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【発明の名称】 エプロン
【発明者】 【氏名】金森 隆昭

【要約】 【課題】使い終わったら1枚のシートのようにフラットな形態に展開することができ、それにより、簡単に洗ったり清掃したりすることができ、常に衛生的に保っておくことのできるエプロンを提供する。

【解決手段】弾性復元性を有する1枚の発泡シートよりなる前垂れ部11の下端の所定幅の領域14を、手前から上に折り曲げて2枚合わせにし、該2枚合わせにした部分14Tの左右両下端の角を後ろから斜め上方に持ち上げることで、2枚合わせにした部分14Tの左右両下部を三角に折り曲げ、その三角に折り曲げた部分18Tを、前垂れ部11の背面に係止具15、16を用いて着脱自在に係止することで、2枚合わせにした部分14Tでポケット20を形成する。その際、係止具15、16は貫通孔17を通して係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1枚の可撓性シートよりなる前垂れ部の下端を所定幅、手前から上に折り曲げて2枚合わせにし、該2枚合わせにした部分の左右両下端の角を後ろから斜め上方に持ち上げることで、2枚合わせにした部分の左右両下部を三角に折り曲げ、その三角に折り曲げた部分を、前記前垂れ部の背面または前垂れ部の2枚合わせにした前側に着脱自在に係止することで、前記2枚合わせにした部分でポケットを形成したことを特徴とするエプロン。
【請求項2】 前記前垂れ部の下端を所定幅手前から上に折り曲げる際の折り曲げ線を基準にした場合、前記三角に折り曲げる領域における前記折り曲げ線よりも下側に第1の係止点、前記折り曲げ線よりも上側で且つ三角に折り曲げた際に前記第1の係止点に対応する位置に第2の係止点をそれぞれ設定するとともに、前記前垂れ部の背面側であって三角に折り曲げた際に前記第1の係止点及び第2の係止点と対応する位置に第3の係止点を設定し、前記第1の係止点と第3の係止点に、前記第2の係止点に設けた貫通孔を介して互いに係合する係止具を設けたことを特徴とする請求項1記載のエプロン。
【請求項3】 前記前垂れ部を構成する可撓性シートを、初期の平坦形状への弾性復元力を持つ材料で構成したことを特徴とする請求項1または2記載のエプロン。
【請求項4】 前記可撓性シートが樹脂の発泡シートであることを特徴とする請求項3記載のエプロン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳幼児や食事の介護を必要とする人たちに有用なエプロンに係り、特に前垂れ部の下部に、食べこぼした物を受けるポケットの付いたエプロンに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエプロンとして、図5に示すものが知られている(特開平7−150402号公報などを参照)。このエプロン30は、前垂れ部31の上端に首掛け用の紐32を設けると共に、前垂れ部31の下端に袋状のポケット33を一体に形成したものである。このポケット付きエプロン30では、2枚合わせの部分の両側縁が接着剤や熱融着によって止めらることで、固定的にポケット33が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のエプロン30では、袋状のポケット33が固定的に設けられているので、洗ったり清掃したりするときに、ポケット33の部分を裏返しにすることはできるものの、1枚のシートのようにフラットな形態にまでは展開できず、従って、掃除しにくく、衛生面でも改善の余地があった。
【0004】本発明は、上記事情を考慮し、使い終わったら1枚のシートのようにフラットな形態に展開することができ、それにより、簡単に洗ったり清掃したりすることができ、常に衛生的に保っておくことのできるエプロンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のエプロンは、1枚の可撓性シートよりなる前垂れ部の下端を所定幅、手前から上に折り曲げて2枚合わせにし、該2枚合わせにした部分の左右両下端の角を後ろから斜め上方に持ち上げることで、2枚合わせにした部分の左右両下部を三角に折り曲げ、その三角に折り曲げた部分を、前記前垂れ部の背面または前垂れ部の2枚合わせにした前側に着脱自在に係止することで、前記2枚合わせにした部分でポケットを形成したことを特徴とする。
【0006】このエプロンは、前垂れ部の下端を折り曲げて係止すれば、ポケット付きのエプロンとして使用することができるし、折り曲げなければ、ポケット無しのエプロンとして使用することができる。また、ポケット付きのエプロンとして使用する場合、ポケットの左右両端下部が三角に折れ曲がった状態で止められているので、ポケットの中に液体がこぼれても、外に漏れるおそれがない。また、ポケット付きのエプロンとして使用した後で、三角に折り曲げた部分の係止を外して、折り曲げた部分を全て展開すれば、元の1枚のシートになるので、掃除が楽で衛生的である上、保管スペースをとらず、収納が簡単にできる。
【0007】請求項2の発明のエプロンは、請求項1において、前記前垂れ部の下端を所定幅手前から上に折り曲げる際の折り曲げ線を基準にした場合、前記三角に折り曲げる領域における前記折り曲げ線よりも下側に第1の係止点、前記折り曲げ線よりも上側で且つ三角に折り曲げた際に前記第1の係止点に対応する位置に第2の係止点をそれぞれ設定するとともに、前記前垂れ部の背面側であって三角に折り曲げた際に前記第1の係止点及び第2の係止点と対応する位置に第3の係止点を設定し、前記第1の係止点と第3の係止点に、前記第2の係止点に設けた貫通孔を介して互いに係合する係止具を設けたことを特徴とする。
【0008】このエプロンは、1組の係止具を第1の係止点と第3の係止点に設け、第2の係止点には貫通孔を設けるだけで、三角に折り曲げた部分を確実に前垂れ部の背面に係止することができる。
【0009】請求項3の発明のエプロンは、請求項1または2において、前記前垂れ部を構成する可撓性シートを、初期の平坦形状への弾性復元力を持つ材料で構成したことを特徴とする。
【0010】このエプロンは、初期形状への復元力を持つ可撓性シートで前垂れ部を形成しているので、ポケットを形成するための係止を外せば、自然にフラットな初期の形態に戻る。また、折り目が湾曲形状になるため、2枚合わせにしてポケットを形成した部分が膨らんで、こぼした物を受けやすい形状になる。
【0011】請求項4の発明のエプロンは、請求項3において、前記可撓性シートが樹脂の発泡シートであることを特徴とする。
【0012】このエプロンは、樹脂の発泡シートで前垂れ部を形成しているから、成形が容易で、軽く、撥水性及び弾力性を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は実施形態のエプロン10の構成図で、(a)は展開した状態を示す斜視図、(b)はポケットを形成した状態を示す斜視図である。
【0014】このエプロン10は、例えば数ミリ厚の樹脂の発泡シート(可撓性シート)で形成された前垂れ部11と、同じシートをリボン状に裁断した首掛け用の紐12とから構成されている。発泡シートは、自然状態で1枚のフラットなシート形態に戻ろうとする弾性復元力を備えると共に、撥水性や柔軟性を備えている。
【0015】前垂れ部11は、長方形シートの角を大きく湾曲した輪郭にカットし、上端縁の首に当たる部分11aを凹状の輪郭にカットし、また下部左右両側縁11cを凸状の輪郭にカットした外形形状をなすものである。前垂れ部11の上端には、首掛け用の紐12の両端を着脱自在に止める係止具13が付いている。
【0016】また、前垂れ部11の左右両下部には、それぞれ第1〜第3の3つの係止点15a、16a、17aが設定されており、下端の第1の係止点15aと上端の第3の係止点16aには互いに係合する係止具15、16が取り付けられ、真ん中の第2の係止点17aには貫通孔17があけられている。そして、2つの係止具15、16を、貫通孔17を通して互いに係合できるようになっている。そのために、第1の係止点15aの係止具15は、前垂れ部11の前面側に実質的な係止部を持ち、第3の係止点16aの係止具16は、前垂れ部11の背面側に実質的な係止部を持っている。つまり、第1の係止点(係止具15)の前面と第3の係止点(係止具16)の背面が、貫通孔17を通して互いに係合するようになっている。
【0017】これら係止具15、16及び貫通孔17の位置は、ポケット20を形成するための折り曲げ部との関係によって決められている。そこで、折り曲げ部との関係が分かるようにするため、先に、ポケット20を形成するための手順について説明する。説明に当たっては、図1に併せて、図4の簡略図を用いる。この簡略図は、実際のエプロン10が、材料である発泡シートに弾性復元作用があり、折り曲げ線等がはっきり出づらいために、便宜的に、折り曲げ線や折り曲げ領域がはっきり分かるように用意したものである。
【0018】ポケット20を形成するには、まず、図4(a)、(b)に示すように、前垂れ部11の下端11bの所定幅の領域14を、折り曲げ線L1の位置で、手前から上に折り曲げて2枚合わせにする。
【0019】次いで、図4(c)、(d)に示すように、2枚合わせにした部分14Tの左右両下端の角を後ろから斜め上方に持ち上げることで、2枚合わせにした部分14Tの左右両下部を三角に折り曲げる。L2は三角に折り曲げる際の折り曲げ線を示す。
【0020】そして、その三角に折り曲げた部分18Tを、前垂れ部11の背面に着脱自在に係止することで、2枚合わせにした部分14Tで、左右両側縁が閉じかつ上方が開口したポケット20を形成する。
【0021】このように三角に折り曲げた部分18Tを前垂れ部11の背面に着脱自在に止めるために、前述の係止具15、16と貫通孔17が設けられている。従って、第1の係止点15aの係止具15は、三角に折り曲げる領域18における折り曲げ線L1よりも下側にある。また、第2の係止点17aの貫通孔17は、折り曲げ線L1よりも上側で且つ三角に折り曲げた際に第1の係止点(係止具15)に対応する位置にある。また、第3の係止点16aの係止具16は、前垂れ部11の背面側であって三角に折り曲げた際に第1の係止点15a(係止具15)及び第2の係止点17a(貫通孔17)と対応する位置にある。
【0022】それにより、図2に拡大して示すように、第1の係止点の係止具15と第3の係止点の係止具16とを、第2の係止点の貫通孔17を通して互いに係合させることで、三角に折り曲げた部分18Tを、前垂れ部11の背面に係止することができる。
【0023】このようにポケット20を形成することにより、図3に示すように、乳幼児がこのエプロン10を首に掛けて食事をした場合に、こぼした食物をエプロン10のポケット20で受け止めることができる。その際、ポケット20の左右両端下部が三角に折れ曲がった状態で止められているので、ポケット20の中に液体がこぼれても、外に漏れるおそれがない。また、弾性復元性のある材料で前垂れ部11を形成していることによって折り目が湾曲形状になるため、2枚合わせにしてポケット20を形成した部分が外に膨らんで、こぼした物を受けやすい形状になる。従って、手でポケット20を無理に開かなくても、自然に入口が開いた状態になっており、こぼしたものを漏れなく捕集することができる。
【0024】また、このエプロン10は、使用した後で、三角に折り曲げた部分18Tの係止を外せば、自然に図1(a)に示すように、元の1枚のフラットなシートの形態になるので、掃除が楽にできて衛生的である上、保管スペースをとらず、収納が簡単にできる。
【0025】また、このエプロン10では、ポケット20を形成するための係止具15、16を、貫通孔17を通して互いに係合できるようにして、左右それぞれ1組に限って設けているので、係止具の数が少なくて済む上、ポケット20を形成する際の係止の面倒も少なくて済む。つまり、ポケット形成のための係止具の脱着の面倒が少なく、簡単にポケット20を作ったり、ポケット20無しの状態にすることができる。
【0026】また、このエプロン10は、樹脂の発泡シートで前垂れ部11を形成しているから、成形が容易で安価に製作できる上、軽くて扱いやすい。しかも、撥水性があるために汚れにくく、また、弾力性があるため、乳幼児が乱暴に扱っても破損したりせず長持ちする。
【0027】また、図1(a)のように展開した状態、つまり、ポケット無しエプロンとして使用してももちろんよい。
【0028】なお、係止具13、15、16としては、ボタンや面ファスナー等を使用することができる。また、ボタンを使用する場合には、発泡シートの千切れを防ぐため、補強材を介して取り付ければ、耐久性の点で問題ない。また、前述の実施の形態では、前垂れ部11の2枚合わせにした部分14Tの左右の両下端の角を、後ろから斜め上方に持ち上げることで三角形状に折り曲げているが、これとは逆に前から斜め上方に持ち上げることで、つまり、前側に折り返すことで三角形状となるように折り曲げてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、使い終わったら、ポケット部分の係止を外して、折り曲げ部分を全て展開すれば、元の1枚のシートに戻せるので、簡単に洗ったり清掃したりすることができ、常に衛生的に保っておくことができる。また、保管スペースもとらないため、収納が簡単にできる。また、1枚のシートを所定の形状に型どりして、必要な箇所に適宜、係止のための手段を設ければよいので、製作が簡単である。
【0030】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、左右それぞれに1組の係止具と貫通孔を設けるだけで、液漏れしないようにポケットの両側部を止めることができるので、係止具の数を最小限にして、係止の面倒を少なくすることができる。
【0031】請求項3の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、次の効果を奏する。即ち、前垂れ部を弾性復元性を有するシートで形成し、ポケットを形成するための係止を外せば、前垂れ部が自然にフラットな初期の1枚のシートの形態に戻るようにしているので、掃除が一層簡単にできるし、保管も容易にできる。しかも、弾性復元性のある材料で形成したことにより、折り目がはっきりと出ずに湾曲した形状となるため、ポケット部分が膨らんで、こぼした物を受けやすい形態になる。従って、敢えてポケットを開かなくても、自然に開いた形状になり、こぼした食物を漏れなく捕集することができる。
【0032】請求項4の発明によれば、請求項3の効果に加えて、樹脂の発泡シートで前垂れ部を形成したから、成形が容易で安価に製作できる上、軽くて扱いやすい。しかも、撥水性があるために汚れにくく、また、弾力性があるため、乳幼児が乱暴に扱っても破損しにくく長持ちするという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】594194778
【氏名又は名称】株式会社ミノウラ
【出願日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2002−88533(P2002−88533A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−276561(P2000−276561)