| 【発明の名称】 |
スポーツ用衣料 |
| 【発明者】 |
【氏名】徳井 康之
【氏名】大室 守
【氏名】今里 克博
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| 【要約】 |
【課題】強度を損なわずに且つ内部にまで入り込んだ泥の微粒子を洗濯により除去する効果が著しく改善された、耐汚染性に優れたスポーツ用衣料を提供する。
【解決手段】a)蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤の少なくとも1種以上を0.01〜5重量%含有し且つ溶融紡糸により得られたポリエステル繊維からなるシート状物であり、(b)JIS L 1907のバイレック法で100〜170mmの吸水性を有し、(c)JIS L 1018での通気性試験において100〜130cm3/cm2/secの通気性を有することを特徴とするスポーツ用衣料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤の少なくとも1種以上を0.01〜5重量%含有し且つ溶融紡糸により得られたポリエステル繊維からなるシート状物であり、(b)JIS L 1907のバイレック法で100〜170mmの吸水性を有し、(c)JIS L 1018での通気性試験において100〜130cm3/cm2/secの通気性を有することを特徴とするスポーツ用衣料。 【請求項2】 蛍光増白剤がベンゾオキサゾール系蛍光増白剤である請求項1記載のスポーツ用衣料。 【請求項3】 紫外線吸収剤がベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系又はサリチル酸系化合物である請求項1記載のスポーツ用衣料。 【請求項4】 光安定剤がヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、ホスファイト系、チオエーテル系又はヒドラジン系化合物である請求項1記載のスポーツ用衣料。 【請求項5】 織物、編物又は不織布の形態からなる請求項1記載のスポーツ用衣料。 【請求項6】 エチレンオキサイド系化合物、アクリル酸又はメタクリル酸系の吸水性付与剤および染料で処理されたものである請求項1記載のスポーツ用衣料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性に優れたスポーツ用衣料を提供するものである。詳しくは泥汚れに対して、シート状物内部にまで入り込んだ泥の微粒子を洗濯により除去する効果が著しく改善されたスポーツ用衣料に関するものである。 【0002】 【従来の技術】各種スポーツおけるシャツ、パンツ、ソックス、ユニフォームなどのスポーツ用衣料は、グラウンドでの泥汚れが洗濯で容易に除去できない問題を抱えている。そのため、洗濯では、予備洗い、二度、三度等の複数回の洗濯や、漂白剤を追加使用するなど洗濯労力が増え、しかも過剰な洗剤の使用と、その下水への流出により水質汚染を引き起こし環境悪化の原因ともなっている。従ってどのような汚れも、1回ないし2回の洗濯で除去されることが望まれている。 【0003】例えばウインドブレーカ、トレーニングウエアでは、フッ素系、シリコン系撥水・撥油処理剤による表面処理が施されている。その結果、コーヒー、お茶、雨、泥水などの水溶性の汚れの付着を防ぐことができ、結果として汚れにくくなっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、野球、ソフトボール、ラグビー、サッカーなどの競技では、ユニフォーム、ソックスなどのスポーツ用衣料は、スライディング、転倒や競技の目的に応じて地面に接触摩擦しなければならず、そのため、布帛、編物の組織内部までに直径10μm以下の泥粒子が入り込みやすくなっている。この汚れに対して撥水、撥油処理は、洗濯水をはじくために、組織内部の泥が除去できず、その結果、十分な効果が得られていない。 【0005】特開平9−273071号では繊維および生地に平均粒子径が1μm以下の水溶性粉体、例えば二酸化珪素、酸化アルミニウムなどの水溶性粉体を含有させた処理液で処理することで繊維表面を親水化させ洗濯液の生地組織内部への侵入を容易にし、汚れの離脱を促進させようとする提案がなされている。しかしこの処理のみでは、スライディング、転倒などの地面接触摩擦による汚れは十分に除去できない。 【0006】この問題に対して、特開平8−144151号では防汚性、耐摩耗性、白度、不透明性の改善のため芯部に酸化チタンを、鞘部に酸化チタンとベンゾオキサゾール系蛍光増白剤を含有せしめた同心円状の芯鞘型ポリエステル複合系を用いたポリエステル布帛の提案がある。ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤を含有させることにより、特に土埃り等の乾燥汚れ(ドライソイル)に対する優れた防汚性を発揮する。しかし、雨天時の濡れたグラウンドでのスライディング、転倒等の圧力が加わった接触摩擦による汚れは十分に除去できない。 【0007】近年の耐汚染性を高めた素材への要求が一段と高まっているなか、スライディングや転倒などの接触摩擦で発生する汚れを除去できるスポーツ用衣料を満足させる技術はいまだ開発されていないのが現状である。 【0008】本発明の課題は、強度を損なわずに且つ内部にまで入り込んだ泥の微粒子を洗濯により除去する効果が著しく改善された、耐汚染性に優れたスポーツ用衣料を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、a)蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤の少なくとも1種以上を0.01〜5重量%含有し且つ溶融紡糸により得られたポリエステル繊維からなるシート状物であり、(b)JIS L 1907のバイレック法で100〜170mmの吸水性を有し、(c)JIS L 1018での通気性試験において100〜130cm3/cm2/secの通気性を有することを特徴とするスポーツ用衣料に係る。 【0010】例えば野球競技でのスライディングではわずか0.5秒間に0.3〜1kgf/cm2の圧力が加わりながら約1mを地面と接触しながら摩擦する。一般衣料と違ってスポーツ用衣料はこのようなスライディング等の地面との接触摩擦が発生するような苛酷な条件で使用される。 【0011】このような状態ではシート状物例えば編物の表面は多少でも地面の砂粒子などで摩耗する。そしてポリエステル繊維個々では切削および/または切断をおこす。つまり、切削および/または切断面では分子切断によるフリーラジカルが発生し、いわゆる静電気発生と同じ状態になる。 【0012】一方、土は酸化珪素、酸化アルミなどが主体であるが有色物として酸化鉄、カーボンなどが存在する。つまり、目視での泥汚れとはこの酸化鉄やカーボンなどがシート状物の組織の表面および/または内部に残存することである。 【0013】したがってスライディングや転倒によってポリエステル繊維の切削面および/または切断面から発生したフリーラジカルは、泥中の酸化鉄やカーボンなどと静電吸着を起こす。吸着した酸化鉄やカーボンの泥粒子は経時で繊維内部に沈着をおこし洗濯では簡単に除去できなくなる。 【0014】更に従来のシート状物への撥水・撥油処理では洗濯機による洗濯で、撥水効果が逆に働き十分に除去できなくなる。また、織、編組織が緻密であれば、一旦入り込んだ泥粒子は洗濯でも容易に除去できなくなる。 【0015】本発明の改善のポイントは以下の3点で構成される。本発明の第1のポイントは、フリーラジカルを捕捉するために、その捕捉剤として蛍光増白染料、紫外線吸収剤、光安定剤の1種以上をあらかじめポリエチレンテレフタレートに含有させることである。一般に蛍光増白染料、紫外線吸収剤、光安定剤は、分子切断で発生するフリーラジカルを捕捉できるため予め繊維断面方向では均質に分散させることが好ましい。このフリーラジカルを捕捉することにより、泥粒子が繊維内部に沈着することが防止される【0016】本発明の第2のポイントは、シート状物内部に入り込んだ泥の微粒子を洗濯液により容易に除去するために、シート状物に吸水性を付与するこにもある。吸水性はJIS L 1907のバイレック法で100〜170mmの範囲が好ましい。 【0017】本発明の第3のポイントは、泥の微粒子を効果的に除去するためにシート状物に適度な空隙率を付与することにある。本発明では、JIS L 1018での通気性試験において、100〜130cm3/cm2/secの範囲であれば最適な空隙率であることを見出した。糸の太さ、シート状物の目付け、シート状物の編、織組織、密度個々の関係から上記範囲に設定することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明でいうスポーツ用衣料とは、トレーニングウエア、パンツ、野球用ユニフォーム上下、ソフトボール用ユニフォーム上下、野球用アンダーシャツ、ソフトボール用アンダーシャツ、サッカーシャツ、サッカーパンツ、野球用ストッキング、野球用アンダーストッキング、サッカー用ストッキング、ラグビー用シャツ、ラグビー用パンツ、ラグビー用ストッキング、スクール用シャツ、スクール用パンツ、登山用パンツ、シャツなど屋外での競技、レジャースポーツ用衣料が含まれ、上記例示に限定されない。 【0019】本発明でいうシート状物とは、織物、編物、不織布又はこれらの立毛品等を意味するものである。かかるシート状物を構成する糸種としては、フィラメントヤーン、紡績糸、フィラメントと短繊維の混紡糸など、いずれをも使用することができる。かかる繊維は、単独で用いることもできるし、また、混紡、交撚あるいは交織、交編など公知の方法を用いて、本発明の効果を損なわない範囲で、該繊維以外の糸と混用しても構わない。 【0020】また、織物、編物ならびに不織布の種類としては、平織、綾織、朱子織、およびそれらの織り方を基本とした各種織物、経編、トリコット編で代表される緯編、レース編、丸編およびそれらの編み方を基本とした各種編物、スパンボンド、メルトブロー、スパンレース、ステッチボンドおよびそれらの交絡方法を基本とした各種不織布などいずれも採用することができ、特に限定されるものではない。 【0021】また、ここでいう立毛品とは、表裏面のうち少なくとも片面が毛羽で覆われている繊維構造物をいい、バフィング等で単繊維または繊維束を引き出した状態のものや、ループを剪毛した状態のものを例示できる。 【0022】本発明のポリエステル繊維は特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体類、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの共重合体類、ポリプロピレンテレフタレートおよびこれらの共重合体類等のポリエステル系重合体に対して蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤の1種以上を混入し溶融して紡糸口金に供給し紡出しながら捲き取り、延伸して得られる、延伸糸を例示できるが、これに限定されるものではない。 【0023】以下本発明で使用される3種の化合物、即ち蛍光増白剤、紫外線吸収剤及び光安定剤(以下、これらを捕捉剤という)について説明する。 【0024】本発明でいう蛍光増白剤としては、例えばベンゾオキサゾール系染料、スチルベン系染料、ピラゾリン系染料、クマリン系染料、ナフタルイミド系染料などがあげられる。好ましい染料として4,4−ビス(トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2−ジスルホン酸、モノ(アゾール−2−イル)スチルベン、ビス(アゾ-ル−2−イル)スチルベン、7−ヒドロキシクマリン、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリンなどを例示できる。 【0025】本発明の紫外線吸収剤としては、少なくとも波長400nm以下の光エネルギーを吸収して熱エネルギー等に変換し得る化合物をいい、低分子化合物、高分子化合物、無機化合物等があり、適宜用いることができる。例えば、低分子化合物としては、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノール系、サリチル酸系化合物等、高分子化合物としては前述の低分子化合物をポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の高分子に共重合したものなど、無機化合物としては、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブラック等を使用することができる。これらのうちベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系化合物が特に好ましい。 【0026】紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾトリアジン、メチルベンゾトリアジンなどのベンゾトリアジン系紫外線吸収剤、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中でも、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールが好ましい。 【0027】本発明でいう光安定剤としては、抗酸化効果あるいはラジカル捕捉効果などにより光劣化を防止し得る物質が使用でき、低分子化合物、高分子化合物、無機化合物等が含まれ、適宜用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、ホスファイト系、チオエーテル系、ヒドラジン系化合物などを使用することができる。これらのうち、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。 【0028】ヒンダードフェノール系光安定剤の具体例としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、【0029】2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、【0030】テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの中でも特にテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものが好ましい。 【0031】これら蛍光増白剤、紫外線吸収剤または光安定剤の配合量(合計量)は、繊維形成ポリマー100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部である。配合量が0.01重量部未満では目的とする耐汚染効果の得られる度合いが小さく、また5重量部を越えるとブルーミングを生じたり、ポリエステル繊維の機械的強度が低下したりするため好ましくない。 【0032】本発明において吸水性はJIS L 1907におけるバイレック法により評価される。試料を縦方向、横方向、又はウエール方向およびコース方向から大きさ200×25mmの試験片をそれぞれ5枚採取する。次に、水を入れた水槽の水面上に支えた水平棒上に試験片をピンなどで固定した後、水平棒を降下させて、試験片の下端が水に浸漬するように調整し、そのまま10分間放置する。10分経過後、毛細管現象によって水が上昇した高さを1mmまで測定する。 【0033】吸水性付与方法の代表例として、吸水性付与剤をシート状物にグラフト加工や浸漬加工する方法等が挙げられる。吸水性付与剤としては例えば親水性ビニル系化合物として、アクリル酸、メタクリル酸、ポリビニルピロリドンなどが、ポリアルキレンオキサイド系化合物として、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、アルキレンオキサイド付加ポリエステル系化合物、アルキレンオキサイド付加フッ素系化合物、アルキレンオキサイド付加シリコン系化合物などがあげられる。更に親水性天然物系で、セリシン、シルクプロテイン、コラーゲン、ミルクプロテイン、スクワレン、キチンキトサンなどの水または溶剤中への分散剤があげられる。 【0034】いずれもグラフト加工や浸漬加工等を用いて処理できる。また、通常用いる染色機を使用することができ、サーキュラー、ユニエースなどの液流染色機が好ましく用いられる。 【0035】本発明では、吸水性の付与方法については特に限定するものではないが、好ましくはポリアルキレンオキサイドを付加したフッ素系化合物を用いる方法があげられる。上記試験方法で100〜170mm、好ましくは110〜160mm、更に好ましくは120〜150mmの範囲であればよい。吸水性が100mm未満であれば洗濯時にシート状物内部にまで十分に洗濯液が入り込まず、その結果、十分に汚れが除去できない。170mmより大きい場合、泥がシート状物内部に拡散し汚れが広がり、結果として満足した除去ができなくなる。 【0036】本発明ではシート状物に染料で染色することもできる。併用、前処理、後処理でもよく、使用する染料は、分散染料、バット染料などの耐光性の良好な染料を用いることが好ましい。 【0037】本発明の通気性は、JIS L 1018の通気性評価によるもので、試験片20×20cmを採取しフラージル形試験機を用い、円筒の一端に試験片を取り付けた後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が125Pa(1.27cmH20)の圧力を示すように吸込みファンを調整し、そのときの垂直気圧計の示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、試験片を通過する空気量(cm3/cm2・sec)を求める。測定は5回とし、その平均値を算出する。 【0038】適度な通気性を付与するためには、シート状物の糸の太さ、織、編み密度、目付けから調整するが、本発明では特に限定しない。ただし、好ましくは例えばポリエステル繊維の単糸では糸径が3〜5デニールの範囲が好ましい。糸径が3デニール未満なら強度が不足し、5デニールより太ければ肌触りが悪くなる。撚糸では、好ましくは270〜330デニール、より好ましくは280〜310デニール、または135〜165デニールの双糸、より好ましくは140〜155デニールの双糸である。また目付け量は好ましくは220〜300g/m2、より好ましくは240〜280g/m2であり、220g/m2未満なら強度が不足し、300g/m2より高ければ織、編密度が上り、結果として汚れが落ちにくくなる。シートの厚みは、好ましくは0.8〜1.3mm、より好ましくは0.9〜1.1mmである。0.8mm未満だと強度が不足し、1.3mmを越えると汚れが落ちにくくなる。 【0039】通気性の範囲は100〜130cm3/cm2/secが好ましく、更に好ましくは110〜125cm3/cm2/sec、更に好ましくは115〜120cm3/cm2/secである。100cm3/cm2/sec未満であると織、編密度が高くなりシート状物内部に入り込んだ泥粒子は洗濯で除去しづらくなり、逆に130cm3/cm2/secより大きくなると糸の太さや編、織組織の密度が疎になり結果として競技に必要とする強度が不足する。 【0040】尚、本発明のシート状物は染色しても機能には何ら差し支えない。また、シート状物にポリエステル以外に他の素材、例えば綿、ナイロン、ポリウレタン、アクリル、絹などの1種または2種以上を併用することもできる。 【0041】本発明の繊維断面形状も特に限定するものではなく、異種形状の組み合わせや同一形状のサイズが違ったものの1種または2種以上を組み合わせることもできる。本発明のポリエステル繊維に強度付与剤、ダル剤、難燃剤等の各種添加剤を併用することは任意である。本発明のスポーツ用衣料は上記のポリエステル繊維を通常公知の方法で裁断縫製等することにより製造することができる。 【0042】 【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は何らこれらによって限定されたり制約されたりするものではない。 【0043】尚、実施例 比較例の評価方法を示す。 1)汚染試験摩擦試験:アシックス法(摩擦条件:摩擦圧1.0〜3.0kgf/cm2、摩擦擦距離0.5m、摩擦時間1sec) 泥:[(社)日本粉体工業技術協会JIS Z 8901試験用粉体製関東ローム微粒子 平均粒径6.6〜8.6μm]湿潤調整:(乾燥泥100重量部に対し水50重量部) 洗濯:摩擦試験後の試料を同一条件で洗濯、乾燥。 汚れ計測:洗濯で残存する汚れ部と比較として未使用の新品とを色彩色差ΔE値を求めた。ΔE値が小さいほど汚れが除去できたことになる。ΔEは15以下が好ましく、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。 2)強度評価:JIS L 1018A(ユニフォーム型)摩耗試験で破れるまでの回数を計測。数値が大きいと強度が高い。磨耗回数は350以上が好ましく、より好ましくは400以上、更に好ましくは430以上である。 【0044】実施例1ポリエチレンテレフタレートベースチップ100重量部に捕捉剤としてベンゾオキサゾール系蛍光増白剤 East Bright OB1(イーストマンケミカルズ社製)を含有するポリエチレンテレフタレートマスターチップレジンを、OB1の含有率が0.3重量部となるように混合し、溶融混合押出し機に供給して、溶融紡糸を行なう。口金から吐出した糸に冷却風を吹き付けて冷却、固化させ、引き取り、その後延伸して延伸糸を得た。この延伸糸を丸編機で本発明の通気性を有する目付け273g/cm2、厚さ1.12mmのシート状物(編物)を製造した。その後、高速液流染色機を用いて蛍光増白染料により染色してからポリアルキレンオキサイドのフッ素系化合物で吸水性付与処理をおこない吸水性を付与し、このシート状物を裁断縫製した野球ユニフォームから耐汚染試験をおこなった。 【0045】実施例2〜12及び比較例1〜13表1〜7に記載の蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤を含む捕捉剤を使用した以外は実施例1と同様にして野球ユニフォームを作成した。結果を表1〜7に示す。 【0046】尚、実施例の捕捉剤1)〜5)において使用した蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤は以下の通りである。 1):ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤 「East Bright」 OB1イーストマンケミカルズ社製2):ヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン」144C−1 チバガイギー社製3):ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤「チヌビン」327 チバガイギー社製4):ジフェニルアミン系光安定剤「ナウガード」445F−1 ユニロイヤル社製5):ヒンダードフェノール系光安定剤「イルガノックス」1 チバガイギー社製【0047】 【表1】
【0048】 【表2】
【0049】 【表3】
【0050】 【表4】
【0051】 【表5】
【0052】 【表6】
【0053】 【表7】
【0054】 【発明の効果】本発明によれば、強度を損なわずに且つ内部にまで入り込んだ泥の微粒子を洗濯により除去する効果が著しく改善された、優れた耐汚染効果を高めたシート状物からなるスポーツ用衣料を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000310 【氏名又は名称】株式会社アシックス
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| 【出願日】 |
平成12年12月27日(2000.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081536 【弁理士】 【氏名又は名称】田村 巌
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| 【公開番号】 |
特開2002−201520(P2002−201520A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−398254(P2000−398254) |
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