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【発明の名称】 乳幼児用衣服
【発明者】 【氏名】▲葛▼西 健造

【要約】 【課題】乳幼児用衣服に衝撃吸収用パッドを取り付けて、その実用的効果を発揮させるとともに、衝撃吸収用パッドによるデザイン上の強調が過度にならないようにする。

【解決手段】衝撃吸収用パッド7を、表地8と裏地9との間に配置し、同心の複数の長円を表現する縫目模様が表地8に現れるように、縫目模様4を構成する糸10によって、衝撃吸収用パッド7を表地8に縫い付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乳幼児の膝、尻および肘の各々を覆う各部分の少なくとも1つであって、表側に現れない位置に、衝撃吸収用パッドが設けられ、前記衝撃吸収用パッドが設けられた各部分には、表側に現れる縫目模様が施されている、乳幼児用衣服。
【請求項2】 前記縫目模様は、同心の複数の円または長円を表現する、請求項1に記載の乳幼児用衣服。
【請求項3】 表地と裏地とを備え、前記衝撃吸収用パッドは、前記表地と前記裏地との間に配置され、前記縫目模様は、前記表地に現れる、請求項1または2に記載の乳幼児用衣服。
【請求項4】 前記衝撃吸収用パッドは、前記縫目模様を構成する糸によって前記表地に縫い付けられている、請求項3に記載の乳幼児用衣服。
【請求項5】 前記縫目模様を構成する糸は、前記裏地には縫い付けられない、請求項4に記載の乳幼児用衣服。
【請求項6】 前記表地または前記裏地側に開口を有し、かつ前記表地と前記裏地との間に収納空間を与えるポケット部が形成され、前記衝撃吸収用パッドは、前記開口を介して前記ポケット部の前記収納空間に挿入される、請求項3に記載の乳幼児用衣服。
【請求項7】 表地のみを備え、前記衝撃吸収用パッドは、前記表地の裏側に配置され、かつ前記縫目模様を構成する糸によって前記表地に縫い付けられている、請求項1または2に記載の乳幼児用衣服。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乳幼児用衣服に関するもので、特に、衝撃吸収用パッドが取り付けられた乳幼児用衣服に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳幼児用衣服において、たとえば、エルボーパッドのような補強用パッドが、縫い付けまたは感熱接着剤によって、乳幼児の膝、尻または肘のような出っ張る部分に張り付けることが行なわれている。
【0003】このような補強用パッドは、通常、乳幼児用衣服の表側に張り付けられ、それによって、衣服本来の布地の磨耗防止のための補強といった実用的効果を発揮させるとともに、デザイン上の強調部分を与えるといった装飾的効果をも発揮させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のように、乳幼児用衣服の表側に張り付けられるエルボーパッドのような補強用パッドは、デザイン上、強調されすぎて、違和感を抱く者も少なくない。
【0005】そこで、この発明の目的は、上述のような補強用パッドのようにデザイン上の強調が過度にならないように配慮された、乳幼児用衣服を提供しようとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、乳幼児の膝、尻および肘の各々を覆う各部分の少なくとも1つに、衝撃吸収用パッドが設けられた、乳幼児用衣服に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、衝撃吸収用パッドが表側に現れない位置に設けられ、この衝撃吸収用パッドが設けられた各部分には、表側に現れる縫目模様が施されていることを特徴としている。
【0007】上述した縫目模様によって、任意の形態を表現することができるが、たとえば、同心の複数の円または長円を表現することができる。
【0008】この発明に係る乳幼児用衣服が、表地と裏地とを備える場合、衝撃吸収用パッドは、表地と裏地との間に配置されることが好ましく、このとき、縫目模様は、表地に現れるようにされる。
【0009】上述した好ましい実施態様において、衝撃吸収用パッドは、縫目模様を構成する糸によって表地に縫い付けられていることがより好ましい。また、この縫目模様を構成する糸は、裏地には縫い付けられないようにされることがより好ましい。
【0010】また、上述した好ましい実施態様において、表地または裏地側に開口を有し、かつ表地と裏地との間に収納空間を与えるポケット部が形成されてもよい。この場合、衝撃吸収用パッドは、上述の開口を介してポケット部の収納空間に挿入される。
【0011】この発明に係る乳幼児用衣服が、表地のみを備える場合、衝撃吸収用パッドは、表地の裏側に配置されることが好ましい。この場合、衝撃吸収用パッドは、好ましくは、縫目模様を構成する糸によって表地に縫い付けられる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、この発明の一実施形態による乳幼児用衣服1を説明するためのものである。ここで、図1は、乳幼児用衣服1を前方から示す図であり、図2は、乳幼児用衣服1を後方から示す図であり、図3は、乳幼児用衣服1の一部を破断しながら拡大して示す図である。
【0013】乳幼児用衣服1は、たとえば1歳前後のの乳幼児が着用するもので、オーバーオール2とシャツ3とから構成されている。図1および図2では、これらオーバーオール2とシャツ3とが重ね合わせた状態で図示されている。
【0014】このような乳幼児用衣服1において、これを着用する乳幼児の膝、尻および肘の各々を覆う各部分には、表側に現れる縫目模様4、5および6がそれぞれ施されている。これら縫目模様4〜6は、この実施形態では、同心の複数の円ないしは長円を表現している。
【0015】このような縫目模様4〜6が施されている部分には、衝撃吸収用パッドが設けられている。衝撃吸収用パッドは、たとえば、連続気泡構造(スポンジ状)を持つシリコン特殊ゲルから構成される。これら衝撃吸収用パッドは、表側に現れない位置に設けられており、そのため、図1および図2では、図示されていないが、図3には、乳幼児の膝を覆う部分に施された縫目模様4に関連して設けられる衝撃吸収用パッド7が図示されている。
【0016】図3を参照して、乳幼児用衣服1を構成するオーバーオール2は、表地8と裏地9とを備え、これら表地8と裏地9との間に、衝撃吸収用パッド7が配置される。衝撃吸収用パッド7は、たとえば長円形をなしていて、前述したように同心の複数の長円を表現する縫目模様4を構成する糸10によって表地8に縫い付けられている。したがって、縫目模様4は、表地8に現れる。また、この縫目模様4を構成する糸10は、明確には図示されないが、裏地9には縫い付けられない。
【0017】図示しないが、乳幼児の尻を覆う部分に施された縫目模様5に関連して設けられる衝撃吸収用パッドについても、上述した膝の部分の衝撃吸収用パッド7の場合と同様、表地8と裏地9との間に配置され、縫目模様5を構成する糸11によって、表地8に縫い付けられる。
【0018】また、乳幼児の肘を覆う部分に施される縫目模様6およびこれに関連して設けられる衝撃吸収用パッド(図示せず。)については、乳幼児用衣服1を構成するシャツ3側に位置される。この実施形態では、シャツ3は、表地のみから構成され、裏地を備えていない。そのため、乳幼児の肘を覆う部分に設けられる衝撃吸収用パッドは、表地の裏側に配置され、かつ、縫目模様6を構成する糸12によって表地に縫い付けられる。
【0019】以上のように、図1ないし図3を参照して説明した実施形態によれば、乳幼児の膝、尻および肘といった出っ張る部分において、図示した衝撃吸収用パッド7を含む衝撃吸収用パッドが設けられているので、それによる衝撃吸収といった実用的効果を発揮させることができる。
【0020】また、これら衝撃吸収用パッドは、表側に現れない位置に設けられ、これら衝撃吸収用パッドが設けられた各部分には、表側に現れる縫目模様4〜6が施されているので、これら縫目模様4〜6は、衝撃吸収用パッドを設けた位置の目印を与えるとともに、デザイン上の適度な強調を与えることができる。
【0021】図4は、この発明の他の実施形態を説明するための図3に相当する図である。図4において、図3に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】図4を参照して、乳幼児用衣服1を構成するオーバーオール2の表地8側に開口13を有し、かつ表地8と裏地9との間に収納空間14を与えるポケット部15が形成される。そして、衝撃吸収用パッド7は、開口13を介してポケット部15の収納空間14内に挿入される。
【0023】縫目模様4における最も外周側の長円を構成する糸16は、表地8と裏地9とを互いに縫い付けるとともに、ポケット部15を縫い付けることによって、収納空間14を所定の大きさとなるように規定する。したがって、衝撃吸収用パッド7は、この糸16による縫目の内側に沿って適正に位置決めされることができる。
【0024】他方、縫目模様4の内周側の長円を構成する糸17および18は、表地8およびこの上に重なるポケット部15に単に縫い込まれているのみで、主として装飾的効果を与えているにすぎない。なお、言うまでもないが、これら糸17および18の縫い込みにあたっては、前述した開口13を閉じてしまわないように配慮される。
【0025】図4に示した実施形態によれば、表側に現れる縫目模様4によって装飾的効果を与えるとともに、衝撃吸収用パッド7は、必要に応じて、取り出すことが容易であり、そのため、たとえば洗濯時において、これを取り出すことにより、オーバーオール2の洗濯を容易なものとすることができる。
【0026】なお、図4に示した実施形態の変形例として、ポケット部の開口を、裏地9側に設けてもよい。
【0027】以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他、種々の変形例が可能である。
【0028】たとえば、図1ないし図3に示した実施形態では、縫目模様4〜6を構成する糸10〜12が、衝撃吸収用パッド7等の衝撃吸収用パッドを縫い付けるためにも用いられ、また、図4に示した実施形態では、縫目模様4を構成する糸16が、表地8と裏地9とポケット部15とを縫い付けるためにも用いられたが、縫目模様を構成する糸は、専ら装飾のために用いられながら、衝撃吸収用パッドを取り付けたり、表地と裏地とポケット部とを接合したりするため、別の糸あるいは接着剤等が用いられてもよい。
【0029】また、図示した乳幼児用衣服1は、一例にすぎない。そのため、この発明が適用される乳幼児用衣服の種類によっては、乳幼児の膝を覆う部分を備えないものや、尻を覆う部分を備えないものや、肘を覆う部分を備えないものもあり得る。このことから、乳幼児の膝、尻および肘の各々を覆う各部分の少なくとも1つを備える乳幼児用衣服でさえあれば、この発明を適用することが可能であると言うことができる。
【0030】また、乳幼児用衣服が、乳幼児の膝、尻および肘の各々を覆う各部分をすべて備えているが、衝撃吸収用パッドがこれらすべての部分に設けられない場合も、この発明の範囲内の実施態様であると理解すべきである。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、乳幼児の膝、尻および肘の各々を覆う各部分の少なくとも1つであって、表側に現れない位置に、衝撃吸収用パッドが設けられ、この衝撃吸収用パッドが設けられた各部分には、表側に現れる縫目模様が施されているので、乳幼児の膝、尻および肘のような出っ張った部分での衝撃吸収といった実用的効果を衝撃吸収用パッドによって発揮させることができるとともに、縫目模様によって、衝撃吸収用パッドが設けられた位置の目印を与えながら、デザイン上、過度の強調が抑制された装飾的効果を適度に与えることができる。
【0032】この発明において、同心の複数の円または長円を表現する縫目模様が採用されると、縫目模様が角張った部分を有しないので、柔和な感じを与えることができるとともに、衝撃吸収用パッドの形状を、無理なく、これに相似する円形または長円形にすることができる。衝撃吸収用パッドが円形または長円形にされると、衝撃吸収用パッドの周囲に角が存在しないので、これが乳幼児用衣服に取り付けられたとき、その収まりを良好なものとすることができる。
【0033】この発明に係る乳幼児用衣服が表地と裏地とを備える場合において、衝撃吸収用パッドが、表地と裏地との間に配置されると、衝撃吸収用パッドによる段差が、表地側だけでなく、裏地側においても生じることが防止される。したがって、衝撃吸収用パッドによる段差が表地側に生じた場合に引き起こされることのある、外部の突起物が衝撃吸収用パッドに引っ掛かる問題は回避され、乳幼児用衣服をより安全なものとすることができる。また、衝撃吸収用パッドによる段差が裏地側に生じた場合に引き起こされることのある、着心地の悪さの問題も回避することができる。
【0034】上述した実施態様において、衝撃吸収用パッドが、縫目模様を構成する糸によって表地に縫い付けられると、この縫目模様を構成する糸によって衝撃吸収用パッドを固定することが可能となり、この糸に対して、装飾的機能に加えて、実用的機能を与えることができる。
【0035】また、上述した好ましい実施態様において、縫目模様を構成する糸が、裏地には縫い付けられないようにされると、このような糸によって、裏地の平滑性が阻害されることを防止することができる。
【0036】この発明において、表地または裏地側に開口を有し、かつ表地と裏地との間に収納空間を与えるポケット部が形成され、衝撃吸収用パッドが、上述の開口を介してポケット部の収納空間に挿入されるようにすると、衝撃吸収用パッドを、必要に応じて、取り出すことが可能となり、たとえば、乳幼児用衣服の洗濯をより容易なものとすることができる。
【0037】また、この発明において、乳幼児用衣服が表地のみを備え、衝撃吸収用パッドが、表地の裏側に配置され、かつ縫目模様を構成する糸によって表地に縫い付けられていると、衝撃吸収用パッドの取り付けのための作業が容易になるとともに、縫目模様を構成する糸に対して、装飾的機能および実用的機能の双方を与えることができる。
【出願人】 【識別番号】390006231
【氏名又は名称】アップリカ▲葛▼西株式会社
【出願日】 平成12年6月21日(2000.6.21)
【代理人】 【識別番号】100085143
【弁理士】
【氏名又は名称】小柴 雅昭
【公開番号】 特開2002−4115(P2002−4115A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−185791(P2000−185791)