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【発明の名称】 車椅子用コート
【発明者】 【氏名】有川 和子

【要約】 【課題】車椅子用コートにより車椅子の上から座乗者と車椅子の上部とを一緒に覆う。車椅子の座乗者に対し車椅子コートの装着が非常に簡単である。車椅子の左右の押し手をコート本体の後方外側に突出させることができるため、介護者が車椅子の操作を、コートが邪魔になることなく、いつも通り行なうことができて、非常に便利である。しかも非常に体裁が良いうえに、防雨、防風、防寒を確実に果すことができる。さらに例えば急ブレーキをかけた際にも、座乗者が車椅子から落ちるのを防止する安全ベルトとしての機能をも併せ有している。

【解決手段】車椅子用コート10は、マント形コート本体11の背面部13の左右両側縁部に、一対の押し手挿通孔15,15と、左右押し手挿通孔15,15に連なって下方に伸びる介助ブレーキレバー挿通用切欠き16,16とが設けられ、該切欠き16,16の両側縁部のコート本体部分に、切欠き開閉手段17,17が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子(1)の上から座乗者(2)と車椅子(1)の上部とを一緒に覆うコート(10)であって、マント形コート本体(11)の背面部(13)の左右両側縁部に、一対の押し手挿通孔(15)(15)と、左右押し手挿通孔(15)(15)にそれぞれ連なって下方に伸びる介助ブレーキレバー挿通用切欠き(16)(16)とが設けられ、該切欠き(16)(16)の両側縁部のコート本体部分に、切欠き開閉手段(17)(17)が設けられていることを特徴とする、車椅子用コート。
【請求項2】 切欠き開閉手段(17)が、ファスナー、ボタンとボタン孔、ボタンとボタン掛けループ紐、ホックまたはマジックテープ(登録商標)よりなるものである、請求項1記載の車椅子用コート。
【請求項3】 さらに、マント形コート本体(11)の正面部(12)の左右両側縁部に、座乗者(2)の腕(5)(5)を挿通するための開口部(18)(18)が設けられ、これらの腕挿通用開口部(18)(18)を開閉自在に覆うカバー布(19)(19)がコート本体(11)に取り付けられている、請求項1記載の車椅子用コート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車椅子用コートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車椅子用コートとしては、例えば車椅子の座乗者自身が着用するコート(特開平11−256408号公報参照)や、車椅子の左右フレームに補助フレームを上方突出状に設けて、座乗者と車椅子の全体を覆う防雨防寒カバーを取り付けた装置(特開平8−322883号公報参照)などが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の場合は、車椅子の座乗者が、自分自身でコートを着用することができる者であれば良いが、車椅子の使用者には、身体の不自由な身体障害者や、自分自身でコートを着用することが不自由な被介護者もいるため、このようなときは、コートを着せるのに非常に手間が掛かるという問題があった。
【0004】また、後者の場合は、車椅子用の防雨防寒装置が大掛かりなものとなり、非常に体裁が悪いし、車椅子の左右フレームに補助フレームをそれぞれ取り付けるなど車椅子自体の改造を伴い、コスト高になるという問題があった。
【0005】この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、車椅子の座乗者に対し、車椅子の上から非常に簡単に装着することができるだけでなく、車椅子の左右の押し手をコート本体の後方外側に突出させることができるため、介護者が車椅子の操作を、コートが邪魔になることなく、いつも通り行なうことができて、非常に便利であり、しかも非常に体裁が良いうえに、防雨、防風、防寒を確実に果すことができ、さらに例えば急ブレーキをかけた際にも、座乗者が車椅子から落ちるのを防止する安全ベルトとしての機能をも併せ有する車椅子用コートを提供しようとすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、この発明による車椅子用コートは、車椅子の上から座乗者と車椅子の上部とを一緒に覆うコートであって、マント形コート本体の背面部の左右両側縁部に、一対の押し手挿通孔と、左右押し手挿通孔にそれぞれ連なって下方に伸びる介助ブレーキレバー挿通用切欠きとが設けられ、該切欠きの両側縁部のコート本体部分に、切欠き開閉手段が設けられていることを特徴としている。
【0007】上記車椅子用コートにおいて、切欠き開閉手段は、ファスナー、ボタンとボタン孔、ボタンとボタン掛けループ紐、ホックまたはマジックテープよりなるものである。
【0008】さらに、マント形コート本体の正面部の左右両側縁部に、座乗者の腕をそれぞれ挿通するための開口部が設けられ、これらの腕挿通用開口部を開閉自在に覆うカバー布がコート本体に取り付けられているのが、好ましい。
【0009】上記腕挿通用開口部を覆うカバー布の開閉手段としては、例えばマジックテープ、ファスナー、ボタンとボタン孔、ボタンとボタン掛けループ紐、またはホックなどを用いるのが、好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0011】図1は、この発明の車椅子用コートの概略正面図、図2は同背面図であり、図3〜図5は、車椅子用コートの使用状態を示すものである。
【0012】図1〜図4を参照すると、この発明の車椅子用コート(10)は、車椅子(1)の上から座乗者(2)と車椅子(1)の上部とを一緒に覆うコート(10)であって、正面部(前身ごろ)(12)が左右に開くいわゆる前開きタイプである。
【0013】そして、この発明によれば、コート(10)のマント形コート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)の左右両側縁部に、車椅子(1)の左右の押し手(3)(3)を挿通する一対の押し手挿通孔(15)(15)と、左右押し手挿通孔(15)(15)にそれぞれ連なって下方に伸びかつ左右介助ブレーキレバー(4)(4)をそれぞれ挿通する介助ブレーキレバー挿通用切欠き(16)(16)とが設けられ、該切欠き(16)(16)の両側縁部のコート本体部分に、ファスナーよりなる切欠き開閉手段(17)(17)が設けられている。なお、切欠き開閉手段(17)は、ファスナーの他に、ボタンとボタン孔、ボタンとボタン掛けループ紐、ホック、またはマジックテープなどよりなるものであっても良い。また、図3と図4に示すように、コート(10)には、通常、襟(4)が設けられる。なお、図1と図2に示す車椅子用コート(10)では、襟の図示が省略されている。
【0014】さらに、マント形コート本体(11)の正面部(前身ごろ)(12)の左右両側縁部に、座乗者(2)の腕を挿通するための開口部(18)(18)が設けられ、これらの腕挿通用開口部(18)(18)を開閉自在に覆うカバー布(19)(19)がコート本体(11)に取り付けられている。左右カバー布(19)(19)は、所要数のマジックテープよりなる止め手段(20)により腕挿通用開口部(18)(18)の側縁部に止められている。
【0015】上記において、車椅子(1)の座乗者(2)に対しコート(10)を着せるには、マント形コート本体(11)を開いた状態で、車椅子(1)の後からコート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)を、車椅子(1)の背面部に覆い被せる。この時、コート本体背面部(13)の切欠き(16)(16)を、ファスナーよりなる切欠き開閉手段(17)(17)を操作して、予め開いておく。
【0016】そして、コート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)の左右両挿通孔(15)(15)とこれらに連なって下方に伸びる切欠き(16)(16)とに、それぞれ車椅子(1)の押し手(3)(3)および介助ブレーキレバー(4)(4)をそれぞれ挿通した後、ファスナーよりなる切欠き開閉手段(17)(17)を操作して、切欠き(16)(16)を閉める。
【0017】ついで、コート本体(11)の左右正面部(前身ごろ)(12)を座乗者(2)の左右両肩より前方にまわして、座乗者(2)と車椅子(1)の上部とを一緒に覆い、最後に、コート本体(11)の左右正面部(前身ごろ)(12)の一方の側縁部に設けられたボタン(21)を、同他方の側縁部に設けられたボタン孔(22)に通して止め、コート(10)の着用を完了する。
【0018】上記この発明の車椅子用コート(10)によれば、車椅子(1)の座乗者(2)に対し、車椅子(1)の上からコート(1)を非常に簡単に装着することができるし、車椅子(1)の左右の押し手(3)(3)および介助ブレーキレバー(4)(4)が、コート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)の左右両挿通孔(15)(15)より後方外側に露出しているため、介護者が左右の押し手(3)(3)を持って、車椅子(1)のハンドル操作をいつも通り行なうことができて、非常に便利である。
【0019】なお、車椅子(1)の種類によっては、介助ブレーキおよびブレーキレバー(4)が設けられていない場合もあるが、このような場合にも、左右押し手挿通孔(15)(15)にそれぞれ連なって下方に伸びる切欠き(16)(16)が設けられ、これらの切欠き(16)(16)を開いておくことにより、車椅子(1)の押し手(3)(3)が挿通しやすく、座乗者(2)にコート(10)を着せやすいという利点がある。
【0020】また、コート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)の左右両挿通孔(15)(15)とこれらに連なって下方に伸びる切欠き(16)(16)とに、押し手(3)(3)および介助ブレーキレバー(4)(4)の挿通後に、ファスナーよりなる切欠き開閉手段(17)(17)の操作により切欠き(13)(13)を閉めるので、車椅子用コート(10)は、非常に体裁が良く、かつコート(10)によって座乗者(2)と車椅子(1)の上部とを一緒に覆うことができるため、座乗者(2)の防雨、防風、防寒を確実に果すことができる。
【0021】さらに、介護者が座乗者(2)を乗せた車椅子(1)を運転している時に、例えば急ブレーキをかけた際にも、車椅子用コート(10)が安全ベルトとしての機能を果すため、座乗者(2)が車椅子(1)から落ちるのを防止することができるものである。
【0022】というのは、コート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)の左右両挿通孔(15)(15)および切欠き(16)(16)に押し手(3)(3)と介助ブレーキレバー(4)(4)を挿通した後、ファスナーよりなる切欠き開閉手段(17)(17)の操作により切欠き(13)(13)を閉めた際には、コート本体(11)の背面部(後身ごろ)(13)が車椅子(1)の背もたれ部分に引っ掛った状態となっており、従って、急ブレーキにより座乗者(2)が前方に急激に移行しようとしても、車椅子(1)の背もたれ部分に引っ掛ったコート本体(11)によりその移行が阻止されて、座乗者(2)が車椅子(1)から脱落するのを防止することができるものである。しかも、一般の安全ベルトの場合と異なり、車椅子用コート(10)の着用状態では拘束性がないので、着用しやすくかつ安全性が高いという利点がある。
【0023】なお、図5に示すように、マント形コート本体(11)の襟(4)の部分に、フード(23)が着脱自在に取り付けられる場合もある。
【0024】また同図において、座乗者(2)がマント形コート本体(11)の腕挿通用開口部(18)(18)に左右両腕(5)(5)を挿通して前方に出しており、座乗者(2)の右腕(5)を挿通した開口部(18)では、カバー布(19)がコート本体(11)の後方に折り返され、他方の左腕(5)を挿通した開口部(18)では、カバー布(19)が座乗者(2)の上腕を覆う状態となされている。
【0025】このように、マント形コート本体(11)の正面部(12)の左右両側縁部に、座乗者(2)の腕(5)(5)を挿通するための開口部(18)(18)が設けられ、これらの腕挿通用開口部(18)(18)を開閉自在に覆うカバー布(19)(19)がコート本体(11)に取り付けられることにより、座乗者(2)が車椅子用コート(10)を着用した状態で、マント形コート本体(11)の前方に左右両腕(5)(5)を出すことができ、いろいろな動作をコート(10)を着用したまゝの状態で行なうことができるので、非常に便利である。
【0026】なお、図3と図4に示すように、座乗者(2)が、マント形コート本体(11)の腕挿通用開口部(18)(18)より左右両腕(5)(5)を前方に出さない状態では、座乗者(2)の防雨、防風、防寒を果すのに有利であることは、言うまでもない。
【0027】なお、上記実施形態においては、車椅子用コート(10)の正面部(前身ごろ)が左右に開くいわゆる前開きタイプのコート(10)について説明したが、コート(10)は、背面部(後身ごろ)が左右に開くいわゆる後開きであっても良い。また、コート本体(11)の左右正面部(前身ごろ)(12)の一方の側縁部に設けられたボタン(21)をボタン孔(22)に通してボタン(21)を止め、コート(10)を着用しているが、これに限らず、コート本体(11)の左右正面部(前身ごろ)(12)の開閉手段(止め手段)は、その他、ファスナー、ボタンとボタン掛けループ紐、ホックまたはマジックテープよりなるものであっても良い。
【0028】
【発明の効果】この発明による車椅子用コートは、上述のように、車椅子の上から座乗者と車椅子の上部とを一緒に覆うコートであって、マント形コート本体の背面部の左右両側縁部に、一対の押し手挿通孔と、左右押し手挿通孔にそれぞれ連なって下方に伸びる介助ブレーキレバー挿通用切欠きとが設けられ、該切欠きの両側縁部のコート本体部分に、切欠き開閉手段が設けられているもので、車椅子の座乗者に対し、車椅子の上から非常に簡単に装着することができるだけでなく、車椅子の左右の押し手をコート本体の後方外側に突出させることができるため、介護者が車椅子の操作を、コートが邪魔になることなく、いつも通り行なうことができて、非常に便利である。しかも、非常に体裁が良いうえに、防雨、防風、防寒を確実に果すことができる。
【0029】また、例えば急ブレーキをかけた際にも、座乗者が車椅子から落ちるのを防止する安全ベルトとしての機能をも併せ有していて、非常に安全性が高い。
【0030】さらに、この発明によれば、マント形コート本体の正面部の左右両側縁部に、座乗者の腕を挿通するための開口部が設けられ、これらの腕挿通用開口部を開閉自在に覆うカバー布がコート本体に取り付けられているので、座乗者が車椅子用コートを着用した状態で、マント形コート本体の前方に左右両腕を出すことができ、いろいろな動作をコートを着用したまゝの状態で行なうことができるので、非常に便利であるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】501064996
【氏名又は名称】有川 和子
【出願日】 平成13年1月10日(2001.1.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−212808(P2002−212808A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−39224(P2001−39224)