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手袋およびその製造方法 - 特開2002−20915 | j-tokkyo
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【発明の名称】 手袋およびその製造方法
【発明者】 【氏名】松浦 亜衣

【氏名】宮本 芳明

【要約】 【課題】袖部を補強して着脱感を向上させた手袋と、浸漬法による一体成形によって手袋を形成しつつ、簡易な方法でもって袖部を補強することのできる手袋の製造方法とを提供する。

【解決手段】本発明の手袋10は、(i) 樹脂エマルジョンから一体成形された、手首12よりも袖口16側の引張応力が手首12より指先14側の引張応力よりも大きい手袋、または(ii)ゴムラテックスから一体成形され、手首より袖口側に樹脂架橋剤を塗布してから加硫した手袋である。かかる手袋は、樹脂エマルジョンまたはゴムラテックスに手袋の型を浸漬して皮膜を形成した後、当該皮膜の手首より袖口側の部分に樹脂架橋剤を塗布して、架橋または加硫することによって得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】樹脂エマルジョンから一体成形された手袋であって、手首よりも袖口側の引張応力が手首より指先側の引張応力よりも大きい手袋。
【請求項2】前記樹脂エマルジョンがアクリル系樹脂エマルジョンまたはスチレン系樹脂エマルジョンである請求項1記載の手袋。
【請求項3】手首より指先側の100%伸び時における引張応力M100 が2.0MPa未満で、手首より袖口側の100%伸び時における引張応力M100 が2.0MPa以上である請求項1または2記載の手袋。
【請求項4】樹脂エマルジョンに手袋の型を浸漬して、その表面に樹脂皮膜を形成した後、当該皮膜のうち手首より袖口側に相当する部分の表面に樹脂架橋剤を塗布して、架橋することを特徴とする請求項1記載の手袋の製造方法。
【請求項5】ゴムラテックスから一体成形された手袋であって、その手首より袖口側が、ゴム皮膜に樹脂架橋剤を塗布してから加硫したものである手袋。
【請求項6】前記ゴムラテックスが天然ゴムラテックス、脱蛋白天然ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、またはスチレン−ブタジエンゴムラテックスである請求項5記載の手袋。
【請求項7】ゴムラテックスに手袋の型を浸漬して、その表面にゴム皮膜を形成した後、当該皮膜のうち手首より袖口側に相当する部分の表面に樹脂架橋剤を塗布して、加硫することを特徴とする請求項5記載の手袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、袖部を補強して着脱感を向上させた手袋とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来の手袋には、大きく分けて天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等のゴムを原料としたものと、塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の樹脂を原料としたものとがある。これらの手袋のうち、樹脂手袋、中でも塩化ビニル樹脂製の手袋は、原料自体の引張応力(モジュラス)が大きく、伸びが少ないことなどから、その装着性および脱着性がゴム手袋に比べて優れている。しかし、近年、ダイオキシンによる環境汚染の問題から、塩化ビニル樹脂製の製品についてはその使用を制限する動きが高まっている。
【0003】一方、ゴム手袋は、皮膜自体の強度は強いものの低伸張時の引張応力が小さく、伸びが大きいことから、手袋装着時のフィット感や作業性が優れている。しかしながら、逆に、伸びが大きいゆえに袖部を引っ張っても装脱着がなかなか進行しないという問題がある。また、樹脂手袋であるのとゴム手袋であるのとに関わらず、これらの手袋はいずれも皮膜が薄く、柔らかいものであるために、使用中に袖部が垂れてくるという問題がある。
【0004】従って、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性とを両立させて、しかも袖部が垂れるという問題を防止するには、手袋の指部、掌部および甲部を伸びの大きなゴムから形成し、手首よりも袖口側を硬度の高い素材から形成するのが好ましい。しかしながら、ゴムまたは樹脂製の手袋は、一般に、ゴムラテックスまたは樹脂エマルジョンを用いた浸漬法によって一体的に製造されるものである。これは、浸漬法は製造工程が簡易であって、しかも均一な皮膜を容易に形成できるからであるが、一体的に手袋を製造されるために、部分的に手袋の材質を変えるのは非常に困難であった。
【0005】そこで、本発明の目的は、袖部を補強して着脱感を向上させた手袋と、浸漬法による一体成形によって手袋を形成しつつ、簡易な方法でもって袖部を補強することのできる手袋の製造方法とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課題を解決するための本発明に係る第1の手袋は、樹脂エマルジョンから一体成形された手袋であって、手首よりも袖口側の引張応力が手首より指先側の引張応力よりも大きいことを特徴とする。また、上記第1のゴム手袋の製造方法は、樹脂エマルジョンに手袋の型を浸漬して、その表面に樹脂皮膜を形成した後、当該皮膜のうち手首より袖口側に相当する部分の表面に樹脂架橋剤を塗布して、架橋することを特徴とする。
【0007】上記第1の手袋は、樹脂エマルジョンから一体成形されたものであって、簡易な製造工程によって得られ、しかも皮膜の厚みが均一で装脱着感が良好な手袋である。加えて、かかる手袋は、手首12より袖口16側の引張応力が手首12より指先14側の引張応力よりも大きいことから(図1参照)、袖部が他の部分に比べて相対的に補強されており、それゆえ使用中に袖部が垂れるという問題が十分に抑制されている。
【0008】また、上記第1の手袋は、上記第1の手袋の製造方法からも明らかなように、通常の浸漬法の手法に沿って手袋の型表面に樹脂皮膜を形成した後、当該皮膜のうち手首12より袖口16側に相当する袖部20の表面に、単に樹脂架橋剤を塗布して架橋することにより製造されるものである。従って、その製造方法が極めて簡易であって、製造時の手間や作業コストをかけることなく、袖部以外の部分18の性状を変化させることなく、袖部20のみが補強された樹脂手袋を得ることができる(図1参照)。
【0009】上記第1の手袋における樹脂エマルジョンには、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性とをより一層向上させるためにも、アクリル系樹脂エマルジョンまたはスチレン系樹脂エマルジョンを用いるのが好ましい。上記第1の手袋は、手首より指先側の100%伸び時における引張応力M100が2.0MPa未満で、手首より袖口側の100%伸び時における引張応力M100 が2.0MPa以上であるのが好ましい。手袋の各部の引張応力が上記範囲を満たすことにより、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性とがより一層向上されたものとなり、しかも袖部が十分に補強されていることにより使用中に袖部が垂れるという問題が生じない。
【0010】一方、上記課題を解決するための本発明に係る第2の手袋は、ゴムラテックスから一体成形された手袋であって、その手首より袖口側が、ゴム皮膜に樹脂架橋剤を塗布してから加硫したものであることを特徴とする。また、上記第2のゴム手袋の製造方法は、ゴムラテックスに手袋の型を浸漬して、その表面にゴム皮膜を形成した後、当該皮膜のうち手首より袖口側に相当する部分の表面に樹脂架橋剤を塗布して、加硫することを特徴とする。
【0011】上記第2の手袋は、ゴムラテックスから一体成形されたものであって、簡易な製造工程によって得られ、しかも皮膜の厚みが均一で装着時のフィット感や作業性に優れた手袋である。加えて、かかる手袋は、手首12より袖口16側の引張応力が手首12より指先14側の引張応力よりも大きいことから(図1参照)、袖部が他の部分に比べて相対的に補強されており、それゆえ使用中に袖部が垂れるという問題が十分に抑制されている。
【0012】また、上記第2の手袋は、上記第2の手袋の製造方法からも明らかなように、通常の浸漬法の手法に沿って手袋の型表面にゴム皮膜を形成した後、当該皮膜のうち手首12より袖口16側に相当する袖部20の表面に、単に樹脂架橋剤を塗布して架橋することにより製造されるものである。従って、その製造方法が極めて簡易であって、製造時の手間や作業コストをかけることなく、袖部20が補強されたゴム手袋を得ることができる(図1参照)。
【0013】上記第2の手袋におけるゴムラテックスには、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性をより一層向上させるためにも、天然ゴムラテックス、脱蛋白天然ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、またはスチレン−ブタジエンゴムラテックスを用いるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る手袋について詳細に説明する。図1は、本発明に係る手袋10の一実施形態を示す正面図である。
〔樹脂手袋〕本発明に係る第1の手袋(樹脂手袋)10は、前述のように、樹脂エマルジョンから一体成形されたものであって、手首12よりも袖口16側の引張応力が手首12より指先14側の引張応力よりも大きいことを特徴とする。
【0015】(樹脂エマルジョン)上記樹脂手袋を製造するのに用いられる樹脂エマルジョンとしては、例えばアクリル樹脂エマルジョン、メタクリル樹脂エマルジョン等のアクリル系樹脂エマルジョン;スチレン系樹脂エマルジョン;ウレタン系樹脂エマルジョン等が挙げられる。中でも、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性とをより一層向上させるという観点から、アクリル系樹脂エマルジョンまたはスチレン系樹脂エマルジョンを用いるのが好ましい。
【0016】(架橋剤)上記樹脂エマルジョンには、樹脂の架橋性を十分なものとし、かつ手袋の強度を向上させるために、架橋剤を配合するのが好ましい。樹脂エマルジョンが自己架橋性を有する場合には架橋剤を配合しなくても成膜できるが、架橋剤を配合することによって手袋の強度をより一層向上させることができる。上記架橋剤としては、例えば亜鉛華、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の、ポリマーの加工用に用いられる従来公知の種々の架橋剤が挙げられる。架橋剤の配合量は特に限定されないが、樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して1〜10重量部、特に1〜5重量部であるのが好ましい。
【0017】(感熱化剤・アノード凝着剤)上記樹脂エマルジョンには、浸漬法による皮膜形成時の成膜性を高めることを目的として、さらに感熱化剤やアノード凝着剤等を配合することができる。上記感熱化剤としては、無機または有機アンモニウム塩や、水溶性高分子型感熱化剤等の、従来公知の種々の感熱化剤が挙げられる。無機または有機アンモニウム塩としては、例えば硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、種々の亜鉛アンモニウム錯塩等が挙げられる。水溶性高分子型感熱化剤としては、例えばポリビニルメチルエーテル(PVME)、ポリアルキレングリコール、ポリエーテルポリホルマール、官能性ポリシロキサン等が挙げられる。中でも、曇点が常温以上、100℃以下のものであるのがより好ましい。
【0018】上記アノード凝着剤としては、例えばイオン価が2以上の金属塩や有機アルキルアミン塩等が挙げられる。イオン価が2以上の金属塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらのアノード凝着剤は一般に水溶液として使用される。感熱化剤やアノード凝着剤の配合量は特に限定されるものではないが、成膜性を良好なものとするには、樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して0.1〜10重量部程度の割合で配合すればよい。
【0019】(樹脂手袋の機械的特性)本発明の樹脂手袋は、手首より指先側の100%伸び時における引張応力M100 が2.0MPa未満であるのが好ましい。一方、手首より袖口側の100%伸び時における引張応力100 は2.0MPa以上であるのが好ましく、2.0〜4.0MPaであるのがより好ましい。手袋の各部の引張応力が上記範囲を満たすことにより、前述のように、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性とがより一層向上されたものとなる。しかも、袖部が補強されて、十分な強度を備えることから、使用中に袖部が垂れてしまうのを防止できる。
【0020】さらに、本発明において特に限定されるものではないが、上記樹脂手袋の手首より指先側の300%伸び時における引張応力M300 は4.5MPa未満であるのが好ましい。一方、手首より袖口側の300%伸び時における引張応力M100は4.5MPa以上であるのが好ましく、4.5〜6.5MPaであるのがより好ましい。上記樹脂手袋の切断時伸びEB は、手首より指先側において400〜600%であるのが好ましい。一方、手首より袖口側において200〜350%であるのが好ましい。
【0021】(樹脂手袋の製造方法)本発明に係る第1の手袋(樹脂手袋)は次のようにして製造される。まず、架橋剤、感熱化剤、アノード凝着剤等を必要に応じて配合した樹脂エマルジョンに手袋の型を浸漬し、型の表面に形成された樹脂皮膜を乾燥させる。次いで、得られた皮膜のうち手首より袖口側に相当する部分(袖部)の表面に、刷毛やスプレー等によって樹脂架橋剤を塗布して、皮膜を架橋する。こうして、袖部が補強された本発明の樹脂手袋を得ることができる。
【0022】手袋の型は、樹脂エマルジョンに浸漬する際にあらかじめ50〜100℃程度に加温しておくか、あるいはあらかじめその表面に硝酸カルシウム等の凝固液を塗布しておけばよい。樹脂エマルジョンへの手袋の型の浸漬時間といった樹脂手袋製造時の浸漬条件は特に限定されるものではなく、樹脂手袋に求められる皮膜の厚み等に応じて、適宜設定すればよい。
【0023】〔ゴム手袋〕本発明に係る第2の手袋(ゴム手袋)10は、前述のように、ゴムラテックスから一体成形されたものであって、その手首12よりも袖口16側(袖部20)が、ゴム皮膜に樹脂架橋剤を塗布してから加硫したものである。
(ゴムラテックス)上記ゴム手袋を製造するのに用いられるゴムラテックスとしては、例えば天然ゴム(NR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、メタクリル酸メチルグラフト(MG)ラテックス等が挙げられる。
【0024】上記NRラテックスは、アンモニア処理ラテックス等の従来公知のもののほかに、ラテックス中の蛋白質を除去する処理を施したいわゆる脱蛋白天然ゴムラテックス(DPNR)であってもよい。
(加硫系配合剤)上記ゴムラテックスには、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の加硫系配合剤が添加される。
【0025】加硫剤としては、例えば硫黄;トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫剤の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定される。加硫促進剤としては、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
【0026】上記ゴムラテックスには、浸漬法による皮膜形成時の成膜性を高めることを目的として、さらに感熱化剤やアノード凝着剤等を配合することができる。感熱化剤やアノード凝着剤は前述のものと同様のものが挙げられる。またその配合量も、樹脂エマルジョンに配合する場合と同様にして設定すればよい。
(他の添加剤)上記ゴムラテックスには、上記加硫系配合剤、感熱化剤、アノード凝着剤以外の他の配合剤を添加することができる。かかる他の添加剤としては、例えば老化防止剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、補強剤等の、従来公知の種々の添加剤が挙げられる。
【0027】老化防止剤としては、一般に、CPL(ヒンダート・フェノール)、アンテーージW−300〔4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)〕等の、非汚染性のフェノール類が好適であるが、オクチル化ジフェニルアミン等のアミン類を使用してもよい。老化防止剤の配合量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。充填剤の配合量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。
【0028】また、上記各添加剤のゴムラテックス中への分散を良好にするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種の界面活性剤等、とりわけアニオン界面活性剤が挙げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。
(ゴム手袋の機械的特性)本発明のゴム手袋は、手首より指先側の100%伸び時における引張応力M100 が1.5MPa未満であるのが好ましい。一方、手首より袖口側の100%伸び時における引張応力M100 は1.5MPa以上であるのが好ましく、1.5〜4.0MPaであるのがより好ましい。手袋の各部の引張応力が上記範囲を満たすことにより、前述のように、手袋の装脱着性と、フィット感および作業性とがより一層向上されたものとなる。しかも、袖部が補強されて、十分な強度を備えることから、使用中に袖部が垂れてしまうのを防止できる。
【0029】さらに、本発明において特に限定されるものではないが、上記ゴム手袋の手首より指先側の300%伸び時における引張応力M300 は2.0MPa以下であるのが好ましい。一方、手首より袖口側の300%伸び時における引張応力M100は3.0MPa以上であるのが好ましく、3.5〜5.5MPaであるのがより好ましい。上記ゴム手袋の切断時伸びEB は、手首より指先側において700〜900%であるのが好ましい。一方、手首より袖口側において500〜650%であるのが好ましい。
【0030】(ゴム手袋の製造方法)本発明に係る第2の手袋(ゴム手袋)は、まず、加硫系配合剤、感熱化剤、アノード凝着剤等を必要に応じて配合したゴムラテックスに手袋の型を浸漬し、型の表面に形成されたゴム皮膜を乾燥させる。次いで、得られた皮膜のうち手首より袖口側に相当する部分(袖部)の表面に、刷毛やスプレー等によって樹脂架橋剤を塗布して、皮膜を加硫する。こうして、袖部が補強された本発明のゴム手袋を得ることができる。
【0031】手袋の型は、ゴムラテックスに浸漬する際にあらかじめ50〜100℃程度に加温しておくか、あるいはあらかじめその表面に硝酸カルシウム等の凝固液を塗布しておけばよい。ゴムラテックスへの手袋の型の浸漬時間といったゴム手袋製造時の浸漬条件は特に限定されるものではなく、ゴム手袋に求められる皮膜の厚み等に応じて、適宜設定すればよい。
【0032】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
実施例1〜3天然ゴムラテックスの乾燥ゴム分100重量部に対して、硫黄1重量部、亜鉛華1重量部および加硫促進剤(BZ)1重量部を添加し、24〜48時間熟成して前加硫を施した。
【0033】一方、手袋の型の表面に凝固液としての硝酸カルシウムを塗布し、50℃程度に加温した上で、当該手袋の型を上記前加硫ラテックス中に浸漬した。前記型を前加硫ラテックスから引き上げた後、型表面に成膜されたゴム膜を乾燥させた。次いで、手袋の型の表面に形成されたゴム膜のうち、手首部分より袖部側に相当する箇所に、表1に示す樹脂架橋剤を刷毛で塗布した。塗布後、手袋の型を100℃のオーブン中に30分間放置して、ゴム膜(手袋)の加硫を行った。
【0034】実施例1〜3で使用した樹脂架橋剤は次のとおりである。
実施例1:メラミン樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製の商品名「ベッカミンPM−N」〕
実施例2:メラミン樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製の商品名「ベッカミンJ−101」〕
実施例3:オキサゾリン樹脂〔(株)日本触媒製の商品名「エポクロスWS−500」〕
実施例4および5天然ゴムラテックスに代えてアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス〔日本ゼオン(株)製の商品名「LX550L」〕を用いたほかは、実施例1および2と同様にして、前加硫ラテックスの調製、浸漬法によるゴム膜の形成、乾燥および樹脂架橋剤の塗布を行った。
【0035】樹脂架橋剤は、実施例4では実施例1と同じメラミン樹脂(前出の「ベッカミンPM−N」)を、実施例5では実施例2と同じメラミン樹脂(前出の「ベッカミンJ−101」)を、それぞれ使用した。次いで、オーブンの温度を110としたほかは、実施例1および2と同様にして、ゴム膜(手袋)の加硫を行った。
実施例6および7アクリル樹脂エマルジョン〔日本ゼオン(株)製の商品名「LX854」〕の樹脂固形分100重量部に対して、亜鉛華3重量部、ポリビニルメチルエーテル(感熱化剤)0.5重量部および硝酸カルシウム(アノード凝着剤)1.5重量部を添加した。
【0036】次に、あらかじめ100℃に加熱した手袋の型を10秒間浸漬し、型を引き上げて型表面に成膜されたアクリル樹脂層を乾燥させた。次いで、型表面のアクリル樹脂層のうち、手袋部部より袖部側に相当する箇所に、表1に示す樹脂架橋剤を刷毛で塗布した。塗布後、手袋の型を100℃のオーブン中に30分間放置して、アクリル樹脂膜の乾燥を行った。
〔引張試験〕上記実施例1〜7で得られた手袋のうち、樹脂架橋剤が塗布された部分(袖部)を打ち抜いて、JIS4号に規定の引張試験用の試験片を得た。なお、実施例1,4および6の手袋については、樹脂架橋剤が塗布されていない部分からも同様にして試験片を作製し、順に対照1,2および3とした。
【0037】上記試験片を用い、JIS K 6251に記載の試験方法に従って、300%伸び時の引張応力M300 (MPa)、切断時引張強さTB (MPa)および切断時伸びEB (%)を求めた。以上の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】表1より明らかなように、実施例1〜3で得られた天然ゴム(NR)製の手袋について、その袖部における引張応力M100 ,M300 は、いずれも袖部以外の部分に相当する対照1で得られた手袋に比べて大きくなっている。また、切断時引張強さTB と切断時伸びEB とはそれぞれ小さくなっている。従って、実施例1〜3で得られた手袋は、いずれもその袖部が補強されており、経時的に袖部が垂れる問題が十分に抑制されていることが分かった。
【0040】また、実施例4および5と対照2との比較、ならびに実施例6および7と対照3との比較により、手袋の素材がアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)やアクリル樹脂であっても、実施例1〜3と同様に、袖部を補強し、経時的に袖部が垂れるのを十分に抑制する効果が得られることが分かった。上記実施例では、天然ゴム(NR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスおよびアクリル樹脂エマルジョンを用いて手袋を作製した。しかし、本発明の手袋は、上記素材の手袋に限定されるものではない。具体的には、脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスを用いた場合にはNRラテックスを用いた実施例1〜3と同様の手袋を得ることができ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックスを用いた場合にはNBRラテックスを用いた実施例4および5と同様の手袋を得ることができる。また、スチレン系樹脂(PS)エマルジョンを用いた場合にはアクリル樹脂エマルジョンを用いた実施例6および7と同様の手袋を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
【出願日】 平成12年7月6日(2000.7.6)
【代理人】 【識別番号】100075155
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【公開番号】 特開2002−20915(P2002−20915A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−205500(P2000−205500)