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【発明の名称】 固着用芯地
【発明者】 【氏名】ペーター・グリナエウス

【氏名】ミヒャエル・カルベ

【要約】 【課題】高い接着力と分離力とわずかな、背面リベッティングとを同時に示す固着用芯地を提供する。

【解決手段】スポット下部2は、エポキシ樹脂25〜90重量%および酸末端ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または、カルボキシル−、アンヒドロ−、ヒドロキシ−および/またはアミド側鎖基を有するビニル共重合体10〜75重量%、硬化剤ならびに補助剤および添加剤0〜20重量%の粉末混合物からなる。スポット上部3は酸末端ポリアミドおよび/またはコポリエステルからなり、この場合、スポット下部およびスポット上部2、3に含有されている物質の見掛けの比率は、1:0.5〜1:5で構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維芯地シーティング(1)からなり、該繊維芯地シーティングの片面が2層の接着剤スポットで被覆されており、該接着剤スポットが該芯地シーティング側に向いたスポット下部と該スポット下部の上に配置されたスポット上部(2、3)からなる固着用芯地において、該スポット下部(2)が、エポキシド当量500〜4000mVal/kgを有するエポキシ樹脂25〜90重量%および酸末端ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または、160℃および2.16kgで測定されたメルトフローインデックス(MFI)40〜120g/10minを示すカルボキシル−、アンヒドロ−、ヒドロキシ−および/またはアミド側鎖基を有するビニル共重合体10〜75重量%、硬化剤ならびにペースト製造に常用される補助剤および添加剤0〜20重量%の粉末混合物からなり、かつ前記スポット上部(3)が酸末端ポリアミドおよび/またはコポリエステルからなり、且つ、スポット下部およびスポット上部(2、3)に含有されている物質の見掛けの比率が1:0.5〜1:5であることを特徴とする固着用芯地。
【請求項2】 篩分析によって測定された前記スポット下部(2)のための粉末状出発物質の平均直径が80μm未満であることを特徴とする請求項1記載の固着用芯地。
【請求項3】 篩分析によって測定された前記スポット上部(3)のための粉末状出発物質の平均直径が80〜200μmであることを特徴とする請求項1記載の固着用芯地。
【請求項4】 請求項1から3までいずれか1項に記載の固着用芯地を製造する方法において、前記スポット上部(2)の形成のために、粉末状の酸末端ポリアミド、ポリエステルおよび/またはポリウレタン、粉末状エポキシ樹脂、分散剤、流動化剤および粘稠剤からペーストを調製し、かつ前記芯地シーティング(1)に空間的に間隔をおいて塗布し、濡れた状態の該ペーストに、該スポット下部(2)のペーストに対して酸末端ポリアミドおよび/またはコポリエステル50〜500重量%を撒布し、過剰量の撒布した粉末を除去し、かつ得られた2層の接着剤スポットを有する固着用芯地を温度120〜180℃で乾燥させ、かつ上記の高分子作用物質と該芯地シーティング(1)の焼結によって取扱い可能かつ運搬可能にすることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維芯地シーティングからなり、該繊維芯地シーティングの片面が2層の接着剤スポット(Punkt)で被覆されており、該接着剤スポットが該芯地シーティング側に向いたスポット下部(Unterpunkt)と該スポット下部の上に配置されたスポット上部(Oberpunkt)からなる固着用芯地に関する。
【0002】
【従来の技術】EP−A 0 940 461の文献から、織物の被覆および/または積層のための架橋可能なホットメルト接着剤が公知であり、このホットメルト接着剤の場合、架橋成分がポリオレフィン−マトリックス中に包含されており、かつ反応可能な該成分が溶融時に初めて架橋下に反応する。架橋成分としてモル質量2000〜6000g/molを有するイソシアネートまたはエポキシドが挙げられている。本来のホットメルト接着剤は、この場合には、スポット下部ならびにスポット上部内に入れられるアミノ基末端コポリアミドまたはコポリエステルからできていなければならない。上記文献による解決手段の欠点は、第1に架橋成分を費用をかけてようやく防湿性のポリオレフィン−マトリックス中に包含させなければならないこと、およびアミノ基末端コポリアミドが黄変傾向が強いことである。
【0003】さらにUS 5,677,038の文献から2層のホットメルト接着剤が公知であり、この場合、該2層のホットメルト接着剤のスポット下部がペースト塗布されたコポリアミドまたはコポリエステルからなり、かつ該2層のホットメルト接着剤のスポット上部がコポリアミド0〜25重量%、コポリエステル50〜95重量%とエポキシド5〜25重量%の混合物からなる。このホットメルト接着剤系で結合された繊維材料についての分離力として10N/5cm未満の値が提示されており、この値は洗浄後にさらに低下する。上記文献のほかに、DE−A22 14 236、DE−A 22 31 723、DE−A 25 36911およびDE−A 32 30 579の文献から別の2層の接着剤が公知である。比較的軽量の不織布、すなわち坪量が小さい不織布を使用することによって、たしかに著しく柔らかい積層品が得られるが、しかしながら該不織布には、該不織布がホットメルト接着剤の背面リベッティング(Rueckvernietung)に関して敏感であるという欠点がある。背面リベッティングとは、この場合には2枚の芯地間の望ましくない粘着のことであり、このような粘着は、以下のテキストでは固着用芯地と呼ばれている接着スポットペーストで被覆された芯地シーティングが、内側サンドイッチ固着方法(Innersandwich-Fixierungverfahren)で表地と結合される場合に発生する可能性がある。この内側サンドイッチは、この場合には表地および被覆された芯地シーティングならびに被覆された芯地シーティングおよび表地の積層順序で構成されており、すなわち芯地シーティングの被覆されていない側同士が隣り合わせになっている。たしかに芯地シーティング1平方メートル当たりに塗布される被覆量は、以前の18〜25g/m2から7〜15g/m2に減らされたが、繊維積層品の通気性を顧慮するとさらに減らされる。ところが同時に積層品の接着と安定性に対する要求は高まっている。殊に繊維積層品の手入れ性を顧慮して、該繊維積層品が洗浄温度60℃での多くの回数の洗浄も克服することが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、顕著に高められた接着力と分離力を、非常にわずかな背面リベッティングと同時に示す固着用芯地を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課題は、繊維芯地シーティング(1)からなり、該繊維芯地シーティングの片面が2層の接着剤スポットで被覆されており、該接着剤スポットが該芯地シーティング側に向いたスポット下部と該スポット下部の上に配置されたスポット上部(2、3)からなる固着用芯地において、該スポット下部(2)が、エポキシド当量500〜4000mVal/kgを有するエポキシ樹脂25〜90重量%および酸末端ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または、160℃および2.16kgで測定されたメルトフローインデックス(MFI)40〜120g/10minを示すカルボキシル−、アンヒドロ−(無水)、ヒドロキシ−および/またはアミド側鎖基を有するビニル共重合体10〜75重量%、硬化剤ならびにペースト製造に常用される補助剤および添加剤0〜20重量%の粉末混合物からなり、かつ前記スポット上部(3)が酸末端ポリアミドおよび/またはコポリエステルからなり、スポット下部およびスポット上部(2、3)に含有されているペーストの見掛けの比率(Gesichtsverhaeltnis)が、1:0.5〜1:5である固着用芯地によって解決される。本発明による固着用芯地を用いると、公知の2層の接着スポットペーストで得られた固着用芯地の分離力値を50%上回り、又特に温度60℃で洗浄した後では100%以上上回る分離力値が得られる。
【0006】前記の粉末状エポキシドは、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物および/またはエピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物である室温で固体のエポキシ樹脂である。さらにエポキシ樹脂として多官能エポキシドが使用されてもよい。この多官能エポキシドには、例えばエポキシ化ノボラックが属する。前記の本発明に使用されるポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または、カルボキシル−、アンヒドロ−、ヒドロキシ−および/またはアミド側鎖基を有するビニル共重合体は、低融点の熱可塑性ポリマーである。さらに、低融点のポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または、カルボキシル−、アンヒドロ−、ヒドロキシ−および/またはアミド側鎖基を有するビニル共重合体からなるポリマーブレンドが使用されてもよい。この場合には該ポリマーは、直鎖状もしくは枝分れモノマーから構成されている。前記ポリアミドは、例えば次のモノマーの1つもしくはそれ以上から形成されている:− 少なくとも二官能性のカルボン酸少なくとも1種、− 少なくとも二官能性のアミン少なくとも1種、− ω−アミノカルボン酸少なくとも1種、− ラクタム少なくとも1種。
前記ポリエステルは、次のモノマーの1つもしくはそれ以上から得られる:− 少なくとも二官能性のカルボン酸少なくとも1種、− 少なくとも二官能性のアルコール少なくとも1種、− ω−ヒドロキシカルボン酸少なくとも1種、− ラクトン少なくとも1種。
前記ポリウレタンは、ジイソシアネート、ポリオールおよびジオールで組成されていることができる。
【0007】硬化剤として、ビスフェノールAをベースとするエポキシ樹脂とポリアミンとの反応生成物および/またはビスフェノールFをベースとするエポキシ樹脂とポリアミンとの反応生成物からなる、エポキシ樹脂とポリアミンからの室温で同じく固体のプレポリマーが使用される。さらにポリアミンと二量体脂肪酸からのポリアミノアミドとエポキシ樹脂とのプレポリマーも使用することができる。
【0008】有利には前記固着用芯地は、篩分析によって測定された前記スポット下部(2)のための粉末状出発物質の平均直径が80μm未満である固着用芯地である。該出発物質の微細性によって、この場合には、該スポット下部(2)の内部でも、スポット上部(3)への移行部(4)でもスポット下部(2)の反応性および架橋が促進される。
【0009】さらに有利には前記固着用芯地は、篩分析によって測定された前記スポット上部(3)のための粉末状出発物質の平均直径が80μm〜200μmである固着用芯地である。スポット上部材料についての本発明による粒度によって、スポット上部(3)とスポット下部(2)との溶融接合およびスポット上部(3)によるスポット下部(2)の層状被覆が促進される。
【0010】本発明による固着用芯地は、次の方法によって製造される。すなわち前記スポット下部(2)の形成のために、粉末状の酸末端ポリアミド、ポリエステルおよび/またはポリウレタン、粉末状エポキシ樹脂、分散剤、流動化剤および粘稠剤からペーストを調製し、かつ前記芯地シーティング(1)に空間的に間隔をおいて塗布すること、濡れた状態の該ペーストに、該スポット下部(2)のペーストに対して酸末端ポリアミドおよび/またはコポリエステル50〜500重量%を撒布すること、過剰量の撒布した粉末を除去し、かつ得られた2層の接着剤スポットを有する固着用芯地を温度120〜180℃で乾燥させ、かつ上記の高分子作用物質と該芯地シーティングの焼結によって取扱い可能かつ運搬可能にすることによって製造される。
【0011】エポキシ樹脂として、70〜130℃、有利に90〜110℃の範囲内の軟化点およびエポキシド当量500〜4000mVal/kgを有する、シェル社(Shell)のエピコート(Epikote)、タイプ:1002、1004、1055またはチバ社(Ciba)のアラルダイト(Araldit)、タイプ:GT 6097−1、GT 7072、GT 7220を使用することができる。
【0012】硬化剤として、エピコート1002とジエチレントリアミン(1:2)からのプレポリマーならびにチバ社の硬化剤(Haerter)HT835を使用することができる。
【0013】酸末端ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよび/または、カルボキシル−およびアンヒドロ側鎖基を有するビニル共重合体についての例は、次のとおりである:EMS社のグリルテクス(Griltex)D1541 Aまたはデグッサ−ヒュルス社(Degussa-Huels)のヴェスタメルト(Vestamelt)730、ヴェスタメルト(Vestamelt)840。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を図面および2つの実施例につき詳説する。
【0015】図1は、本発明による固着用芯地を示しており、この場合、有利には不織布からなる芯地シーティング(1)上にスポット下部(2)が存在しており、このスポット下部(2)は、スポット上部(3)で層状に被覆されており、かつ温度120〜180℃での焼結プロセスによってそれ自体ならびにスポット上部(3)への移行部(4)もが架橋されている。
【0016】
【実施例】例1攪拌容器中で、ヴェスタメルト(Vestamelt)730 25重量%、エピコート(Epikote)1055 60重量%および硬化剤(Haerter)HT835 15重量%からなる、粒径80μm未満の粉末混合物を常法によって、分散剤、流動化剤および粘稠剤からなるペースト基剤ならびに水とともに、ペーストになるまで攪拌した。該ペーストをスポット下部(2)として、CP110ステンシル(CP110 Scablone)を用いたスクリーン印刷方法で、芯地シーティング(1)としてのポリアミド/ポリエステル(PA/PES)フリース25gの片面に印刷し(被覆量4g/m2)、このなお濡れているペーストのスポットの上にスポット上部(3)としてヴェスタメルト(Vestamelt)840 P816を撒布(7g/m2)し、過剰量を吸い取り、かつ引き続き180℃で20秒間乾燥させかつ焼結させた。総塗布量は、11g/m2であった。
【0017】このようにして製造された固着用芯地をバチスト(Batist)に対して固着させた。
【0018】
【表1】

【0019】すべての試料がフリース分裂(Spaltung)を示した。
例2攪拌容器中で、ヴェスタメルト(Vestamelt)730 50重量%、アラルダイト(Araldit)7220 40重量%および硬化剤(Haerter)HT835 10重量%からなる、粒径80μm未満の粉末混合物を常法によって、分散剤、流動化剤および粘稠剤からなるペースト基剤ならびに水とともに、ペーストになるまで攪拌した。該ペーストをスポット下部(2)として、CP110ステンシルを用いたスクリーン印刷方法で、芯地シーティング(1)としてのPESフリース35gの片面に印刷し(被覆量6g/m2)、このなお濡れているペーストのスポットの上にスポット上部(3)としてヴェスタメルト(Vestamelt)840P816を撒布(8g/m2)し、過剰量を吸い取り、かつ引き続き180℃で20秒間乾燥させかつ焼結させた。総塗布量は、14g/m2であった。
【0020】このようにして製造された固着用芯地をバチストに対して固着させた。
【0021】
【表2】

【出願人】 【識別番号】590002345
【氏名又は名称】カール・フロイデンベルク
【出願日】 平成13年6月6日(2001.6.6)
【代理人】 【識別番号】100063897
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 馨 (外2名)
【公開番号】 特開2002−20919(P2002−20919A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2001−170672(P2001−170672)