、非折り畳みタイプの携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度である請求項1または2のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項4】 ポケット袋布のうち前面側及び/または後面側を構成する生地の一部として、ポケット袋布のほぼ縦方向にわたって、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が用いられている請求項1〜3のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項5】 ポケット袋布を構成する前面側及び/または後面側の生地のいずれか一方または両方が、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地からなる請求項1〜3のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項6】 少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が、縦横両方向に伸縮性を有するツーウェイ伸縮性生地からなる請求項4〜5のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項7】 ポケット入口部より上方の衣料本体表側に、更に携帯電話機アンテナ部挿入保持部片が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項8】 携帯電話機アンテナ部挿入保持部片が、少なくとも横方向に伸縮性を有するストレッチテープ状物であり、前記テープ状物の両端部がポケット入口部より上方の衣料本体表側に縫合されて設けられている携帯電話機アンテナ部挿入保持部片である請求項7に記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造を有する衣料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料のポケット構造及びそれを備えた衣料に関する。特に本発明は、携帯電話機収納可能なポケット構造及び当該ポケット構造を備えた衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機が普及するに従い、携帯電話機収納用のポッケットを有する作業服、カジュアルウェアー、その他の衣料が市販されている。
【0003】ところで、携帯電話機は当初は、細長い非折り畳みタイプの携帯電話機が普及し、その後、折り畳みタイプの携帯電話機も普及して、近年はこの両者が使用されている。
【0004】ところで、携帯電話機が広く普及するに従い、また近年の携帯電話機は比較的軽量化されているので、作業服その他の上着などの胸ポケット、あるいはズボンに設けられたポケットなどに収納して、いつでも取り出して使用できるような使い方をするようになってきている。
【0005】そこで、近年は、作業服その他の上着などの胸ポケットとして、あるいはズボンに設けられたポケットとして、携帯電話機収納用にポケットが設けられている作業服などが利用されるようになってきている。
【0006】図7〜図11にいくつかの携帯電話機の正面外郭図を示した。図7と図8が折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態における携帯電話機の正面外郭図であり、図9〜図11が非折り畳みタイプの携帯電話機の正面外郭図である。尚、図7〜図11において、101が携帯電話機本体、102はアンテナ部(アンテナが携帯電話機本体101に収納されている状態のアンテナ頭部)を示している。
【0007】本発明者等の検討によると、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機と非折り畳みタイプの携帯電話機を比べると、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機は、ほとんどのものが非折り畳みタイプの携帯電話機に比べて縦方向の長さが短く、それと直角方向の、すなわち横方向の断面が太いと言う寸法形状であり、一方、非折り畳みタイプの携帯電話機は折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機に比べて縦方向の長さが長く、それと直角方向の、すなわち横方向の断面が細いと言う寸法形状であることが認められる。
【0008】従って、この、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機と非折り畳みタイプの携帯電話機の両者のどちらでも収納できるように、ポッケト開口部からポッケト袋布の底までの深さを非折り畳みタイプの携帯電話機縦方向の長さにほぼ合わせ、ポッケト袋布内側の横方向周囲長を折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機が収納可能な太めの横方向周囲長としたポッケト構造を有する衣料が、近年見受けられるようになった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようにポッケト開口部からのポッケト袋布の深さをほぼ非折り畳みタイプの携帯電話機縦方向の長さに合わせ、ポッケト袋布内側の横方向周囲長を折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機が収納可能な太めの横方向周囲長としたポッケト構造とすると、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機を収納すると、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機の底がポッケト袋布の底に到達するまで、当該電話機がポッケト袋布中に深く入ってしまい、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機を収納した場合には、電話がかかった場合などすぐ取り出しにくいと言う問題があった。
【0010】本発明は、このような従来のポケットの構造を改良し、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機も非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも収納でき、しかも、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機がポケットの底まで深く入ってしまわずに、ポケットの深さ方向のうち上方部分にとどまるように収納でき、一方、非折り畳みタイプの携帯電話機の場合にはポケットの底部まで到達するように収納でき、従って、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する時に、ポケットに収納されている電話機が、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機でも、非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも比較的容易に取り出し易い位置に収納しうるポケットの構造、ならびにかかるポケット構造を有する衣料を提供することを目的とする。
【0011】図7〜図11は各種の、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機(図7、図8)と非折り畳みタイプの携帯電話機(図9〜図11)の正面側から見た外郭のみを示した正面図であるが、本発明者等は、市場に出回っている複数のなるべく形状の異なる、折り畳みタイプの携帯電話機と非折り畳みタイプの携帯電話機の、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機と非折り畳みタイプの携帯電話機の縦方向の長さhとそれと直角の方向、すなわち横方向断面の外郭周囲長を種々のもので測定してみたところ、図7、図8のタイプの折り畳みタイプの携帯電話機の一例の折り畳んだ状態での縦方向の長さh1と横方向断面の周囲長(それぞれA−A断面、C−C断面での周囲長をa1で表し、B−B断面、D−D断面での周囲長をa2で表す)、ならびに図9〜図11のタイプの非折り畳みタイプの携帯電話機の一例の電話機の縦方向の長さh2とそれと直角の方向、すなわち横方向断面の外郭周囲長(それぞれE−E断面、G−G断面、K−K断面での周囲長をb1で表し、F−F断面、J−J断面、L−L断面での周囲長をb2で表す)は、表1の様であった。
【0012】
【表1】
折り畳みタイプの携帯電話機 h1 a1 a2 図7の携帯電話機 9.3cm 14.0cm 13.5cm 図8の携帯電話機 9.2cm 13.0cm 12.0cm 非折り畳みタイプの携帯電話機 h2 b1 b2 図9の携帯電話機 12.0cm 10.6cm 9.8cm 図10の携帯電話機 12.5cm 11.0cm 10.5cm 図11の携帯電話機 12.7cm 11.5cm 10.5cmこれより明らかなように、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機は、ほとんどのものが非折り畳みタイプの携帯電話機に比べて縦方向の長さが短く約9cm程度であり、それと直角方向の、すなわち横方向の断面が太い(横方向外郭周囲長a1が13〜14cm、下方の横方向外郭周囲長a2が12〜13.5cm)と言う寸法形状であり、一方、非折り畳みタイプの携帯電話機は折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機に比べて縦方向の長さが長く約12〜13cm程度であり、それと直角方向の、すなわち横方向の断面が細い(横方向外郭周囲長b1が約10.5〜11.5cm、下方の横方向外郭周囲長b2が10〜10.5cm)と言う寸法形状であることが認められる。
【0013】そこで、このような、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機は、ほとんどのものが非折り畳みタイプの携帯電話機に比べて縦方向の長さが短く、それと直角方向の、すなわち横方向の断面が太いと言う寸法形状であり、一方、非折り畳みタイプの携帯電話機は折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機に比べて縦方向の長さが長く、それと直角方向の、すなわち横方向の断面が細いと言う寸法形状であることを利用して、ポケット袋布における深さ方向の上方部分の袋布内側の横方向周囲長を大きくし、下方部分の袋布内側の横方向周囲長を小さくしたポケット袋布を有するポケット構造とすることにより、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機も非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも収納でき、しかも、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機がポケットの底まで深く入ってしまわずに、ポケットの深さ方向のうち上方部分にとどまるように収納でき、一方、非折り畳みタイプの携帯電話機の場合にはポケットの底部まで到達するように収納でき、従って、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する際に、ポケットに収納されている電話機が、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機でも、非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも比較的容易に取り出し易い位置に収納しうるポケットの構造、ならびにかかるポケット構造を有する衣料を提供できることを見いだし本発明に到達した。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の携帯電話機収納可能なポケット構造ならびにそれを備えた衣料は次のものである。
【0015】(1)ポケット袋布における深さ方向の上方部分の袋布内側の横方向周囲長を大きくし、下方部分の袋布内側の横方向周囲長を小さくしたポケット袋布を有することを特徴とする携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0016】(2)袋布上方部分の袋布内側の横方向周囲長が、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態で縦方向に収納可能な袋布内側の横方向周囲長を有し、袋布下方部分の袋布内側の横方向周囲長は、それより小さく、かつ前記折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態では、袋布下方部分に折り畳みタイプの携帯電話機が入らないが、非折り畳みタイプの携帯電話機の下方部分が縦方向に挿入可能な袋布内側の横方向周囲長を有している前記(1)項に記載のポケット構造。
【0017】(3)袋布内側の横方向周囲長が大きい部分の玉縁口布の上縁からの深さが、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態における当該携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度であり、袋布内側の横方向周囲長が大きい部分と小さい部分の袋布前面側の玉縁口布の上縁からの合計の深さが、非折り畳みタイプの携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度である前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0018】(4)ポケット袋布のうち前面側及び/または後面側を構成する生地の一部として、ポケット袋布のほぼ縦方向にわたって、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が用いられている前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0019】(5)ポケット袋布を構成する前面側及び/または後面側の生地のいずれか一方または両方が、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地からなる前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0020】(6)少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が、縦横両方向に伸縮性を有するツーウェイ伸縮性生地からなる前記(4)〜(5)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0021】(7)ポケット入口部より上方の衣料本体表側に、更に携帯電話機アンテナ部挿入保持部片が設けられている前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0022】(8)携帯電話機アンテナ部挿入保持部片が、少なくとも横方向に伸縮性を有するストレッチテープ状物であり、前記テープ状物の両端部がポケット入口部より上方の衣料本体表側に縫合されて設けられている携帯電話機アンテナ部挿入保持部片である前記(7)項に記載の携帯電話機収納可能なポケット構造。
【0023】(9)前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造を有する衣料。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の理解を容易にするため、図面を参照しながら、本発明の実施の形態例を取り上げて本発明を説明するが、本発明は、図面に記載された実施の形態例のみに限定されるものではない。
【0025】図1は胸ポケット部分に、本発明の携帯電話機収納可能なポケット構造を有する衣料である作業服の一実施の形態の正面図、図2は図1の作業服の裏側に設けられているポケット袋布などの位置を示すために、図1の作業服にポケット袋布の位置を鎖線で表示した作業服の一実施の形態の正面図、図3は図1、図2で示した作業服にポケット袋布が取り付けられている状態を説明するための図2のA−A切断面の模式的端面図、図4は、図1、図2の作業服に用いられる本発明のポケット構造を示すための作業服裏側から見たポケット袋布の背面図、図5は、作業服(以下衣料と総称することもある)本体身頃とポケット玉縁口布の部分を除いた、向こう布とポケット袋布を図3とは反対面から見た場合の正面図である。
【0026】1はポケットの衣料本体入り口部上端を構成する部分で、通常、玉縁口布と称される部分である、以下、玉縁口布と称する。図4と図5には、玉縁口布1の位置が、図4と図5の図のおよそどのあたりに位置しているかを参考までに示すため、玉縁口布1の位置を鎖線で表示した。2と3は衣料本体布の身頃であり、2を身頃(上)、3を身頃(下)と称することとする。6は袋布であり、この袋布6の中に携帯電話機などの目的対象物が収納される。この例では袋布6は、袋布前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5からなっている。7は向こう布と呼ばれる布で、ポケット開口部14から直接袋布6の後面側を構成する生地5が見えないようにするための布である。9は袋布6の前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5の下辺部同士を縫合している縫合ライン、8は袋布6の前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5の側縁部同士を縫合している縫合ライン、10は袋布6の後面側を構成する生地5の側縁部上部と向こう布7の側縁部とを縫合している縫合ライン、11は袋布6の後面側を構成する生地5の上辺部と向こう布7の上辺部とを縫合している縫合ラインでこの縫合ラインは更に、衣料本体布の身頃(上)2にも縫合されている。12は袋布6の前面側を構成する生地4の上辺部と玉縁口布1と衣料本体身頃(下)3とを縫合している縫合ラインである。1aは玉縁口布1の上縁で、4aは袋布前面側の開口部上端、13は向こう布7の下辺部を折り返した部分の端始末用縫合ラインを示している。
【0027】次に、ポケット袋布における携帯電話機などの目的物の収納可能な領域を区画しているのが、縫合ライン22、24、25などである。縫合ライン22、24は、いずれも袋布6の袋布前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5同士を縫合している袋布内側の横方向周囲長なども規制する縫合ラインである。縫合ライン8より内側に入った部分が縫合されている。縫合ライン25は、袋布6の前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5の下辺部よりもやや上側の部分を縫合している縫合ラインであり、袋布6の縦方向の深さを規定する縫合ラインとなる。尚、縫合ライン21は袋布6の後面側を構成する生地5と向こう布7のそれぞれの側縁部よりやや内側を互いに縫合している縫合ライン、縫合ライン20は袋布6の後面側を構成する生地5と向こう布7のそれぞれの上辺部よりやや下側を互いに縫合している縫合ラインである。
【0028】尚、携帯電話機などの目的対象物をポケットに収納する場合には、目的対象物を、ポケット開口部8から袋布前面側を構成する生地4の袋布前面側の開口部上端4a近傍と向こう布7の間を通って、袋布6内に収納されることになる。
【0029】そしてこの実施形態例においては、袋布6上方部分の袋布6内側の横方向周囲長(図4中のQの長さの約2倍)が袋布下方部分の袋布6内側の横方向周囲長(図4中のRの長さの約2倍)よりも大きくなっている。尚、この実施形態例においては、袋布上方部分とは矢印23で示した部分より上側であり、袋布下方部分とは矢印23で示した部分より下側を指している。袋布内側の横方向周囲長とは、袋布を深さ方向(縦方向)とは垂直な面で輪状に切断した時の縫合ライン22や24の内側の輪の周の長さであり、従って、袋布6を袋布前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5とを合わせて平坦に平置きした状態で、左右の縫合ライン22同士や24同士間の距離QやRの約2倍と言うことになる。
【0030】袋布6上方部分の袋布内側の横方向周囲長(Q×2)が、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態で縦方向に収納可能な袋布内側の横方向周囲長を有し、袋布下方部分の袋布内側の横方向周囲長(R×2)は、袋布6上方部分の袋布内側の横方向周囲長(Q×2)より小さく、かつ前記折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態では、袋布下方部分に折り畳みタイプの携帯電話機が入らないが、非折り畳みタイプの携帯電話機の下方部分が縦方向に挿入可能な袋布内側の横方向周囲長(R×2)を有しているように設計してある。このような構造とすることにより、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機も非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも収納でき、しかも、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機がポケットの底まで深く入ってしまわずに、ポケットの深さ方向のうち上方部分(矢印23より上の部分)にとどまるように収納でき、一方、非折り畳みタイプの携帯電話機の場合にはポケットの底部まで到達するように収納でき、従って、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する際に、ポケットに収納されている電話機が、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機でも、非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも比較的容易に取り出し易い位置に収納しうるポケットの構造が実現できる。尚、この例では、ポケットの深さ方向のうち上方部分(矢印23より上の部分)の袋布内側の横方向周囲長が上に行くほど大きくなるように設計されているが、本発明の条件を満たすならばポケットの深さ方向のうち上方部分(矢印23より上の部分)の袋布内側の横方向周囲長が上に行くほど大きくならずにQ×2の長さとほぼ同じ横方向周囲長のままでもよいが、ポケットの深さ方向のうち上方部分(矢印23より上の部分)の袋布内側の横方向周囲長が上に行くほど大きくなるように設計されているものの方が、携帯電話機のポケットへの出し入れがしやすく、極めて好ましい。
【0031】そして、袋布内側の横方向周囲長が大きい部分(矢印23より上の部分)の玉縁口布1の上縁1aからの深さS(図5参照)が、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態における当該携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度であり、袋布内側の横方向周囲長が大きい部分(矢印23より上の部分)と小さい部分(矢印23より下の部分で縫合ライン25までの部分)の袋布上方前面側に存在する玉縁口布1の上縁1aからの合計の深さT(図5参照)が、非折り畳みタイプの携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度であることが好ましい。このような設計とすることにより、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態でポケットに収納した場合も非折り畳みタイプの携帯電話機をポケットに収納した場合も、いずれの場合においても携帯電話機の本体の上方部分が玉縁口布1の上縁1aの位置とほぼ同じ位置か(若干上縁1aの位置より携帯電話機の本体の上方部分が下がっている場合も含む)、あるいは、携帯電話機の本体の上方部分が玉縁口布1の上縁1aの位置より若干上にはみ出る程度の位置で携帯電話機が収納されるので、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する際に、ポケットに収納されている電話機が極めて取り出しやすく、しかも電話機の大部分はポケット内部に収納されているので、電話機に傷などがつかないよう、外力による損傷などからの保護機能も保持しており好ましい。
【0032】次に、図6に、ポケット袋布のうち後面側を構成する生地の一部として、ポケット袋布のほぼ縦方向にわたって、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が用いられている本発明の好ましい態様の一実施の形態例の図4に相当する作業服裏側から見たポケット袋布の背面図を示した。背面図以外の態様は図3、図5とほぼ同様なので図示を省略している。図4と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略した。
【0033】図6に示した実施の形態例においては、袋布6の後面側を構成する生地5が、余り伸縮性の良好でない生地や非伸縮性の生地が用いられている場合に、袋布6の後面側を構成する生地5の一部を少なくとも横方向に伸縮性を有する生地31で置き換えた態様である。少なくとも横方向に伸縮性を有する生地31は左右の接ぎライン30、30で袋布6の後面の左右の側を構成する余り伸縮性の良好でない生地ないし非伸縮性の生地5に接ぎ合わされている。このような構成とすることにより、携帯電話機の横方向外郭周囲長その他の寸法が若干大きくなった場合などの寸法が異なる携帯電話機の収納にも対応でき好ましい。生地31は縦横両方向に伸縮性を有するツーウェイ伸縮性生地からなるものも好ましい。
【0034】尚、図6の例では、伸縮性生地31はポケット袋布後面側の上端から下端までにわたって存在している例を示したが、伸縮性生地31は、縫製ライン20から縫製ライン25までを占める長さにして、その他の部分は余り伸縮性の良好でない生地ないし非伸縮性の生地5とする態様にしてもよい。
【0035】また、図6に示した態様は、袋布6の後面側を構成する生地5の一部を少なくとも横方向に伸縮性を有する生地31で置き換えた態様を示したが、袋布6の前面側を構成する生地4の一部を少なくとも横方向に伸縮性を有する生地で置き換えた態様としたり、袋布6の前面側を構成する生地4と後面側を構成する生地5のそれぞれの一部を少なくとも横方向に伸縮性を有する生地で置き換えた態様としてもよい。
【0036】また、図4、図5で示したポケット構造において、ポケット袋布6を構成する前面側の生地4及び/または後面側の生地5のいずれか一方または両方が、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地、より好ましくは縦横両方向に伸縮性を有するツーウェイ伸縮性生地からなる態様であってもよく、携帯電話機の寸法が若干大きくなった場合などの寸法が異なる携帯電話機の収納にも対応できる範囲が広がり好ましい。
【0037】いずれの場合においても、かかる伸縮性生地としては特に限定するものではないが、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含有するパワーネットやトリコットなどが好適に使用できる。
【0038】次に、図1や図2に示されるように、本発明においては、ポケット入口部(玉縁口布1)より上方の衣料本体表側に、更に織物(伸縮性でも非伸縮性でもよい)、編物(伸縮性でも非伸縮性でもよい)、衣料基準で少なくとも横方向に伸縮性を有するストレッチテープ状物などのように携帯電話機アンテナ部挿入保持部片40が設けられていることが好ましい。図1において、携帯電話機アンテナ部挿入保持部片40は、衣料の横方向に長い細幅の非伸縮性の織物生地からなり、その左右の両端部がポケット入口部より上方の衣料本体表側に左右の縫合ライン41、41で縫合されている。
【0039】このような態様とすることにより、アンテナ部挿入保持部片40を指などで前面側に少し引っ張って挿入保持部片40の左右の縫合ライン41、41の間に図4〜図11に示した携帯電話機のようなアンテナ部102を挿入してアンテナ部102を保持させることができ、下を向いたり、走ったり、飛び上がるなどの激しい動作をした場合でも、収納した携帯電話機がポケット入り口部から抜け落ちることを防止できるとともに、携帯電話機を使用する場合や収納する場合にアンテナ部挿入保持部片40を指で少し引っ張っることにより簡単にアンテナ部102をアンテナ部挿入保持部片40から外したり、あるいはアンテナ部挿入保持部片40に挿入し保持することができる。
【0040】尚、本実施の形態例では、携帯電話機アンテナ部挿入保持部片40として、非伸縮性織物を用いたが、衣料基準で少なくとも横方向に伸縮性を有する織物、編物、ストレッチテープ状物などを用いることがより好ましい。
【0041】アンテナ部挿入保持部片40は携帯電話機の正面図のうち、図8、図9、図10のものは、アンテナ部102が左側に存在するので、これを図1に示したような位置にアンテナ部挿入保持部片40が取り付けられている衣料のポケットに収納する場合には、そのままの向き、すなわち携帯電話機の正面が表側を向くようにポケットに挿入すると、アンテナ部挿入保持部片40も衣料正面基準でポケット入口部上方のやや左寄りに取り付けられているので、携帯電話機のアンテナ部102を図1に示したような衣料のアンテナ部挿入保持部片40に挿入できる。もし携帯電話機の正面図のうち、図7、図11などに示されたタイプの携帯電話機のものは、アンテナ部102が右側に存在するので、これを図1に示したような位置にアンテナ部挿入保持部片40が取り付けられている衣料のポケットに収納する場合には、携帯電話機を裏返してポケットに収納すれば、携帯電話機のアンテナ部102を図1に示したような衣料のアンテナ部挿入保持部片40に挿入できる。また、必要ならアンテナ部挿入保持部片40の取り付け位置を、図1に示したようなポケット入口部上方のやや左寄りの位置に取り付けるのではなくポケット入口部上方のやや右寄りの位置に取り付けてもよいし、場合によってはポケット入口部上方のやや左寄りの位置とやや右寄りの位置の両方に取り付けてもよい。
【0042】以上、図示したものは、作業服の胸ポケットについて実施の携帯例として取り上げたが、本発明のポケット構造は、作業服(つなぎ服も含む)の胸ポケットのみに限定されるものではなく、袖部の脇側とか前側とか、その他の適宜の位置に設けてもよいし、作業服のみならず、防寒衣料、ワイシャツ、ズボン、スラックス、白衣など、各種の衣料のポケットとして適用可能である。
【0043】
【発明の効果】(1)本発明の携帯電話機収納可能なポケット構造においては、ポケット袋布における深さ方向の上方部分の袋布内側の横方向周囲長を大きくし、下方部分の袋布内側の横方向周囲長を小さくしたポケット袋布を有する携帯電話機収納可能なポケット構造としたので、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機も非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも収納でき、しかも、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機がポケットの底まで深く入ってしまわずに、ポケットの深さ方向のうち上方部分にとどまるように収納でき、また、非折り畳みタイプの携帯電話機の場合にはポケットの底部まで到達するように収納でき、従って、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する際に、ポケットに収納されている電話機が、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機でも、非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも比較的容易に取り出し易い位置に収納しうるポケットの構造を提供できる。
【0044】(2)また、前記(1)項に記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、袋布上方部分の袋布内側の横方向周囲長が、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態で縦方向に収納可能な袋布内側の横方向周囲長を有し、袋布下方部分の袋布内側の横方向周囲長は、それより小さく、かつ前記折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態では、袋布下方部分に折り畳みタイプの携帯電話機が入らないが、非折り畳みタイプの携帯電話機の下方部分が縦方向に挿入可能な袋布内側の横方向周囲長を有している本発明の好ましい態様とすることにり、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機も非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも収納でき、しかも、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機がポケットの底まで深く入ってしまわずに、ポケットの深さ方向のうち上方部分にとどまるように収納でき、また、非折り畳みタイプの携帯電話機の場合にはポケットの底部まで到達するように収納でき、従って、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する際に、ポケットに収納されている電話機が、折り畳んだ状態の折り畳みタイプの携帯電話機でも、非折り畳みタイプの携帯電話機のどちらの電話機でも比較的容易に取り出し易い位置に収納しうるポケットの構造を提供でき好ましい。
【0045】(3)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、袋布内側の横方向周囲長が大きい部分の玉縁口布の上縁からの深さが、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態における当該携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度であり、袋布内側の横方向周囲長が大きい部分と小さい部分の袋布前面側の玉縁口布の上縁からの合計の深さが、非折り畳みタイプの携帯電話機本体の縦方向の長さとほぼ同程度か若干短い程度である本発明の好ましい態様とすることにより、折り畳みタイプの携帯電話機を折り畳んだ状態でポケットに収納した場合も非折り畳みタイプの携帯電話機をポケットに収納した場合も、いずれの場合においても携帯電話機の本体の上方部分がポケット入り口部(玉縁口布の上縁)の位置とほぼ同じ位置か(若干上縁の位置より携帯電話機の本体の上方部分が下がっている場合も含む)、あるいは、携帯電話機の本体の上方部分が玉縁口布の上縁の位置より若干上にはみ出る程度の位置で携帯電話機が収納されるので、電話がかかった時やかける時など、電話機を使用する際に、ポケットに収納されている電話機が極めて取り出しやすく、しかも電話機の大部分はポケット内部に収納されているので、電話機に傷などがつかないよう、外力による損傷などからの保護機能も保持しておりを提供でき好ましい。
【0046】(4)また、前記(1)項〜(3)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、ポケット袋布のうち前面側及び/または後面側を構成する生地の一部として、ポケット袋布のほぼ縦方向にわたって、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が用いられている本発明の好ましい態様とすることにより、携帯電話機の横方向外郭周囲長その他の寸法が若干大きくなった場合などの寸法が異なる携帯電話機の収納にも対応しうるポケット構造を提供でき好ましい。
【0047】(5)また、前記(1)項〜(3)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、ポケット袋布を構成する前面側及び/または後面側の生地のいずれか一方または両方が、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地からなる本発明の好ましい態様とすることにより、携帯電話機の寸法が若干大きくなった場合などの寸法が異なる携帯電話機の収納にも対応できる範囲が広がり好ましい。
【0048】(6)また、前記(4)〜(5)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、少なくとも横方向に伸縮性を有する生地が、縦横両方向に伸縮性を有するツーウェイ伸縮性生地からなる本発明の好ましい態様とすることにより、携帯電話機の寸法が若干大きくなった場合などの横方向だけでなく縦方向の寸法が大きい携帯電話機の収納にも対応できる範囲が広がり好ましい。
【0049】(7)また、前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、ポケット入口部より上方の衣料本体表側に、更に携帯電話機アンテナ部挿入保持部片が設けられている本発明の好ましい態様とすることにより、収納した携帯電話機がポケット入り口部から抜け落ちることを防止できるとともに、携帯電話機を使用する場合や収納する場合にアンテナ部挿入保持部片を指で少し前面に引っ張るなどの簡単な操作により携帯電話機のアンテナ部をアンテナ部挿入保持部片から外したり、あるいはアンテナ部挿入保持部片に挿入し保持することができ好ましい。
【0050】(8)また、前記(7)項に記載の携帯電話機収納可能なポケット構造において、携帯電話機アンテナ部挿入保持部片が、少なくとも横方向に伸縮性を有するストレッチテープ状物であり、前記テープ状物の両端部がポケット入口部より上方の衣料本体表側に縫合されて設けられている携帯電話機アンテナ部挿入保持部片である本発明の好ましい態様とすることにより、収納した携帯電話機がポケット入り口部から抜け落ちることを防止できるとともに、アンテナ部挿入保持部片は、少なくとも横方向に伸縮性を有するので、携帯電話機を使用する場合や収納する場合にアンテナ部挿入保持部片を指で引き延ばすことにより簡単に携帯電話機のアンテナ部をアンテナ部挿入保持部片から外したり、あるいはアンテナ部挿入保持部片に挿入し保持することができ、しかも、ストレッチテープ状物は、コストも安く、縫製により簡単に取り付けられ、衣料本体との染色による色合わせも比較的容易にでき好ましい。
【0051】(9)また、前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の携帯電話機収納可能なポケット構造を有する衣料の発明においては、前記(1)〜(8)項に記載したそれぞれの作用効果を発揮しうる携帯電話機収納可能なポケット構造を有する衣料を提供できる。
【出願人】 【識別番号】592186777
【氏名又は名称】カイタック株式会社
【出願日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【代理人】 【識別番号】100095555
【弁理士】
【氏名又は名称】池内 寛幸 (外3名)
【公開番号】 特開2002−275716(P2002−275716A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−76355(P2001−76355)