| 【発明の名称】 |
袋状物とその製造法及びその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 辰男
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| 【要約】 |
【課題】合成樹脂製の不織布を使用して袋状物を製造するに際し、超音波による熔着手段を採用し、糊しろ(接合層)を幅広く設けることによって、品質のよい袋状物と、この袋状物を効率的に製造する製造法及びその装置を提供する。
【解決手段】不織布S1 ,S2 を送り出す一対の原反ロール2a及び2とb、送り出された不織布S1 ,S2 を接合して積層不織布Sを形成するラップロール5a,5bと、積層不織布Sに所望の形状の熔着部を形成するためのエンボスロール7と、このエンボスロール7に近接して配置され、積層不織布Sを超音波熔着するための超音波発振器6とで袋状物の製造装置1を構成し、2枚の原反S1,S2 を接合した積層不織布Sを、所要の模様を形成したエンボスロール7に引出し、このエンボスロール7上において超音波振動を与えることによって、形成された模様に沿って幅広の熔着部を形成して袋状物とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製の不織布からなるものであって、超音波溶接による幅広の熔着部を有することを特徴とする袋状物。 【請求項2】 2枚の不織布を接合した積層不織布を、所要の模様を形成したエンボスロールに引出し、このエンボスロール上において超音波振動を与えることによって、形成された模様に沿って幅広の熔着部を形成して袋状物とすることを特徴とする袋状物の製造法。 【請求項3】 2台の原反ロールから繰り出された長尺の原反の少なくとも一方の張力を調整したのち積層して積層不織布を形成し、得た積層不織布を、所要の模様を形成したエンボスロールに引出し、このエンボスロール上において超音波振動を与えることによって、形成された模様に沿って幅広の熔着部を形成して袋状物とする袋状物の製造法。 【請求項4】 不織布からなる1枚の原反を、適宜手段によって二分して2枚の不織布を形成し、一方の不織布を反転させて他の不織布に積層して積層不織布を形成したのち、所要の模様を形成したエンボスロールに引出し、このエンボスロール上において超音波振動を与えることによって、形成された模様に沿って幅広の熔着部を形成して袋状物とする袋状物の製造法。 【請求項5】 不織布からなる原反を送り出す一対の原反ロールと、各原反ロールから送り出された不織布を接合して積層不織布を形成するためのラップロールと、積層不織布に所望の形状の熔着部を形成するためのエンボスロールと、このエンボスロールに近接して配置され、積層不織布を超音波熔着するための超音波発振器とからなることを特徴とする袋状物の製造装置。 【請求項6】 前記積層不織布を形成するに際し、各原反ロールから引き出された不織布のいずれか一方の張力を調整するための張力調整機構を有することを特徴とする請求項5に記載の袋状物の製造装置。 【請求項7】 原反ロールから送り出される原反を二つ折りしたのち、2分割する分割機構と、分割された2枚の原反を接合して積層不織布を形成するためのラップロールと、積層不織布に所望の形状の熔着部を形成するためのエンボスロールと、このエンボスロールに近接して配置され、積層不織布を超音波熔着するための超音波発振器とからなることを特徴とする袋状物の製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、各種の手袋、足袋、手足のサポータ、ヘアカバーなどの織布製の袋状物と、その製造法及びその装置に関するもので、より詳しくは、調理食品工場や医療機関などにおいて使用される使い捨て可能な袋状物と、その製造法及びその装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、病原菌感染の防止、食中毒の防止などの観点から、衛生管理が厳しい医療機関や調理食品工場では、その業務に携わる従業員は、全て手袋の着用が義務化され、使用された手袋は基本的に廃棄処分に付されている。 【0003】かゝる用途に使用する手袋は、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの合成樹脂を素材とするもので、前記の分野以外に、家庭では勿論のこと、種々の産業分野で幅広く利用され、中でも、不織布製の手袋は、使用の便利・簡便さ、コスト効率の良さ、病原菌に対する遮蔽効果、着用の快適性、生産性の面から医療用の使い捨て用途に、注目されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】使い捨て製品を含め、合成樹脂を素材とする製品に対しては、保健衛生の面及び環境衛生の面から、最近、厳しい制限が課せられてきている。 【0005】一方、これら使い捨て可能な袋状物は、通気性などの特性や製造時に使用される添加剤などにより、使用者に、蒸れる、かぶれるなどの心身上の損傷を与えないことは勿論であるが、添加剤を用いることによって、あるいは廃棄に際して、ダイオキシンなどの内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)を環境に放出しないことが強く求められている。 【0006】特に、合成ゴムからなる袋状物は、製造時に使用される添加剤とその非通気性から、保健衛生上問題を発生させるおそれがあり、ポリ塩化ビニル製品は、それに加えて、ダイオキシンなどの内分泌かく乱化学物質を発生させるという問題が顕在化している。 【0007】他方、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンは、前記の問題にかなり対処できるものの、非通気性であるという問題以外にも、手袋などの袋状物で特性の良いものを調製する簡便な方法がないという問題もある。 【0008】特に、不織布の製品、なかでもポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを素材とする不織布の製品は、前記の諸問題を解決するものとして期待されるものであるが、それらを製造する、特に接合する適切な方法がなく、一般的なヒートシールやミシン縫製では、接合強度が不満足である、接合部分が硬化するとか、均一に接合されておらず、接合していない部分や剥離し易いという製品が多く出るという問題を有し、最近開発された伸縮性を有するポリオレフィンを素材とする場合に、この問題の解消が大きくクローズアップされている。 【0009】この発明はかゝる現状に鑑み、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン製の不織布を使用して袋状物を製造するに際し、超音波による熔着手段を採用するとともに、接合層、いわゆる糊しろを幅広く設けることによって、品質のよい袋状物と、この袋状物を効率的に製造する製造法及びその装置を提供せんとするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、合成樹脂製の不織布からなるものであって、超音波溶接による幅広の熔着部を有することを特徴とする袋状物である。 【0011】また、請求項2に記載の発明は、2枚の不織布を接合した積層不織布を、所要の模様を形成したエンボスロールに引出し、このエンボスロール上において超音波振動を与えることによって、形成された模様に沿って幅広の熔着部を形成して袋状物とすることを特徴とする袋状物の製造法である。 【0012】さらにまた、請求項5に記載の発明は、不織布からなる原反を送り出す一対の原反ロールと、各原反ロールから送り出された不織布を接合して積層不織布を形成するためのラップロールと、積層不織布に所望の形状の熔着部を形成するためのエンボスロールと、このエンボスロールに近接して配置され、積層不織布を超音波熔着するための超音波発振器とからなることを特徴とする袋状物の製造装置である。 【0013】 【発明の実施の形態】この発明において、袋状物とは、合成樹脂製の不織布を素材として製造される手袋、足袋、ヘアカバーなどであるが、その形態が袋状であれば、その用途については特段の制限はない。 【0014】この袋状物を形成する不織布の素材である合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリアミドなどが挙げられるが、得た製品をフィット感のあるものとするには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、なかでもエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体など伸縮性を有する樹脂が好ましく、それらの樹脂を素材とする不織布を用いることにより、前記問題点を容易に解消するだけでなく、着用感に優れた手袋などが容易に調製されるのである。 【0015】合成樹脂を素材とする不織布の製法として、ウェブ形成やウェブ・ボンディングに関して種々の方法があるが、この発明においては、それらいずれの方法で調製されたものでも良く、目付けについても格別な制限も必要せず、例えば10〜150g/m2 程度のものが良好に用いられる。 【0016】合成樹脂製の不織布を素材として袋物を製造する方法も種々の方法があるが、一般的には、得ようとする製品が手袋であれば、2枚の素材シートを重ね合わせて手の形状に熱シールすることによって、その部分が熔着、切断され、熱シール部分が、いわゆる縫い目(接合層)となった手袋を得るという方法がある。 【0017】しかしながら、この発明においては、2枚の素材シートの張り合わせを超音波溶接によって実施し、かつその接合層を2〜5mmと幅広に設定することによって、前記の問題点を解消するだけでなく、着用感に優れた手袋などを提供することができる。 【0018】以下、この発明の袋状物の製造装置を添付の図面に基づいて詳細に説明するとともに、この装置を使用した袋状物の連続的な製造法を述べる。 【0019】図1は、この発明の袋状物の製造装置1の概略を示す説明図であって、合成樹脂製の不織布S1 ,S2 を巻き取った原反ロール2a,2bと、巻き取られるいずれか一方の不織布、図1においては、不織布2bの巻取り途中に配置されるダンサーアーム3及び張力調整器4からなる張力調整機構と、前記2枚の不織布S1 ,S2 を接合一体化させる一対のラップロール5a,5bと、接合されたシートSに所要の模様を熔着させるためのエンボスロール7と、該エンボスロール7の円周方向に垂直に近接して設けられ、エンボスロール7の幅とほぼ長さ同一の横長の超音波ブースター6と、型抜きのためのダイカットロール8と、型抜きされた製品を搬送するための整列コンベアベルト10と、型抜きされた接合シートSを巻き取るためのトリム引張ロール9とから構成されたものである。 【0020】かゝる構成からなる製造装置1を使用して、使い捨ての手袋の製造法について説明すると、まず、原反ロール2a,2bにそれぞれ所要の幅と長さ及び厚みを有する同質の合成樹脂製の不織布S1 ,S2 を巻き取ってセットする。 【0021】その際、一方の不織布S1 はテンションロール3aを介して一対のラップロール5a,5bに引出し、他方の不織布S2 はダンサーアーム3及び張力調整器4からなる張力調整機構を介して一対のラップロール5a,5bに引き出すようにセットする。 【0022】この状態で製造装置1を作動させると、各原反ロール2a,2bに巻回された不織布S1 ,S2 は、巻き取られるスピードが張力調整機構で調整されながら同じスピードで一対のラップロール5a,5bに送り出され、このラップロール5a,5bによって接合一体化されて積層不織布Sが形成される。 【0023】かくして接合一体化された積層不織布Sは、エンボスロール7によって巻き取られ、このエンボスロール7の近傍に配置した超音波ブースター6のホーン(図示せず)と、エンボスロール7との間を通過することによって、エンボスロール7に彫刻された手の形状の模様に接触した部分のみが、加熱され溶融し、手袋が成型される。 【0024】エンボスロール7によって所要の部位に所定の形状の手袋が形成された積層不織布Sは、ついでダイカッターロール8に送られ、手袋の形状に熔着された部位(熔着部)の外周が切り抜かれ、成型された手袋が積層不織布Sから個々に分離され、整列コンベヤー10上に落ち、製品として連続的に取り出される。 【0025】一方、手袋が分離された積層不織布Sは、トリム引張ロール9により引き取られ、製造装置1から取り除かれる。 【0026】前記の製造工程において、原反ロール2a,2bから送り出される合成樹脂製の不織布S1 ,S2 は、格別な理由により、得ようとする袋状物の表裏に材質の違いを出さなければならない場合を除いて、同一の材質のものとするのが、超音波溶着を容易にし好ましいが、異なる種類、また材質のものを使用しなければならないときは、超音波溶着の条件を充分検討する必要がある。 【0027】また、張力の調製は、接合一体化させて積層不織布を形成する前工程として重要な工程であるが、張力の調製されていない2枚の不織布は、積層すること自体を困難にするばかりでなく、接合して得られる製品も歪んだり、縮んだりして不良品となることが多く、生産を困難にして好ましくない。 【0028】エンボスロール7面上に彫刻される模様は、積層不織布Sを接合して、目的とする袋状物を調製するためのもので、超音波による加熱熔融のために設けるべき熔着部の形状どおりに、例えば、手袋であれば手の形状に凸状に形成され、袋状物の大きさに応じて、エンボスロール7面上に1個乃至複数個形成される。 【0029】熔着部の幅は、製品である袋状物の強度、熔着された不織布同士の接着強度や袋状物の着用感に大きな影響を与えるもので、幅広は、通常2〜5mm程度とすることが好ましく、用いる不織布の種類、原料、製法など、袋物の大きさ、用途などを考慮して具体的な幅は定められる。 【0030】凸状に模様が形成されたエンボスロール7は、積層不織布Sの送りを円滑にするとともに、熔着部の形成を確実にするため、凸状の模様以外の部分には、シリコンゴムなどの非伝熱体を埋め込むのが望ましい。 【0031】超音波熔着に用いられる超音波発振機、又は超音波溶着機として格別なものは必用でなく、10KHzから500KHzの周波数の超音波を発振できるものであればよく、超音波発振機又は超音波溶着機のホーンとエンボスロール7との間隙は、求められる接着強度、不織布の種類、材質により適宜設定しなければならないが、通常3/100〜11/100mm程度である。 【0032】ホーンとエンボスロール7の表面は必ずしも平行である必要はなく、ホーンを若干傾斜させ、エンボスロール7の右側と左側で、ホーンとエンボスロール7の間の間隙を変化させ、接着強度を左右で変化させることもできる。 【0033】ホーンの位置は固定され、超音波は、固定されたホーンから常に定められた条件のもとにエンボスロール7面に向かって発振され、エンボスロール7面上を通過する積層不織布Sに振動が伝えられ、凸状に形成された模様上に位置した積層不織布Sのみが振動により加熱され熔着する。 【0034】エンボスロール7に彫刻された模様どおりの熔着部を有する積層不織布Sは、ダイカッターロール8に送られ、熔着部外周に添って、型抜きされることにより袋状物とされるが、熔着と型抜きを同時に行うことも可能である。 【0035】このダイカッターロール8で、熔着部外周に添って成型した袋状物の型抜きを正確に行うには、エンボスロール7とダイカッターロール8を同期回転させることが望ましいく、袋状物自体の大きさ、原反の材質、超音波発振機の能力などにより異なるが、1分間に30〜130枚の袋状物を連続的に製造することが可能である。 【0036】なお、前記の実施の形態においては、2枚の原反を使用しているが、1枚の原反を使用しても所望の袋状物を得ることができる。 【0037】すなわち、原反ロールに巻き取った所要の幅と厚み及び長さを有する合成樹脂製の不織布を引出し、図示しないロールによってその中央部に沿って2つ折にしたのち、折り目を切除して2枚の不織布を形成し、得た2枚の不織布を反転させるなどの手段によって裏面同士を重ね合わせ、前記ラップロール5a,5bによって接合一体化されて積層不織布Sを形成してもよく、この場合、爾後の操作は前記実施の形態と同じである。 【0038】1枚の原反を二つ折りし、原反2枚として使用する場合、2枚の原反における張力は同一であることが必要であるので、1枚の原反を切断し2枚の原反とした後の工程で、それら2枚の原反間に、張力の差異が生じたときは、先と同じ理由により、張力の調整を行うのが望ましい。 【0039】 【作用】この発明の袋状物の製造法及び装置は、素材の不織布の接合(熔着)を、超音波を使用し、かつ球面を有するエンボスロール上で、熔着部を幅広にして実施するので、熔着状態が安定化され、接着強度のバラツキはなく、未接着部分、すなわちピンホールなどが存在せず、安定した製品が供給でき、得られる袋状物は立体感がで、着用感の良好なものである。 【0040】 【実施例】以下、実施例を示し、この発明をより具体的に説明する。三井・デュポンポリケミカル株式会社製のエチレンーメタクリル酸共重合体(ニュクレルN110H)を原料として目付量40g/m2 の不織布を得、この不織布を素材とし、手首幅12cm、手首から中指の先迄を30cm、指の幅4cm、指の長さ6〜9cm、 熔着部(糊しろ)が幅4mmの手袋を、図1に示される製造装置1を使用して、連続的に製造した。使用した超音波発振機は、日本エマソン株式会社製920BCAで、出力2KW、周波数20KHzの条件で溶着したところ、1分間に30枚の速度で手袋が製造できた。 【0041】 【発明の効果】この発明の不織布製の袋状物は、使い捨て用として好適なものでありながら、立体感に富み、着用感が良好で、特に材質にポリオレフィンを選択すれば、使い捨て用の袋状物でありながら、環境に優しい製品であり、医療関係、食品関係、化粧品関係、ハイテク製品関係、老人介護関連、園芸、ペット関連などで幅広く使用可能であるという優れたものである。 【0042】この発明の袋状物の製造法及びその装置は、不織布を素材とし、この素材を所望の模様を彫刻したエンボースロールに導き、このエンボースロール上において超音波振動を与えて、2枚の不織布の必要な部位を加熱熔着することができるので、所望の袋状物を高能率で生産性良く製造できるという優れた効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594178848 【氏名又は名称】株式会社常盤産業
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| 【出願日】 |
平成12年7月24日(2000.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069903 【弁理士】 【氏名又は名称】幸田 全弘
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| 【公開番号】 |
特開2002−38318(P2002−38318A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−221880(P2000−221880) |
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