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【発明の名称】 釣り服
【発明者】 【氏名】金岡 健治

【要約】 【課題】本発明の目的とするところは、ベルト体のベルト長さ調節具の違和感なく、快適に装着できる釣り服を提供することにある。

【解決手段】本発明の釣り服は、前身頃2と後身頃3を連結するベルト体6の長さを調節するベルト長さ調節具20を設け、このベルト長さ調節具20を身体の脇を避けて上記前身頃2の裏側に配置したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前身頃と後身頃を連結するベルト体の長さを調節するベルト長さ調節具を設け、着用者の身体の脇を避けて、前身頃及び後身頃の少なくともいずれかの裏側に上記ベルト長さ調節具を配置したことを特徴とする釣り服。
【請求項2】着用者の身体の脇を避けて、ベルト長さ調節具を前身頃の裏側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の釣り服。
【請求項3】ベルト体は少なくとも一部が伸縮性を有したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の釣り服。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフローティングベストと呼ばれるものを含み、ベルト体で、前身頃と後身頃の間の長さを調節するようにした釣り服に関する。
【0002】
【従来の技術】釣り服として、例えばフローティングベストと呼ばれ、前身頃と後身頃を有した救命胴衣がある。フローティングベストは、脇で分かれた前身頃と後身頃が、ベルト体で連結されている。
【0003】フローティングベストは安全上着用者の身体に適合した密着状態で身に着けるべきものである。しかしながら、着用する釣人の体型の相違や冬と夏によってベスト内側に着る服が変わる。このため、前身頃と後身頃の間を連結するベルト体の長さを調節し、ウェスト寸法を体に合わせるようになっている。ベルト体の長さは、ベストを着用した上で、身体の脇で、ベルト長さ調節具によって、個々の使用状況に応じて調節する。
【0004】しかし、ベルトのベルト長さ調節具が身体の脇の外に露出していると、釣糸が絡む等、釣具の操作上問題があるため、特開2000-8205号のように、身体の脇で、前身頃と後身頃を連結する布状体を設け、この布状体で上記ベルト長さ調節具を覆うようにした釣り用ベストが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の釣り用ベストにあってはベルト体のベルト長さ調節具が前身頃と後身頃の間で着用する釣り人の脇に位置する。しかし、身体の脇は狭く丸い部位であるため、ベルト体を締め付けた状態ではベルト長さ調節具が身体の脇に集中的に接触し易く、また、ベルト長さ調節具が不安定であり、身体を動かすほど、違和感が増し、着用者が不快を感じる。特に、ベルト長さ調節具があばら骨部に当たると痛いなどの不快感を来たすという問題があった。
【0006】また、従来の釣り用ベストにあってはベルト長さ調節具が身体の脇に位置するため、ベルト体の長さ調節作業を行なう際には身体を捻って脇まで手を伸ばして行なわなければならないにも拘わらず、ベルト長さ調節具が布状体で覆われているため、ベルト長さ調節操作がしにくいものであった。
【0007】さらに、身体の狭い脇にベルト長さ調節具が位置するため、ベルト体の長さを調節する際に大きく移動する形式のベルト長さ調節具を用いることが難しかったり、ベルト体の調節長さが制限されたりしていた。
【0008】本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ベルト体のベルト長さ調節具の装着感が快適であり、また、ベルト体の長さ調節作業が楽な釣り服を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の釣り服は、前身頃と後身頃を連結するベルト体の長さを調節するベルト長さ調節具を設け、着用者の身体の脇を避けて、上記ベルト長さ調節具を前身頃及び後身頃の少なくともいずれかの裏側に配置したものである。
【0010】請求項2に係る発明の釣り服は、上記ベルト長さ調節具を特に前身頃の裏側に配置したものである。
【0011】請求項3に係る発明の釣り服は、上記ベルト体の少なくとも一部が伸縮性を有したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係る釣り服について図面を参照して説明する。本実施形態では一般にフローティングベストと呼ばれる釣り用ベストの例である。
【0013】図1はその釣り用ベスト1全体の前面図である。釣り用ベスト1は左右一対の前身頃2,2と一枚の後身頃3が両脇それぞれの部分で布状部(体)4で連結されてなるベスト本体5が設けられ、ベスト本体5の両脇の部分に各々取り付けられて前身頃2,2と後身頃3の前後の離間距離を調節する左右一対の長さ調節用ベルト体6,6を備えている。
【0014】前身頃2,2の前端縁同士は、ファスナ7によって開閉自在である。また、前身頃2,2と後身頃3には発泡プラスチック等からなる板状の浮力材8が表地と裏地の間の袋部内に各々個別に挿入されている。各浮力材8はチャックやホックによって袋部の開閉可能な口部から着脱自在である。
【0015】上記布状部4は表地と裏地の二枚構造になっており、その上端部と下端部は縫い付けられて袋状に形成されている。布状部4は伸縮性のある布材で形成し、または帯状のゴムを縫い付けて前身頃2と後身頃3の前後離間方向に伸縮自在であり、前身頃2と後身頃3の間の距離を縮小するように縮むようになっている。
【0016】上記左右の長さ調節用ベルト体6,6はいずれも前身頃2の内面側から布状部4内を通り、後身頃3または後身頃3の縁部近くの部位にわたり左右に延びて配置されている。
【0017】図3で示すように、長さ調節用ベルト体6は前身頃2側の固定式のベルト部11と後身頃3側の長さ可変式の調節ベルト部12の2本の部分に分かれている。固定式のベルト部11は2つに折り畳まれ、その折り返し両端がはファスナ7近くで前身頃2の裏地に縫い付けられ、そこに固定されている。上記固定側のベルト部11の折り返し中間部分は矩形リング状の連結環13の挿通孔内を通り、その一側枠部に係止されている。
【0018】図3で示すように、調節ベルト部12の中間部も同じく連結環13の挿通孔内を通り、その連結環13の他側枠部に係止されている。そして、固定側のベルト部11と調節ベルト部12は連結環13を介して連結される。
【0019】図3で示すように、調節ベルト部12はその中間部を連結環13に通すことにより、この部分で曲げて2つに折られ、そのときの外側のベルト部12aが前身頃2の裏面側から布状部4内を通り、後身頃3または後身頃3の縁部近くの部位において縫い付けられ、そこに固定されている。また、この際、外側のベルト部12aは布状部4の前端に形成された開口孔14から前身頃2の裏面側に出て延長している。前身頃2の裏面には調節ベルト部12の外側のベルト部12aの中間部を通す、たるみ防止用のガイド用ベルトループ15が設けられている。
【0020】この調節ベルト部12にはベルト長さ調節具20が装着されている。ベルト長さ調節具20は比較的薄い扁平な調節具本体21に2つのベルト挿通孔22a,22bが形成され、2つのベルト挿通孔22a,22bは上下に長く、かつ平行に配置され、また、2つのベルト挿通孔22a,22bの間には棒状の仕切り部23が形成されている。
【0021】そして、2つに折り曲られた調節ベルト部12の内側のベルト部12bの先端はベルト長さ調節具20の棒状の仕切り部23にループ状に巻き付けられて縫い付け固定されている。
【0022】また、調節ベルト部12の外側のベルト部12aはベルト長さ調節具20のベルト挿通孔22a,22bに対していずれも内側から外側へ向けて通り抜け、外側から棒状の仕切り部23に掛かっている。つまり、調節ベルト部12の内側のベルト部12bと外側のベルト部12aは重なり合ってベルト長さ調節具20まで導かれ、そして、内側のベルト部12bは仕切り部23に固定されるが、外側のベルト部12aは一方のベルト挿通孔22aにベルト長さ調節具20の内側から挿通されて外側に出てから他方のベルト挿通孔22bに外側から内側へ挿通されて、ベルト長さ調節具20の内側に回り込み、さらに上記布状部4に向かって延長されるように引き廻される。
【0023】通常、図3で示すように、外側のベルト部12aと内側のベルト部12bは重なり合ってベルト長さ調節具20の調節具本体21に押え付けられるため、調節ベルト部12はその位置に保持される。特に、調節ベルト部12に張力が加わった場合には強く引かれる程、内側のベルト部12bと外側のベルト部12aは調節具本体21に強く押え付けられる。このため、調節ベルト部12はその位置に強固に固定され、実質的な長さは変わらない。
【0024】また、調節ベルト部12の長さを調節する場合、ベルト長さ調節具20を軽く浮かして調節具本体21にベルト部12aとベルト部12bが接合する状態を緩める。すると、外側のベルト部12aを、調節具本体21のベルト挿通孔22a,22bから引いたり、押し込んだりすることができる。
【0025】そして、調節ベルト部12の長さを長くする場合には、外側のベルト部12aをベルト挿通孔22aの外へ引き出し、その長さ分、ベルト挿通孔22bの中へ繰り込む。すると、ベルト長さ調節具20のベルト挿通孔22aから先のベルト長さが短くなり、ベルト長さ調節具20から連結環13までの距離が、その繰り出し量の二分の一の長さ分(これは内側のベルト部12bの長さに相当)短くなる。一方、ベルト挿通孔22bの中へ繰り込んだ同量の長さ分、外側のベルト部12aの全長が長くなる。つまり、ベルト長さ調節具20から連結環13までの内側のベルト部12bの長さが短くなっても外側のベルト部12aの全体の長さがそれ以上に長くなるため、調節ベルト部12の実質的な長さが長くなる。
【0026】また、調節ベルト部12の長さを短くする場合には、逆に、外側のベルト部12aをベルト挿通孔22bから外に引き出し、その分、ベルト挿通孔22aの中へ外側から内側へ繰り込む。すると、調節ベルト部12の実質的な長さが短くなる。
【0027】通常、このようなベルト長さ調節は、ウェスト寸法の調整を必要とする場合に釣り用ベスト1を着用後に行なう。左右のベルト体6の長さをそれぞれバランスよく調節することにより前身頃2と後身頃3の間の距離を変え、身体に釣り用ベスト1を密着させることができる。
【0028】以上の如く、本実施形態での釣り用ベスト1ではベルト長さ調節具20を前身頃2の内側に設けたことによりそのベルト長さ調節具20の操作が身体の前の前で行なうことができて操作が楽である。
【0029】ベルト体6の長さを短くして前身頃2と後身頃3の間の距離を縮めると、前身頃2と後身頃3の間の布状部4が弛むが、布状部4は伸縮性を有しているため、その弛み量を抑制できる。また、身体の脇にベルト長さ調節具20が位置しないので、その布状部4の伸縮が邪魔されず、弛みを十分にとることができる。
【0030】ベルト長さ調節具20は前身頃2の裏側に設けられ、前身頃2で覆われているので、釣り用ベスト1を着用した状態で釣り人の動きを邪魔しない。特に釣り糸が絡み付くことがなくなる。ベルト体6も釣り用ベスト1の内側にあり、外に露出しないので、ベルト体6が釣り人の動作を邪魔しないと共に、ベルト体6に釣り糸が触れ、引っ掛かることもない。
【0031】ベルト長さ調節具20が釣り用ベスト1の前身頃2の裏側に設けられ、着用者の腹付近に位置しているので、ベルト長さ調節具20の装着感がほとんどなく、釣り用ベスト1を着用しての運動性・作業性がよくなる。
【0032】前身頃2の裏側に連結環13やベルト長さ調節具20が設けられているので、ベルト長さ調節具20の違和感や装着感が小さく、身体を動かしても不快感がない。しかも、従来のもののように着用者の脇腹やあばら骨にベルト長さ調節具20が当たることがなく、違和感がなく、快適である。さらに、ベルト体6を締め付けてもベルト長さ調節具20の違和感が増さないので、ベルト体6の効率的な締め付けが確保できる。
【0033】ベルト長さ調節具20が前身頃2の裏側に配置するので、ベルト体6の長さを調節する際、身体の脇に配置する場合に比べてベルト長さ調節具20の移動量を大きくとれ、ウェスト寸法の幅広い調節が可能である。
【0034】また、ベルト長さ調節具20は前身頃2の裏側に配置されるので、特別なカバー体を設ける必要がなく、カバー体を省略または簡略にすることができてコストの削減に繋がる。また、身体への接触物が減ることにより、装着感が快適になる。勿論、ベルト長さ調節具20を内側から覆う簡単なカバーを設けてもよい。
【0035】さらに、ベルト体6の一部または全部が伸縮性を有すると、十分にウェストを締め付けた後でも多少の余裕があるので、快適な着心地が得られる。
【0036】尚、本発明は上記実施形態のものに限定されるものではない。ベルト体のベルト長さ調節具は上記実施形態で示したように移動する方式のものでなく、固定バックル式のものであってもよい。また、ベルト体のベルト長さ調節具を前身頃ではなく、後身頃の裏側に配置するようにしても利用可能であり、この場合にもベルト体のベルト長さ調節具の装着感が快適であるなどの効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ベルト体のベルト長さ調節具の違和感が少なく、快適な装着感が得られる。また、ベルト体の長さ調節性能が増す。さらにベルト体の長さ調節作業がし易くなる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成12年6月27日(2000.6.27)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
【公開番号】 特開2002−13010(P2002−13010A)
【公開日】 平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願番号】 特願2000−192844(P2000−192844)