| 【発明の名称】 |
無塵衣及びクリーンロッカ |
| 【発明者】 |
【氏名】神杉 敏彦
【氏名】鈴木 浩二
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| 【要約】 |
【課題】人体からの塵埃や細菌及び水蒸気等の発生を抑えるという無塵衣本来の機能を有したまま、保温性または保冷性を備えた人に優しいクリーンルーム用の無塵衣を提供すること。
【解決手段】蓄熱剤を収納する蓄熱剤収納部11を有するクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10を、パッケージ型空調機22を備え、設定温度に保たれたクリーンロッカ20内に保管する。作業者はこの設定温度で蓄熱したクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10を着用することで、保温効果または保冷効果を得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】クリーンルーム内で作業者が着用する無塵衣であって、蓄熱剤を収納する少なくとも1個の蓄熱剤収納部を有することを特徴とするクリーンルーム用無塵衣。 【請求項2】前記蓄熱剤収納部は、無塵衣の後頸部、背部、胸部、腰部、腹部、上腕部、下腕部、大腿部又は脛部の少なくとも1つの部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム用無塵衣。 【請求項3】前記部位には、前記蓄熱剤が予め内蔵されていることを特徴とする請求項2に記載のクリーンルーム用無塵衣。 【請求項4】クリーンルーム用無塵衣を保管するクリーンロッカであって、前記クリーンロッカは、フィルタを通した清浄空気を内部に供給する機能を有すると共に、内部の温度を設定された任意の温度に保つ温度調節機能を有していることを特徴とするクリーンロッカ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は無塵衣及びクリーンロッカに関するもので、詳しくは半導体工業、医薬品工業、精密機械工業及び食品工業などで製造や研究のために利用されているクリーンルームで使用される無塵衣、及び無塵衣を保管するクリーンロッカに関するものである。 【0002】 【従来の技術】前記半導体工業、医薬品工業、精密機械工業及び食品工業などで利用されているクリーンルームは、空気中における浮遊微小粒子が規定された清浄度レベル以下に管理され、必要に応じて温度、 湿度、圧力などの環境条件についても管理されている。 【0003】このクリーンルーム内で作業する作業者の皮膚、頭髪及び衣類から発散する粒子状物質を最小限に抑えるために、この発塵を透過させ難い衣服としてクリーンルーム用無塵衣がある。この無塵衣には上下一体のオーバーオール形と、上下別体のセパレート形とがある。また帽子あるいは靴と一体になった物もある。 【0004】図7に従来一般に使われているクリーンルーム用無塵衣70を示す。図7(a)はフロントスタイルを示し、 図7(b) はバックスタイルを示す。ここで示している従来のクリーンルーム用無塵衣70は、上下一体となったオーバーオール形で、更にフード12一体型の例である。この無塵衣はファスナー13を開けて着用する。両腕、 両足の袖口にはゴム15,15、…が入っており、袖口からの発塵を抑える構造になっている。またフード12は、調節具14にて横幅と額の高さが自由に調節できるようになっている。 【0005】このような従来の無塵衣は、人体からの塵埃や細菌及び水蒸気等の発生を抑えることを目的としているため、顔の一部を除く全てを覆う形状になっている上、その素材も塵を発生しない、水蒸気を透過しない、更に静電気を帯び難い等、クリーンルーム内で製造する製品への影響が無いような素材が用いられている。 【0006】一方、現在半導体工場のクリーンルームの多くは、室温が23o Cに設定されている。この23o Cという室温は、効率的に空調を行うための下限の温度とされている。また、食品工場のクリーンルームでは、細菌の繁殖を抑えるため、室温が10o C程度に設定されることが多く、また加工の工程によっては−30oCの室温で食品を急冷するためのテンパールームと呼ばれる室もある。 【0007】従来の無塵衣は水蒸気を透過せず、また保温性もほとんど無いため、例えば室温が23o Cのクリーンルーム内で頻繁に体を動かす作業員はこのクリーンルーム内では暑く感じ、室温10o Cのクリーンルーム内で働く作業員は寒く感じることになる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】これを改善するために、クリーンルーム用の無塵衣に綿などの素材を用い、通気性と保温性を持たせる試みもなされたが、人体からの微粒子の発生を抑えるという無塵衣本来の目的を達成できず、実用に供することができなかった。 【0009】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、前記従来技術の欠点を解消し、人体からの塵埃や細菌及び水蒸気等の発生を抑えるという無塵衣本来の機能を有したまま、保温性または保冷性を備えた人に優しいクリーンルーム用の無塵衣を提供することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のクリーンルーム用無塵衣は、クリーンルーム内で作業者が着用する無塵衣であって、蓄熱剤を収納する少なくとも1 個の蓄熱剤収納部を有することを特徴としている。 【0011】この請求項1の発明に係るクリーンルーム用無塵衣によれば、作業者は任意の温度で蓄熱された蓄熱剤を、無塵衣の好みの部位に挿入して着用できるので、クリーンルーム内の設定温度に拘らず心地よく快適に作業することができる。 【0012】また本発明に係る請求項4に記載のクリーンロッカは、クリーンルーム用無塵衣を保管するクリーンロッカであって、前記クリーンロッカは、フィルタを通した清浄空気を内部に供給する機能を有すると共に、内部の温度を設定された任意の温度に保つ温度調節機能を有していることを特徴としている。 【0013】この請求項4の発明に係るクリーンロッカによれば、ロッカ内部の空気は清浄に保たれると共に、ロッカ内部の温度を設定された任意の温度に保つことができるので、内部に保管された無塵衣に備えられた蓄熱剤は設定された任意の温度の蓄熱をすることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に係る無塵衣及びクリーンロッカの好ましい実施の形態について説明する。 【0015】図1は、本発明に係るクリーンルーム用無塵衣の第1の例を示す説明図である。図1(a) はフロントスタイルを示し、 図1(b) はバックスタイルを示している。このクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10は上下一体となったオーバーオール形で、更にフード12も一体になっている。このクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10は、前面への発塵を減少するためにファスナー13を脇に設けてあり、 このファスナー13を開けて着用する。また両腕、 両足の袖口にはゴム15、15、…が入っており、袖口からの発塵を抑える構造になっている。更にフード12は、調節具14にて横幅と額の高さが自由に調節できるようになっている。作業者がこのクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10を着用した時には、人体からの塵埃や細菌及び水蒸気等の発生を抑えるため、顔の一部を除く全てを覆う形状になっている上、 その素材も塵を発生しない、水蒸気を透過しない、更に静電気を帯び難い等、クリーンルーム内で製造する製品への影響が無いような素材が用いられている。 【0016】更に、このクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10には、作業者が着用した時に、作業者の後頸部(11A)、背部(11B)、胸部(11C)、腰部(11D)、腹部(11E)、上腕部(11F)、下腕部(11G)、大腿部(11H)及び脛部(11I)に相当する部位に図示しない蓄熱剤を収納する蓄熱剤収納部11,11、…が設けられている。作業者は任意の部位で関節等を避けた体の動きの妨げにならない部位に、任意の温度に蓄熱された蓄熱剤を収納して着用する。 【0017】蓄熱温度は、クリーンルーム内の温度に応じて自由に設定すればよい。蓄熱剤としては、一般に知られているアイスノン(株式会社白元の商品名)や冷えピタ(ライオン株式会社の商品名)等に使用されている蓄熱性のポリマーを用いる。これらの蓄熱性ポリマーは6〜8時間その蓄熱効果を持続できる。 【0018】なお、図1に示す実施の形態では、上下一体のオーバーオール形の無塵衣で説明したが、上下別体のセパレート形無塵衣に適用しても良い。また、前記蓄熱剤を収納するポケット11,11、…を設ける位置は、作業者の後頸部(11A)、背部(11B)、胸部(11C)、腰部(11D)、腹部(11E)、上腕部(11F)、下腕部(11G)、大腿部(11H)及び脛部(11I)に相当する部位に限ることはなく、他の部位であっても構わない。また、蓄熱剤は前記蓄熱性のポリマーに限らず、物性上蓄熱機能を有するものであれば利用できる。 【0019】更に、蓄熱剤を予め各部位に縫い込んだ蓄熱剤内臓型のクリーンルーム用蓄熱式無塵衣としても良い。 【0020】図2は、本発明に係る無塵衣の第2の例であって、室温の低いクリーンルーム内で着用する保温用の蓄熱式無塵衣を示している。図2(a) はフロントスタイルを示し、 図2(b) はバックスタイルを示している。この第2の例によれば、人体の保温のために効果があると思われる背部(11B)、腰部(11D)、腹部(11E)、下腕部(11G)、大腿部(11H)及び脛部(11I)に相当する部位に蓄熱剤を収納できるようになっている。 【0021】この第2の例によれば、腰、腹及び下肢を中心に温めているので人体を効果的に保温することができ、寒い室内であっても作業者は快適に作業することができる。 【0022】また図3は、本発明に係る無塵衣の第3の例であり、室温の比較的高いクリーンルーム内で着用する保冷用の蓄熱式無塵衣を示している。図3(a) はフロントスタイルを示し、 図3(b) はバックスタイルを示している。この第3の例は、人体の保冷のために効果があると思われる後頸部(11A)、背部(11B)、胸部(11C)、下腕部(11G)及び脛部(11I)に相当する部位に蓄熱剤(保冷剤)を収納できるようになっている。 【0023】この第3の例によれば、人体の各部を効果的に保冷することができるので、比較的温度の高い室内であっても作業者は快適に作業することができる。更に、腰部(11D)、腹部(11E)には蓄熱剤が入っていないので、腰の屈伸動作が容易である。 【0024】なお、図2、図3に示す二つの例においても、蓄熱剤を収納する部位は前記の部位に限るものではなく、別の有効な部位を適宜選択するものとする。 【0025】図4、図5は、本発明に係るクリーンロッカの実施の形態を示す説明図である。図4は外観斜視図であり、図5(a) は正面図、図5(b) は側面図である。 【0026】本発明に係るクリーンロッカ20は、ロッカー本体21とその前面に蛇腹型の扉25を有している。ロッカー本体21の内部にはクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10を複数着、図示しないハンガーに掛けて保管できるようになっている。また、このロッカー本体21には、HEPAフィルタ24を備えた水冷式のパッケージ型空調機22が組込まれている。またロッカー本体21の側面にはロッカー本体21の内部温度を設定するリモコンユニット26が取付けられている。このパッケージ型空調機22によりクリーンロッカ20は、清浄度が保たれると同時に保温機能及び保冷機能を有している。 【0027】このように構成されたクリーンロッカ20の作用は以下のようになる。まず、パッケージ型空調機22が作動するとパッケージ型空調機22の側面に設けられた空気吸込み口23から空気が取込まれ、熱交換器によってリモコンユニット26で設定された温度に調整された後HEPAフィルタ24を経由して清浄な空気がロッカー本体21の内部に吹出され、床下の排気ダクトに連通した図示しない空気排出口から外部に排気される。これによりクリーンロッカ20の内部温度は設定された温度に保ち続けられる。なおエアーフィルタは、クリーンルーム内の要求される清浄度によっては、より粒子捕集効率の高いULPAフィルタを用いることもある。 【0028】図6は、本発明に係るクリーンロッカの変形例を示す。図6(a) は正面図、図6(b) は側面図である。この変形例では、図5の水冷式と異なり、ロッカー本体21に組込まれている空調機32は空冷式のパッケージ型空調機である。空冷式の場合は水冷式と違って、室内機と室外機とは分離しているので、圧縮機32Aはクリーンロッカ20の置かれたグレーティング床37の床下空間38に設置され、冷媒配管32Bによって空調機32と結合されている。なお、この床下空間38はリターンチャンバとして構成されている。この空冷式のパッケージ型空調機は、圧縮機32Aが分離しているので、ロッカー本体21に組込まれる空調機32は小型になるというメリットがある。 【0029】なお、本発明に係るクリーンロッカに用いる空調機は、パッケージ型空調機に限らず、その他の温度調整装置でも対応できる。 【0030】本発明に係るクリーンロッカ20によれば、内部の空気が清浄に保たれると共に、内部温度が設定された温度に保たれるので、中に保管されているクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10、10、…の各部に収納されている蓄熱剤も設定温度に保たれる。このため、このクリーンルーム用蓄熱式無塵衣10を着用する作業者は、クリーンルーム内の温度が高い場合であっても、あるいは低い場合であっても心地よく作業できる。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の無塵衣及びクリーンロッカによれば、作業者は設定温度にコントロールされたクリーンロッカ内で保管されたクリーンルーム用蓄熱式無塵衣を着用することができるので、体の各部を効果的に保温又は保冷することができ、クリーンルーム内の温度に拘らず快適な作業をすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005452 【氏名又は名称】日立プラント建設株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月12日(2001.3.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−266120(P2002−266120A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−67968(P2001−67968) |
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