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【発明の名称】 安全手袋
【発明者】 【氏名】冨岡 弘之

【要約】 【課題】柔軟で、作業性に優れる上に、安全性、特に対刃防護性に優れた安全手袋を提供する。

【解決手段】高強度の金属繊維あるいは金属リボンを手袋に装備させてなることを特徴とする安全手袋。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高強度の金属繊維あるいは高強度の金属リボンを手袋に装備させてなることを特徴とする安全手袋。
【請求項2】 高強度の金属繊維あるいは高強度の金属リボンがアモルファス金属繊維あるいはアモルファス金属リボンである請求項1記載の安全手袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性を有し、かつ、作業性を重視した安全手袋、特に対刃用の安全手袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の防護手袋としては、特公昭59−28641号公報のように、芯にステンレス金属細線、コアーにアラミド繊維を配したシースコアヤーンの編糸で編まれた保護手袋、実公昭61−45123号公報のように指部に金属鋼板を挿入した作業用手袋や実公昭61−7202号公報のように、金属線の鎖状糸条を編込んだ安全手袋などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭59−28641号公報に開示された保護手袋は、作業手袋としては防護性があるが、金属細線として軟質の低強度のステンレス細線を用いているため、対刃防護性は不十分であった。また、実公昭61−45123号公報の金属鋼板を挿入した作業用手袋については、対刃防護性に見合う厚板を使えば、非常に硬く運動性や機能性が劣るという欠点を有していた。また、実公昭61−7202号公報に開示された金属製の鎖状糸条からなる安全手袋は、対刃防護性に見合う太い鎖を装着させたものでは非常にごわく、また分厚いため、主に重量物の切断、大物用切断機械の特殊作業用に用いられており、作業性や機能性が求められるナイフ、カッター等を用いた種々の切断作業には使用できなかった。
【0004】本発明は、上記した従来の実情、問題点に着目してなされたもので、かかる問題点を解消して、柔軟で、作業性に優れる上に、安全性、特に対刃防護性に優れた安全手袋を提供することを目的とするものである。また、本発明は、ナイフ、カッター等による小部品の細かい切断作業において、手元が狂っても切創しにくい安全手袋を提供することも目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、切断による切創を防ぐに適した材料を種々検討した結果、高強度と柔軟性を備えた金属繊維あるいは金属リボンを手袋に装備すれば、前記課題を解決することができるという知見を得、この知見に基づいて本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、高強度の金属繊維あるいは高強度の金属リボンを手袋に装備させてなることを特徴とする安全手袋を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる金属繊維あるいは金属リボンは、直線状態の引張強度として、200kg/mm2以上の破断強度を有することが必要である。ここで本発明における金属繊維あるいは金属リボンについては、高強度で、繊維やリボン形状での柔軟性を備えておれば、特にその金属種を問うものではないが、結晶質構造を有する鉄合金、ステンレス合金、コバルト合金、モリブデン、タングステン、ニッケル合金やチタン合金、あるいは非晶質構造を有するアモルファス合金を好ましい材料としてあげることができる。中でも、高強度に加えて、高硬度を有するアモルファス合金は、強さと柔軟性を兼ね備えており、本発明における金属繊維あるいは金属リボンの材料として好ましい。ここで本発明に用られるアモルファス合金としては、例えば、Fe、Co及びNiの少なくとも1種を主成分とするものやTiLa及びAlの少なくとも1種を主成分とするものなどを挙げることができる。
【0008】本発明における金属繊維は、繊維形状であれば、円形、楕円形、多角形など任意の断面形状のものを用いることができるが、繊維としての柔軟性を発揮するためには、単線での線径(断面積換算による)は0.2mm以下が好ましく、0.05mm以下がより好ましい。また、金属繊維の形態的には単線で用いてもよいが、撚り線状態で用いるのが好ましい。
【0009】本発明における金属リボンについては、幅が3mm以下であることが、その柔軟性を確保できる点で好ましく、さらには1mm以下であることが好ましい。また金属リボンの厚さは0.3mm以下であることが、その柔軟性を確保できる点で好ましく、0.05mmであることがさらに好ましい。
【0010】本発明に用いられる金属繊維あるいは金属リボンは、手袋に装備されることが必要であるが、装備される形態については、複数本並べて手袋に装備されることが好ましい。さらに、複数本並べる際には、金属繊維あるいは金属リボンと、その隣の金属繊維あるいは金属リボンとの間隔は、好ましくは、金属繊維あるいは金属リボンのそれぞれ直径あるいは幅の10倍以下であることが、切創による傷を浅くすることに有効であり、3倍以下であることがより好ましい。
【0011】複数本並べられた金属繊維あるいは金属リボンを把持する基材としては、柔軟性があり、厚みの薄い、布材やフィルムが好ましい。また天然あるいは合成繊維と、金属繊維あるいは金属リボンを織編加工や組紐加工を行うこともできる。また基材に把持された複数本の金属繊維あるいは金属リボンは、適当な寸法で手袋の各指の内面あるいは外面、あるいは両面に、縫製あるいは接着等の方法により装着、固定される。さらには手袋の手の甲あるいは手のひら側にも装着、固定されることもできる。この際、手袋に装着、固定される箇所は、それぞれの実際の作業を鑑みて適宜選択される。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1金属リボンとしてアモルファス金属リボン(合金組成;Fe45Co45Cr2Si53 (wt%))を用い、間隔0.4mmで綿布(厚み0.2mm)の基材上に綿糸で縫製、固定し、幅10mm、長さ50mmに裁断した後、手袋の各指の背の内側にくるように裁断部材の周囲を縫製、固定した。この際用いられたアモルファス金属リボンの幅は0.4mm、厚さは0.04mmであり、引張り強度は、320kg/mm2で、硬度はビッカース硬度で850であった。
【0013】実施例2金属繊維として円形断面を有するアモルファス金属繊維(合金組成;Fe45Co42Cr5Si53 (wt%))を用い、間隔0.2mmで綿布(厚み0.2mm)の基材上にホットメルト接着剤で固定し、幅10mm、長さ50mmに裁断した後、手袋の各指の背の内側にくるように裁断部材の周囲を縫製、固定した。この際用いられたアモルファス金属繊維の線径は0.02mmを15本を撚り線加工したものであり、撚り線としての線径は0.1mmであった。またアモルファス金属繊維の引張り強度は、350kg/mm2で、硬度はビッカース硬度で860であった。
【0014】実施例3金属繊維としてステンレス金属繊維(SUS304合金組成)を用い、間隔0.4mmで綿布(厚み0.2mm)の基材上にホットメルト接着剤で固定し、幅10mm、長さ50mmに裁断した後、手袋の各指の背の内側にくるように裁断部材の周囲を縫製、固定した。この際用いられたステンレス金属繊維の線径は0.012mmを100本集束されたものであり、集束線としての線径は0.5mmであった。またステンレス金属繊維の引張り強度は、230kg/mm2であった。
【0015】上記で得られた実施例1〜3の手袋は柔軟性を有し、細かい作業にも適していた。またこれらの手袋を用い、カッターナイフによる切断試験を行ったところ、手袋材質は切断されるものの、金属繊維あるいは金属リボンにカバーされた部分については、切断跡はほとんど見られず、実際の場合も切創の程度がかなり軽減されるであろうことが確認された。
【0016】
【発明の効果】本発明の安全手袋は、柔軟性に優れているため、細かい作業に適し、作業時の切断事故に起因する切創の程度を軽減することができるという利点を有しており、実用上有用な安全手袋が提供される。
【出願人】 【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
【出願日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−220716(P2002−220716A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−11897(P2001−11897)