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【発明の名称】 自動膨張式胴衣
【発明者】 【氏名】竹内 健詞

【要約】 【課題】従来の固定的な位置での保護ではなく、作動鍵により自動的でかつ瞬時に働く起動装置を使用することで、膨張気室を胴衣内部から外部に展開させてより身体全体、特に、頚椎、脊椎等の身体の主要部位を完全に保護する胴衣を提供する。

【解決手段】二輪車等の搭乗者が着用する胴衣に、折畳まれ収納される複数の膨張気室を設け、作動時には起動装置に接続された二酸化炭素ガスシリンダーより注入される二酸化炭素ガスを、膨張気室に2段階に充填することにより瞬時に気室を膨張させ、二輪車等の交通事故災害特有の状況といえる車両より投げ出された搭乗者が路面、路上構造物、壁面等に激突する際の衝撃を緩和するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ガス注入エアラインと複数の膨張気室を有する緩衝機構を備えた胴衣において、前記胴衣は通常時には係止部により胴衣様の外観を有すると共に膨張時には折り曲げラインに沿って外側に展開する展開部を備えると共に、前記膨張気室を前記展開部の折り曲げラインを中心線とした対称面の両側となる胴衣本体側の膨張気室の基部収納部と胴衣本体から外側に展開する膨張気室の外部収納部とに一体または分割構造として収納したことを特徴とする自動膨張式胴衣。
【請求項2】前記膨張気室の基部収納部が胸部の縦方向に沿って形成されると共に、膨張気室の外部収納部が胸部の中央方向に展開されることを特徴とする請求項1記載の自動膨張式胴衣。
【請求項3】前記膨張気室の基部収納部が腰部の横方向に沿って形成されると共に、膨張気室の外部収納部が腰部の下方方向に展開されることを特徴とする請求項1記載の自動膨張式胴衣。
【請求項4】前記膨張気室の基部収納部が背部の縦方向に沿って形成されると共に、膨張気室の外部収納部が背部の中央方向に展開されることを特徴とする請求項1記載の自動膨張式胴衣。
【請求項5】通常時には係止部により胴衣様の外観を有すると共に膨張時には折り曲げラインに沿って外側に展開する展開部を備えると共にガス注入エアラインを有する複数の膨張気室を前記展開部に収納させた胴衣において、前記展開部を胴衣の襟部に形成すると共に膨張気室をフード状に形成して収納したことを特徴とする自動膨張式胴衣。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二輪車等の搭乗者保護用具として非作動時にも安全な胴衣としての装備を備え、作動時には緩衝機構となる膨張気室を有する胴衣に関するものであり、詳細には、胴衣内の膨張気室に二酸化炭素ガスシリンダーより二酸化炭素ガスを注入する方式で作動させる緊急保護用具としての胴衣に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、二輪車等の交通事故災害時においては、搭乗者が何らかの要因において落車し路上構造物あるいは路面、壁面に身体を強打し全身打撲、首、脊椎、胸骨等の骨折、内臓破裂等により重傷または死亡する場合が多数をしめ、社会問題となっているのが現状である。
【0003】このような状況下において二輪車等の搭乗者保護用具として、膨張気室により搭乗者を保護する各種の胴衣が知られている。これらの胴衣の最も発展して形式としては、起動装置を二輪車等に連結し、搭乗者が何らかの要因において落車した場合等に、その連結構造により膨張気室内に即座にガスを送り緩衝させるものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の胴衣について着目すると、例えば、図6に図示のように、首や脊椎部分を単にT字状の膨張気室によって覆っているのみであり、そのため、膨張気室の存在しない部分で身体を負傷したり、例えば、脊椎部分の直線状の膨張気室では転落時に位置ズレを起こすことで、結果的に重傷障害を来す危険性があった。
【0005】そこで、本発明は、従来の固定的な位置での保護ではなく、作動鍵により自動的でかつ瞬時に働く起動装置を使用することで、膨張気室を胴衣内部から外部に展開させてより身体全体、特に、頚椎、脊椎等の身体の主要部位を完全に保護する胴衣を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、二輪車等の搭乗者が着用する胴衣に、折畳まれ収納される複数の膨張気室を設け、作動時には起動装置に接続された二酸化炭素ガスシリンダーより注入される二酸化炭素ガスを、膨張気室に2段階に充填することにより瞬時に気室を膨張させ、二輪車等の交通事故災害特有の状況といえる車両より投げ出された搭乗者が路面、路上構造物、壁面等に激突する際の衝撃を緩和するものである。
【0007】より、具体的に言えば、本発明の主たる第1の構造は、ガス注入エアラインと複数の膨張気室を有する緩衝機構を備えた胴衣において、前記胴衣は通常時には係止部により胴衣様の外観を有すると共に膨張時には折り曲げラインに沿って外側に展開する展開部を備えると共に、前記膨張気室を前記展開部の折り曲げラインを中心線とした対称面の両側となる胴衣本体側の膨張気室の基部収納部と胴衣本体から外側に展開する膨張気室の外部収納部とに一体または分割構造として設けた。この膨張気室の基部収納部は、胸部の縦方向、腰部の横方向、背部の縦方向に沿って形成されると共に、膨張気室の外部収納部はそれぞれの部位から身体全体を覆うように展開される。
【0008】また、本発明の第2の構造は、通常時には係止部により胴衣様の外観を有すると共に膨張時には折り曲げラインに沿って外側に展開する展開部を備えると共にガス注入エアラインを有する複数の膨張気室を前記展開部に収納させた胴衣において、展開部を胴衣の襟部に形成すると共に膨張気室をフード状に形成して収納した。これにより、頚椎だけでなく頭部全体、特に後頭部に対する保護が可能になった。
【0009】
【作用】本発明は、鍵の一端を二輪車等の車両に固定し、他の一端が鍵本体に装着され安全装置を解除した状態で、搭乗者の身体が二輪車等の車両から離れた状況が発生すると、鍵が鍵本体から物理的に引き離されることで自動的に起動装置が働き、起動用ピンが二酸化炭素ガスシリンダーの口を突き破る事により膨張気室に二酸化炭素ガスが充填され、これを着用している搭乗者が対象に激突する際には、膨張気室が身体全体を保護し衝撃を緩和する仕組みを用いている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施例の図面に基づき本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の自動膨張式胴衣の正面図であり、図2は、本発明の自動膨張式胴衣の胸部に設けた展開部を開いた状態の正面図であり、図3は、本発明の自動膨張式胴衣の背面図であり、図4は、本発明の自動膨張式胴衣の腰部及び背部に設けた展開部を開いた状態の背面図であり、図5は、本発明の自動膨張式胴衣の襟部に設けた展開部を開いた状態の要部拡大正面図であり、図6は、従来の膨張式胴衣の説明図である。
【0011】図1に図示の如く、本発明の実施例の胴衣1はベストの外観形状を備えている。しかしながら、本発明はジャケット等の他の形式の上着に適応が可能であり、必ずしもベストである必要はない。図中2は、起動装置の要部を示していて、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球状の鍵を持ちそれを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつないだものであり、搭乗者と車輛間の急激な距離関係の変化を起動に利用したものである。尚、ケーブル(図示せず)は搭乗者が有効と判断した長さに調整爪により搭乗者が調整することが可能である。ケーブルの一端の固定装置は金属で、二輪車等に対する装着はねじ込み式により行われる。二輪車等にはその受け装置として同質の金属製でメスネジが切られたものが取り付けられ、固定装置側はそれに対応してオスネジが切られたものである。ケーブルの逆の一端には樹脂製で球形の鍵が取り付けられ、ケーブルは防錆と擦過傷防止の為ビニールチューブに覆われる。
【0012】図1に図示の如く、本発明の胴衣1は、例えば、不燃性の化学合成繊維に防水加工された外皮と内皮、外皮裏のポケットに挿入されたゴムと合成化学繊維の重層構造の膨張気室Vを有する。膨張気室Vは不使用時には折畳まれ収納されるもので、このため、本発明の胴衣1には、通常時には係止部3により胴衣様の外観を有すると共に、図2に図示の如く、膨張時には折り曲げライン11に沿って外側に展開する展開部2を備えている。展開部2の縁に断続的に設けられた係止部3は、汎用のスナップ、フック、ファスナー等の展開方向に対する圧力、即ち、膨張気室Vの圧力で開放される構造としている。
【0013】図2に明示される如く、前記膨張気室Vは、前記展開部2の折り曲げライン11を中心線とした対称面の両側となる胴衣本体1側の膨張気室の基部収納部21と胴衣本体1から外側に展開する膨張気室の外部収納部22とに一体または分割構造として収納されている。この内、膨張気室Vの基部収納部21は、胸部の縦方向に沿って形成されると共に、膨張気室Vの外部収納部22が胸部の中央方向に展開されるように形成されている。
【0014】図3及び図4は、胴衣1の背部を示している図である。胴衣1の背部には、膨張気室Vの基部収納部21は、腰部の横方向に沿って形成されると共に、膨張気室Vの外部収納部22が腰部の下方方向に展開されるものと、膨張気室Vの基部収納部21が背部の縦方向に沿って形成されると共に、膨張気室Vの外部収納部22が背部の中央方向に展開されるものとが2系統で形成されている。実施例の胴衣1では、背部の縦方向に沿って形成される膨張気室Vの外部収納部22を一旦折り曲げライン11により畳んで係止させた後、腰部の横方向に沿って形成される膨張気室Vの外部収納部22を折り曲げライン11により畳んで係止させている。
【0015】従って、前記膨張気室Vを膨らめせると、腰部側の外部収納部22が外側に展開し、次いで、背部側の外部収納部22が外側に展開する構成となっている。
【0016】図5は、本発明の胴衣1の首部を示している。首部においては、展開部2は胴衣1の襟部に沿って袋状に形成されており、この展開部2に収納される膨張気室Vは、図示の如くフード状に形成されている。二酸化炭素ガスにより膨張した膨張気室Vは、展開部2から飛び出してフード状に膨張し首だけではなく頭部を覆うようにして保護する。
【0017】尚、起動装置3については何れの形式も問わないが、例えば、安全装置が解放された状態で鍵が鍵本体より脱落することにより、起動用ピンが二酸化炭素ガスシリンダーの封印された口を破り、二酸化炭素ガスをチャンバーから二酸化炭素ガスエアライン、逆流防止弁付バルブを通じ膨張気室に導くもの等を使用する。この起動装置3は膨張気室の構成によりエアラインを通じて供給される。
【0018】
【発明の効果】本発明は、前述の如く構成したので、通常時は、膨張気室を内部にコンパクトに収めることで、二輪車等の搭乗者特有の運動性と自由度を確保する汎用の胴衣としての機能を果たし、作動時には、緩衝機構として働く膨張気室を拡張して搭乗者の身体全体を保護する。特に、作動においては、二輪車等とケーブルにより連結された鍵により自動的でかつ瞬時に起動装置が働くので、搭乗者の姿勢変化に自由を与えつつ事故の際に瞬時に起動することができるものである。
【出願人】 【識別番号】300055258
【氏名又は名称】竹内 健詞
【出願日】 平成12年7月10日(2000.7.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−20907(P2002−20907A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−246059(P2000−246059)