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【発明の名称】 大腿骨保護具
【発明者】 【氏名】井上 和良

【要約】 【課題】

【解決手段】大腿骨保護具は、腰部を締めて取り付けられるベルト(1)と、このベルトから下方に延在して大腿骨側面を覆う左右一対の垂下部(6,7)と、この垂下部の外側に着脱自在に取り付けられるパッド(11)とを備えている。そして、このパッドが、板状弾性体(16)と、この弾性体の外側の面に沿って配置されるとともに外側に凸に湾曲している硬質樹脂からなるプロテクト板(17)と、前記弾性体およびプロテクト板の全体を覆うカバー(18)とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腰部を締めて取り付けられるベルトと、このベルトから下方に延在して大腿骨側面を覆う左右一対の垂下部と、この垂下部の外側に着脱自在に取り付けられるパッドとを備え、このパッドが、板状弾性体と、この弾性体の外側の面に沿って配置されるとともに外側に凸に湾曲しているプロテクト板と、前記弾性体およびプロテクト板の全体を覆うカバーとを具備していることを特徴とする大腿骨保護具。
【請求項2】 前記弾性体が低反発性のカテキン入り発泡樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の大腿骨保護具。
【請求項3】 前記ベルトには磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の大腿骨保護具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転倒時における大腿骨の骨折を防止する大腿骨保護具に関する。
【0002】
【従来の技術】足腰が弱ってきて、転倒すると、大腿骨を骨折することがある。そして、この骨折を契機として寝たきりとなる場合がある。そこで、転倒時において、大腿骨を保護する大腿骨保護具が検討されている。従来の大腿骨保護具は発泡スチロールなどで構成され、パンツなどの下着に着脱自在に取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発泡スチロールなどを下着に取り付けるには、専用の下着が必要である。下着は頻繁に汚れるので、交換頻度が高く、専用の下着を多数用意する必要がある。さらに、座ったり、また、寝ころんだりする際には、大腿骨保護具が邪魔になることがある。そして、大腿骨保護具が下着に取り付けられている場合には、簡単には取り外したり、装着したりすることができない。さらにまた、発泡スチロールでは、衝撃を効率よく吸収することが困難である。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、簡単に取り外したり、また、装着したりすることができる大腿骨保護具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の大腿骨保護具は、腰部を締めて取り付けられるベルト(1)と、このベルトから下方に延在して大腿骨側面を覆う左右一対の垂下部(6,7)と、この垂下部の外側に着脱自在に取り付けられるパッド(11)とを備えている。そして、このパッドが、板状弾性体(16)と、この弾性体の外側の面に沿って配置されるとともに外側に凸に湾曲しているプロテクト板(17)と、前記弾性体およびプロテクト板の全体を覆うカバー(18)とを具備している。
【0006】また、前記弾性体が低反発性のカテキン入り発泡樹脂で形成されている場合がある。さらに、前記ベルトに磁石(31)が取り付けられている場合がある。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明における大腿骨保護具の実施の第1の形態を図1および図2を用いて説明する。図1は本発明の実施の第1の形態における大腿骨保護具の正面図である。図2は図1の大腿骨保護具のパッドの説明図で、(a)がパッドのプロテクト板の正面図、(b)がパッドの b-b断面図、(c)がパッドの c-c断面図である。
【0008】大腿骨保護具のベルト1は伸縮性を有しているとともに、両端部に各々面ファスナー(ベルクロファスナー)2,3が設けられ、このベルト用面ファスナー2,3同士を係合することにより、人の腰部を締めて取り付けられる。このベルト1の中央部から下方に、左右一対の垂下部6,7が延在しており、この垂下部6,7が人の大腿骨側面を覆う。ベルト1および垂下部6,7は、布などで一体に形成されている。そして、垂下部6,7の外側(大腿骨配置側とは反対側)の面には各々、パッド11を収納することが可能なポケット12が設けられている。このポケット12は、上側覆部13と下側覆部14とからなり、上側覆部13の下端縁と下側覆部14の上端縁とは互いに重なり合っている。そして、上側覆部13と下側覆部14との隙間からパッド11が出し入れされる。上下方向に細長い略長円形状をしているパッド11は、発泡樹脂であるカテキン入り低反発性のウレタンフォーム〔たとえば、ソフランLRH−75(商標),ソフランLRX−75(商標)など〕で構成されている板状の弾性体16と、この弾性体16の外側(すなわち、弾性体16における垂下部6,7の配置側とは反対側)の面に沿って配置されている薄い硬質樹脂製のプロテクト板17と、この弾性体16およびプロテクト板17の全体を覆う布製の柔軟なカバー18とで構成されている。プロテクト板17は上下方向に細長い略長円形状をしているとともに、外側に凸に湾曲している。また、プロテクト板17には、複数の孔19が形成されている。
【0009】この様に構成されている大腿骨保護具を装着する際には、パッド11をポケット12に収納し、ついで、ベルト1を腰部に巻き付けて、面ファスナー2,3同士を係合する。パッド11の弾性体16には、カテキンが入っているため、殺菌や消臭効果があり、老人臭などを減少させることができる。経年変化でカテキンの効果が減少すると、パッド11を交換する。また、ベルト1を洗濯する際には、パッド11をポケット12から取り出しておく。さらに、大腿骨保護具を取り外したり、また、装着したりする際には、パンツなどの下着とは異なり、ズボンなどを少しずらすだけで済む。したがって、下着を着脱することなく、大腿骨保護具の取外や装着を簡単に行うことができる。そして、転倒時の衝撃は、硬質薄板のプロテクト板17の全面に拡散されるとともに、拡散された衝撃は低反発性の弾性体16で効率よく吸収される。したがって、局所的に衝撃力が加わることが減少し、大腿骨などの骨折を極力防止することができる。また、プロテクト板17や弾性体16などが、布製のカバー18で覆われているので、見栄えや感触が良好となる。
【0010】次に、本発明における大腿骨保護具の実施の第2の形態について図3および図4を用いて説明する。図3は実施の第2の形態における大腿骨保護具の正面図である。図4は図3の大腿骨保護具のパッドの説明図で、(a)が垂下部側から見たパッドの正面図、(b)がパッドの b-b断面図、(c)がパッドの c-c断面図である。なお、この実施の第2の形態の説明において、前記実施の第1の形態の構成要素に対応する構成要素には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図3においては、左側の垂下部7にパッド11が取り付けられていない状態で図示されている。
【0011】実施の第2の形態では、実施の第1の形態のポケット12が設けられておらず、代わりにパッド取付用面ファスナー21,22が設けられている。他の構成は略実施の第1の形態と同じである。すなわち、垂下部6,7の外側(大腿骨配置側とは反対側)の面には、面ファスナー21が各々取り付けられており、パッド11の内側の面(すなわち、パッド11のカバー18における垂下部6,7に対向する面)には、面ファスナー22が取り付けられている。この面ファスナー21,22が対となって協働し、パッド11が垂下部6,7に着脱可能となっている。この様に構成すると、ポケット12よりも着脱が容易となる。
【0012】次に、本発明における大腿骨保護具の実施の第3の形態について図5を用いて説明する。図5は実施の第3の形態における大腿骨保護具の正面図である。なお、この実施の第3の形態の説明において、前記実施の第1の形態の構成要素に対応する構成要素には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0013】実施の第3の形態では、ベルト1における背中に対向する部分に、腰痛防止用の磁石31が複数取り付けられて、腰痛ベルトとなっている。他の構成は略実施の第1の形態と同じである。
【0014】以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)前記実施の第2の形態において、実施の第3の形態と同様に、ベルト1に磁石31を取り付けて、腰痛ベルトとすることも可能である。
(2)磁石31の個数や配置などは適宜変更可能である。
(3)弾性体16はカテキン入りでないことも可能である。ただし、カテキン入りの方が殺菌、消臭効果があり、好ましい。また、カテキン以外の殺菌材や消臭材を入れることも可能である。
(4)パッドの着脱構造は適宜変更可能である。
(5)プロテクト板17は硬質樹脂で形成されていることが好ましいが、弾性体16よりも硬質の他の素材(たとえば、金属など)で形成することも可能である。
(6)弾性体16は、低反発性で、ソフランLRH−75(商標),ソフランLRX−75(商標)と同程度もしくは、それ以下の反発能力を有していることが好ましい。
【0015】
【発明の効果】本願の大腿骨保護具によれば、腰部を締めて取り付けられるベルトと、このベルトから下方に延在して大腿骨側面を覆う左右一対の垂下部と、この垂下部の外側に着脱自在に取り付けられるパッドとを備えているので、パンツなどの下着を着脱することなく、ズボンなどを下に少しずらすだけで、大腿骨保護具を取り外したり、また、装着したりすることができる。したがって、大腿骨保護具の取外や装着が容易となる。また、下着が汚れた際にも、大腿骨保護具を洗濯する必要はない。そして、パッドを取り外すことにより、ベルトおよび垂下部を洗濯することができる。しかも、パッドが、板状弾性体と、この弾性体の外側の面に沿って配置されるとともに外側に凸に湾曲しているプロテクト板と、前記弾性体およびプロテクト板の全体を覆うカバーとを具備しているので、転倒時に、衝撃がプロテクト板により拡散し、拡散された衝撃を弾性体全体で吸収することができる。その結果、衝撃が局所的に加わることが減少し、大腿骨の骨折を極力防止することができる。さらに、カバーで覆われているので、プロテクト板と弾性体とを具備しているにも係わらず、見栄えや感触が良好となる。
【0016】また、前記弾性体が低反発性のカテキン入り発泡樹脂で形成されている場合には、弾性体が低反発性であるので、衝撃を効率よく吸収することができる。しかも、カテキン入りであるので、殺菌や消臭効果が有り、老人臭などを減少させることができる。そして、カテキンは自然に存在するものであり、健康を阻害する可能性が低い。
【0017】さらに、前記ベルトに磁石が取り付けられている場合には、大腿骨保護具を腰痛ベルトと兼用することができる。
【出願人】 【識別番号】500338953
【氏名又は名称】有限会社イノウヱ商産
【出願日】 平成12年7月24日(2000.7.24)
【代理人】 【識別番号】100103724
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 正夫
【公開番号】 特開2002−38314(P2002−38314A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−221786(P2000−221786)