| 【発明の名称】 |
下衣の構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉谷 光
【氏名】中山 副武
【氏名】松崎 吉則
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| 【要約】 |
【課題】下衣の前身頃のタック形成箇所に合致させて折重ね解除型サイズ調整シ−ムを内蔵設定した下衣の構造を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下衣のウエスト部であって、該ウエスト部の下部にタック及び/又はポケット等の布地重合部を有する下衣の構造において、少なくとも前記タックが形成される領域位置に合致させてウエストサイズ調整のための折重ね解除型サイズ調整シ−ムを内蔵設定してなることを特徴とする下衣の構造。 【請求項2】 前記布地重合部において互いに当接する布地重合部での布体の固定及び嵩張抑制のため所望の位置に本縫い若しくは一点止め縫いのいずれかより選ばれたタック固定シ−ムを設けてなる請求項1記載の下衣の構造。 【請求項3】 前記サイズ調整シ−ムを1個のみならず複数個を内蔵設定してなる請求項1〜2記載の下衣の構造。 【請求項4】 前記サイズ調整シ−ムを1個のタック内で2段階タック若しくはそれ以上の多段階タックとしてなる請求項1〜3記載の下衣の構造。 【請求項5】 前記ウエスト部での該サイズ調整シ−ムに対峙する帯部表側布地の近傍位置に合致させてベルト通しル−プを縫着してなる請求項1〜4記載の下衣の構造。 【請求項6】 前記サイズ調整シ−ムならびにタック固定シ−ムに下衣本体の縫製で使用の糸と識別可能に異なる着色縫合糸を使用してなる請求項1〜5記載の下衣の構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は下衣の構造に関し、詳しくはスラックス、スカ−ト、パンツ、ジ−ンズ等のウエストサイズ調整機能を内蔵設定した下衣の構造に関し、前身頃に設けたサイズ調整シ−ムの解除により体型変化に適応したサイズ拡張機能が発揮され、従来法での股ぐり窮屈感の解消、着用違和感なく、外観上も仕上がり見栄えを損なわない下衣の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】洋服の下衣としては、一般に着用される紳士用ズボンやスラックス、或いは婦人用スカ−ト等に代表されるが、例えばズボンは長さや幅などに多少の違いはあっても基本的に大差はなく、一般的なのは背広服やジケットのズボンで、前が開き前立てがついており、ファスナ−又はボタンで開閉し、脇ポケット、腰ポケットがついており、胴にはウエスト・バンドをつけ、その為のバンド挿入環或いはベルト通しル−プを設けた構成である。また、ズボンやスラックスは活動着としてだけでなく、室内着、外着としても採りいれられるようになった変遷がある。 【0003】例えば、特許庁公報,周知・慣用技術集(紳士服・その二),昭和59年(1984)3.15発行,第27頁にも、一般的にヤング層が好んで着用するカジュアルスラックス(バギ−スラックス)では、前身頃に1〜2箇所のタックをとってあり、第1タックの量は、第2タックよりも少ない量を取ってあり、このタックをとることによりスラックスの尻周りにゆとりができ、またデザイン上も有効であると記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえばズボンやスラックス、スカ−ト、パンツ、ジ−ンズ等に代表される下衣で次のような問題点があった。 【0005】(1)着用者がその購入時には試着したり、それを購入して或る期間にわたって何ら妨げなく継続して着用できたにも拘わらず、運動不足や栄養過多等、更に加齢に伴う中年太りのいずれかに起因し、特に夏物や冬物の切替え、衣替え時に腰回りサイズが広がった程度の認識がないではない場合でも、従来着用慣れのスラックス等が着用し難いといった事態が生ずる。また冠婚葬祭に際して収納中の礼服等を取り出した際、着用困難といった衝撃的な事態の発生も少なくない。このような場合、腰回りサイズが合わないことを知った時、それを早い機会にリフォ−ム業者に持ち込めば所望の胴周りサイズのズボンに調整できる。しかし専門業者が近所にないか、或いは持ち込む時間的余裕がないような場合には、止むなく各家庭でズボンの尻側股上部の縫合箇所を解き縫い繕い仕事を余儀なくされるが、その際布地の切り込み損傷も少なくないし、その仕上げや見栄えも十分とはいえない欠点があった。 【0006】(2)従来、下衣の腰回りサイズの調整は家庭での緊急繕いはもとより例えリフォ−ム業者に持ち込む場合のいずれも下衣後身頃のウエスト尻縫い線の箇所で拡張の為縫い代を一旦解き余裕部分を利用する後身頃での処理が一般的であった。しかしながら、衣服寸法と身体計測の観点からみるとき、従来法で一般的な下衣後身頃のウエスト尻縫い線での処理の場合、たとえ下衣の衣服寸法ではウエストサイズ自体の寸法拡張がみられても、とりもなおさず身体計測上も体型変化に追随しているといえず、後身頃の尻縫い線箇所でのリフォ−ムには限界があった。衣服は人体を被覆するものであり、スラックス等の下衣の形態を追求するとき、体型の変化、つまり腰回りの膨隆、特に腹部の突出に起因した体型変化に適応した三次元的なウエストサイズ調整が図られておらず、この為上記従来法でのリフォ−ムでは、腰回りサイズ拡張によりたとえ着用できたとしても、はき込み着用時にヒップを前後に返って圧迫する結果をもたらし股ぐり窮屈感に伴う違和感があった。しかし着用者は我慢を強いられ、多少着用上の不具合を感じながらも当分の期間着用した後に廃棄処分に持ち込み、新たに変化した体型に合致した下衣を慎重に試し着までして購入するのが一般的であった。 【0007】従来、胴回りの調節を目的として、例えば帯紐やベルトまたはバンド、或いは引き締め係合締結具等を取り付けた構造で、それらの係合調節箇所を適宜設けた帯紐やベルト、或いは噛み合わせ型の長さ調節可能な付属具を設けたベルト、引き締め具等を備えた構成が多数提案されている。 【0008】例えば実開昭53−95213号公報には、適宜の長さを有する部分の伸縮希望箇処に於て伸縮希望長の両端部に係合係止部を設けた衣服、また実開昭59ー24709号公報には、衣服の胴回りに帯紐を外側へ突設し、その帯紐の通し孔を設け、帯紐の先端部と胴回りの内側に互いに結合し得るファスナーテープを取り付けた衣服の胴回り調節装置、実開昭59ー181813号公報には、ズボンの帯部に前身頃の襞部と共に、Z形に折り曲がり得る弛み部を設け、別帯部材の前帯を弛み部の外側片に縫着し、前帯の延長片を締結具による引き締め用として後方へ突出させた胴回り調節装置付きズボンが開示されている。 【0009】また、ウエストサイズ伸縮構造として、特開平7−324205号公報、特開平8−3803号公報、特開平8−3804号公報、特開平8−113805号公報、特開平11−181604号公報或いは実用新案登録第3019416号公報、同第3027933号公報、同第3039036号公報、同第3069120号公報には、ズボン等の着用者のウエストの寸法に応じてウエスト部を伸縮させることができると共に、デザイン的にも良好な下衣のウエスト伸縮構造が開示されている。 【0010】上記の提案では、たとえば下衣の腰回りサイズが可変となるように腰回り帯部での伸縮希望長の両端部にホック、ファスナ−等の係合係止部を設けるか、或いは弾性材等を備え、該弾性材の伸縮機能の利用、引き締め係合具による調節、さらに最大伸びの抑制手段を備え、且つ種々連結された弾性材または引き締め係合用締結具を上側布地などで被覆した構成である。従って、上記の提案では弾性材或いは引き締め調節具及びその抑制手段を組み合わせた構成であって、たとえば該弾性材の場合、その属性からも長期間での反復着用に伴う伸縮性の実質的低下も免れず、伸縮機能を発揮する程度の差はあっても、過剰締め付けによってはウエストに締め付け感を与えることは否めない。また、引き締め調節用係合具の場合、機構上も腰回り箇所での嵩高或いは着用違和感を避け難く、特に引き締め調節具などの場合、着用違和感或いは発汗の増長につながる欠点がある。さらに通常帯ベルトを使用する場合、下衣の帯部での緩やかな締め付けに加え、さらなる二次締め付け調節の如き着用者個人の所望する締め付け感を求めるが、少なくとも弾性材による調整は意に反して既に過剰の伸縮締め付け状態をもたらす虞れもあり帯ベルト着用による腰回り調整、或いは微調節の機能を損なう難点がある。 【0011】この為、出願人においても、上記提案のみられるような係合部材或いは弾性材による伸縮機能の利用に代え、さきにたとえば特願平10−142365号、特願平10−142366号ならびに特願平10−296051号において、開放許容タック又はダ−ツを仮縫合し内蔵構造として必要時に簡易、確実に腰回り拡張調節機能が発揮される構成について提案している。 【0012】本願は、腰回り拡張機能と併せ、体型変化に適応したサイズ調整を課題とし、この課題達成のために後身頃尻縫い線箇所での取扱を前身頃側に転換し、衣服寸法の偏移性ならびに挙動に着目し、構成上も簡易で、着用時の違和感を払拭し、外部視認上及びデザイン的にも良好なスラックス等の被服下衣を提供するものである。すなわち本発明に係る構成では体型変化に適応した衣服寸法の三次元の偏移性に着目し、後身頃の尻縫い線での取扱いを前身頃に転換し、簡易な構成ながら経済的有利、かつ外観上も見栄えよく、従来リフォ−ム縫製での難点であるヒップでの前後圧迫感、股ぐりの窮屈さを解消することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問題点を解決する為になされたものであり、本発明はスラックスやズボン、スカ−ト、パンツ、ジ−パン等に代表される下衣のウエスト部であって、該ウエスト部の下部にタック及び/又はポケット等の布地重合部を有する下衣の構造において、少なくとも前記タックが形成される領域位置に合致させてウエストサイズ調整の為の折重ね解除型サイズ調整シ−ムを内蔵設定してなることを特徴とするスラックス、さらに布地重合部において互いに当接する布地重合部での布体の固定及び嵩張抑制のため所望の位置に本縫い若しくは一点止め縫いのいずれかより選ばれたタック固定シ−ムを設けてなる下衣の構造を提供することを目的とする。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明において、下衣の構造は下記のとおりである。 (1)請求項1に係る下衣の構造は、下衣のウエスト部であって、該ウエスト部の下部にタック及び/又はポケットなどの布地重合部を有する下衣の構造において、少なくとも前記タックが形成される領域位置に合致させてウエストサイズ調整のための折重ね解除型サイズ調整シ−ムを内蔵設定してなる構成である。 (2)請求項2に係る下衣の構造は、前記布地重合部において互いに当接する布地重合部での布体の固定及び嵩張抑制のため所望の位置に本縫い若しくは一点止め縫いのいずれかより選ばれたタック固定シ−ムを設けてなる構成とする。 (3)請求項3に係る下衣の構造は、前記サイズ調整シ−ムを1個のみならず複数個を並列的に同様に内蔵設定し、サイズ拡張調整の拡大ならびに多段階のサイズ調整が可能である。 (4)請求項4に係る下衣の構造は、前記サイズ調整シ−ムを1個のタック内で2段階タック若しくはそれ以上の多段階タックとし、1個のタックだけでも多段階の調整が可能な構成である。 (5)請求項5に係る下衣の構造は、前記ウエスト部でのタック固定シ−ムに対峙する帯地表側布地の近傍位置に合致させてベルト通しル−プを縫着し、ウエストサイズ調整の為の折重ね解除型サイズ調整シ−ム並びにタック固定シ−ムを内蔵設定した箇所で該ル−プによる縦方向の略直線的な隠蔽効果及びスッキリした外観を備え、かつデザイン的にも違和感のない構成とすることができる。 (6)請求項6に係るスラックスの構造は、前記サイズ調整シ−ムならびにタック固定シ−ムに該下衣本体の縫製で使用の縫合糸と識別可能に異なる色糸を使用し、折重ね解除型サイズ調整シ−ムならびにタック固定シ−ムの開放を容易且つ解除時での布地重合部の傷付け損傷を防止し、安全確実に該シ−ムを解除することができる構成とする。 【0015】衣服は人体を被覆するものであるから、被服の形態を追求するには被服設計上も人体構造での方位や運動に関し衣服寸法と身体計測をいかに設定するかである。この為下衣での腰回りサイズ拡張調整について、該下衣のウエストサイズ拡張部分と着衣形態との関係、特に従来法との関係につき具体的に分析すると下記のとおりである。 【0016】図6〜図8は従来法、すなわち後身頃の尻縫い線箇所をリフォ−ムした場合のはき込み状態での股ぐり線の挙動域ならびに被服設計上の起始・停止と作用を示す断面説明図である。図5は後身頃型紙の断面説明図である。 【0017】上記従来法での後身頃の尻縫い線箇所でのリフォ−ムを行った際、特に、はき込み状態での股ぐり線の挙動域は運動性を阻害する現象として着用感を著しく損ない限りなく引き攣れ箇所として圧迫感を与えるという結果になる。 【0018】そこで、従来法のウエスト背側部分でのサイズ調整による場合のはき込み状態での股ぐり線の挙動域と下衣原型での被服設計上の起始・停止と作用について検討する。 (1)従来法での体型変化に対応した下衣の腰回りサイズ調整は、ウエストからヒップにかけて背中側、つまり後ろ中心の「股ぐり縫い線」を開放する方法がとられている。 (2)これは、型紙上でいうと、図5の後身頃型紙で示すように、「小股A」から「股ぐり後ろ上端C」に至る本来の股ぐり縫い線「A−B−C」を開放し、新たに「A−B−C’」を形成することを意味する。これにより、後ろ股ぐり線Gの長さは、本来の長さより約0.3〜1.0cm短くなる。 (3)これを側面形状変化でみると、実際着用時には、図6のはき込み断面説明図および図7の人体側面説明図で示す、「A−B−C’」のように後股ぐり線Gが短くなっても、「小股A」および「股ぐり後ろ上端C」の位置は着用上変化しないため、逆に「修正起点B」が「B’」に移動することになる。 (4)また、「脇縫い線上部A−D」および「前股ぐり線A−E’」の長さは変化せずに、ウエスト部の円周長が長くなるので、「ウエスト前後直径C−E」も長くなる。さらに体型変化は通常腹部において前方に拡大する方向に発生するため、「C−D−E」から「C−D’−E’」に変化することになる。 (5)これらの形状変化は、脇縫い線の無理な傾斜を招き、着用感を著しく損なうものである。 (6)さらに、この変化を水平方向の変化でみると、図8のウエスト断面説明図に示すように「股ぐり後ろ上端C」の部分で開放することになるので、「C点」は「C”−C’−C”」に拡がる。それに伴い「脇縫い線上端D」は「D’」に移動する。 (7)これも脇縫い線の不自然な移動ということになり、着用感を著しく損なうものである。 【0019】本発明に係る下衣の構成では、前記の発明の実施の形態によって、上記従来法での欠点を解消することができる。本発明に係るサイズ調整タックは、従来法での後身頃の尻縫い線での縫製に比し、前身頃側に設定内蔵した構成である。また該サイズ調整タックはたとえば左右一対のごとく左右均衡の形態が適当である。従って、従来法とは被服下衣において後身頃と前身頃のごとく前後を異にする処理であって顕著に相違する。 【0020】本発明における構成につき、上記従来法でのはき込み状態での股ぐり線の挙動域ならびに被服設計上の起始・停止と作用を示す断面説明図として、図9は本発明に係る下衣のはき込み状態を示す断面説明図、図10は人体の側面説明図、図11はウエスト断面説明図を挙げ、以下説明する。 (1)本発明に係る下衣の構成において、側面形状変化でみると、実際着用時には図9並びに図10に示すように、「小股A」・「股ぐり後ろ上端C」及び「後ろ股ぐり線G」は変化せず、「股ぐり前上端E」の部分が「E”」に移動する。 (2)これは、通常の体型変化でありふれた腹部における前方拡大に適応するものである。 (3)さらに、この変化を水平方向の変化でみると、図11に示すように、「タックF」の部分で開放することになるので「F’−F”」になるだけで、「脇縫い線上端D」は動かず、脇縫い線も変化しない。 (4)ここでも、着用感を損なうことなく、通常の体型変化でありふれた腹部における前方拡大に適応することが確認できる。 すなわち、従来法での後身頃の尻縫い線での縫製による形状変化は、脇縫い線の無理な傾斜を招き、加えて脇縫い線の不自然な移動ということにもつながり、限りなく引き攣れ箇所として圧迫感を与えるという結果となる。従って、はき込み状態での股ぐり線の挙動域は運動性を阻害する現象として着用感を著しく損なうといった欠点があったが、本発明に係る構成では、通常ありふれた腹部の前方膨隆突出といった体型変化に順応追随し適応するものである。また従来法での脇縫い線の不自然な移動による引き攣れ圧迫感を与える現象もなく、着用感を損なう要因を解消するように働く。 【0021】次に、本発明に係る構成において、前記サイズ調整シ−ムならびにタック固定シ−ムの形成にかんがみても、この種の解除調整のための手段ないし構成は、ウエスト部が中心となりその箇所こそ取扱の集約箇所となる。この為、サイズ調整部分を設ける場合の最も難点は、帯表生地や腰裏及び腰裏芯、ベルト芯が折り重ねられる積層形態での布地重合部の異常な嵩張りであり、着用者にゴロゴロ感を腰ベルト部分に感ぜしめ膨隆感、違和感を与え、外観見栄えを損なう難点がある。従って、本願での構成では、少なくとも上記のごとき組み合わせのいずれかにより布地重合部の異常な嵩張り或いは着用者にゴロゴロ感を腰ベルトに膨隆感、違和感を与えるのを防止し得るように働く。また帯芯部材についても近年比較的薄く強靱なベルト芯が開発されており、これらを採択し違和感の解消のため可及的薄層のベルト芯を採択した構成とすることが適当である。 【0022】本発明において、折重ね解除型サイズ調整シ−ムによるウエストサイズ調整の為のタック横幅としては、1箇所につき1〜5cmの範囲が適当であり、通常は左右一対の解除が望ましい。従って、タック横幅の総和としては2〜10cmのウエストサイズ調整の為の拡張が簡易確実かつ即時に達成できる。 【0023】本発明に係る下衣の構造で、前記サイズ調整シ−ムを1個のみなら第2或いは第3の既設タックに同様のサイズ調整タックの複数個を並列的に内蔵設定し、さらに大きなサイズ調整の為の拡大ができる上に、多段階のサイズ拡張調整の拡大ならびに多段階のサイズ調整が可能である。 【0024】また、1タック内で2段階タック、或いは2段階以上のインナ−形態のタックを設けた構成では、1タックだけでも多段階調整が可能であり、さらに1段解除状態ならタック形状が維持されるので外観上は全く変えることなく、サイズ調整が可能である。 【0025】本発明の構成において、布地重合部での布地の積層箇所の厚さを抑制する為の手段として、種々の構成を組み合わせ対応することができ、たとえばウエスト部での布地重合部に可及的薄い帯芯部材、例えば好ましくは1mm以下を使用した構成とする。また、布地重合部での積層箇所で、たとえばベルト芯の上段と下段を交差した切り抜き形態でベルト芯の上下段の重なりを実質的に半減させた構成、或いはベルト芯の垂直長さのうち、上方位置を略3分の1程度残存させ、下方の3分の2程度を切除し、布地重合部の厚さ減少を図った構成とすることができる。 【0026】本発明に係る下衣の構造では、予め仮縫合した折重ね解除型サイズ調整シ−ム並びにタック固定シ−ムを製品完成時に内蔵格納しており、着用時にゴロゴロ感を与えることなく、また、ウエスト部での該サイズ調整シ−ムに対峙する帯部表側布地の近傍位置に合致させてベルト通しル−プを縫着し隠蔽効果と併せ、かつデザイン的にも違和感のない構成とすることができる。さらに、ウエストサイズ調整の必要に際しては、前記サイズ調整シ−ム並びにタック固定シ−ムに下衣本体の縫製で使用の糸と識別可能に異なる色糸を使用し、該色糸を鋏またはカッタ−ナイフ等で切断し除去により折重ね解除型サイズ調整シ−ム並びにタック固定シ−ムの開放が容易、かつ解除時での布地重合部の傷付け或いは損傷を防止して安全に該シ−ムを解除し、リフォ−ム専門業者等に持ち込むことなく簡便、確実にウエストサイズの拡張調整を図ることができる。 【0027】 【実施例】以下本発明の一実施例につき図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態を示し、片寄せ折重ね解除型調整シ−ムを形成した下衣の要部説明斜視図、図2は本発明に係る調整シ−ムを形成した下衣の部分拡大説明斜視図、図3は裏面側からみた要部拡大説明斜視図、図4は別実施例を示す裏面側からみた要部拡大説明斜視図である。 【0028】図1の折重ね解除型サイズ調整シ−ム3を内蔵設定した下衣本体1ではウエスト部4の下部にタック及び/又はポケット等の布地重合部6を有し、かつタック8が形成される領域位置に合致させてウエストサイズ調整の為の片寄せ折重ね解除型サイズ調整シ−ム3が内蔵縫着された一実施形態を示している。12は前タック襞、13は前タック折り目線であり、該サイズ調整シ−ム3が設定されたタック8の部位では帯部タック折り目線9より前タック折り目線13が略垂直線上に延設し、かつウエスト部4の下部域を始点に、傾斜状の前タック襞12が形成され、さらに該サイズ調整シ−ム3を設定した帯地表側布地7には、帯部タック折り目線9と略平行状に隠蔽効果も備えベルト通しル−プ10を縫着し、外観上もスッキリ感を与える構成である。また、ウエスト部4での布地重合部6では嵩張りを抑制する為、好ましくは薄手の芯地素材の採択と併せ、布地嵩張りを抑制固定するためタック固定シ−ム5を設け、これらの組み合わせにより着用者にゴロゴロ感を排し着用違和感を生じない構成である。11は釦孔、15は脇縫い目線、16は前立ステッチ、18はファスナ−、20はポケット口、22は脇当布である。 【0029】図2は本発明に係る調整シ−ムを形成した下衣の部分拡大説明斜視図である。下衣本体1の前身頃2でのタック8が形成されるウエスト部4の領域位置に合致させ、ウエスト部4の長手方向の所望の位置であって、かつタック8での前タック折り目線13の上部より帯地タック折り目線9に略垂直線上に延設し、かつウエスト部4の下部域を始点に傾斜状の前タック襞12が形成され、さらに該サイズ調整シ−ム3を設定した帯地表側布地7には帯部タック折り目線9と略平行状に隠蔽効果も備えベルト通しル−プ10を縫着し、外観上もスッキリ感を与える構成である。従って、前身頃2でのタック8が形成される領域位置に合致させて折重ね解除型サイズ調整シ−ム3が設定され、ウエスト部6での帯部表側布地7での帯部タック折り目線9と略垂直線上に延設し、前タック折り目線13と直線状に繋がり、また、ル−プ10も互いに垂直方向に略平行して上方に延設し、帯部タック折り目線9の箇所で該サイズ調整シ−ム3とは略直線的に延設した構成である為、外観視認上もスッキリ感を与え、著しくデザイン価値を高めるように働く。このように、前記ウエスト部4での該サイズ調整シ−ム3に対峙し、ベルト通しル−プ10を近傍位置に合致させて縫着された構成とする。これによって、前記サイズ調整シ−ム3を設定した箇所での隠蔽効果と併せ、デザイン的にも互いに略垂直線状の並列組み合わせ形態を視認させ、外観視認上もスッキリした構成とすることができる。11は釦孔、16は前立ステッチである。 【0030】図3は本発明に係る調整シ−ムを形成した下衣の裏面側からみた要部拡大説明斜視図である。ウエスト部4でのポケット袋部14と帯芯地等との布地重合部6には折重ね解除型サイズ調整シ−ム3およびタック固定シ−ム5が内蔵設定されており、15は脇縫い目線、16は前立ステッチ、17は裏タック折り目線、18はファスナ−、19は裏タック襞である。 【0031】図3のウエスト部4でのタック8が形成される領域位置に折重ね解除型サイズ調整シ−ム3が設定されており、5は布地重合部6の嵩高さの抑制ならびに保形固定のためのタック固定シ−ムである。前身頃2の裏面側からみても裏タック折り目線17は上方に帯部タック縫い目線9と略直線状に延設した形態となっており、19は裏タック襞である。布地重合部6では、該サイズ調整シ−ム3およびタック固定シ−ム5を所望の位置で縫合糸21を用い、本縫い若しくは一点止め縫いのいずれかより仮縫着をを設けた構成てある。これによって互いに当接重合する該布地重合部6での布体保形固定および嵩高さを抑制するように働く。 【0032】上述のとおり前記ウエスト部4での布地重合部6では、可及的薄い帯芯部材を使用することが適当であり、さらに他の構成若しくは手段との組み合わせによって当接する布地の重なりによる嵩高に伴う違和感或いはゴロゴロ感を解消する為の構成とする。 【0033】図4は別実施例を示す裏面側からみた要部拡大説明斜視図であり、図3でのポケット袋部14がウエスト部4と直角方向に垂下状態に形成されており、ウエスト部4ではポケット袋部14と布地重合部6が形成された構成であるのに対し、図4では少なくともウエスト部4でのサイズ調整シ−ム3またはタック固定シ−ム5と、該ポケット袋部14との重合を避け布地重合部6での嵩高さを少許抑制するための構成である。図4では上記図3と同様に、ウエスト部4でのポケット袋部14と帯芯地等との布地重合部6には折重ね解除型サイズ調整シ−ム3およびタック固定シ−ム5が内蔵設定されており、ウエスト部4でのタック8が形成される領域位置に折重ね解除型サイズ調整シ−ム3が設定されている。5は布地重合部6の嵩高さの抑制ならびに保形固定のためのタック固定シ−ムである。前身頃2の裏面側からみても裏タック折り目線17は、上方に帯部タック縫い目線9と略直線状に延設した形態となっており、15は脇縫い目線、16は前立ステッチ、18はファスナ−である。 【0034】このように、図4では布地重合部6での嵩張り或いはゴロゴロ感を抑制し着用時の違和感を防止する為、ウエスト部4でのタック及び/又はポケット等の布地重合部6において、ポケット袋部14を上辺部に沿って先細り隘形状とし、サイズ調整シ−ム3およびタック固定シ−ム5との重なり箇所の厚さを少許抑制した構成とする。本発明においては、上記のような構成の組み合わせによってウエスト部4での布地重合部6での嵩張り或いはゴロゴロ感を解消ないし抑制するように働く。 【0035】本発明においては前記サイズ調整シ−ム3ならびにタック固定シ−ム5を内蔵設定した構成であって、ウエストサイズ調整の必要の生じた場合、鋏またはカッタ−ナイフ等で縫合糸21を切断して折重ね解除型サイズ調整シ−ム3を開放し、腰回りサイズを簡易かつ確実に拡げることができる。この場合、前記サイズ調整シ−ム3ならびにタック固定シ−ム5では、ミシン縫合糸或いは下衣本体1の縫製で使用の糸と識別可能に異なる着色縫合糸を使用した構成とすることができる。また、必要により前記サイズ調整シ−ム3とタック固定シ−ム5とをさらに異なる着色縫合糸とした構成とすることができる。 【0036】なお本発明の構成では、前記折重ね解除型サイズ調整シ−ム3ならびにタック固定シ−ム5では縫合糸を使用して縫合或いは固定しているが、これに限らず例えば金具又はプラスチック部材具、或いはファスナ−等の種々の係合手段により代替することができる。 【0037】なお、上記の実施例では、下衣本体1でウエスト部4でのタック及び/又はポケット袋等の布地重合部6で、かつタックの近傍位置に合致させて折重ね解除型サイズ調整シ−ム3ならびにタック固定シ−ム5を内蔵設定した構成であるが、たとえばポケット袋部14を外したウエスト部4の領域にこれらを形成した構成とすることもできる。 【0038】以上本発明の一実施例を説明したが、本発明は上述の構成に限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない限りの設計変更等は本発明の範囲に含まれる。 【0039】 【発明の効果】本発明に係る下衣はウエストサイズ調整の為の折重ね解除型のサイズ調整シ−ムを内蔵設定した構成であり、腰回りの拡張調整の必要時にリフォ−ム業者に持ち込まずとも或いは緊急時に各家庭で簡易、確実にシ−ム縫合糸を切断し解除することにより即時に対応でき、解除時での生地切込み損傷の虞れもなく腰回りサイズの調節機能を発揮する。また、体型変化に適応し着用時も股ぐり締め付け感や違和感を与えることなく、外観上も仕上がり見栄えを損なわず、縫製上も構造簡易の為、コスト低減を図り得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390030409 【氏名又は名称】株式会社サンリット産業
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| 【出願日】 |
平成12年8月23日(2000.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067219 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 英一
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| 【公開番号】 |
特開2002−69711(P2002−69711A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月8日(2002.3.8) |
| 【出願番号】 |
特願2000−251832(P2000−251832) |
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