トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 紫外線用保護衣
【発明者】 【氏名】井戸 好水

【要約】 【課題】特に顔、首周り、及び手の甲などを紫外線から守り、かつ通気性に優れた紫外線用保護衣を提供することを課題とする。

【解決手段】紫外線用保護衣1は、背面に背面メッシュ部及び襟口4に襟メッシュ部5を有する身頃6と、身頃6の肩口7に取付けられ、腋下8から袖口9に袖メッシュ部10を有する袖部11と、身頃6の襟口4に取付けられ、頭を覆うための頭巾部12と、袖口9に取付けられ、手の甲を覆うための手甲部13とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一部を網状素材で形成した身頃と、前記身頃の肩口に取付けられ、腋下から袖口を網状素材で形成した袖部と、前記身頃の襟口に取付けられ、頭を覆うための頭巾部と、前記袖口に取付けられ、手の甲を覆うための手甲部とを具備することを特徴とする紫外線用保護衣。
【請求項2】 前記袖部及び前記頭巾部の少なくともいずれか一つは、前記身頃に着脱可能に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の紫外線用保護衣。
【請求項3】 前記手甲部は、前記袖口に折曲げ可能に取付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紫外線用保護衣。
【請求項4】 前記身頃、前記袖部、前記頭巾部、及び前記手甲部の少なくともいずれか一つは、紫外線をカットする素材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の紫外線用保護衣。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線用保護衣に関するものであり、特に、紫外線が強い日中に用いる紫外線用保護衣に関するものである。
【0002】
【従来の技術】夏の炎天下に、太陽光線を長時間に渡って浴びると、皮膚が赤くなったり、さらに時間を経ると皮膚が褐色に変化する、いわゆる日焼けが起こる。これは、太陽光線に含まれる紫外線によって、皮膚が炎症を起こすためである。
【0003】太陽光線による日焼けは、紅斑(サンバーン)現象と色素沈着(サンタン)現象とに大別される。紅斑現象は、太陽光線に皮膚が曝された後、1〜6時間の潜伏期を経て現れるもので、皮膚の毛細血管が拡張し、皮膚が赤くなるものである。一方、色素沈着現象は、紫外線を浴びてから4〜5日を経て、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が、メラニン色素を作ることにより、皮膚が黒化する現象である。
【0004】紫外線とは、可視光線よりも短い400nm以下の波長の光であって、人間の眼では見ることができない。また、波長の違いによって、UVA(320〜400nm)、UVB(280〜320nm)、UVC(190〜280nm)、及び真空紫外域(100〜190nm)に分類される。このうち、290nm以下の短波長の紫外線は、地球を取り巻くオゾン層や大気の層で吸収され、地表上には到達しない。一方、UVAは地表上に到達する紫外線の約90%を占め、主に紅斑現象を起こす要因となる。また、UVBは地表上に到達するエネルギー量は小さいが、生物に対する作用は非常に強く、紅斑現象と色素沈着現象の両方を起こすことが知られている。
【0005】さらに、日焼け以外にも、皮膚アレルギー、シミ、及びシワの原因の一つが紫外線であることは、よく知られている。加えて、最近の地球環境問題の一つとして、フロンガスによるオゾン層の破壊がある。オゾン層は、地表に到達する紫外線を吸収する役割を持っている。したがって、オゾン層が破壊されることにより、地表に到達するUVBなどの短波長の紫外線量が増加する。短波長の紫外線は、特に生物に対する影響が強く、人間のDNAを傷つけることがある。そのため、皮膚ガンなどの重大な病気を引き起こす可能性がある。したがって、紫外線の対策は非常に重要な課題となっている。
【0006】従来の紫外線対策には、顔や腕などの部分に紫外線防止剤を配合した化粧品及び日焼け止めクリームを塗るものなどがあった。また、窓ガラスや車のウインドガラスに紫外線カットフィルムを貼着させ、またはガラス自体に紫外線防止剤をコーティングした製品により、紫外線をガラスで透過させないものがある。そのほかに、最も簡易に行えるものとして、長袖の服を着たり、日傘などを用いて、皮膚に太陽光線が直接当たらないようしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窓ガラスや車のウインドガラスに紫外線カットフィルムを貼着させるものは、紫外線カットフィルムをガラスに貼る作業が必要であり、面倒であった。また、紫外線防止剤をコーティングしたガラスは、特殊な処理を必要とするため、一般のガラスに比べて高価であった。また、これらは室内や車内などの特定の空間においては、有効であるが、屋外では利用することができなかった。
【0008】一方、紫外線防止剤を配合した化粧品や日焼け止めクリームは、紫外線にあたる前に皮膚に予め塗っておく必要であり、面倒であった。また、暑い日などの場合、汗などにより紫外線防止剤が流れ落ちてしまい、長時間に渡って、効果を得ることが難しかった。
【0009】長袖の服を着ることは、皮膚を太陽光線に直接曝すことがないため、最も簡易で有効な手段である。しかしながら、暑い日に長袖を着ることは、暑さを我慢しなければならず、さらに通気性が悪い場合は、発汗して着衣内で蒸れるため、快適ではなかった。また、長袖の服では、特に顔、首周り、及び手の甲などの肌の露出した箇所を紫外線から防ぐことができず、これらの箇所だけ日焼けをすることがあった。一方、日傘を利用する場合は、傘を常に携帯する必要が有り、加えて傘を持つ手が塞がれるため、不便であった。
【0010】そこで本発明は、上記実情に鑑み、特に顔、首周り、及び手の甲などを紫外線から守り、かつ通気性に優れた紫外線用保護衣の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる紫外線用保護衣は、少なくとも一部を網状素材で形成した身頃と、前記身頃の肩口に取付けられ、腋下から袖口を網状素材で形成した袖部と、前記身頃の襟口に取付けられ、頭を覆うための頭巾部と、前記袖口に取付けられ、手の甲を覆うための手甲部とを具備するものである。
【0012】ここで、網状素材で形成する一部の箇所とは、直接太陽光線を浴びない、または紫外線用保護衣の下に着用している衣服によって紫外線を遮ることのできる箇所であり、具体的には、身頃の背面や襟口の付近を網状素材で形成することが好適である。
【0013】したがって、請求項1の発明の紫外線用保護衣によれば、身頃の少なくとも一部と、袖部の腋下から袖口が網状素材で形成されていることから、通気性がよくなり、着衣内の汗や熱が外部に発散する。また、襟口に取付けられた頭巾部により、顔及び首の周囲に太陽光線があたるのを防ぐ。さらに、袖口に取付けられた手甲部により、手の甲に太陽光線があたるのを防ぐ。
【0014】請求項2の発明にかかる紫外線用保護衣は、請求項1に記載の紫外線用保護衣において、前記袖部及び前記頭巾部の少なくともいずれか一つは、前記身頃に着脱可能に取付けられているものである。
【0015】ここで、身頃に着脱可能に袖部及び頭巾部を取付けるものとしては、ボタン及びボタン穴、接着布、及びファスナーにより係止する方法などがあげられる。
【0016】したがって、請求項2の発明の紫外線用保護衣によれば、請求項1の発明の紫外線用保護衣の作用に加え、頭巾部及び袖部が着脱可能に取付けられていることから、太陽光線があたるのを防ぐ箇所を限定することが可能となる。
【0017】請求項3の発明にかかる紫外線用保護衣は、請求項1または請求項2に記載の紫外線用保護衣において、前記手甲部は、前記袖口に折曲げ可能に取付けられているものである。
【0018】したがって、請求項3の発明の紫外線用保護衣によれば、請求項1または請求項2の発明の紫外線用保護衣の作用に加え、手甲部が袖口に折曲げ可能に取付けられていることにより、手甲部により手の動きが制限されることがない。
【0019】請求項4の発明にかかる紫外線用保護衣は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の紫外線用保護衣において、前記身頃、前記袖部、前記頭巾部、及び前記手甲部の少なくともいずれか一つは、紫外線をカットする素材で形成されているものである。
【0020】ここで、紫外線をカットする素材とは、紫外線防御効果のある物質を混練してから繊維状にしたものや、繊維に紫外線防御効果のある物質を吸収させたものがあげられる。ここで紫外線防御効果のある物質とは、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とに大別される。紫外線吸収剤とは、紫外線のエネルギーを吸収して、熱エネルギーに変換することにより、皮膚の中に入ることを妨げるものであり、一方紫外線散乱剤とは、物理的に紫外線を反射するものである。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンと酸化亜鉛の微粉末が特によく使用されている。また、二酸化チタンと酸化亜鉛とは、紫外線散乱の効果に加え、紫外線を吸収する働きも合わせて有するため、紫外線をカットする素材に利用することは、特に好適といえる。
【0021】したがって、請求項4の発明の紫外線用保護衣によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の紫外線用保護衣の作用に加え、紫外線をカットする素材で形成されていることにより、皮膚から紫外線を遮蔽するとともに、紫外線を吸収及び反射することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である紫外線用保護衣について図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態である紫外線用保護衣の前面を示す説明図であり、図2は紫外線用保護衣の背面を示す説明図であり、図3は使用状態の手甲部を示す説明図である。
【0023】本発明の一実施形態である紫外線用保護衣1は、図1乃至図2に示すように、背面2に網状素材の背面メッシュ部3及び襟口4に襟メッシュ部5を有する身頃6と、身頃6の肩口7に取付けられ、腋下8から袖口9にかけて袖メッシュ部10を有する袖部11と、身頃6の襟口4に取付けられた頭巾部12と、袖部11の先端に取付けられた手甲部13とを備えるものである。
【0024】また、袖部11の一端には複数の袖ボタン15が取付けられ、一方、身頃6の肩口7には、袖ボタン15を嵌挿し、袖部11を係止するための袖ボタン穴16を有している。さらに、身頃6の襟口4には、襟ボタン17が取付けられ、一方、頭巾部12の先端には、襟ボタン17を嵌挿し、頭巾部12を係止するための襟ボタン穴18を有している。
【0025】さらに、手甲部13は、袖部11に対して折曲げが可能であり、図3に示すように、袖部11には手甲ボタン19が取付けられ、手甲部13の先端には、手甲ボタン19を嵌挿し、手甲部13を折曲げた状態で保持するための手甲ボタン穴20を有している。また、手甲部13には、手Hの甲に手甲部13を取付けるための二本の甲止紐14を備えている。甲止紐14を使用する場合は、二本の甲止紐14を掌側で結ぶことにより、手甲部14と手Hの甲が密着する。
【0026】尚、本実施形態の紫外線用保護衣1は、二酸化チタンの微粉末をポリエステル繊維に練込んだポリエステル製の紫外線カットする素材で形成されている。
【0027】上記に述べたように、本実施形態の紫外線用保護衣1は、背面2に網状の背面メッシュ部3、襟口4に襟メッシュ部5、腋下8から袖口9に袖メッシュ部10を有することから、通気性に優れ、紫外線用保護衣1の内部の熱が容易に外部に放出されやすい。したがって、夏などの気温が高い日でも暑さを感じることが少なくなり、快適に着用することができる。
【0028】さらに、頭巾部12及び手甲部13により、顔、首周り、及び手の甲に太陽光線が直接あたるのを防ぐことができる。したがって、日焼けや炎症などの紫外線による皮膚への影響をなくすことができる。また、両手が自由に動くため、車の運転中にも使用することができる。
【0029】加えて、頭巾部12及び袖部11は、ボタン15,17及びボタン穴16,18により着脱可能に取付けられているため、使用目的に合わせた状態に変形して使用できる。例えば、車の運転中などで、手の甲だけに太陽光線があたる場合は、頭巾部12を取外して、使用することができる。
【0030】さらに、手甲部13は袖部11に対して折曲げが可能であり、手甲ボタン19及び手甲ボタン穴20により、折曲げた状態を保つことができる。したがって、手甲部13によって、手の動きを制限されることがなくなり、細かい作業も行える。
【0031】以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0032】本実施形態の紫外線用保護衣1は、ポリエステルの素材で形成されたものを示したが、これに限定されるものではなく、綿や麻などの通気性に優れた素材を使用することができる。また、セーターのように頭から被って着用するタイプのものを示したが、これに限定されるものではなく、例えばカーディガンのように羽織って着用するものでもよい。さらに、紫外線用保護衣1の色は、種々の色彩の生地を用いてもよい。また、デザインなどを変えて、ファッション性に優れたものにしてもよい。
【0033】しかしながら、生地の色を濃暗色にしたり、厚手の生地を用いた場合は、紫外線を多く遮蔽し、吸収することができるため有効ではあるが、一方で通気性を損なうとともに、太陽光線を吸収し、紫外線用保護衣1自体が熱を持ちやすくなる。そのため、快適に着用することができなくなる。したがって、例えば、白や淡色系の、比較的光を反射しやすい色で、かつ薄い生地を用いることが望ましい。
【0034】また、袖部11及び頭巾部12を身頃6に着脱可能に取付けるもの、及び手甲部13の折曲げられた状態を係止するものとして、ボタン15,17,19及びボタン穴16,18,20を用いるものを示したがこれに限定されるものではない。例えば、接着布やファスナーなどを利用して係止してもよい。
【0035】また、手甲部13を手Hの甲に密着させるために、紐状の甲止紐14を用いるものを示したが、これに限定されるものではなく、手Hの甲に対する密着性を必要としない場合は、甲止紐14を用いなくてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の紫外線用保護衣は、特に顔、首周り、及び手の甲が太陽光線に直接曝されるのを防ぎ、紫外線による日焼けやシミなどの皮膚の炎症を防止する。さらに、複数の箇所に網状素材を用いることにより、通気性に優れ、着衣内が暑くなることがない。そのため、夏の日差しの中でも、快適に身に着けることができる。
【0037】請求項2の発明の紫外線用保護衣は、請求項1の発明の紫外線用保護衣の効果に加え、頭巾部及び袖部が着脱可能であるため、使用目的に合わせて変形することができ、部分的に紫外線から皮膚を守ることができる。
【0038】請求項3の発明の紫外線用保護衣は、請求項1または請求項2の発明の紫外線用保護衣の効果に加え、手甲部が袖部に対して折曲げ可能であることから、細かい作業の場合には、手甲部によって手の動きが制限されることがない。
【0039】請求項4の発明の紫外線用保護衣は、請求項1乃至請求項3の発明の紫外線用保護衣の効果に加え、紫外線カットの素材を利用することから、紫外線を遮断するとともに、紫外線の反射及び吸収により、効率的に紫外線から皮膚を守ることができる。
【出願人】 【識別番号】397047040
【氏名又は名称】マイ企画株式会社
【出願日】 平成12年11月10日(2000.11.10)
【代理人】 【識別番号】100098224
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 勘次
【公開番号】 特開2002−146606(P2002−146606A)
【公開日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願番号】 特願2000−343057(P2000−343057)