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【発明の名称】 スラックスのウエスト調節構造
【発明者】 【氏名】伊東 敏行

【要約】 【課題】胴回りに圧迫感を与えることなく、フィット性及びゆとりを持たせる様にしたスラックスのウエスト調節構造を提供する。

【解決手段】脇ポケット開口部5aの上端でウエストベルト4を前ベルト部6と後ベルト部7に分離すると共に、後ベルト部7の表布7bに設けた開口部14から表布7bと腰裏7cの間に挿入した引張ベルト13の基端に弾性帯15を連続形成し、該弾性帯15の基端を後身頃2bにおける尻縫目16側に固着し、前ベルト部6の分離された端部6aに設けた尾錠11に、引張ベルト13の先端側を係合することにより、尾錠11による引張ベルト13の係合位置にて、前ベルト部6と後ベルト部7との重ね合わせ長さを可変してウエスト調節する様にし、後ベルト部7の分離された端部7aと前ベルト部6の腰裏6cとを弾性帯10で連結することにより、前記の様に一旦ウエスト調節した後、着用者の体型が多少変わったとしても、前後ベルト部6、7を連結した弾性帯10と、引張ベルト13に連続した弾性帯15との伸縮性により、胴回りの変位を吸収する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脇ポケット開口部の上端でウエストベルトを前ベルト部と後ベルト部に分離すると共に、後ベルト部の分離された端部と前ベルト部の腰裏とを弾性帯で連結し、前ベルト部の分離された端部に尾錠を設け、該尾錠に先端側が係合する引張ベルトの基端側を後ベルト部の表布に設けた開口部から表布と腰裏の間に挿入すると共に、引張ベルトの基端に連結した別途弾性帯の基端を尻縫目側に固着したことを特徴とするスラックスのウエスト調節構造。
【請求項2】 前ベルト部の分離された端部と尾錠との間に別途引張ベルトを設けると共に、後ベルト部の表布に前記引張ベルトを通したベルトループを設けたことを特徴とする請求項1記載のスラックスのウエスト調節構造。
【請求項3】 尾錠は2個のD環から成ることを特徴とする請求項1又は2記載のスラックスのウエスト調節構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラックスのウエスト調節構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スラックスのウエストベルトの調節手段としては、スラックスの脇ポケット上端でウエストベルト部を前ベルト部と後ベルト部で分離し、後ベルト部の分離された端部から所定長さ後方に渡って、スライドレールを設け、該スライドレールに前ベルト部の分離された端部の腰裏に設けたスライダーを装着したものが見受けられる。この調節手段使用のスラックスでは、スライドレールに沿ってスライダーの前後位置を調節して、後ベルト部に前ベルト部の重ね合わせ長さを変更することにより、スラックス着用者のウエストサイズ(胴回り)に対応する様にウエストベルトを調節していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の調節手段は、スライダーの移動によって、一旦ウエストベルトを調節しても、例えば、食事後腹が膨れると、腹部に圧迫感を生じ、再度ウエスト調節することとなったり、その後、食物が消化されて腹の膨れ具合が戻るとウエストベルトがだぶつくため、ウエスト調節し直すといった不具合を有していた。本発明は、胴回りに圧迫感を与えることなくフィット性及びゆとりを持たせる様にしたスラックスのウエスト調節構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑み、脇ポケット開口部の上端でウエストベルトを前ベルト部と後ベルト部に分離すると共に、後ベルト部の表布に設けた開口部から表布と腰裏の間に挿入した引張ベルトの基端に弾性帯を連続形成し、該弾性帯の基端を後身頃における尻縫目側に固着し、前ベルト部の分離された端部に設けた尾錠に、引張ベルトの先端側を係合することにより、尾錠による引張ベルトの係合位置にて、前ベルト部と後ベルト部との重ね合わせ長さを可変してウエスト調節する様にし、後ベルト部の分離された端部と前ベルト部の腰裏とを弾性帯で連結することにより、前記の様に一旦ウエスト調節した後、着用者の体型が多少変わったとしても、前後ベルト部を連結した弾性帯と、引張ベルトに連続した弾性帯との伸縮性により、胴回りの変位を吸収する様にして、上記課題を解決する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図3は、ウエスト調節手段1を設けたスラックス2の上部を示しており、ウエスト調節手段1はスラックス2の上側部3に左右対称に設けられている。以下では、スラックス2の左側を中心にウエスト調節手段1について詳述する。スラックス2の上側部3において、図示しないベルトを巻着するウエストベルト4は、脇ポケット5の開口部5aの上端で、前ベルト部6と後ベルト部7に分離形成されている。脇ポケット5の当布5bは、前身頃2aと後身頃2bの縫着線である脇線8で後身頃2bに縫着一体化されており、後身頃2b及び脇ポケット当布5bの上端に後ベルト部7が縫着されている。一方、前ベルト部6は、前身頃2a上端に縫着されている。後ベルト部7の分離された端部(以下、後分離端部7aと称する。)と、スラックス2の前あき部9を境界とする左右の前ベルト部6の腰裏6cの略中間部位とをゴム等の弾性帯10で連結している。前ベルト部6の分離された端部(以下、前分離端部6aと称する。)には、2個のD環11a、11b(D字形をした金環からなるリングバックル)から成る尾錠11を設けている。尾錠11は、前分離端部6aから連続して後方へ延出形成した所定長さの引張ベルト12(以下、前ベルト12と称する。)の先端に設けられている。そして、後ベルト部7には、尾錠11に先端側が係合する引張ベルト13(以下、後ベルト13と称する。)を設けている。この後ベルト13は、その基端側を後ベルト部7の表布7bに設けた開口部14より表布7bと腰裏7cの間に挿入しており、後ベルト13の基端にはゴム等の弾性帯15を連結し、該弾性帯15の基端を尻縫目16(左右後身頃2bの縫着線)側に固着している。後ベルト部7の表布7bにおいて、後分離端部7a寄り部位(前ベルト12の基端側に対応)及び開口部14前方には、前後ベルト12、13の夫々を通したベルトループ17、18を設けており、ベルトループ17は尾錠11より小さく形成され、尾錠11を前ベルト12のベルトループ17からの抜止めとしている。又、前ベルト12において、ベルトループ17から尾錠11までの長さは、弾性帯10の最大伸長分(最伸長から自然長を引いた長さ)より長く設定している。図中の19、19a …は、ウエストベルト4(前後ベルト部6、7)の表布6b、7bに既設されたベルト通しである。尚、尾錠11は、2個のD環11a、11bで後ベルト13を係合するものが望ましいが、後ベルト13に多数の鳩目を所定間隔置きに設け、該鳩目のいずれかを留め金で係合するバックルとしても良い。
【0006】次に本発明に係るスラックスのウエスト調節構造の作用について説明する。スラックス2の着用にあっては、予め、ウエストベルト4が着用者のウエストサイズより若干大きく成る程度に尾錠11により前後ベルト12、13を連結する。尾錠11(2個のD環11a、11b)による前後ベルト12、13の連結は、図1、2に示す様に、前ベルト12の先端に取付けられた内外2個のD環11a、11bの内側のものから順に後ベルト13を挿通し、該後ベルト13を外側のD環11bで折り返して、内側のD環11aに再挿通することにより、後ベルト13の前記折り返し部をD環11a、11bで挟持して締め付け保持することで成され、D環11a、11bで挟持される後ベルト13の折り返し部の位置を可変することで前後ベルト12、13の連結長さを調節する。そして、スラックス着用後、尾錠11に係合させた後ベルト13の先端を後方へ引っ張り、上記の如くD環11a、11bで挟持される折り返し部の位置を可変させて、前ベルト部6の前分離端部6a側と後ベルト部7の後分離端部7a側との重ね合わせ長さを、着用者に見合ったウエストサイズに調節する。上記の前ベルト部6と後ベルト部7との重ね合わせ長さを調節した状態で、着用者の体型が多少変わったとしても、胴回りに対応して弾性帯10、15が伸縮することにより着用者のウエストにフィットする。即ち、前ベルト部6(前身頃2a)は、弾性帯10が胴回りの変位を吸収することで着用者の腹部の前後変位に対応する。同時に、前身頃2aの前後変位に対応して前後ベルト12、13が前後変位し、尻縫目16(後身頃2b)に固着されている後ベルト13基端側の弾性帯15が伸縮して、後ベルト部7を後方(尻縫目16側)から前身頃2aにかけて前後変位させて着用者の胴回りに対応する。尚、スラックス2に既設されたベルト通し19、19a …にベルトを通せば、このベルトによってウエストベルト4の表布6b、7b上に存する前後ベルト12、13等が隠蔽され、通常のスラックスと外観上何ら変わりない。
【0007】
【発明の効果】要するに本発明は、脇ポケット開口部5aの上端でウエストベルト4を前ベルト部6と後ベルト部7に分離すると共に、後ベルト部7の後分離端部7aと前ベルト部6の腰裏6cとを弾性帯10で連結したので、弾性帯10の伸縮性により、弾性帯10で連結された前ベルト部6と後ベルト部7の長さが、着用者の胴回りに対応するため、胴回りに圧迫感を与えることなくフィット性及びゆとりを持たせたスラックス2の着心地を快適にすることができると共に、この様に弾性帯10が胴回りの変位を吸収するため、着用者の体型の多少の変位にも対応できる。又、後ベルト部7の表布7bに設けた開口部14から表布7bと腰裏7cの間に挿入した後ベルト13の基端に弾性帯15を連続形成し、該弾性帯15の基端を後身頃2bにおける尻縫目16側に固着し、前ベルト部6の前分離端部6aに設けた尾錠11に後ベルト13の先端側を係合したので、尾錠11による後ベルト13の係合位置によって、前ベルト部6の前分離端部6a側と後ベルト部7の後分離端部7a側との重ね合わせ長さを可変できる様に前ベルト部6と後ベルト部7とを連結でき、着用者のウエストサイズにジャストフィットする様にウエスト調節できると共に、このウエスト調節は、前ベルト部6の内側で重なる後ベルト部7が前後に変位することで成されるため、前後身頃2a、2bに皺ができず、その外観を崩すことなく見栄えを良好と成すことができる。しかも、前ベルト部6と後ベルト部7との重ね合わせ長さを一旦調節した後、着用者の体型が多少変わったとしても、上記の如く弾性帯10が胴回りの変位を吸収することで着用者の腹部の前後変位に前ベルト部6が対応すると共に、後ベルト13と弾性帯15とで前ベルト部6に連結される後ベルト部7にあっては、前身頃2aに応ずる前後変位及び腰回りの前後変位を弾性帯15の伸縮により吸収して対応し、弾性帯10、15の伸縮がバランスするため、着用者の胴回り全体にウエストベルト4がジャストフィットするので、スラックス2を常に心地よく着用できると共に、例えば食後における腹の張り具合で何度となくウエスト調節する煩わしさを解消できる。よって、本発明によれば、着用者のウエストサイズが変化しても、このウエストサイズに合った別のスラックスと取り替えなくても、後ベルト13の長さの調節や、弾性帯10、15の伸縮による自動調節により、着用者のウエストサイズの変化に対応させられる。又、従来の様な特殊構造で高価なスライドレール及びスライダーを用いたウエスト調節手段に比し、ゴム等の弾性帯10、15、尾錠11及び前後ベルト12、13を上記の様に簡単な構造にて従来品に期待できない特異な効果を奏するウエスト調節手段1を構成でき、安価で需要者の購買意欲を促進させるスラックス2を提供できる。
【0008】前ベルト部6の前分離端部6aと尾錠11との間に前ベルト12を設けると共に、後ベルト部7の表布7bに前ベルト12を通したベルトループ17を設けたので、後ベルト部7(後身頃2b)の後分離端部7a側に対する前ベルト部6(前身頃2a)の前分離端部6a側の重なり具合の密着度が良好と成り、その重ね合わせ部分がだぶついたり、上下に位置ずれすることなのない様に、脇ポケット5及びスラックス2の形態を整然と保持でき、脇ポケット5の使い勝手やスラックス2の着心地を損なうことがない。
【0009】尾錠11は2個のD環11a、11bから構成したので、D環11a、11bによる後ベルト13の係合状態において、D環11a、11bで挟持される後ベルト13の折り返し部の位置を可変させることにより、後ベルト13の長さを無断階にして、且つ微妙に調節でき、スラックス2のウエストサイズを着用者の胴回りの変化に対応させることができる等その実用的効果甚だ大である。
【出願人】 【識別番号】595176283
【氏名又は名称】オリエント株式会社
【出願日】 平成13年2月2日(2001.2.2)
【代理人】 【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
【公開番号】 特開2002−227008(P2002−227008A)
【公開日】 平成14年8月14日(2002.8.14)
【出願番号】 特願2001−26458(P2001−26458)