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【発明の名称】 背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣
【発明者】 【氏名】桑城 健夫

【要約】 【課題】付着した血液が背側へまわり込むことがない背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣を提供する。

【解決手段】外衣1を構成する右半身頃2が、右前袖8aを一連に有する右前身頃2aと右後袖8bを一連に有する右後身頃2bとからなり、外衣1を構成する左半身頃3が、左前袖9aを一連に有する左前身頃3aと左後袖を一連に有する左後身頃3bとからなり、右半身頃2では、右前後身頃2a,2bの外側縁部10どうしが固着され、右前後袖8a,8bの袖上下縁部12,13どうしが固着され、左半身頃3では、左前後身頃3a,3bの外側縁部14どうしが固着され、左後前袖9a,9bの袖上下縁部15,16どうしが固着され、外衣1では、右前身頃2aと左前身頃3aとの内側縁部17どうしが固着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 襟刳りおよび裾と、前記襟刳りの両側に位置する袖刳りから横方向外方へ延びる両袖とを備え、背側が胴周り方向へ開く背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣において、前記外衣が、該外衣の右半分を画成する右半身頃と、該外衣の左半分を画成する左半身頃とから構成され、前記右半身頃が、前記袖刳りに右前袖を一連に有する右前身頃と、前記袖刳りに右後袖を一連に有する右後身頃とからなり、前記左半身頃が、前記袖刳りに左前袖を一連に有する左前身頃と、前記袖刳りに左後袖を一連に有する左後身頃とからなり、前記右半身頃では、前記右前身頃と前記右後身頃との前記袖刳り下端から前記裾へ向かって縦方向へ延びる外側縁部どうしが固着されるとともに、前記右前袖と前記右後袖との前記袖刳り上下端から袖口へ向かって横方向へ延びる袖上縁部どうしと袖下縁部どうしとが固着され、前記左半身頃では、前記左前身頃と前記左後身頃との前記袖刳り下端から前記裾へ向かって縦方向へ延びる外側縁部どうしが固着されるとともに、前記左前袖と前記左後袖との前記袖刳り上下端から袖口へ向かって横方向へ延びる袖上縁部どうしと袖下縁部どうしとが固着され、前記外衣では、前記右前身頃と前記左前身頃との襟刳りから裾へ向かって縦方向へ延びる内側縁部どうしが固着されていることを特徴とする前記外衣。
【請求項2】 前記右前身頃と前記左前身頃とが、通気かつ実質的に不透液性のシートから形成され、前記右後身頃と前記左後身頃とが、弾性伸縮性を有する通気かつ実質的に不透液性のシートから形成されている請求項1記載の外衣。
【請求項3】 前記右後身頃と前記左後身頃との襟刳りから裾へ向かって縦方向へ延びる内側縁部どうしが、胴周り方向へ所与寸法重なり合い、それら部分の内側縁部どうしの閉じ合わせを保持するための互いに係脱可能な被係合部材と係合部材との一方が、前記右後身頃の所要の部位に取り付けられ、それら部材の他方が、前記左後身頃の所要の部位に取り付けられている請求項1または請求項2に記載の外衣。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣に関する。
【0002】
【従来の技術】特開2000−170011号公報は、襟刳りおよび裾を有する身頃と、身頃の袖刳りに取り付けられて横方向外方へ延びる両袖とを備え、背側が胴周り方向へ開く背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣を開示している。
【0003】この外衣は、身頃を画成する前身頃および後身頃と、両袖との各部材から構成されている。前身頃と後身頃とは、襟刳りの両側から袖刳り上端へ向かって横方向へ延びるそれら身頃の上縁部どうしが固着され、袖刳り下端から裾へ向かって縦方向へ延びるそれら身頃の両側縁部どうしが固着されている。両袖は、その袖付け周縁部が前後身頃の袖刳り周縁部に固着され、袖付け下端から袖口へ向かって横方向へ延びる袖下縁部が固着されている。後身頃には、縦方向へ延びる背明きが形成されている。この外衣は、医師や看護婦等の着用者が手術時に着用する手術用として使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】同号公報に開示の外衣では、前後身頃の袖刳り周縁部と両袖の袖付け周縁部とを外衣の内側へ向かって折り曲げた状態でそれら周縁部を固着しているので、外衣の袖刳り周りに溝状の継目が形成される。この外衣では、その着用中に前身頃上部に多量の血液が付着すると、それが継目を伝わって前身頃から後身頃の側へまわり込み、後身頃に伝わった血液が後身頃の背明きから着用者の下着や肌に付着してしまう場合がある。
【0005】本発明の課題は、付着した血液が背側へまわり込むことがない背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための本発明は、襟刳りおよび裾と、前記襟刳りの両側に位置する袖刳りから横方向外方へ延びる両袖とを備え、背側が胴周り方向へ開く背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣を改良することにある。
【0007】改良にかかる本発明の特徴としては、前記外衣が、該外衣の右半分を画成する右半身頃と、該外衣の左半分を画成する左半身頃とから構成され、前記右半身頃が、前記袖刳りに右前袖を一連に有する右前身頃と、前記袖刳りに右後袖を一連に有する右後身頃とからなり、前記左半身頃が、前記袖刳りに左前袖を一連に有する左前身頃と、前記袖刳りに左後袖を一連に有する左後身頃とからなり、前記右半身頃では、前記右前身頃と前記右後身頃との前記袖刳り下端から前記裾へ向かって縦方向へ延びる外側縁部どうしが固着されるとともに、前記右前袖と前記右後袖との前記袖刳り上下端から袖口へ向かって横方向へ延びる袖上縁部どうしと袖下縁部どうしとが固着され、前記左半身頃では、前記左前身頃と前記左後身頃との前記袖刳り下端から前記裾へ向かって縦方向へ延びる外側縁部どうしが固着されるとともに、前記左前袖と前記左後袖との前記袖刳り上下端から袖口へ向かって横方向へ延びる袖上縁部どうしと袖下縁部どうしとが固着され、前記外衣では、前記右前身頃と前記左前身頃との襟刳りから裾へ向かって縦方向へ延びる内側縁部どうしが固着されていることにある。
【0008】本発明の実施の態様の一例としては、前記右前身頃と前記左前身頃とが、通気かつ実質的に不透液性のシートから形成され、前記右後身頃と前記左後身頃とが、弾性伸縮性を有する通気かつ実質的に不透液性のシートから形成されている。
【0009】本発明の実施の態様の他の一例としては、前記右後身頃と前記左後身頃との襟刳りから裾へ向かって縦方向へ延びる内側縁部どうしが、胴周り方向へ所与寸法重なり合い、それら部分の内側縁部どうしの閉じ合わせを保持するための互いに係脱可能な被係合部材と係合部材との一方が、前記右後身頃の所要の部位に取り付けられ、それら部材の他方が、前記左後身頃の所要の部位に取り付けられている。
【0010】
【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、本発明に係る背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0011】図1,2は、前方から見た外衣1の斜視図と、後方から見た外衣1の斜視図とであり、図3は、外衣1の分解斜視図である。図4,5は、図1のA−A線端面図と、図1のB−B線端面図とである。図1,2では、横方向を矢印X、縦方向を矢印Y、胴周り方向を矢印Zで示す。なお、外衣1の内面とは、外衣1を着用した着用者の肌に対向する面をいい、外衣1の外面とは、着用者の肌に非対向の面をいう。外衣1は、医師や看護婦等の着用者が手術時に着用する手術用として使用される。
【0012】外衣1は、その背側が胴周り方向へ開く背側閉じ合わせ型のもので、襟刳り4および裾5と、襟刳り4の両側に位置する袖刳り6,7から横方向外方へ延びる両袖8,9とを備えている。
【0013】外衣1は、外衣1の右半分を画成する右半身頃2と、外衣1の左半分を画成する左半身頃3とから構成されている。外衣1では、それを着用したときに、右半身頃2が着用者の右半身を覆い、左半身頃3が着用者の左半身を覆う。
【0014】右半身頃2は、袖刳り6に右前袖8aが一連につながる右前身頃2aと、袖刳り6に右後袖8bが一連につながる右後身頃2bとから形成されている。右半身頃2は、その上部に襟刳り4とその下部に裾5とを有する。右前身頃2aは、非弾性伸縮性のものであって通気かつ実質的に不透液性の繊維不織布から形成されている。右後身頃2bは、弾性伸縮性を有する通気かつ実質的に不透液性の繊維不織布から形成されている。
【0015】右半身頃2では、右前身頃2aと右後身頃2bとの袖刳り下端6bから裾5へ向かって縦方向へ延びる外側縁部10が合掌状に重なり合い、それら身頃2a,2bの外側縁部どうし10が水密に固着されている。右半身頃2では、右前袖8aと右後袖8bとの袖刳り上下端6a,6bから袖口11へ向かって横方向へ延びる袖上縁部12と袖下縁部13とが合掌状に重なり合い、右前後袖8a,8bの袖上縁部12どうしと袖下縁部13どうしとが水密に固着されている。右前身頃2aと右後身頃2bとの固着時では、右後身頃2bが実質的に非伸長状態にある。
【0016】左半身頃3は、袖刳り6に左前袖9aが一連につながる左前身頃3aと、袖刳り6に左後袖9bが一連につながる左後身頃3bとから形成されている。左半身頃3は、その上部に襟刳り4とその下部に裾5とを有する。左前身頃3aは、非弾性伸縮性のものであって通気かつ実質的に不透液性の繊維不織布から形成されている。左後身頃3bは、弾性伸縮性を有する通気かつ実質的に不透液性の繊維不織布から形成されている。
【0017】左半身頃3では、左前身頃3aと左後身頃3bとの袖刳り下端7bから裾5へ向かって縦方向へ延びる外側縁部14が合掌状に重なり合い、それら身頃3a,3bの外側縁部14どうしが水密に固着されている。左半身頃3では、左前袖9aと左後袖9bとの袖刳り上下端7a,7bから袖口11へ向かって横方向へ延びる袖上縁部15と袖下縁部16とが合掌状に重なり合い、左前後袖9a,9bの袖上縁部15どうしと袖下縁部16どうしとが水密に固着されている。左前身頃3aと左後身頃3bとの固着時では、左後身頃3bが実質的に非伸長状態にある。
【0018】外衣1では、右半身頃2の右前身頃2aと左半身頃3の左前身頃3aとの襟刳り4から裾5へ向かって縦方向へ延びる内側縁部17が合掌状に重なり合い、それら身頃2a,3aの内側縁部17どうしが水密に固着され、右半身頃2と左半身頃3とが一体になっている。
【0019】外衣1では、外側縁部10,14、袖上下縁部12,13,15,16、内側縁部17を合掌状に重ね合わせて固着することの他に、それら縁部の一方を他方の外側に重ね合わせて固着してもよい。
【0020】外衣1の背側には、背明きが形成されている。背明きでは、右半身頃2の右後身頃2bと左半身頃3の左後身頃3bとの襟刳り4から裾5へ向かって縦方向へ延びる内側縁部18どうしが胴周り方向へ所与寸法重なり合っている。両袖8,9は、それら身頃2,3の袖刳り6,7から袖口11へ向い先細りの筒状を呈する。袖口11には、袖口11の周り方向へ弾性伸縮性を有するカフス19が取り付けられている。
【0021】右後身頃2bと左後身頃3bとの内側縁部18には、背明きの閉じ合わせを保持するためのフック部材20とループ部材21とが取り付けられている。フック部材20は、右後身頃2bの内面に取り付けられている。ループ部材21は、左後身頃3bの外面に取り付けられている。
【0022】外衣1を着用するには、右後身頃2bと左後身頃3bとを胴周り方向へ開いて着用者がその両腕を外衣1の両袖8,9に通した後、右後身頃2bと左後身頃3bとを閉じ、右後身頃2bの内側縁部18を左後身頃3bの内側縁部18の外側に重ね合わせ、フック部材20とループ部材21とを係合させる。
【0023】外衣1では、袖8が右半身頃2の袖刳り6に一連につながるとともに、袖9が左半身頃3の袖刳り7に一連につながっているので、それら身頃2,3の袖刳り6,7周りに従来技術のような溝状の継目が形成されることはなく、外衣1の着用中に右前身頃2aと左前身頃3aとの上部に多量の血液が付着したとしても、それが袖刳り6,7周りを伝わって外衣1の背側へまわり込むということはない。
【0024】外衣1では、右後身頃2bと左後身頃3bとが弾性伸縮性を有する繊維不織布から形成されているので、外衣1を着用した着用者が肘を曲げたり、腰を曲げたりしたとしても、それらの動きに右後身頃2bと左後身頃3bとが追従することができ、着用者の肘や腰に外衣1による不快な圧がかかることはない。
【0025】外衣1では、右後身頃2bと左後身頃3bとの胴周り方向の寸法を調節することで、右後身頃2bと左後身頃3bとの内側縁部18の重なる寸法を変えることができる。
【0026】右前身頃2aと左前身頃3aとを形成する非伸縮性の繊維不織布には、熱可塑性合成樹脂繊維からなる疎水性繊維不織布を使用することができる。非伸縮性の不織布には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。非伸縮性の繊維不織布の構成繊維には、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン、または、ポリエチレン/ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【0027】右前身頃2aと左前身頃3aとには、疎水性繊維不織布を重ね合わせた2層の不織布や可撓性かつ通気不透液性の熱可塑性合成樹脂フィルムを疎水性繊維不織布で挟んだ複合シートを使用することもできる。
【0028】右後身頃2bと左後身頃3bとを形成する伸縮性の繊維不織布には、メルトブローンやスパンボンドの各製法により製造されたものを使用することができる。伸縮性の繊維不織布の構成繊維には、熱可塑性エラストマー樹脂を溶融、紡糸した伸縮性繊維を使用することができる。また、熱可塑性エラストマー樹脂繊維からなる疎水性繊維不織布の少なくとも片面に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、のいずれかの熱可塑性合成樹脂を溶融、紡糸した捲縮繊維からなる疎水性繊維不織布を貼り合わせた複合不織布を使用することもできる。
【0029】右後身頃2bと左後身頃3bとには、伸縮性を有する可撓性かつ通気不透液性の熱可塑性合成樹脂フィルム、または、伸縮性を有する可撓性かつ通気不透液性の熱可塑性合成樹脂フィルムを伸縮性を有する通気かつ実質的に不透液性の繊維不織布で挟んだ複合シートを使用することもできる。
【0030】右前身頃2aと右後身頃2bとの固着や左前身頃3aと左後身頃3bとの固着、右半身頃2と左半身頃3との固着、カフス19の取り付け、フック部材20とループ部材21との取り付けには、ホットメルト接着剤、または、ヒートシールや超音波接合等の熱による固定手段を利用することができる。
【0031】外衣1は、着用者の体型を考慮してあらかじめS、M、L、LL等のサイズのものが用意され、滅菌袋に収納された後、エチレンオキシド等の有機気化薬品による滅菌処理、または、電子線や放射線による滅菌処理が行われる。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣によれば、外衣が右半身頃と左半身頃とから構成され、袖が右半身頃の袖刳りに一連につながるとともに、袖が左半身頃の袖刳りに一連につながっているので、左右半身頃の袖刳り周りに継目が形成されることはなく、外衣の上部に多量の血液が付着したとしても、それが袖刳り周りを伝わって身頃の背側へまわり込むということはない。この外衣では、背側への血液の流動を防ぐことができる。
【0033】右後身頃と左後身頃とが弾性伸縮性を有する繊維不織布から形成された外衣では、外衣を着用した着用者が肘を曲げたり、腰を曲げたりしたとしても、それらの動きに右後身頃と左後身頃とが追従することができ、着用者の肘や腰に外衣による不快な圧がかかることはない。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【代理人】 【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治 (外1名)
【公開番号】 特開2002−235223(P2002−235223A)
【公開日】 平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願番号】 特願2001−35056(P2001−35056)