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サポート型手袋 - 特開2002−212820 | j-tokkyo
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【発明の名称】 サポート型手袋
【発明者】 【氏名】白水 利通

【要約】 【課題】編み手袋との密着性、強度および伸縮性が十分で、しかも柔軟性に優れた皮膜を有するサポート型手袋を提供する。

【解決手段】本発明のサポート型手袋は、手袋体の表面に脱蛋白天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含む混合ラテックスからなる皮膜を設け、さらにその表面に脱蛋白天然ゴムラテックスからなる皮膜を設けたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】手袋体の表面に脱蛋白天然ゴムと合成ゴムとを含む混合ラテックスからなる皮膜を設け、さらにその表面に脱蛋白天然ゴムラテックスからなる皮膜を設けたサポート型手袋。
【請求項2】前記混合ラテックスが脱蛋白天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを含むものである請求項1記載のサポート型手袋。
【請求項3】前記混合ラテックスは、脱蛋白天然ゴム100重量部に対してスチレン−ブタジエンゴム4〜20重量部を含有するものである請求項2記載のサポート型手袋。
【請求項4】前記混合ラテックスの表面張力が35dyn/cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載のサポート型手袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性に優れたサポート型手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム製の手袋には、メリヤス編みによる編み手袋等の手袋体を裏地として有するいわゆるサポート型のものと、裏地を有しないいわゆるノンサポート型のものとがある。このうちサポート型の手袋は、天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴムラテックスや塩化ビニル樹脂等の樹脂エマルジョンといった表面素材溶液中に手袋の型に装着させた手袋体を浸して皮膜を形成する方法(浸漬法)、または前記表面素材溶液を手袋体に向けてシャワー方式で付着させて皮膜を形成する方法によって作製される。こうして得られるサポート型手袋はノンサポート型の手袋に比べて強度が大きいことから、土木、建築、漁業等の重・軽作業用手袋として用いられる。
【0003】しかしながら、上記サポート型手袋のうち、合成ゴムラテックスや樹脂エマルジョンからなる皮膜を形成したサポート型手袋は、ゴムまたは樹脂皮膜自体の柔軟性が欠けるため、作業時に手にかかる負担が大きくなる問題があった。また、天然ゴムラテックスからなる皮膜が形成されたサポート型手袋は柔軟性を有しているものの、柔軟性をより一層高めることが求められている。そこで、ゴムまたは樹脂皮膜を薄くする試みがなされているが、この場合、皮膜と手袋体との密着性が損なわれたり、皮膜の強度や伸縮性が不足したりして、作業用手袋に要求される強度、耐久性が損なわれるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、ゴムとの接触によって生じる即時型アレルギーを防止すべく、天然ゴムラテックスからアレルギーの原因物質である蛋白質を除去したいわゆる脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスを得る試みが広く行われつつある。このDPNRラテックスから得られるゴム皮膜は、即時型アレルギーを生じさせるおそれが低減されているだけでなく、天然ゴム本来の優れた強度と伸縮性を備え、しかも天然ゴムよりもより一層柔軟性に優れることが知られている。
【0005】そこで、かかるDPNRラテックスを用いてサポート型手袋を作製すれば、十分に柔らかく、操作性が良好な手袋を得ることができるものと推測される。しかしながら、一般にDPNRラテックスには、蛋白質の除去に伴ってラテックスが不安定化するのを防止すべく大量の界面活性剤が添加されており、その結果、ラテックスの表面張力が低下してゴム分子が手袋体の繊維中に浸透し易い状態となっている。
【0006】従って、DPNRラテックスを用いて前述の方法にてサポート型手袋を作製すると手袋体の内側にまでゴム層が形成されてしまい、かえって手袋の柔軟性が損なわれるという問題があった。そこで、本発明の目的は、編み手袋等の手袋体との密着性や、強度および伸縮性が十分であって、しかも柔軟性に優れた皮膜を有するサポート型手袋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスのみを用いて皮膜を形成するのではなく、一旦、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス等の、表面張力の高い合成ゴムラテックスとDPNRラテックスとの混合ラテックスを用いて皮膜を形成し、その後、その表面にDPNRラテックスからなる皮膜を形成したときは、編み手袋等の手袋体との密着性、強度および伸縮性が十分で、しかも柔軟性に優れた皮膜を形成することができるという新たな事実を見出し、本発明のサポート型手袋を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明に係るサポート型手袋は、手袋体の表面に脱蛋白天然ゴムと合成ゴムとを含む混合ラテックスからなる皮膜を設け、さらにその表面に脱蛋白天然ゴムラテックスからなる皮膜を設けたものである。上記本発明のサポート型手袋では、編み手袋等の手袋体表面に、一旦、表面張力の高めた混合ラテックスからなる皮膜が設けられている。これにより、浸漬法やシャワー方式による皮膜形成時にゴム分子が手袋体の内側にまで達するという問題が防止されている。しかも、前記混合ラテックスからなる皮膜の表面には、さらにDPNRラテックスからなる皮膜が形成されている。それゆえ、皮膜には十分な強度が付与されている。
【0009】上記本発明のサポート型手袋において、混合ラテックスはDPNRとSBRとを含むラテックスであるのが好ましい。編み手袋等の手袋体との密着性、強度および伸縮性を維持しつつ、柔軟性に優れた皮膜を形成するという本発明の作用効果を達成するには、合成ゴムとしてSBRを用いるのが最適だからである。また、DPNRとSBRとを含む混合ラテックスは、DPNR100重量部に対してSBR4〜20重量部を含有するものであるのが好ましい。
【0010】上記本発明のサポート型手袋においては、皮膜形成時にゴム分子が繊維中に浸透して手袋体の内側にまで達してしまうという問題を防止し、かつ編み手袋等の手袋体との密着性を十分なレベルに維持するという目的を達成する観点から、DPNRと合成ゴムとを含む混合ラテックスの表面張力を35dyn/cm以上とするのが好ましい。上記本発明のサポート型手袋は、柔軟性が高く、それゆえ作業用手袋に要求される十分な厚みの皮膜を形成した場合であっても、手袋の良好な操作性を維持することができる。かかる手袋は、土木、建築、漁業等の重・軽作業用手袋として好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明のサポート型手袋およびその製造方法について詳細に説明する。本発明のサポート型手袋は、前述のように、編み手袋等の手袋体の表面に脱蛋白天然ゴムと合成ゴムとを含む混合ラテックスからなる皮膜を設け、さらにその表面に脱蛋白天然ゴムラテックスからなる皮膜を設けたものであることを特徴とする。
【0012】〔脱蛋白天然ゴムラテックス〕本発明に用いられる脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスは、天然ゴムラテックス中の蛋白質を除去したものをいう。蛋白質の除去は、一般に、酵素による分解によって行われる。
(プロテアーゼ)天然ゴムラテックス中の蛋白質を分解するための酵素は特に限定されるものではなく、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等、従来公知の種々プロテアーゼのいずれであってもよい。中でも細菌由来のアルカリプロテアーゼを使用するのが好ましい。
【0013】(原料ラテックス)DPNRラテックスの出発原料となる天然ゴムラテックスは天然のゴムの木から得られたラテックスを意味する。当該ラテックスには新鮮なフィールドラテックスや市販のアンモニア処理ラテックス等のいずれをも使用することができる。なお、天然ゴム(NR)ラテックスの表面張力は、通常34.7cm/dyn程度であって、DPNRラテックスの表面張力は、通常、32.5dyn/cm程度である。
【0014】(DPNRラテックスの調製)DPNRラテックスは、例えば上記プロテアーゼを単独でまたは2種以上混合して天然ゴムラテックス中に添加し、数時間〜1週間程度熟成することによって調整される。プロテアーゼの添加量は、使用するプロテアーゼの活性に応じて設定されるものであって特に限定されるものではないが、通常、フィールドラテックスやアンモニア処理ラテックスに対して約0.001〜10重量%の割合となるように調整すればよい。添加量が0.001重量%を下回ると蛋白質を分解する効果が十分に得られなくなるおそれがある。逆に、添加量が10重量%を超えると酵素の量が多くなりすぎてコストアップにつながるとともに、酵素活性も低下するおそれがある。なお、プロテアーゼの活性は特に限定されるものではない。
【0015】プロテアーゼによる蛋白質分解処理時のラテックスのpHは、使用するプロテアーゼの至適pHに応じて適宜設定すればよい。プロテアーゼによる蛋白質分解処理時のラテックスの温度は、使用するプロテアーゼの至適温度に応じて設定されるものであって特に限定されるものではないが、通常、5〜90℃に設定するのが好ましく、20〜60℃に設定するのがより好ましい。プロテアーゼによる処理の前にあらかじめ、または当該処理中に、安定剤としての界面活性剤を0.01〜10重量%の範囲で添加してもよい。かかる界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤およびカチオン界面活性剤が挙げられる。
【0016】蛋白質の分解処理を終えた天然ゴムラテックスには、さらに遠心分離、ゴム分の凝固、限外ろ過等の処理を経ることによって、ゴム分と、蛋白質およびその分解物との分離ならびに除去が施される。かかる除去処理によってラテックスが精製され、DPNRラテックスとして供給される。蛋白質および蛋白質分解物の除去処理を遠心分離により行う場合において、遠心分離処理の回数は1回行えば十分であるが、ゴム分の損失および歩留まりの低下に伴う不利益を被ることのない範囲であれば2回以上行ってもよい。
【0017】〔合成ゴム〕本発明に用いられる混合ラテックスを構成する合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。なお、SBRラテックスの表面張力はその種類によりさまざまであるが、例えば市販品のうち高表面張力のもの〔日本ゼオン(株)製の型番「LX110」〕では53.3dyn/cm程度である。
【0018】混合ラテックスの表面張力を成膜に適した範囲に調節するには、上記例示の合成ゴムの中でも、特にSBRを用いるのが好ましく、表面張力が高くなるようにして調整されたSBRラテックスを用いるのがより好ましい。
〔混合ラテックスの組成・物性〕本発明に用いられる混合ラテックスは、脱蛋白天然ゴム(DPNR)と上記合成ゴムとを含むものであって、DPNRと上記合成ゴムとの混合ゴムを水に再分散させることにより、またはDPNRラテックスと上記合成ゴムのラテックスとを混合することにより得られるものである。
【0019】混合ラテックスの組成は、皮膜形成時に当該混合ラテックス中のゴム分子が繊維中に浸透して手袋体の内側にまで達してしまうという問題を生じさせることがなく、しかも編み手袋等の手袋体との密着性を十分なレベルに維持できるように設定する必要がある。例えば合成ゴムとしてSBRを用いる場合には、混合ラテックスの組成は、DPNR100重量部に対してSBRを4〜20重量部含有するように調節するのが好ましい。SBRの含有量が上記範囲を下回ると、混合ラテックスの表面張力を上昇させる効果が不十分となって、皮膜形成時にゴム分子が手袋体の内側にまで達してしまうのを防止できなくなるおそれがある。逆に、SBRの含有量が上記範囲を超えると、混合ラテックスの表面張力が高くなり過ぎて、ゴム分子の弾きによって編み手袋表面への皮膜形成に時間がかかってしまうおそれがある。DPNR100重量部に対するSBRの含有量は、上記範囲の中でも特に7〜10重量部であるのがより好ましい。
【0020】混合ラテックスの表面張力は、皮膜形成時に当該混合ラテックス中のゴム分子が繊維中に浸透して手袋体の内側にまで達してしまうという問題を生じさせることなく、しかも編み手袋等の手袋体との密着性を十分なレベルに維持することのできる範囲となるように設定される。具体的には、混合ラテックスに加硫系添加剤等を配合した後または前加硫を施した後の状態、すなわち皮膜形成直前の状態において、35dyn/cm以上となるように設定するのが好ましい。混合ラテックスの表面張力が35dyn/cmを下回ると、皮膜形成時に混合ラテックスが手袋本体の繊維層に浸漬し易くなり、手袋本体の裏面にまで達した状態で凝固してしまうため、手袋の柔軟性が失われてしまう。逆に、表面張力が極端に高い場合、具体的には50dyn/cmを超える場合には、ゴム分子の弾きによって編み手袋表面への皮膜形成に時間がかかってしまうおそれがある。混合ラテックスの表面張力は、上記範囲の中でも特に、35〜47dyn/cmであるのが好ましく、37〜42dyn/cmであるのがより好ましい。
【0021】〔添加剤〕上記ゴムラテックスには、加硫剤等の加硫系添加剤を配合するほか、必要に応じて、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤等を添加することができる。加硫剤としては、例えば硫黄;トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等の有機含硫黄化合物等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫剤の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定される。
【0022】加硫促進剤としては、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
【0023】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。
【0024】上記各添加剤のゴムラテックス中での分散性を良好なものとするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種陰イオン系界面活性剤等が挙げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分の重量に対して0.3〜1.0重量%程度であるのが適当である。
〔手袋体〕本発明の作業用手袋にて裏地として用いられる手袋体については、特に限定されるものではなく、編布からなるもの(編み手袋)、または織布からなるもの等の、いずれであってもよい。また、縫い目のない(裁縫していない)ものや、縫い目を有するもののいずれであってもよい。
【0025】手袋体の材質も特に限定されるものではなく、綿、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;セルロース等の再生繊維;アセテート、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維等の合成繊維等の、従来公知の種々の材質を用いることができる。手袋体の形状についても特に限定されるものではなく、例えばいわゆる直指形のものであってもよく、いわゆる曲がり指形のものであってもよい。
〔サポート型手袋の製造方法〕本発明のサポート手袋は以下の2段階の成膜工程を経ることによって製造される。
【0026】すなわち、まず、DPNRと合成ゴムとを含む混合ラテックスに手袋体を被せた手袋の型を浸漬し、または手袋体の表面に前記混合ラテックスをシャワー方式にて付着させることにより、前記手袋体の表面にDPNRと合成ゴムとの混合ゴムからなる皮膜を形成する。次いで、前記混合ゴムからなる皮膜が形成された手袋体をDPNRラテックス中に浸漬し、または前記混合ゴム皮膜が形成された手袋体の表面にDPNRラテックスをシャワー方式にて付着させることにより、前記混合ゴム皮膜の表面にDPNRからなる皮膜を形成する。
【0027】こうして形成された皮膜は、それぞれの成膜工程が終了する毎に、または混合ゴム皮膜とDPNR皮膜との2層を積層した後で一度に、常法に従って加硫する。こうして本発明のサポート型手袋を得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
〔サポート型手袋の製造〕
参考例1(脱蛋白天然ゴムラテックスの調製)
特許2905005号に記載の方法に従って、脱蛋白天然ゴムラテックスを作製した。
【0029】すなわち、まず、ソクテック(マレーシア国)社製のハイアンモニア(HA)ラテックス〔ゴム分濃度60.2重量%、アンモニア分0.7%〕を希釈して、そのゴム分の濃度が30重量%になるように調整した後、当該ラテックスのゴム分100重量部に対してアルカリプロテアーゼ〔ノボノルディスクバイオインダストリー(株)製の商品名「アルカラーゼ2.0M」;力価2.0AU/g(pH8.3)〕0.1重量部と、ノニオン界面活性剤〔東邦化学工業(株)製の商品名「Triton X−100」〕1.0重量部と、0.12%のナフテン酸ソーダとを添加して安定化させた。
【0030】次いで、リン酸二水素ナトリウムによってpHを9.2に調整した後、30℃で24時間静置することによって熟成させた。さらに、かかる熟成により酵素処理を完了させたラテックスを前記ノニオン界面活性剤の1%水溶液で希釈して、ゴム分の濃度を10%とした後、13000rpmで30分間遠心分離処理を施した。こうして分離した上層のクリーム分を取り出して水に再分散させることにより、脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
【0031】実施例1(DPNR/SBR混合ゴム皮膜とDPNR皮膜との積層体)
上記参考例1で得られたDPNRラテックス(TSC60%)のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華(ZnO)1重量部、加硫促進剤BZ(ジブチルカルバミン酸亜鉛)1重量部および硫黄1重量部を添加した。さらに、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス〔日本ゼオン(株)製の商品名「LX110」〕をそのゴム固形分の添加量がDPNRラテックスのゴム固形分100重量部に対して7重量部となるように添加し、こうして得られた配合ラテックス(DPNR/SBR混合ラテックス)を50℃で5時間前加硫した。
【0032】上記前加硫ラテックス(DPNR/SBR混合ラテックス)の表面張力をJIS K 6387「SBR合成ラテックスの試験方法」の「4.9 表面張力」に記載の方法に従って測定〔測定温度23℃(室温)、測定に供したラテックス:前加硫なし、TSC40%〕したところ、37dyn/cmであった。さらに、13ゲージの編み手袋(綿製)を手袋の型に装着して、上記前加硫ラテックスを用いた斜め浸漬およびシャワー方式による皮膜形成を行い、前記編み手袋の表面にDPNRとSBRとの混合ゴムからなる皮膜(膜厚約0.3mm)を形成した。なお、手袋の型の指先から指の付け根部分までは斜め浸漬によってゴム皮膜の形成を行い、指の付け根部分から袖口側の部分ではシャワー方式による皮膜形成を行った。
【0033】こうして、表面に前記皮膜が形成された編み手袋を、その指先側を下にして100℃で15分間乾燥させた。次に、上記参考例1で得られたDPNRラテックス(TSC60%)のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華(ZnO)1重量部、加硫促進剤BZ(ジブチルカルバミン酸亜鉛)1重量部および硫黄1重量部を添加し、こうして得られた配合ラテックス(DPNRラテックス)を50℃で5時間前加硫した。
【0034】さらに、表面にDPNRとSBRの混合ゴム皮膜が形成された手袋体を、手袋の型に装着した状態で上記前加硫ラテックス(DPNRラテックス)に浸漬して、前記混合ゴム皮膜上にDPNR単独の皮膜(膜厚約0.3mm)を形成した。成膜後、100℃で30分間加硫、乾燥して、型から剥離することにより、手袋体の表面にDPNRおよびSBRの混合ゴム皮膜と、DPNR皮膜とがこの順に形成されたサポート型手袋を得た。
【0035】比較例1(天然ゴム皮膜)
前出のHAラテックス(ソクテック社製)のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華1重量部、加硫促進剤(BZ)1重量部および硫黄1重量部を添加し、こうして得られた配合ラテックスを50℃で5時間前加硫した。上記前加硫ラテックス(天然ゴムラテックス)の表面張力を前述の方法と同様にして測定したところ、34dyn/cmであった。
【0036】さらに、13ゲージの編み手袋(綿製)を手袋の型に装着して、上記前加硫ラテックスを用いた斜め浸漬およびシャワー方式による皮膜形成を行い、前記編み手袋の表面に天然ゴムからなる皮膜(膜厚約0.6mm)を形成した。こうして、表面に前記皮膜が形成された編み手袋を、その指先側を下にして100℃で30分間加硫、乾燥させた後、型から剥離させて、手袋体の表面に天然ゴム皮膜が形成されたサポート型手袋を得た。
【0037】比較例2(塩化ビニル樹脂皮膜)
後述する手袋の柔軟性評価に用いる手袋として、塩化ビニル樹脂製のサポート型手袋〔ショーワ社製の商品名「ビニローブ」〕を使用した。
比較例3(NBR皮膜)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス〔日本ゼオン(株)製の商品名「LX1571C」;ゴム固形分濃度45%〕のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華1重量部、加硫促進剤(BZ)1重量部および硫黄1重量部を添加し、こうして得られた配合ラテックスを50℃で5時間前加硫した。
【0038】上記前加硫ラテックス(NBRラテックス)の表面張力を前述の方法と同様にして測定したところ、40dyn/cmであった。さらに、13ゲージの編み手袋(綿製)を手袋の型に装着して、上記前加硫ラテックスを用いた斜め浸漬およびシャワー方式による皮膜形成を行い、前記編み手袋の表面にNBRからなる皮膜(膜厚約0.6mm)を形成した。こうして、表面に前記皮膜が形成された編み手袋を、その指先側を下にして100℃で30分間加硫、乾燥させた後、型から剥離させて、手袋体の表面にNBR皮膜が形成されたサポート型手袋を得た。
【0039】比較例4(DPNR単独皮膜)
上記参考例1で得られたDPNRラテックス(TSC60%)のゴム固形分100重量部に対して、亜鉛華1重量部、加硫促進剤(BZ)1重量部および硫黄1重量部を添加し、こうして得られた配合ラテックスを50℃で5時間前加硫した。上記前加硫ラテックス(DPNRラテックス)の表面張力を前述の方法と同様にして測定したところ、33dyn/cmであった。
【0040】さらに、13ゲージの編み手袋(綿製)を手袋の型に装着して、上記前加硫ラテックスを用いた斜め浸漬およびシャワー方式による皮膜形成を行い、前記編み手袋の表面にDPNRからなる皮膜(膜厚約0.6mm)を形成した。こうして、表面に前記皮膜が形成された編み手袋を、その指先側を下にして100℃で30分間加硫、乾燥させた後、型から剥離させて、手袋体の表面にDPNR皮膜が形成されたサポート型手袋を得た。
【0041】〔サポート型手袋の評価〕上記実施例1および比較例1,3および4で得られたサポート型手袋と、比較例2に例示した市販の塩化ビニル樹脂製サポート型手袋を総勢20名の被験者に実際に装着してもらい、各被験者に手袋が柔軟であると感じる順番を決めてもらった。こうして割り振られた順に、4点(1番:最も柔軟であると感じた)、3点(2番)、2点(3番)、1点(4番)および0点(5番:最も柔軟でないと感じた)の得点を割り当てて、合計得点を算出した。
【0042】その結果、実施例1の手袋の得点は80点であって、被験者全員が最も柔軟であると回答したことが分かった。比較例1の手袋の得点は60点であって、被験者全員が2番目に柔軟であると回答したことがわかった。しかしながら、比較例1の手袋は脱蛋白処理がなされていない天然ゴムからなるものであるため、装着時にアレルギーを引き起こすおそれがあるという問題があった。
【0043】一方、比較例2の手袋の得点は34点であり、比較例3の手袋は19点、比較例4の手袋は7点であって、いずれも柔軟性についての評価が低いことが分かった。なお、比較例4の手袋は、表面張力の低いDPNRのみを用いて皮膜を形成したものであることから、浸漬法による手袋形成時にDPNRラテックスが手袋体の内部にまで浸透してしまい、その結果、手袋の柔軟性が損なわれたものと考えられる。
【0044】以上の結果より、本発明によれば、柔軟性が高く、しかも厚みが十分で操作性の良好な手袋を提供することができることが分かった。
【出願人】 【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
【出願日】 平成13年1月5日(2001.1.5)
【代理人】 【識別番号】100075155
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【公開番号】 特開2002−212820(P2002−212820A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−337(P2001−337)