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【発明の名称】 フィルムグローブ、及びこれを用いた複合グローブ
【発明者】 【氏名】万波 孝広

【氏名】有吉 真二

【要約】 【課題】従来の例えば多孔質PTFEフィルムのみからなるフィルムグローブでは、容易に破ける恐れがあり、丈夫にするべく布帛で裏打ちすると柔軟性が損なわれ使用感が悪くなる。そこで本発明は、柔軟性やフィット感に優れ、且つ十分な耐久性を示す防水透湿性のフィルムグローブ、またこれを用いた複合グローブを提供することを目的とする。

【解決手段】防水透湿性フィルム1の片面に耐摩耗性樹脂製突起物2を設けたフィルム5を用いたフィルムグローブである。突起物2によって防水透湿性フィルム1が直接摩擦されない様になるから、フィルムグローブの耐久性が増す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 防水透湿性フィルムを用いたフィルムグローブであって、該防水透湿性フィルムの片面または両面に耐摩耗性樹脂製突起物を設けたものであることを特徴とするフィルムグローブ。
【請求項2】 前記防水透湿性フィルムが、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである請求項1に記載のフィルムグローブ。
【請求項3】 前記防水透湿性フィルムが、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面または両面の全面に、親水性透湿性樹脂製皮膜を設けたものである請求項1に記載のフィルムグローブ。
【請求項4】 前記延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムは、その細孔内表面が撥水・撥油性ポリマーにより被覆されたものである請求項2または3に記載のフィルムグローブ。
【請求項5】 前記耐摩耗性樹脂製突起物が、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂のいずれかによって形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムグローブ。
【請求項6】 前記防水透湿性フィルムの表面の3〜90%が前記耐摩耗性樹脂製突起物で覆われたものである請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムグローブ。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムグローブを、外側グローブと内側グローブの間に設けたものであることを特徴とする複合グローブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムグローブ及び複合グローブに関するものであり、特に作業用、スポーツ用の防水グローブとして、またクリーンルーム等で使用される防塵グローブとして好適に用いることのできる防水透湿性のフィルムグローブ、及び複合グローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、用途に応じて様々なグローブが提供されているが、雨天時の屋外作業や水作業の際、また自転車やオートバイの運転、スキーやスケート等のウィンタースポーツ、或いは雨天時の登山の際に使用するグローブには、防水性を有することが求められる。この防水性のグローブは、専ら細かい手作業を行うときに用いる薄手のフィルムグローブと、専らスキーや登山等のときに用いる厚手の複合グローブとに大別される。上記フィルムグローブには従来よりポリエチレン製フィルムやゴム製フィルム、塩化ビニルシート等の防水性フィルムが用いられ、また上記複合グローブにはこれら防水性フィルムを外側グローブと内側グローブに挟み込んだもの等が用いられている。
【0003】しかし単に防水性が良好なだけでは、グローブ内が蒸れて不快となることから、近年、防水性と透湿性を兼ね備えたグローブが求められる様になってきた。つまり、水がグローブ内に侵入することを防ぐと共に、着用中に手から発生する汗の水蒸気を、蒸気圧の高いグローブ内から蒸気圧の低いグローブ外に排出し、これにより蒸れずに快適なグローブ内環境を実現するというものである。
【0004】上記防水性と透湿性を兼備する素材としては、例えば延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム(以下、多孔質PTFEフィルムと称することがある)が挙げられる。該フィルムは80〜95%もの高い空孔率にすることができ、この様に高空孔率にすることによって極めて透湿性に優れ、また柔軟なものとなり、その上、本来ポリテトラフルオロエチレンフィルムは水をはじく性質があるから、防水性にも優れる。
【0005】そこでこの多孔質PTFEフィルムを用いたフィルムグローブが提案されている(従来例■:実開昭56−31518号公報、実開昭56−123820号公報)。
【0006】また強度向上を目的として、上記多孔質PTFEフィルムに織物や不織布といった布帛を積層したフィルムグローブや、更にポリアミド製ネット等を積層したフィルムグローブも提案されている(従来例■:同じく実開昭56−31518号公報、実開昭56−123820号公報)。
【0007】複合グローブとしては、上記多孔質PTFEフィルムの表面に親水性薄膜を設けて複合フィルムとし、該複合フィルムを外側グローブ(例えば皮革製やゴム製グローブ)と内側グローブの間に配したものが提案されている(従来例■:実開昭58−140123号公報)。
【0008】また多孔質PTFEフィルムと布帛を積層し、該積層フィルムを外側グローブ(例えば皮革製や合成皮革製のグローブ)と内側グローブ(例えばボア等の保温材製グローブ)の間に配した複合グローブが提案されている(従来例■:実開昭59−47620号公報)。
【0009】尚従来例■、■のようにフィルムグローブを内側グローブと外側グローブの間に介挿させる方式は、一般にグローブインサート方式と呼ばれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に多孔質PTFEフィルムは透湿性、防水性、及び柔軟性に優れた素材であるが、強度の点であまり芳しくなく、従って上記従来例■の様に多孔質PTFEフィルムのみからなるグローブでは容易に破けてしまい、グローブ内に水が入るという問題がある。
【0011】この点上記従来例■では、布帛やネットを積層することにより強度の向上が図られているが、多孔質PTFEフィルムの有する柔軟性が損なわれ、グローブの風合いが硬くなってフィット感が悪くなるという問題がある。特に指先の作業性が要求されるグローブ(例えば半導体ウエハ製造ラインの作業や食品工場における食品詰め作業、また医科歯科分野における治療操作等に用いるグローブ)には、柔軟性やフィット感が極めて重要な要素である。
【0012】加えて従来例■では布帛等を裏打ちすることにより長さ及び幅方向(XY方向)の強度に優れたものになるものの、多孔質PTFEフィルムが露出する箇所における摩擦、摩耗に対する耐久性に問題がある。更に積層した上記布帛等により水蒸気透過量が低下し、快適性が損なわれる懸念がある。
【0013】他方、上記従来例■、■は専らスキーや登山等の際に用いる厚手のグローブを対象としており、細かい手作業を行うことを前提としたものではないが、非常に肉厚である為、風合いが硬く、履き心地が悪いという問題がある。
【0014】また従来例■、■は外側グローブが丈夫なものであるからグローブ全体として高い強度を示すものの、内部の多孔質PTFEフィルムは外側グローブや内側グローブに摩擦されることになるから、機械的な負荷の大きい条件下では該多孔質PTFEフィルムが破損し、防水性が低下する恐れがある。
【0015】加えて従来例■、■は構造が複雑で、コストが高いという問題もある。
【0016】そこで本発明においては、柔軟性やフィット感に優れ、且つ十分な耐久性を示す防水透湿性のフィルムグローブを提供することを目的とする。また、あまりコストが高くなく、また風合いが柔らかで比較的履き心地の良い複合グローブを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフィルムグローブは、防水透湿性フィルムを用いたフィルムグローブであって、該防水透湿性フィルムの片面または両面に耐摩耗性樹脂製突起物を設けたものであることを要旨とする。
【0018】上記耐摩耗性樹脂製突起物が、着用時にグローブに加わる様々な機械的負荷(例えば摩擦、摩耗、引っ掻き等)から上記防水透湿性フィルムを保護するから、フィルムグローブの耐久性が向上する。しかも上記耐摩耗性樹脂製突起物と耐摩耗性樹脂製突起物の間は上記防水透湿性フィルムが露出しているから、防水性や透湿性が損なわれず、加えてこの突起物−突起物間の存在により、上記防水透湿性フィルムの柔軟性も損なわれない。
【0019】更に従来例■の様に布帛等を積層する場合に比べ、軽量で、また製造工程が簡単である。即ち布帛を積層する場合は、まず防水透湿性フィルムに接着剤を塗布した後、布帛を積層して接着するという工程を経ることになるが、本発明のフィルムグローブでは上記接着剤の代わりに上記耐摩耗性樹脂製突起物を設ける工程を行うだけで良いから、製造工程が簡略化され、従ってコストが低減される。
【0020】また本発明に係るフィルムグローブにおいては、前記防水透湿性フィルムが延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム(多孔質PTFEフィルム)であることが好ましい。前述の如く多孔質PTFEフィルムは、透湿性及び防水性に優れ、柔軟性も良好だからであり、履き心地の良い防水透湿性に優れたグローブが得られる。
【0021】更に本発明に係るフィルムグローブにおいては、前記防水透湿性フィルムが、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面または両面の全面に、親水性透湿性樹脂製皮膜を設けたものであることが好ましい。
【0022】多孔質PTFEフィルムは化学的親和性が低く、撥水性を示すものの、圧力や温度等の作用によって一旦多孔質PTFEフィルムに汚れが付着、浸透してしまうと、静電気的な結合力が働いて該汚れを除去することが困難になり、加えて該汚れの多くは親水性を示す為に、汚染された多孔質PTFEフィルム部分が親水性となり、防水性が低下するという問題もある。しかし上記の如く親水性透湿性樹脂製皮膜を積層することにより、汚染物は該親水性透湿性樹脂製皮膜により防がれて多孔質PTFEフィルムに到達せず、多孔質PTFEフィルムの防水性が保たれる。
【0023】なお上記親水性透湿性樹脂製皮膜としては、例えば無孔質透湿性樹脂製の皮膜が挙げられる。
【0024】加えて本発明に係るフィルムグローブにおいて、前記延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムが、その細孔内表面が撥水・撥油性ポリマーにより被覆されたものであることが好ましい。尚細孔内表面を被覆するものであるから、多孔質PTFEフィルムの連続孔は維持されている。
【0025】該フィルムグローブにおいては、水系、油系汚染物等が多孔質PTFEフィルムに至るのを上記撥水・撥油性ポリマーによって防ぐことができ、従って水系、油系汚染物等の汚染により多孔質PTFEフィルムの親水化が生じて防水性が低下してしまうという現象を防ぐことができ、よって良好な防水性を保つことができる。
【0026】また本発明に係るフィルムグローブにおいては、前記耐摩耗性樹脂製突起物が、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂のいずれかによって形成されたものであることが好ましい。フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂やウレタン系樹脂は柔軟性が良好で、耐薬品性や耐熱性に優れるからである。
【0027】更に本発明に係るフィルムグローブにおいては、前記防水透湿性フィルムの表面の3〜90%が前記耐摩耗性樹脂製突起物で覆われたものであることが好ましい。カバー率(フィルム表面に対して耐摩耗性樹脂製突起物が占める率)が3%未満では、耐摩耗性樹脂製突起物による耐摩耗性向上効果があまり発揮されない懸念があり、一方90%を超えると、風合いが硬くなると共に、水蒸気透過量が低下し、快適性が損なわれる恐れがあるからである。より好ましくは5〜80%である。
【0028】本発明に係る複合グローブは、本発明に係る前記フィルムグローブを、外側グローブと内側グローブの間に設けたものであることを要旨とする。
【0029】前述の様に本発明のフィルムグローブを単体で防水透湿性グローブとして用いても良いが、上記の如く外側グローブと内側グローブとの間に配置して、グローブインサート方式の複合グローブとして用いても良い。該複合グローブは、その中に配置されたフィルムグローブ自身の柔軟性が良好であるから、複合グローブ全体としても比較的柔軟なものとなり、よって風合いが柔らかで使用感が良い。加えて前述の様に内部のフィルムグローブは摩擦に対する抵抗性が良好であるから、外側グローブや内側グローブにより摩擦を受けても破損し難く、防水性を保ち得る。またフィルムグローブが低コストであるから、これを用いた上記複合グローブもあまりコスト高となることがない。
【0030】
【発明の実施の形態】<実施形態1>図1は本発明の実施形態1に係るフィルムグローブを示す正面図である。図2の(A)は該実施形態1のフィルムグローブ6に用いるグローブ用フィルム5の表面を表す斜視図で、図2の(B)はその断面図である。
【0031】該グローブ用フィルム5は、防水透湿性フィルム1の片面に耐摩耗性樹脂製の突起物2をドット状に設けたものである。
【0032】実施形態1のフィルムグローブ6の製造方法としては、まず上記突起物2を設けた面をグローブ外側にして上記グローブ用フィルム5を2枚重ね、履き口を除いた周縁部4を熱融着等により液密にシールし、次いでグローブ形状にカットする(抜き型によるカット等)。或いは上記グローブ用フィルム5を2枚重ねにした状態でグローブ形状にカットし、次に履き口以外の周縁部4を融着又は接着しても良い。またカットと融着、接着を同時に行っても良い。例えば融着による場合は、融着金型に刃を取付け、融着(熱、高周波、または超音波等による融着等)とカットを同一工程で行う。また接着による場合は、下側にくるグローブ用フィルム5の表面に、接着部の形状に合わせて接着剤を塗布した後、上側のフィルムを重ね合わせ、圧着とカットを同時に行う。この様にカットと融着、接着を同時に行えば工程数が少なくなり、製造が簡便となるので好ましい。
【0033】上記フィルムグローブ6の外側には上記突起物2が現れており、隆起した該突起物2により、防水透湿性フィルム1が直接摩擦されることが防止され、よってグローブ用フィルム5が破け難く強度が向上し、防水性が保たれる。しまも突起物−突起物間の存在により、良好な透湿性や柔軟性が発揮される。加えて外部に露出した上記耐摩耗性樹脂製突起物2は、グローブで物を持つ際に、滑り止めとしての効果も発揮する。
【0034】<実施形態2>図3は本発明の実施形態2に係るフィルムグローブに用いるフィルム7を示す断面図であり、本実施形態2のグローブ用フィルム7は、防水透湿性フィルム1の両面に耐摩耗性樹脂製の突起物2をドット状に設けたものである。
【0035】実施形態2のフィルムグローブも上記実施形態1と同様に製造されるが、実施形態2では耐摩耗性樹脂製の突起物2がグローブ内側と外側の両方に露出する構造となる。従って実施形態2のフィルムグローブにおいては、グローブ6内側においても上記突起物2によって防水透湿性フィルム1が保護され、よってグローブ内の手の皮膚や爪による摩擦に対しても抵抗性が高く、より一層強度が向上する。
【0036】<実施形態3>図4は本発明の実施形態3に係るフィルムグローブに用いるフィルム8を示す断面図である。該グローブ用フィルム8の防水透湿性フィルム1は、多孔質PTFEフィルム10の片面に親水性透湿性樹脂製皮膜3が設けられたものであり、防水透湿性フィルム1の多孔質PTFEフィルム10側面に耐摩耗性樹脂製の突起物2がドット状に設けられている。
【0037】実施形態3においては、親水性透湿性樹脂製皮膜3側を内側、突起物2を設けた側を外側にして、上記実施形態1と同様にフィルムグローブを製造する。
【0038】本実施形態3では、手垢や体脂等の汚染物が上記親水性透湿性樹脂製皮膜3により防がれて多孔質PTFEフィルム10に到達せず、よって多孔質PTFEフィルム10の防水性が良好に保たれる。
【0039】<実施形態4>図5は本発明の実施形態4に係るフィルムグローブに用いるフィルム18を示す断面図である。該グローブ用フィルム18の防水透湿性フィルム1は、上記実施形態3と同様に、多孔質PTFEフィルム10の片面に親水性透湿性樹脂製皮膜3が設けられたものであり、本実施形態4のグローブ用フィルム18ではこの防水透湿性フィルム1の両面に耐摩耗性樹脂製の突起物2がドット状に設けられている。
【0040】このグローブ用フィルム18の親水性透湿性樹脂製皮膜3側を内側にして、上記実施形態1と同様の方法によりフィルムグローブを製造する。
【0041】本実施形態4においても上記実施形態2と同様にグローブ内外両方の摩擦等に対して抵抗性が高く、高い強度を示し、また上記実施形態3と同様に多孔質PTFEフィルム10の防水性が良好に保たれる。
【0042】<実施形態5>図6は本発明の実施形態5に係るフィルムグローブに用いるフィルム9を示す斜視図である。該グローブ用フィルム9は、防水透湿性フィルム1の片面に耐摩耗性樹脂製の突起物2を格子状に設けたものであり、上記実施形態1と同様に、該突起物2を設けた面を外側にしてグローブを形成する。
【0043】<実施形態6>本発明に係る複合グローブの一実施形態について述べる。該実施形態6の複合グローブは、上記実施形態3のフィルムグローブを用いたものであり、該フィルムグローブを合成皮革製の外側グローブと起毛編物からなる内側グローブ間に挟む様に配し、フィルムグローブの指先先端部と履き口部分で、縫い付けるか、或いは接着剤または粘着テープで接着する。尚指先の先端部を縫い付ける場合には、フィルムグローブの指先の先端部に縫い代を設けておく。
【0044】前述の様に実施形態3のフィルムグローブが柔軟であるから、これを用いた上記複合グローブも従来のものに比べて柔軟性が良好なものとなる。複合グローブはそれ程作業性を要求されるものではないが、上述の様に柔軟であるから使用感が良い。しかも上述の様にフィルムグローブは摩擦に対する抵抗性が良好であるから破損し難く、耐久性が良好で、防水性を長期にわたり保持し得る。またコストも比較的低い。
【0045】[防水透湿性フィルムや耐摩耗性樹脂製突起物の素材等についての説明]以下に上記防水透湿性フィルム、耐摩耗性樹脂製突起物について詳細に説明する。
【0046】前記防水透湿性フィルムとしては、防水透湿性を有するフィルムであればいずれの材料も使用可能であるが、(a)無孔質透湿性樹脂フィルム、(b)疎水性多孔質フィルム、(c)高分子多孔質フィルムに無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸したもの、(d)高分子多孔質フィルムの細孔内表面を撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーで被覆し且つ無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸したものが特に好ましい。
【0047】上記防水透湿性フィルムの透湿度は、3000g/m2・24hr以上が好ましく、より好ましくは1万g/m2・24hr以上である(透湿度の試験方法は、JIS L 1099B−2法(24時間換算)による)。防水透湿性フィルムの透湿度が前記範囲よりも低いと、手が蒸れ易く、不快となるからである。尚防水透湿性フィルムの透湿度は、高ければ高いほど快適となるため、透湿度の上限は特に限定されるものではない。
【0048】次に上記(a)の無孔質透湿性樹脂フィルムについて説明する。
【0049】該無孔質透湿性樹脂フィルムの材料としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ酸基等の親水性基を持つ高分子材料であって、水膨潤性で且つ水不溶性のものが好ましく用いられる。具体的には、少なくとも一部が架橋されたポリビニルアルコール、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の親水性ポリマーや、ポリアミノ酸、極性官能基を含有するポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を例示することができる。尚耐熱性、耐薬品性、加工性、透湿度等を考慮すると、ポリウレタン樹脂、フッ素系透湿性樹脂の使用が特に好ましい。
【0050】上記ポリウレタン樹脂としては、無孔質の親水性ポリウレタン系樹脂が好ましく用いられる。この無孔質の親水性ポリウレタン樹脂は、通常親水性の高いポリオールとポリイソシアネート化合物を主原料として反応させて得られる。上記親水性の高いポリオールとしては、例えばポリオキシエチレングリコールが挙げられるが、透湿性の向上や硬化速度の向上等を目的とした場合、ポリオキシアルキレンポリオールの使用も有効であり、またジオール類を併用することもできる。この反応により得られたイソシアネート基含有プレポリマーは、このプレポリマーの硬化剤との組み合わせにより二液型の組成物として用いることができる。上記硬化剤としては、ジオールやジアミンが用いられる。又、硬化剤を含まない一液型の組成物として、空気中の水分などにより硬化させる様にしても良い。或いは二液型組成物と一液型組成物を併用しても良い。
【0051】上記フッ素系透湿性樹脂としては、極性官能基を含有するもの、例えばカルボン酸系パーフルオロイオン交換樹脂、スルホン酸系パーフルオロイオン交換樹脂、特開平4−139237号公報に開示されている含フッ素モノマーと親水基含有モノマーとのコポリマー等の使用が望ましい。
【0052】上記(a)の無孔質透湿性樹脂フィルムの厚さとしては、3〜400μmが好ましく、より好ましくは5〜100μmである。無孔質透湿性樹脂フィルムの厚さが厚すぎると水蒸気透過量の低下をもたらし、また風合いが硬くなるから、快適性が不十分となる。従ってグローブに必要とされる機械的強度を満足させる範囲で極力薄い方が好ましい。
【0053】次に上記(b)の疎水性多孔質フィルムについて説明する。
【0054】該疎水性多孔質フィルムとしては、合成樹脂より得られる公知の疎水性の連続多孔質体、例えばポリオレフィン樹脂系の多孔質体、フッ素樹脂系の多孔質体等が挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂の連続多孔質体を用いる場合は、フッ素系撥水剤やシリコーン系撥水剤等により撥水処理を付与すると良い。フッ素樹脂系多孔質体としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の多孔質体が挙げられる。なかでもポリテトラフルオロエチレンを延伸処理して得られる多孔質PTFEフィルムは、耐薬品性、耐熱性、防水性、透湿性、柔軟性に優れ、特に好ましい。
【0055】上記疎水性多孔質フィルムの最大孔径(ASTM F−316の規定により最大孔径を測定)としては0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。疎水性多孔質フィルムの最大孔径が0.01μmよりも小さいものは、フィルム製造上の困難性があり、一方10μmを越えると防水性が不十分となるからである。上記疎水性多孔質フィルムの空孔率は50〜98%が好ましく、より好ましくは60〜95%である。疎水性多孔質フィルムの空孔率が小さ過ぎる場合は水蒸気の透過量が少なくなって、快適性が不十分になり、一方空孔率が大き過ぎるとフィルムの強度が低下してしまうからである。空孔率は、JIS K 6885の見掛け密度測定に準拠し、測定した見掛け密度(ρ)より次式で計算して求めたものである。
空孔率(%)=(2.2−ρ)/2.2×100【0056】また上記疎水性多孔質フィルムの厚みとしては5〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。疎水性多孔質フィルムの厚さが薄過ぎると製造時の取扱い性が悪く、厚過ぎると水蒸気透過量の低下をもたらし、また風合いが硬くなり、快適性が不十分となるからである。厚みの測定は、ダイヤルゲージで測定した平均厚さ(テクノロック社製1/1000mmダイヤルシックネスゲージを用い、本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した)による。
【0057】次に上記(c)の「高分子多孔質フィルムに無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸させたもの」ついて説明する。
【0058】該(c)のものにおける上記高分子多孔質フィルムとしては、耐熱性、耐腐食性を有するものが好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂の多孔質体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の多孔質体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂の多孔質体等が挙げられる。なかでもポリテトラフルオロエチレンを延伸処理して得られる多孔質PTFEフィルムは、耐熱性、耐薬品性、防水性、透湿性、柔軟性に優れており好ましい。なお、ここで用いる高分子多孔質フィルムは疎水性でなくても構わない。上記無効質透湿性樹脂の層により防水性が発揮されるからである。
【0059】上記高分子多孔質フィルムの最大孔径としては0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。最大孔径が小さ過ぎるとフィルム製造上の困難性があり、一方大き過ぎると、特に透湿性樹脂を塗布又は含浸により複合化する場合に透湿性樹脂の薄層化が困難になるからである。上記高分子多孔質フィルムの空孔率は50〜98%が好ましく、より好ましくは60〜95%である。空孔率が小さ過ぎると水蒸気透過量が減少し、また大き過ぎると多孔質フィルムの強度が低下するからである。また高分子多孔質フィルムの厚みは5〜300μmが好ましく、厚みが薄すぎると製造時の取扱い性が悪くなり、逆に厚すぎると水蒸気透過量が低下し、また風合いが硬くなり、快適性が損なわれるからである。
【0060】上記高分子多孔質フィルムに塗布又は含浸させる上記無孔質透湿性樹脂としては、上記(a)の無孔質透湿性樹脂フィルムに使用される材料と同様のものが挙げられる。そのうち特に無孔質の親水性ポリウレタン系樹脂が好ましく用いられる。
【0061】高分子多孔質フィルムに塗布又は含浸させた上記無孔質透湿性樹脂の厚みは、1〜50μmが好ましく、より好ましくは3〜30μmである。この部分の厚みが厚すぎると水蒸気透過量の低下をもたらし、快適性が損なわれるからであり、また薄すぎるとピンホールが無く均一に製膜を行うことが困難となるからである。
【0062】上記高分子多孔質フィルムに上記無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸させる方法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。つまり上記無孔質透湿性樹脂がポリウレタン系樹脂の場合には、ポリオールとポリイソシアネートの2成分を混合し硬化反応が終了する前の流動性がある状態で塗布した後、加熱硬化させる方法を用いることができる。上記無孔質透湿性樹脂がフッ素系樹脂の場合には、アルコール、ケトン、エステル、アミドあるいは炭化水素のような有機溶媒中に溶解させた溶液を塗布した後、脱溶剤する方法が挙げられる。上記無孔質透湿性樹脂がシリコーン樹脂の場合には、トルエン等の有機溶媒中に溶解させ、その溶液を塗布した後、脱溶媒する方法が挙げられる。その他にも、樹脂が液状化する方法であれば適宜使用可能であり、例えばホットメルト接着剤を加熱して流動化させ塗布した後、硬化させる方法や、ディスパージョン溶液を塗布した後、加熱硬化させる方法等を用いることができる。上記において塗布を行う具体的な方法としては、グラビアロール、リバースロール、ドクターロール、キスロール等を用いた方法や、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。
【0063】上記高分子多孔質フィルムに上記無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸させた複合フィルム(防水透湿性フィルム)をフィルムグローブに用いる場合において、上記無孔質透湿性樹脂側を内側(手側)に用いるのが好ましい。無孔質透湿性樹脂側を内側に用いると、手から発生する体脂や汗等の汚染物を上記無孔質透湿性樹脂層で遮断でき、よって高分子多孔質フィルムがこれらの汚染物で汚染され、防水性が低下するのを防ぐことができる。
【0064】また上記多孔質高分子フィルムとして多孔質PTFEフィルム等の様に熱融着できない樹脂フィルムを使用した場合においてグローブを作製する際には、グローブの内側に設けた上記無孔質透湿性樹脂を溶かして周縁部を熱融着することができる。
【0065】次に上記(d)の「高分子多孔質フィルムの細孔内表面を撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーで被覆し且つ、無孔質透湿性樹脂を塗布又は含浸したもの」について説明する。
【0066】該(d)のものにおける高分子多孔質フィルムとしては、上記(c)と同様のものを用いることができる。この場合にいおいて上記高分子多孔質フィルムの細孔内表面を被覆する有機ポリマーとしては、撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーであれば特に限定されない。尚例えば、フッ素化有機側鎖を繰り返し現れるペンダント基として有するポリマーを好適に用いることができる。
【0067】この様なポリマー及びそれを多孔質高分子フィルムに複合化する方法の詳細についてはWO94/22928公報等に開示されており、その一例を下記に示す。
【0068】
【化1】

【0069】(式中、nは3〜13の整数、RはH又はCH3である。)
【0070】上記化学式で表されるフルオロアルキルアクリレート及びフルオロアルキルメタクリレートを重合して得られるポリマー(フッ素化アルキル部分は6〜16の炭素原子を有することが好ましい。)の水性マイクロエマルジョン(平均粒径0.01〜0.5μm)をフッ素化界面活性剤(例えば、アンモニウムペルフルオロオクタノエート)を用いて形成し、これを高分子多孔質フィルムに適用し、加熱する。すると水とフッ素化界面活性剤が除去されるとともに、フッ素化ポリマーが溶融して多孔質基材の細孔内表面を被覆し、且つ、連続孔を維持した目的の撥水性・撥油性多孔質フィルムが得られる。
【0071】また他の有機ポリマーとして、パーフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソールとテトラフルオロエチレンのコポリマー(商品名:AFポリマー デュポン社製)、等も使用できる。これらの有機ポリマーを高分子多孔質フィルムの細孔内表面に被覆するには、例えばパーフルオロカーボン(商品名:フロリナート 3M社製)等の不活性溶剤にこれらのポリマーを溶解させ、高分子多孔質フィルムに含浸させた後、溶剤を蒸発除去する等の方法で行うと良い。
【0072】前述の様に水系、油系の様々な汚染物で上記高分子多孔質フィルムが汚染されると、親水化して防水性が低下するという現象が起こるが、上述の様に上記高分子多孔質フィルムの細孔内表面を、撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーで被覆することにより、この防水性低下現象を防ぐことができる。
【0073】上記高分子多孔質フィルムに塗布又は含浸させる無孔質透湿性樹脂としては、上記(a)の無孔質透湿性樹脂フィルムに使用される材料と同様のものを用いることができる。尚特に無孔質の親水性ポリウレタン系樹脂が好ましく用いられる。
【0074】次に前記耐摩耗性樹脂製突起物について説明する。
【0075】該耐摩耗性樹脂製の突起物としては、フッ素系、ウレタン系、シリコーン系、エステル系、アミド系樹脂等の様に、液状で塗布した後、その場所で硬化する樹脂であればいずれのものも使用可能である。特にフッ素系ゴムやシリコーン系ゴム、ウレタン系樹脂等は、柔軟性、耐薬品性、耐熱性が良好であるから好ましく用いられる。中でもゴム弾性を有するものがより好ましく用いられる。
【0076】上記耐摩耗性樹脂製突起物を前記防水透湿性フィルム表面に敷設する方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷(グラビアパターンを施したロールで樹脂を転写する方法)、スプレー塗布等の公知の方法を採用することができる。
【0077】尚前述の様に、上記耐摩耗性樹脂製突起物を防水透湿性フィルム表面に敷設する場合の樹脂面積(カバー率)は3〜90%が好ましく、より好ましくは5〜80%である。
【0078】上記耐摩耗性樹脂製突起物の形状としては、耐摩耗性樹脂が防水透湿性フィルム表面をカバーできるものでれば特に限定されるものではなく、例えば上記の如くドット状、格子状等が挙げられる。
【0079】なお、本発明のフィルムグローブに用いる耐摩耗性樹脂製突起物付き防水透湿性フィルム(以下、フィルム地と称することがある)(例えば、実施形態1〜5で示すフィルム5、7〜9、18等)を帽子に用いても良く、即ち例えば該フィルム地を外側帽子と内側帽子の間に介挿させる様にしても良い。該帽子は前記複合グローブと同様に、防水性、透湿性が良好で、しかも柔軟で着け心地の良いものとなる。加えて内部の上記フィルム地は前述の様に摩擦に対する抵抗性が良好であるから、外側帽子や内側帽子により摩擦を受けても破損し難い。また上述と同様に上記フィルム地はコストがあまり高くないから、帽子としてもあまり高価なものとならない。尚この様な帽子に用いる上記フィルム地は、前述の本発明に係るフィルムグローブに用いるフィルム地と何ら変わりなく、同様の素材、特性のものを用いることができる。
【0080】また本発明のフィルムグローブに用いるフィルム地を、上記複合グローブや上記帽子以外の用途に用いても良く、該フィルム地は、耐久性の改善された防水透湿性フィルムとして広く利用できる。
【0081】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0082】<実施例1>上記防水透湿性フィルムとして、厚さ30μm、最大孔径約0.2μm、空孔率85%の多孔質PTFEフィルムを用いた。
【0083】上記親水性透湿性樹脂製皮膜の原料液として、オキシエチレン基を質量比で60〜65%含むポリエーテルポリウレタン100質量部と、3官能トリレンジイソシアナートアダクト体5質量部とを、下記混合溶剤に溶解させた液を用いた(以下、皮膜原料液と称する)。尚上記ポリエーテルポリウレタンは、ジフェニルメタンジイソシアナートとポリオールからなるポリウレタンであり、上記混合溶剤は、50質量部のジメチルホルムアミドと50質量部のキシレンを混合したものである。
【0084】また上記耐摩耗性樹脂製突起物の原料液としては、フッ素ゴム(商品名;ダイエルG501 ダイキン社製)100質量部をMIBK(イソブチルメチルケトン)300質量部に溶解し、この溶解液100質量部と下記硬化液8質量部とを混合した液を用いた(以下、突起物用原料液と称する)。上記硬化液は、硬化剤(商品名;エポメートF100 油化シェルエポキシ社製)1質量部を、MEK(メチルエチルケトン)9質量部とメタノール17質量部で希釈したものである。
【0085】上記多孔質PTFEフィルムの一方の面に、ロールコーターを用いて上記皮膜原料液を塗布し、次いで100℃で5分間乾燥し、その後160℃で10分間熱処理した(以下、これを複合フィルムと称する)。
【0086】次に上記多孔質PTFEフィルムの他方の面(上記複合フィルムのうちの、親水性透湿性樹脂製皮膜が形成されていない面)に、グラビアロールを用いて上記突起物用原料液をドット状に塗布し、次いで130℃のヒートロールで加熱硬化させた。
【0087】得られたグローブ用フィルムは、一方の面に親水性透湿性樹脂製皮膜が設けられ、他方の面にフッ素ゴム(耐摩耗性樹脂製突起物)がドット状に設けられたものであり、このフッ素ゴムドットのカバー率は40%であった。
【0088】<比較例1>上記実施例1と同様の多孔質PTFEフィルム(厚さ30μm、最大孔径約0.2μm、空孔率85%)を用い、該多孔質PTFEフィルムの一方の面に、上記実施例1と同様の上記皮膜原料液を、ロールコーターを用いて塗布した。次いで100℃で5分間乾燥し、その後160℃で10分間熱処理した。
【0089】得られたグローブ用フィルムは多孔質PTFEフィルムの片面に親水性透湿性樹脂製皮膜が形成されたものである。
【0090】<比較例2>厚さ29μmのポリエチレンフィルムを比較例2のグローブ用フィルムとした。尚該比較例2は具体的にはSANSYO社製 サニメント手袋を分解し、フィルムを採取したものである。
【0091】[実施例1と比較例1の評価]上記実施例1と比較例1について、透湿度、耐摩耗性、及び防水性について試験を行った。これらの試験方法は下記の通りである。またこれらの試験結果を下記表1に示す。
【0092】・透湿度試験JIS L 1099 B−2法により透湿度を測定した。測定値を24時間換算で表している。
【0093】・摩耗試験(耐摩耗性)
JIS L 1096 A法(ユニバーサル法)により耐摩耗性を評価した。即ち試験片をゴム膜の上に載せ、研磨紙(NORTON EMERY A621 #0)で多方向に摩擦し、10回摩擦毎に目視で試験片の状態を確認し、試験片が破壊したときの回数をもって耐摩耗性の程度とした(回数が多いほど耐摩耗性が良好である)。尚上記研磨紙は50回摩擦毎に交換した。
【0094】・耐水度試験(防水性)
JIS L 1092 B法(高水圧法)に準拠して試験を行った。即ち試験片の外面(外側として使用する面)を接水する側にして試験用筒に該試験片を取り付け、上記接水側の水圧を上昇させて行き、上記試験片の内面(反接水面側)から3箇所以上の漏水が発生した時点の水圧(kgf/cm2)をもって耐水度とした。但し、上記試験片が水圧により変形して破裂するのを防ぐ為に、直径8mmの孔が10.5mmのピッチで69個開いたパンチングプレートを、接水面の反対側に配置して試験を行った。
【0095】
【表1】

【0096】表1から分かる様に、実施例1のものは比較例1と遜色のない防水性(耐水度)及び透湿性を示し、しかも耐摩耗性が非常に向上しおり、比較例2のポリエチレンフィルムに近い値となっている。比較例2のポリエチレンフィルムは、耐摩耗性には優れているものの、透湿度が低く、蒸れ易いことが分かる。
【0097】以上の様に本発明に係るフィルムグローブ及び複合グローブに関して具体的に説明したが、本発明はもとより上記例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0098】
【発明の効果】以上の如く本発明に係るフィルムグローブは、外部からのストレスが耐摩耗性樹脂製突起物により減じられるから、防水透湿性フィルム表面が傷つく恐れを低減でき、よって耐久性に優れ、良好な防水性を保持し得る。しかも、従来の様に布帛等を積層したものに比べ、防水透湿性フィルムの柔軟性(風合い)や透湿性が損なわれないから、グローブのフィット性や履き心地、快適性に優れる。また従来の布帛等を積層する場合に比べて低コストである。
【0099】また本発明に係る複合グローブは、柔軟で透湿性、防水性、耐久性に優れた上記フィルムグローブをインサートしたものであるから、該複合グローブ全体としても従来のものに比べ柔軟で透湿性、防水性に優れ、しかも耐久性に優れる。またコストも比較的高いものとはならない。
【出願人】 【識別番号】000107387
【氏名又は名称】ジャパンゴアテックス株式会社
【出願日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外1名)
【公開番号】 特開2002−20916(P2002−20916A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−210325(P2000−210325)