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使い捨て手術用外衣 - 特開2002−220712 | j-tokkyo
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【発明の名称】 使い捨て手術用外衣
【発明者】 【氏名】藤川 美智代

【氏名】斎藤 明子

【氏名】花尻 武

【要約】 【課題】手術中における血液等の染み出しを防止することにより、患者と着用者との感染経路の遮断効果の向上を図る。

【解決手段】前身頃と両袖に少なくとも1つ以上の接合部において、使い捨て手術用外衣を構成するシートを互いに重ね合わせて接合する。その際、シート縁に沿って延びる接合線を連続的に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前身頃と後身頃からなる身頃本体と、前記身頃本体の上端部両側から延びる両袖とから構成される使い捨て手術用外衣において、前記前使い捨て手術用外衣に少なくとも1つ以上の接合部を有し、前記接合部は前記使い捨て手術用外衣を構成する通気、不透液性のシートを互いに重ね合わせて接合され、かつ前記シート縁に沿って延びる接合線によって形成されてなり、前記接合線が連続する接合線であることを特徴とする前記手術用外衣。
【請求項2】前記連続する接合線が、溶融接合されたシール線あるいは接着剤を用いたものの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の手術用外衣。
【請求項3】前記連続する接合線が、直線状、波状、ジグザク状、格子状、スパイラル状から選ばれる1つ、若しくはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の手術用外衣。
【請求項4】前記連続する接合線の近傍に、不連続の接合部を複数設けることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の手術用外衣。
【請求項5】前記接合線を形成する際の前記シートの流れ方向と直行する方向の当該接合線の幅が0.1mm〜15mmであることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の手術用外衣。
【請求項6】前身頃と後身頃からなる身頃本体と、前記身頃本体の上端部両側から延びる両袖とから構成される使い捨て手術用外衣において、前記後身頃の内側上端部には、着用時に着用補助者がつかむ補助部材が設けられていることを特徴とする手術用外衣。
【請求項7】前身頃と後身頃からなる身頃本体と、前記身頃本体の上端部両側から延びる両袖とから構成される使い捨て手術用外衣において、前記前身頃の襟周りには、着用者の汗を吸収するための吸収シートが設けられていることを特徴とする手術用外衣。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医師や看護婦が手術時に着用する保護用衣類に関し、特にバリア特性を改善した手術用外衣に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、使い捨て手術用外衣においては、外衣を構成する身頃本体や袖等を接合するのに、糸を用いたミシン縫いによる縫製を行っていた。
【0003】特開平4−50304号公報には、身頃本体と袖とを接合する手段として超音波熱溶着を採用すると同時に、当該接合部分に別部材を被せるように熱溶着により接合した発明が開示されている。接合部を別部材によって覆うことによって、気密性が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した発明を含めた従来の方法においては、患者と外衣の着用者(医師又は看護婦)との間での病気感染を十分に防ぐことが困難であった。また、特開平4−50304号公報に記載された方法では、余分な部材を用いるため、製造工程も複雑になりコストの面でも不利であった。
【0005】本発明は上記のような状況に鑑みて成されたものであり、簡略な構成でありながら、手術中における血液等の染み出しを防止することにより、患者と着用者との感染経路の遮断効果の向上に寄与する手術用外衣を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、本発明に係る手術用外衣は、前身頃と両袖に少なくとも1つ以上の接合部において、使い捨て手術用外衣を構成するシートを互いに重ね合わせて接合する。その際、シート縁に沿って延びる接合線を連続的に形成する。
【0007】上記のように、接合線を連続的に形成することにより、シートの接合部から血液などの物質が染み出すことを防止できる。その結果、患者と外衣の着用者(医師又は看護婦)との間での感染防止の効果を向上させることが可能となる。
【0008】好ましくは、連続する接合線の近傍に、不連続の接合部を複数設ける(併設する)。このような工夫により、例えば、超音波ミシンなどによって外衣を構成するシートを接合した場合に、シートの流れ方向と直行する方向に圧力が分散され、連続する接合線の局部に圧力が集中して破損することを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態に係る外衣は、医師や看護婦等が手術時に着用する使い捨ての外衣である。なお、本発明の外衣は手術用に限らず、病原菌の感染経路の遮断を必要とする他の医療の場面や、高い液密性、防塵性などが要求される医療以外の他の用途にも適用可能である。
【0010】図1は、本実施形態の手術用外衣の構成を示す正面図であり、外衣を広げて前身頃側から見た状態を示す。図2は、同外衣を示す背面図であり、外衣を着用して後身頃側から見た状態を示す。また、図3は、同外衣の接合(組立)前の分解状態を示す平面図である。
【0011】本実施形態に係る手術用外衣は、大まかには、前身頃4と、左側後身頃5A、右側後身頃5Bと、両袖3A,3Bとから構成される。前身頃4は1枚のシートから構成される。後身頃は2枚のシート5A,5Bから成り、着用時に自由側縁(5aL,5aR)同士が着用者の背中で合わさるようになっている。後身頃5A,5Bの側縁部には、腰部連結帯8A,8B,9A,9Bが取り付けられている。また、後身頃5B,5Aの襟刳りの部分には、メカニカルファスナーを構成するフック部12とループ部13とが各々取り付けられている。両袖3A,3Bの袖口には、弾性を有する袖リブ7A,7Bが各々設けられている。
【0012】本実施形態に係る手術用外衣は、両袖3A,3Bの袖下3dL,3dR同士、左袖3Aの袖付け3aLと前身頃4の袖ぐり4f、右袖3Bの袖付け3aRと前身頃4の袖ぐり4f、左袖3Aの袖付け3bLと後身頃5Aの袖ぐり5fL、右袖3Bの袖付け3bRと後身頃5Bの袖ぐり5fR、前身頃4の左側の側縁4aと後身頃5Aの固定側縁5bL、前身頃4の右側の側縁4bと後身頃5Bの固定側縁5bRが、それぞれ超音波ミシン等によって溶融接合又は接着剤によって接合される。
【0013】溶融接合をおこなう手段としては、熱シール、超音波によるソニックシール等がある。また、接着剤による接合の場合には、ホットメルト接着剤による接合などがある。なお、シートの材質及び接合の方法については後述する。
【0014】後身頃5A,5Bの自由側縁5aL,5aRの裏側上端角部には、三角形状の補助ポケット20A,20Bが各々設けられている。図4は、本実施形態に係る外衣を広げて後側から着用する際の様子を示す。この補助ポケット20A,20Bは、医師などが当該外衣を着用するに際し、看護婦などの補助者が手助けする時に使用されるものであり、補助者が補助ポケット20A,20Bに手を入れて外衣を左右に広げる。これにより、医師が外部の雑菌にふれることなく、当該外衣を着用することができる。なお、補助ポケット20A,20Bに代えてベルト状の部材等他の形状の部材を採用することもできる。要は、外衣の内側において補助者が当該外衣を広げて保持可能な部材であれば、種々の態様が適用可能である。
【0015】外衣本体が柔軟な材質から構成されるため、補助ポケット20A,20Bの位置は出来るだけ上端角部であることが望ましい。これにより、補助ポケット20A,20Bに手を入れて当該外衣を広げたときに、上端かどぶが下側に折れ曲がって、スムーズな着用を阻害することを防止できる。
【0016】前身頃4の襟ぐり4eの内側には、着用者の汗を吸収するための吸収シート22が取り付けられている。吸収シート22は、図5において破線で示すように、中央部より上側の部分を前身頃4の襟ぐり4eの内側に接着して使用する。吸収シート22の取り付けに際しては、上端部が襟ぐり4eより上に突出しないことが重要である。襟ぐり4eより上に突出すると外衣の外側に露出してしまい、衛生上好ましくないためである。また、吸収シート22の中央より上側を固定することも重要である。中央より下側を固定する構造であると、上側の部分が垂れ下がって着用者の首への装着性(フィット性)が損なわれるためである。
【0017】吸収シート22の材質としては、スパンレース、サーマルボンド等の不織布を使用することができる。吸収シート22を構成する不織布は、例えば、30〜90%の熱可塑性樹脂繊維と10〜70%の吸収性繊維とで構成される。熱可塑性樹脂繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系繊維やポリエステル系、ポリアミド系の繊維から選ばれるものを使用することができる。また、吸収性繊維としては、パルプ、コットン、レーヨン、アセテート等から選ばれるものを使用することができる。
【0018】次に、本実施形態に係る手術用外衣を構成するシートの材質及び接合の方法について詳述する。図6〜図15には、本実施形態の手術用外衣の接合部の接着パターンを示す。ソニックミシンを用いる場合には、これらのパターンに対応する融着パターン(溶接パターン)をロールの表面に形成する。なお、各図において、斜線で塗りつぶされた領域が接着領域であり、また、矢印はシートの流れ方向を示すものとする。
【0019】図6に示す接合パターンは、直線部30とその両側に配置された複数のドットパターン32とから構成されている。例えば、シート流れ方向と直行する方向の直線部30の幅Wは1mm、各ドットパターン32の直径は1mm、外側のドットパターン32同士の中心距離は6mm程度、シート流れ方向に隣り合うドットパターン32同士の中心距離(ピッチ)は2.5mm程度とする。
【0020】図7に示す接合パターンは、図6に示すパターンと類似しているが、ドットパターン32の間隔を若干狭めている。例えば、シート流れ方向と直行する方向の直線部30の幅Wは1mm、各ドットパターン32の直径は1mm、外側のドットパターン32同士の中心距離は4.6mm程度、シート流れ方向に隣り合うドットパターン32同士の中心距離は2.0mm程度とする。
【0021】図8に示す接合パターンは、連続的な波状部34とシートの内側に配置された2列の長方形パターン36とから構成されている。例えば、シート流れ方向と直行する方向の波状部34の最大幅(振幅)W1は2mm、各長方形パターン36の横幅(シート流れ方向長さ)は3mm、シート流れ方向に隣り合う長方形パターン36同士の間隔は0.8mm程度とする。
【0022】図9に示す接合パターンは、45度の角度で交差する格子状パターン38である。例えば、シート流れ方向と直行する方向の格子状パターン38の全幅Wは5mm、格子を構成する各ラインの幅は1mm、平行するラインのピッチは2.5mm程度とする。
【0023】図10に示す接合パターンは、1本の直線部30とその両側に配置された複数の矩形(正方形)パターン40とから構成されている。例えば、シート流れ方向と直行する方向の直線部30の幅Wは1mm、各矩形パターン40の一辺の長さは1mm、外側の矩形パターン40同士の中心距離は4.6mm程度、シート流れ方向に隣り合う矩形パターン40同士の中心距離は2mm程度とする。
【0024】図11に示す接合パターンは、図10に示すパターンと類似しているが、矩形パターン40の間隔を若干広げている。例えば、シート流れ方向と直行する方向の直線部30の幅Wは1mm、各矩形パターン40の一辺の長さは1mm、外側の矩形パターン40同士の中心距離は6mm程度、シート流れ方向に隣り合う矩形パターン40同士の中心距離は2.5mm程度とする。
【0025】図12に示す接合パターンは、1本の太い直線状の接合線42の中に多数のドット状の非接合部44を形成したものである。例えば、シート流れ方向と直行する方向の接合線42の幅Wは7mm、各ドットパターン44の中心距離(ピッチ)は全て1.2mmとする。
【0026】図13に示す接合パターンは、幅方向に長い長円部46と小さめの円形部48とをシート流れ方向に交互に組み合わせたものであり、各々内部に非接着領域を有するドーナツ状となっている。例えば、シート流れ方向と直行する方向の幅Wは6mm、長円部46のピッチは3.9mm、円形部48の内径は1mm、円形部48のピッチは3.9mmとする。
【0027】図14に示す接合パターンは、螺旋状のパターン50であり、例えば、シート流れ方向と直行する方向の幅Wは6mm、螺旋のピッチは2.5mm、シート流れ方向における非接着領域の幅は1.5mmとする。
【0028】図15に示す接合パターンは、45度の角度で交差する格子状パターン52である。例えば、シート流れ方向と直行する方向の幅Wは7mm、格子を構成するラインの幅は0.7mm、平行するラインのピッチは1.7mm程度とする。
【0029】図6〜図15に示したように、連続する接合線の近傍に、不連続の接合部を複数設ける(併設する)ことにより、例えば、超音波ミシンなどによって外衣を構成するシートを接合した場合に、シートの流れ方向と直行する方向に圧力が分散され、連続する接合線の局部に圧力が集中して破損することを防止できる。
【0030】手術用外衣を構成するシートを溶融接合シールする場合には、接合線の幅が0.1〜15mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜10mmの範囲とする。接合線の幅が0.1mm以下の場合には、シートの流れ方向に直角な方向の線圧が高くなり、溶融接合部分が破断してしまうことがある。一方、接合線の幅が15mm以上の場合には、接合部自体が非接合部に比べて剛性が高いため、着用者が違和感を生じ、作業性を悪化させることになる。
【0031】上述したように、シール線のパターンとしては、線状、波状、ジグザグ状、格子状などを採用することができ、前述したシートの流れ方向に直角な方向の線圧を調整するために、ドット状(不連続)のパターンと組み合わせることもできる。
【0032】接合線を接着剤によって形成する場合には、ホットメルト接着剤を用いることが好ましい。ホットメルトを塗布する手段としては、コーターダイによるベタパターンやストライプパターン、グラビアコーターによる網状パターン、ビード塗工による線状パターン、エアーで調整するスパイラルパターンや波状パターン、ジグザグパターン等(図示せず)があげられる。
【0033】シートの接合部を接着剤によって形成する場合には、接合部の幅は1〜15mmが好ましい。接合部の幅が1mm以下の場合には、シートを接合する接合強度が低下し、使用中に剥がれてしまう恐れがある。接合強度は剥離強度で980mN/25mm以上であることが好ましい。
【0034】前後身頃4,5A,5B及び両袖3A,3Bに使用するシートとしては、熱可塑性繊維で形成したスパンボンド、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、ケミカルボンド等の不織布や、不織布と熱可塑性合成樹脂シートとのラミネートシートや不織布/熱可塑性合成樹脂シート/不織布の3層構造のものを使用することができる。不織布と熱可塑性合成樹脂シートとをラミネートする手段としては、熱可塑性合成樹脂シートを押し出し溶融するダイレクトラミネート、接着剤によるウェットラミネート、ドライラミネート、ホットメルト接着剤によるラミネートや熱や超音波によるヒートエンボスなどがある。
【0035】不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンまたはポリエステルからなるシックアンドシン型またはサイドバイサイド型等の複合繊維を使用することができる。
【0036】本発明の手術用外衣を構成するシートに使用される不織布には所定の開口を形成して通気性を向上させたり、エンボス処理をして凸凹を形成し、クッション性を向上させたり、伸縮性を付与したりすることもできる。熱可塑性合成樹脂シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等のプラスチックシートを使用することができる。また、高い耐水性を有するメルトブローン不織布の両シート面を、高い強度を有し、かつ柔軟性に富んだスパンボンド不織布のシート面で挟んだ複合不織布(SMS、SMMS不織布)を使用することができる。
【0037】これらのシート全体の強度としては2500mN/25mm以上であり、かつ透湿度は800g/m・24時間以上であることが好ましい。シート強度が2500mN/25mm未満の場合には、着用者の動きに対して破断してしまう可能性があり、また透湿度が800g/m・24時間未満の場合には着用者が蒸れてしまい不快となる。
【0038】上記のように構成された本実施形態に係る手術用外衣を着用する際には、看護婦などの補助者が補助ポケット20A,20Bに手を入れて外衣を左右両側に広げる。次に、手術用手袋をした医師が当該外衣の外面触れることなく、袖口から手を入れて着用する。手術中に医師の顔付近から出た汗は、襟元の吸収シート22に吸収される。
【0039】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内で適宜設計変更可能であることは言うまでもない。特に、手術用外衣を構成するシートは、必ずしも前身頃と後身頃が別々のシートである必要はなく、シートの裁断方法(パターン)自体はどのような形式でもよい。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明においては、手術用外衣を構成するシートの接合部を連続的に接合しているため、着用者の激しい動作に対して当該接合部が剥がれたり、破断することがない。また、連続する接合線により接合部での隙間がないため、シートの接合部から血液などの物質が染み出すことを防止できる。その結果、患者と外衣の着用者(医師又は看護婦)との間での感染防止の効果を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
【出願日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【代理人】 【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
【公開番号】 特開2002−220712(P2002−220712A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−11892(P2001−11892)