| 【発明の名称】 |
バイク用ジャケット |
| 【発明者】 |
【氏名】中島 勝樹
【氏名】大嶋 陽子
|
| 【要約】 |
【課題】防水性を維持したまま身体表面の通気を確保し、着用感が良好なバイク用ジャケットを提供する。
【解決手段】袖部と背部に通気口が設けられた表地12と、表地12の内側に形成され防水性の生地で作られた裏地30と、裏地30の袖部に腕の長手方向に設けられた空気入口部40と、裏地30の背部に例えば水平方向等に設けられた空気出口部44を備える。空気入口部40は、その一方の端縁部を形成する生地と、他方の端縁部を形成する生地が互いに重ねられ、腕の長手方向にほぼ筒状に形成されている。空気入り口部40の裏地30の身体側の生地端縁部34aは、その外側の生地端縁部38aよりも肩部寄りに位置する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 袖部と背部に通気口が設けられた表地と、上記表地の内側に形成され防水性の生地で作られた裏地と、上記裏地の袖部に設けられた空気入口部と、上記裏地の背部に形成された空気出口部が設けられ、身体の正面に空気流を受けることにより上記表地の袖部の通気口から空気流が入り、この空気流は、上記裏地の空気入口部から上記裏地と身体表面の間に入り、身体表面を通過して背中側に流れ、上記裏地の空気出口部から上記裏地の外側に出て、上記表地の背中部に設けられた通気口から外側へ流れることを特徴とするバイク用ジャケット。 【請求項2】 上記裏地の空気入口部は身体の上腕部に形成され、この空気入口部を形成する部分の裏地は互いに重ねられ、上記裏地の身体側の生地端縁部がその外側の生地端縁部よりも肩部寄りに位置して、上記裏地の重ねられた部分が腕の長手方向に対して平行に縫い合わされて設けられていることを特徴とする請求項1記載のバイク用ジャケット。 【請求項3】 上記通気口はファスナーで開閉自在に設けられ、ファスナーの袖口側の一側縁部には、一対の互いに係止されるスナップボタンが所定間隔離れて取りつけられ、このスナップボタンを互いに係合すると、上記通気口の他方の側縁部がふくらんで開口部を形成することを特徴とする請求項1記載のバイク用ジャケット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、モーターバイク等に乗るときに着用するバイク用ジャケットに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、モーターバイクに乗るときに着用するバイク用ジャケットは、防風機能と防水機能を有し、秋春用では若干の防寒機能を有するものもあった。このバイク用ジャケットの表地には、通気性を確保するため、背部に、水平方向に形成された切れ目である通気口が設けられている。通気口の上縁部には、下方に垂れ下がり通気口を覆う覆い布が後ろ身頃と一体に設けられ、雨の侵入を防いでいる。また、バイク用ジャケットの表地の内側には、防水性を有する生地で作られた裏地が設けられ、雨などが表地から進入しても体が濡れることを防いでいた。この裏地には、肩や肘に当接する部分に、プロテクタを入れるポケットが設けられているものもあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場合、バイク用ジャケットの表地には背部に通気口が設けられ袖口や襟元から入った空気流が通気口から抜けるため、表地の内側は通気が確保されていた。しかし、裏地は雨水等の進入を防止するために開口部や通気口が設けられておらず、しかも防水性の生地を使用しているため、裏地の内側、つまり身体の表面は通気していなかった。このため長時間着用していると身体表面が蒸れて温度と湿度が高くなり、不快で着用感が良くないものであった。 【0004】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、防水性を維持したまま身体表面の通気を確保し、着用感が良好なバイク用ジャケットを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、袖部と背部に通気口が設けられた表地と、上記表地の内側に形成され防水性の生地で作られた裏地と、上記裏地の袖部に腕の長手方向に設けられた空気入口部と、上記裏地の背部に例えば水平方向等に設けられた空気出口部が設けられたバイク用ジャケットである。このバイク用ジャケットは、身体の正面に空気流を受けることにより上記表地の袖部の通気口から空気流が入り、この空気流は上記空気入口部から上記裏地の身体表面側に入り、腕や腋の下の身体表面を通過して背中側に流れ、上記空気出口部から上記裏地の外側つまり表地側に出て、上記表地の背部に設けられた通気口から外側へ流れ出る。 【0006】また、上記空気入口部は、この空気入口部の一方の端縁部を形成する生地と、他方の端縁部を形成する生地が重ねられ、腕の長手方向にほぼ筒状に縫い合わされて形成されている。上記裏地の空気入口部は身体の上腕部に形成され、この空気入口部を形成する部分の裏地が互いに重ねられ、上記裏地の身体側の生地端縁部がその外側の生地端縁部よりも肩部寄りに位置して、上記裏地の重ねられた部分が腕の長手方向に縫い合わされている。ここで、上記互いに重ね合わせられた裏地は、身体側の裏地の方がその外側に重ねられた裏地よりも幅が狭く形成され、上記縫い合わせ状態で、重ね合わせた裏地どうしのうち身体に対して外側の裏地にたるみやひだが形成され、通気性をより良くしている。 【0007】また、このバイク用ジャケットの表地の、袖口近傍の袖に形成された通気口は手の甲の近傍側に設けられている。上記通気口は、腕の長手方向に交差し肘側へ向かうにつれて腕の付け根側へ近づく方向に傾斜して設けられている。上記通気口はファスナーで開閉自在に設けられ、ファスナーの袖口側の側縁部には、上記通気口の内側に位置する内側フラップが設けられている。この内側フラップには、この袖口側の側縁部に沿って平行に、一対の互いに係止されるスナップボタンが所定間隔離れて取りつけられている。このスナップボタンを互いに係合したときフラップが短くなり、上記通気口は他方の端縁部が余って外側にふくらみ、大きな開口部を形成する。 【0008】この発明のバイク用ジャケットは、バイクで走行し身体の正面に空気流を受けることにより表地の袖部に形成された通気口から空気流が表地と裏地の間に入る。そして、この空気流は裏地の袖部に設けられた空気入口部から上記裏地の内側、つまり身体表面側に入り、腕や腋の下の身体表面を通過して背中側に流れ、上記空気出口部から上記裏地の外側、即ち上記裏地と上記表地の間に出て、上記表地の背部に設けられた通気口から外側へ流れ出る。この空気の流れが身体表面の蒸れと高温化を防ぐ。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図5はこの実施形態のバイク用ジャケット10を示すものであり、バイク用ジャケット10は適度な防水性を有する表地12で作られ、図2に示すように長袖で、前中心には図示しないファスナーが設けられている。 【0010】そして袖14には袖口近傍の手と同じ側に、通気口16が設けられている。通気口16は、腕の長手方向に交差し肘側へ向かうにつれて腕の付け根側へ近づく方向に傾斜して設けられている。これはバイクの運転の際に、腕を側方へ少し開いた状態でハンドルを握ったときに、バイクの進行方向に対して通気口16が交差するように位置し、空気流をできるだけ多く取り入れるためである。 【0011】通気口16の開口縁部には、ファスナー17が取り付けられ開閉自在に設けられている。また図5に示すように、通気口16の、袖口18と反対側の側縁部16aには、雨の侵入を防ぐため通気口16を覆う覆い布20が取り付けられている。通気口16の袖口18側の側縁部16bには、通気口16の内側に位置する内側フラップ22が設けられている。内側フラップ22には、この袖口側の側縁部16bに沿って互いに係合する一対のスナップボタン24が所定間隔離れて設けられている。 【0012】また、バイク用ジャケット10の後ろ身頃には、図2に示すように、背部の中心よりやや下寄りに、通気口26が水平方向に両脇に達して設けられている。通気口26の上側の側縁部26aには、雨の侵入を防ぐため、通気口26を覆う覆い布28が後ろ身頃と一体に設けられている。 【0013】そして、表地12の内側には、図1に示すように裏地30が設けられている。図3は左腕の裏地30を示す図であり、紙面表側が裏地30の外側、つまり表地12に対向する面である。そして図3に示すように裏地30の袖部分は、4枚のパーツで作られ、腕の上側に位置する上腕部材32と、腕の下側で肘の外側つまり身体の後ろ寄りに位置する下腕後部材34と、腕の下側で肘の内側つまり身体の前寄りに位置する下腕前部材36と、下腕後部材34に連続し腋の下から後の肩部の間に位置する後肩部材38が設けられている。後肩部材38は、後肩部材38の下端縁部38aが下腕後部材34の上端縁部34aの外側に重なって、腕の長手方向と直角方向に上端縁部34aと下端縁部38aが位置するよう形成されている。後肩部材38の下端縁部38aと下腕後部材34の上端縁部34aは、その部分が縫い合わされず重ねられ、下腕後部材34の上端縁部34aが後肩部材38の下端縁部38aが上方に位置し、筒状の空気入口部40となる。空気入口部40の挿通方向は、腕の長手方向に対してほぼ平行に形成される。 【0014】この互いに重ね合わせられた裏地30の下腕後部材34と後肩部材38は、身体側に位置した下腕後部材34の上端縁部34a部分の方が、その外側に重ねられた後肩部材38の下端縁部38a部分の幅よりも狭く形成されている。これにより、縫い合わせ状態で、重ね合わせた部分のうち、身体に対して外側の後肩部材38の下端縁部38a部分にたるみやひだが形成され、通気性をより良くしている。 【0015】また、裏地30の後ろ身頃の、背部の中心よりやや下寄りに、空気出口部44が水平方向に両脇に達して設けられている。空気出口部44の上側の側縁部44aには、空気出口部44を覆うフラップ46が後ろ身頃と一体に設けられている。 【0016】この実施形態のバイク用ジャケット10の作用について説明する。まず、バイク用ジャケット10を着用してバイクを運転すると、表地12の通気口16から空気流が入る。このとき、図5に示すように、通気口16のファスナー17を開け、通気口16の一対のスナップボタン24を互いに係合させると、内側フラップ22が縮まり覆い布20が山形に外側に膨らんで大きく開口部を形成し、空気流が入りやすくする。表地12の通気口16から入った空気流は、裏地30の空気入口部40から裏地30の身体側に入る。空気入口部40から入った空気流は、身体表面を肩や腋の下を通って背中側へ流れ、そして背中の中央付近に達した空気流は、裏地30の空気出口部44から裏地30の外側、つまり裏地30と表地12の間に流れ、さらに表地12の通気口26から外側に流れる。 【0017】この実施形態のバイク用ジャケット10によれば、裏地30が防水性の生地で作られているため高い防水性機能を有し、一方身体表面に通気を確保し長時間着用しても被覆内の温度が上昇せず、蒸れを抑えて着心地がよく快適である。裏地30に設けられた空気入口部40は、後肩部材38と下腕後部材34が重ねられて筒状に取り付けられているため、表地12の通気口16から風と共に雨が浸入しても、裏地30の空気入口部40から身体側雨水に浸入せず、身体がぬれることがない。また、表地12の通気口16にはファスナー17と、スナップボタン24が設けられた内側フラップ22が設けられ、ファスナー17の開閉とスナップボタン24の係合と解除により、通気口16の空気取り入れ量を調節することができる。 【0018】なお、この発明のバイク用ジャケットは、上記実施の形態に限定されるものではなく、裏地30の腕部の形状や通気口、空気入口部及び出口部等は自由に設定可能である。 【0019】 【実施例】次に、この発明の一実施例のバイク用ジャケット10を着用し、経過時間と衣服内温度の変化を調べる実験を行った結果について説明する。実験方法は、まず被験者は身体表面に脇部と背部に温度センサを取り付けられ、センサの上から身体表面にTシャツを着用し、Tシャツの上にバイク用ジャケット10を着用し、BODY(身体)−Tシャツ間衣服内温度の測定を行った。そして被験者は実験室内で固定されたバイクに乗り、実験室内に、被験者の正面から気温32℃、風速21.6km/時(6m/秒)で空気流を当て続けた。実験開始後、経過時間毎に温度を測定し、その結果の脇部の温度を図6に、背部の温度を図7に示した。なお、実験開始時には表地12の通気口16は閉じられ、実験開始後10分が経過したときに通気口16を開け、温度変化を調べた。また比較のために、同様の実験を、表地12の通気口16が設けられておらず、また裏地30にも空気入口部40が設けられていない従来品のバイク用ジャケットを着用して行った。 【0020】この結果、図6に示す脇部の温度は、従来品では経過時間に関わらず33.7から33.9℃で一定であった。一方、この発明品は実験開始後10分以内では33.5から33.9℃であったが、実験開始後10分経過し表地12の通気口16を開けたところ、温度が徐々に下がり、経過時間25分では32.9℃まで下がった。 【0021】また、図7に示す背部の温度は、従来品では実験開始時に33.2℃であったものが経過時間と共に徐々に上昇し経過時間15分には35℃に達し、それ以後ほぼ一定であった。一方、発明品は実験開始後10分が経過し34.2℃まで上昇したが、実験開始後10分経過し表地12の通気口16を開けたところ、温度が徐々に下がり、経過時間25分では33.4℃まで下がった。従来品との温度差は、背部のほうが脇部よりも顕著であった。 【0022】図6,図7から、この発明品は衣服内温度の上昇を抑え、快適に着用されることがわかった。なお、この実験では風速21.6km/時であるが、実際にはバイクは時速50km以上で走行しているため、より速い風速の空気流を受けているため被服内温度を下げる効果はより高いと思われる。 【0023】 【発明の効果】この発明のバイク用ジャケットは、裏地に防水性の生地を使用し高い防水機能を確保し、なおかつ裏地の内側の体表面の通気を確保し、長時間着用しても温度が上昇せず、蒸れを抑えて快適に着用することができる。特に、空気入口部の生地を重ね合わせることにより、雨水等の進入を確実に棒することが出来る。また、通気口にスナップボタンを設け、開口を形成することにより、より効果的に空気の取り入れが可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500004427 【氏名又は名称】株式会社ジー・アール・ディ
|
| 【出願日】 |
平成12年9月11日(2000.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095430 【弁理士】 【氏名又は名称】廣澤 勲
|
| 【公開番号】 |
特開2002−88532(P2002−88532A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月27日(2002.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−275425(P2000−275425) |
|