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【発明の名称】 簡易式着物
【発明者】 【氏名】澤田石 城江

【要約】 【課題】簡単に装着でき、装着後の仕上がりが自然で美しく、装着後において衿元などの修正が容易である簡易式着物を提供する。

【解決手段】衿15および袖16、17が形成された上半部10、輪状のお端折り部30及び下半部20とを、お端折り部30の輪状の端部が下半部外側に位置するように、縫い合せ一体化した簡易式着物であって、上半部10と下半部20との縫合部40近傍に、装着のための締付手段50、51を備え、締付手段は下前部分において斜め上向きに取り付けられ、着付けたときに下前が自然に巻き上がるようになっている。また衿15は、その端部が縫合部40から下半部側に延長しており、この端部を着付け後に引っ張ることにより衿元を修正できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 衿および袖が形成された上半部、輪状のお端折り部及び下半部とを備え、前記お端折り部が前記上半部と下半部との間であって、その輪状の端部が下半部外側に位置するように前記上半部、お端折り部及び下半部を縫い合せ一体化した簡易式着物であって、前記上半部と下半部との縫合部近傍に、装着のための締付手段を備え、前記締付手段は下前部分において斜め上向きに取り付けられていることを特徴とする簡易式着物。
【請求項2】 衿および袖が形成された上半部、輪状のお端折り部及び下半部とを備え、前記お端折り部が前記上半部と下半部との間であって、その輪状の端部が外側に位置するように前記上半部、お端折り部及び下半部を縫い合せ一体化した簡易式着物であって、前記衿は、前記上半部と下半部との縫合部から下半部側に延長する自由端部を有することを特徴とする簡易式着物。
【請求項3】 衿および袖が形成された上半部、輪状のお端折り部及び下半部とを備え、前記お端折り部が前記上半部と下半部との間であって、その輪状の端部が外側に位置するように前記上半部、お端折り部及び下半部を縫い合せ一体化した簡易式着物であって、前記上半部、お端折り部及び下半部は、それぞれ左右一対の身ごろ部とおくみ部とを備え、上前となる側の身ごろ部とおくみ部との縫合線が一致するように縫い合わされていることを特徴とする簡易式着物。
【請求項4】 1本の帯の一部を帯の全幅のままに折り畳み御太鼓を形成した太鼓部と、前記太鼓部に連続する帯の残りの部分を半幅に二つ折りし、一端が前記御太鼓の手先部である胴巻部とを形成して成る簡易式帯であって、前記胴巻部は、前記手先部が前記太鼓部を越えるように折り返し、前記手先部を太鼓部内に折り戻すことにより形成され、前記太鼓部裏面に位置する部分に胴巻部の長さを調節するための折り込み部を設け、この折り込み部及び折り返した輪状端部に装着用の締付手段を設けたことを特徴とする簡易式帯。
【請求項5】前記太鼓部は、外側に位置する太鼓と、前記太鼓に連続し内部に折り畳まれた折り畳み部と、前記折り畳みに連続し、太鼓下端から下側に現れる垂れとを備え、前記折り畳み部に、クッション部材を備えたことを特徴とする請求項4記載の簡易式帯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は簡易に装着することができる和服に関し、特に装着したときに体に沿って、しかも着崩れのない簡易式着物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、比較的若い人々の間でも和装への関心が高まっているが、一般に和装は身につけなければならない小物が多く、また着付けに複数の腰紐を使わなければならなかったり、帯の結び方も複雑であり、着付けることは容易ではなかった。また着物は、通常、比較的幅広いサイズや身長に対応できるように、人の身丈よりも長寸で且つ直線裁ちで縫製されているが、人の体は胸部、胴部、腰部でそれぞれサイズ(周囲長)が異なり、また人によって各サイズの差があるため、体に沿い、しかも美しい外観となるように着付けるには、かなりの熟練を要していた。
【0003】これに対し、予め着物を上半部と下半部に分けて、下半部を腰巻きのように巻き付けた後、上半部をブラウスのように簡単に着ることができるようにした二部式の着物や予めお端折を折り畳んで縫いつけたものなど種々提案されている(特開平8−3802号、特開平11−350210号など)。また帯についても胴に巻き付ける部分とお太鼓部分とを分けて、まず胴部をベルトのように装着した後、お太鼓を固定用の紐や金具で胴部に固定するようにしたものがある。
【0004】更に簡易式の着物については、従来の直線裁ちではなく、立体裁断として体に合うようにしたものや縫製方法を工夫することなども提案されている(特開平7−324204号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の簡易式着物や帯は次のような問題がある。
【0006】1) 上下分離したものでは、上半部の身ごろ−おくみの縫合線と下半部の身ごろ−おくみの縫合線とが一致しないため、外観が本来の着物の仕上がりと異なってしまい、不自然な印象を与えたり、美しさに欠ける。
2) 上半部及び下半部をそれぞれ装着するための紐やベルトが、装着後帯の内側に入ってしまうため、着崩れなどがあっても容易に修正することができない。特に衿元はもっとも着崩れしやすい場所であるが、この部分の修正ができない。
3) 通常、帯は胴部とお太鼓部とが連続した長尺なものとして製造、販売されるが、胴部とお太鼓部とを分割したものでは、長尺な帯を切断しなければならず、後でもとの長尺の帯に戻すことはできない。
【0007】本発明は、上記従来の簡易式着物及び帯の問題点を解決するためになされたものであり、装着が容易で、装着したときに美しい外観に仕上がり、その後の着崩れにも容易に対応することが可能な簡易式着物を提供することを目的とする。また本発明は、長尺の帯を切断することなくそのまま利用した帯であって、予めお太鼓部が形成されていて、装着が極めて容易な帯を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の簡易式着物は、衿および袖が形成された上半部、輪状のお端折り部及び下半部とを備え、前記お端折り部が前記上半部と下半部との間であって、その輪状の端部が下半部外側に位置するように前記上半部、お端折り部及び下半部を縫い合せ一体化した簡易式着物であって、前記上半部の下半部との縫合部近傍に、装着のための締付手段を備え、前記締付手段は下前部分において斜め上向きに取り付けられていることを特徴とする。
【0009】このような構成による本発明の簡易式着物は、予め上半部とお端折り部と下半部とを縫い合わせてあるので、丈の長い前あきの洋服を着るような要領で簡単に着付けることができ、また装着のための締付手段が下前部分において斜め上向きに取り付けられているので、下半部の下前部分が自然に上に引っ張るように巻き付けられ、美しい裾の仕上がりとなる。
【0010】また本発明の簡易式着物は、衿および袖が形成された上半部、輪状のお端折り部及び下半部とを備え、前記お端折り部が前記上半部と下半部との間であって、その輪状の端部が外側に位置するように前記上半部、お端折り部及び下半部を縫い合せ一体化した簡易式着物であって、衿が前記上半部の下半部との縫合部から下半部側に延長する自由端部を有することを特徴とする。
【0011】本発明の簡易式着物は、衿の端部に、上半部の下半部との縫合部から下半部側に延長する自由端部を設けたことにより、着付けた後にこの自由端部を帯の下から引っ張ることによって、衿の乱れを容易に修正することができる。
【0012】更に本発明の簡易式着物は、衿および袖が形成された上半部、輪状のお端折り部及び下半部とを備え、前記お端折り部が前記上半部と下半部との間であって、その輪状の端部が外側に位置するように前記上半部、お端折り部及び下半部を縫い合せ一体化した簡易式着物であって、前記上半部、お端折り部及び下半部は、それぞれ左右一対の身ごろ部とおくみ部とを備え、上前となる側の身ごろ部とおくみ部との縫合線が一致するように縫い合わされていることを特徴とする。
【0013】この簡易式着物は、着付けたときに、上半部から下半部までおくみ線が揃うので、仕上がりが美しい。
【0014】また上記目的を達成する本発明の簡易式帯は、1本の帯の一部を帯の全幅のままに折り畳み御太鼓を形成した太鼓部と、前記太鼓部に連続する帯の残りの部分を半幅に二つ折りし、一端が前記御太鼓の手先部である胴巻部とを形成して成る簡易式帯であって、前記胴巻部は、前記手先部が前記太鼓部を越えるように折り返し、前記手先部を太鼓部内に折り戻すことにより形成され、前記太鼓部裏面に位置する部分に胴巻部の長さを調節するための折り込み部を設け、この折り込み部及び折り返した輪状端部に装着用の締付手段を設けたことを特徴とする。
【0015】このような構成による本発明の帯は、1本の帯を切断することなく、折りたたむことによって作製されるので、必要に応じて所定の縫合箇所をほどすことにより元の1本の帯に戻すことができる。また予め太鼓部の裏面に胴巻部の長さを調節する折り込み部を設けたことにより、着手のサイズに合わせて任意の長さにすることができ、しかもこの折り込み部に装着用の締付手段を設けたことにより、この折り込み部が力布として機能し、帯を傷めることなく締着することができる。
【0016】また本発明の帯は、太鼓部が、外側に位置する太鼓と、前記太鼓に連続し内部に折り畳まれた折り畳み部と、前記折り畳みに連続し、太鼓下端から下側に現れる垂れとを備え、前記折り畳み部に、クッション部材を備えたことを特徴とする。
【0017】このように太鼓部の内側の折り畳み部に、クッション部材設けたことにより、着手のウェストサイズと胴巻部とのずれを吸収し、帯締めを締めたときに帯に皺が入るのを防止することができ、また太鼓の形状を整え、所望のふくらみを持たせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の簡易式着物の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の簡易式着物の平面図であり、各部を分離して示している。図2は、本発明の簡易式着物を前面から見た図であり、(a)は左身ごろを省略し、(b)では右身ごろを省略して示している。尚、以下の説明において、右及び左は、それぞれ着手についての右及び左を意味する。
【0019】この簡易式着物は、図示するように上半部10と、下半部20と、お端折り部30とを有し、これらは縫合部40においてお端折り部30の輪状端部31が下半部20の外側に位置するように互いに縫合され、一つの着物を構成する。また縫合部40の両端、即ち着物の打ち合わせ部分の各端部には、着物を装着するためのベルト50、51が取り付けられている。
【0020】上半部10は、左右一対の身ごろ部11、12と、おくみ部13、14と、衿15と、左右一対の袖16、17を有する。左右の身ごろ部11、12は、それぞれ肩のところで折り返されて前面側と背面側とに分かれており、背面側は背縫い部において左右が縫い合わされており、前面側は左右それぞれにおくみ13、14が縫い合わされている。袖16、17は、このような身ごろ部11、12の側端に、身八つ口18を残すように取り付けられている。
【0021】上半部10は、身八つ口18の下端で、下半部20と縫合されるが、この際、身ごろ部の前面側と背面側の側端部を畳込み(19)、縫合部40に向かって絞った形状になっている。これにより本来の着付けと同様に、胴部において余った布を脇線で折りたたむことになり、背中に無駄な縦線(皺)がでないようにすることができる。
【0022】衿15は、地衿と共衿とからなり、右側のおくみ部13、右側の身ごろ部11、左側の身ごろ部12、左側のおくみ部14まで連続して縫い付けられている。肩からおくみ部13、14の端部まの縫合線41は、身ごろ部11、12とおくみ部13、14との垂直な縫合線42に対し、斜めになっており、右側の身ごろ11及びおくみ13を下前、左側の身ごろ12及びおくみ14を上前に重ねることにより、V字状の衿元が形成される。
【0023】また衿15には、おくみ部13、14の端部から更に縫合線41に沿って延長した延長部15aが形成されている。この延長部15a、15a’は、他の部分には縫い合わされておらず、延長部のみを自由に動かすことができるようになっている。従って衿元が緩んだときに、この延長部15a、15a’を下方に引っ張ることにより、他に影響を与えることなく衿元を容易に修正することができる。特に下前となる衿の延長部15aを長くしておくことにより、帯を締めた後でも帯下にある延長部を容易に引っ張ることができる。
【0024】更に衿15には、長襦袢に用いる半衿を取り付けておくことができる。このような半衿とともに、袖16、17にも長襦袢の袖に当たる部分を取り付けておくことにより、本発明の簡易式着物を着付ける際に、長襦袢を不要とすることができる。
【0025】下半部20は、左右一対の後身ごろ部21、22、前身ごろ部23、24及びおくみ部25、26とからなり、右側のおくみ部25、前身ごろ部23、後身ごろ部21、左側の後身ごろ部22、前身ごろ部24及びおくみ部26の順に縫合され、1枚の下半部20を構成している。
【0026】また前身ごろ部23、24と後身ごろ部21、22との縫合部(脇線)は、その上端に縫い込み27が形成され、後身ごろ部21、22には、必要に応じてダーツ28が形成される。図示する例ではそれぞれ1本のダーツが形成されている。縫い込み27の深さ及びダーツ28の数及び深さは、腰周囲と胴周囲のサイズの差に応じて適宜変更することができる。このように縫い込み27及びダーツ28を設けることにより、腰周囲と胴周囲のサイズの差があっても、変な着皺が発生することなく、体に沿って着付けることができる。また縫い込み27とダーツ28が形成された部分は、お端折り部30によって隠れるので、外観に影響もない。
【0027】お端折り部30は、左右一対の後身ごろ部31、32、前身ごろ部33、34、左おくみ部35及び衿部36とからなり、右側の前身ごろ部33、後身ごろ部31、左側の後身ごろ部32、前身ごろ部34、おくみ部35及び衿部36の順に縫合され、1枚に構成したものを、輪が下側になる水平方向に沿って二つ折りし、お端折部30を構成している。
【0028】お端折り部30では、下半部20と異なり、右側、即ち下前となる前身ごろ部33は下半部の前身ごろ23より幅が狭く、おくみがつけられていない。また左側のおくみ部35には、衿部36が縫合されている。これは装着したときに下前(内側)となる右側では、おくみをなくして、上前のおくみと下前のおくみが重なることによって分厚くなるのを防ぐためであり、衿15との連続性を与え、普通の着物と同様の外観となるようにするためである。
【0029】このような構成のお端折り部30は、二つ折りにした輪状端部が下端となるように上半部10及び下半部20との縫合部40に縫い付けられている。これによってお端折り部30は、普通の着物のお端折りと同様に下半部20の上に被さるように形成される。
【0030】またお端折り部30にも、上半部20の脇線に設けた畳み込み19や下半部20に設けた縫い込み27やダーツ28に対応して、身ごろ部とおくみ部との縫合部、身ごろ部と身ごろ部との縫合部、おくみ部とおくみ部との縫合部の全て、即ち5個所に縫い込みが形成されている。これによって均等に絞りを入れることができ、装着感を良くすることができる。また上半部10及び下半部20との間に縫い付けるときに、各部分の身ごろとおくみとの縫合線42が一線上に揃うように縫い付けられる。これにより普通の着物と変わらない外観が得られる。
【0031】ベルト50、51は、好適には少なくともその一部が伸縮性のあるゴム等の素材からなり、それぞれ一端が、下半部20の縫合部40近傍に縫い付けられている。ベルトの他端は、下前側に取り付けたベルト50を身八つ口を通して、上前側に取り付けたベルト51と連結できるようになっている。連結方法としては、単に両者を紐結びに結んでもよいし、マジックテープやカギホックのような金具で連結してもよい。また下前のみを長尺のベルトとし、上前側にはベルトの一端が係合する金具を取り付けてもよい。
【0032】下前側のベルト50は、図3に示すように、その取り付け方向が斜め上を向くように取り付けられ、上前側のベルト51は、水平方向をむくように取り付けられている。これによって下前側のベルト50を身八つ口に通したときに、自然に下半部20の下前が巻き上がり、すそが広がってしまうのを防止することができる。また上前側は、すそが水平に保たれる。
【0033】次に上述のように構成される本発明の簡易式着物の装着方法について説明する。
【0034】本発明の簡易式着物に、半衿及び長襦袢用袖が取り付けられている場合には、長襦袢等を装着することなく、通常の下着の上に、着物を着ることができる。まず両袖に腕を通し、下前側のベルト50を内側から身八つ口に通し、下前側と上前側を重ね、衿元を整えた後、身八つ口を通したベルト50を背面から前面に回し、上前側のベルト51と結ぶ。この際、下前側のベルト50は斜め上向きに、また上前側のベルト51は水平に取り付けられていることから、下半部の下前は自然に引っ張られるように巻かれ、上前の下端は後身頃の下端と揃った状態となり、美しい仕上がりとなる。また上半部及び下半部ともに予め所定の位置に縫い込み及びダーツが形成されているので、見苦しい着皺ができることなく、しかも着心地のよい仕上がりとなる。
【0035】この上から所望の帯を結ぶ。これによってベルト50、51や上半部10と下半部20と縫合線40は帯の下に隠れることになるが、衿15の延長部15a、15a’は帯の下側に出ているので、衿元が乱れた場合でも、この延長部15a、15a’を引っ張ることにより容易に修正することができる。
【0036】次に本発明の帯の実施形態について図4を参照して説明する。
【0037】この帯は、普通幅の帯を折りたたんで簡易に装着可能な帯としたものであり、胴巻部60と太鼓部70と装着用の紐80とを備えている。胴巻部60は、帯の略半分を長手方向に沿って二つ折りにしたものを更に模様のある方が表側(外側)になるように折り返し二重にしたもので、胴巻部の表側(前帯)61の端部は、帯の他の略半分に連続している。また胴巻部の裏側(裏帯)62の端部は、御太鼓の手となる部分(以下、手先という)63になっている。
【0038】太鼓部70は、まず前帯61に連続する端部を三角寄せ折りにして、御太鼓71となる部分の長手方向が、胴巻部60(水平方向)に対し直交し、上を向くようにし、さらに御太鼓71を下向きに折り返し、きめ線72で内部に折り込み、きめ線72の下に垂れ74が出るようにしたものである。太鼓部70は、御太鼓71の端部(きめ線の部分)で内部に折り込まれた部分(折り込み部)75に縫い合せることにより固定される。
【0039】折り込み部75の内側には、クッションのような弾性部材73を縫い付けておくことが好ましい。弾性部材73は、スポンジや綿のような材料をある程度やわらかい布でくるんだものを用いることができる。このような弾性部材73を設けることにより、着手のウェストラインと胴巻部60周囲長とのサイズのずれを吸収し、帯締めで締めたときにも帯に皺が発生するのを防止できる。また御太鼓の形状を整えることも可能である。
【0040】このように太鼓部70を形成した後、胴巻部60に連続する手先63を太鼓部70に沿って折り畳み、御太鼓71と折り込み部75との間に通す。手先63は太鼓部70に縫い付けて固定してもよいし、通しただけでもよい。
【0041】また胴巻部60は、太鼓部70裏面において胴巻部60の長さを調節するための折り込み部64が形成されている。この折り込み部64の長さを、着る人の胴回りサイズによって適宜変更することにより、胴巻部60の長さを調節できる。
【0042】装着用の紐80は、胴巻部60の折り込み部64下端と前帯61と裏帯62との輪状の折り返し部65下端にそれぞれ取り付けられている。このように折り込み部64に紐を取り付けることにより、折り込み部64が力布として作用するので、強い力で紐を引っ張ることによって帯が傷むのを防止できる。尚、帯は、装着後、帯締や枕等を装着することによって確実に固定されるので、装着用の紐80は下端の一対のみでよい。
【0043】このように構成される本発明の帯は、必要に応じて伊達巻き等により補強した後、装着される。まず太鼓部70を背中中央に位置させた状態で、胴巻部60をウェスト位置に巻き付け、胴巻部60の輪状折り返し部65下端部に取り付けた紐80と太鼓部裏面の折り込み部64下端部に取り付けた紐80を結び固定する。その後は通常の帯の装着と同様に帯揚げ及び帯締め等を締めて仕上げる。即ち、まず太鼓部70に枕(図示せず)を入れて、枕を太鼓部内の上部(文化結びの場合には下部)に固定し、その上を帯揚げで覆い、帯揚げを帯前面で結ぶ。次に帯締めを太鼓部内を通して帯の幅方向ほぼ中心線に沿って締め付ける。
【0044】このように本発明の簡易式帯は単に胴巻部を巻き付けて紐で結ぶだけで、極めて容易に装着できる。
【0045】以上、図面に示す実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば縫い込みやダーツの位置、深さなどは着る人のサイズや好みに応じて適宜変更することができる。また本発明の簡易式着物は、単衣でも袷でも適用できる。帯についても、図では一重の太鼓を示したが、二重太鼓でも適用できる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、簡単に装着でき、装着後の仕上がりが美しく、装着後の衿元の修正が容易で、装着感のよい簡易式着物が提供される。また本発明によれば、1本の帯を切断することなく、簡単に装着できる帯が提供される。またこの帯は、着手の体型や好みに合わせて胴巻部の長さや太鼓の長さを調節することができる。
【出願人】 【識別番号】500288784
【氏名又は名称】澤田石 城江
【出願日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【代理人】 【識別番号】100099852
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 公子 (外1名)
【公開番号】 特開2002−4110(P2002−4110A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−184040(P2000−184040)