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【発明の名称】 立体レース生地及びその作製方法及びブラジャー
【発明者】 【氏名】中井 順子

【要約】 【課題】ブラジャーのカップ部の表面を覆うために用いられる立体レース生地において、縫合の縫い目が目立たないようにするとともに、効率良く作製できる立体レース生地を得る。

【解決手段】ブラジャーのカップ部の表面を覆うために用いられるレース模様を有する立体レース生地1であって、前記立体レース生地は、レース模様に沿った第1切断部14を有する第1のレース素材10と、レース模様に沿うとともに前記第1切断部14に一致する切断線で構成された第2切断部23を有する第2のレース素材20とを具備し、前記第1のレース素材の第1切断部と第2のレース素材の第2切断部とが縫合されることにより、レース模様が縫合部30で不連続になることなく椀状に形成できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】第1のレース素材と第2のレース素材とを縫合することにより椀状に形成される立体レース生地であって、前記第1のレース素材及び第2のレース素材にレース模様を施し、該レース模様に沿って前記第1のレース素材と第2のレース素材とが縫合されたことを特徴とする立体レース生地。
【請求項2】ブラジャーのカップ部の表面を覆うために用いられるレース模様を有する立体レース生地であって、前記立体レース生地は、前記レース模様に沿った第1切断部を有する第1のレース素材と、前記レース模様に沿うとともに前記第1切断部に一致する切断線で構成された第2切断部を有する第2のレース素材とを具備し、前記第1のレース素材の第1切断部と第2のレース素材の第2切断部とが縫合されることにより、椀状の形状を形成することを特徴とする立体レース生地。
【請求項3】カップ部を具備するブラジャーにおいて、請求項1又は請求項2に記載の立体レース生地が前記カップ部の表面に装着されたことを特徴とするブラジャー。
【請求項4】レース模様を有する立体レース生地の作製方法であって、前記レース模様に沿った第1切断部を有する第1のレース素材と、前記レース模様に沿うとともに前記第1切断部に一致する切断線で構成された第2切断部を有する第2のレース素材とを用意し、前記第1のレース素材の第1切断部と第2のレース素材の第2切断部とを立体的に縫合することにより、椀状形状となる立体レース生地を形成することを特徴とする立体レース生地の作製方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラジャーのカップ部の表面を覆うために用いられる立体レース生地に関し、特に、縫合の縫い目が目立たないようにできる立体レース生地及びその作製方法、更には、この立体レース生地を使用したブラジャーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に用いられているブラジャーは、例えば図3に示すように、上カップ101と下カップ102とを備えたカップ部103と、前側の中央に位置する前側土台布104と、前側土台布104の両側に連結される脇側土台布105と、脇側土台布105の外側に連結されるバック布106と、前記カップ部103を吊るように連結されるストラップ部107とから構成されている。下カップ部102の下縁部108は、乳房の基底ライン(バージスライン)に沿って形成され、この下縁部108にバイアステープ等で作製された袋状の帯状体内に収納されたワイヤー109が装着されている。
【0003】上述のような構造のブラジャー100では、装飾的効果を発揮させるため、前側土台布104、脇側土台布105、バック布106をレース生地で構成するとともに、図4に示すように、カップ部103の表面を覆うように立体レース生地200を装着することが行われていた。
【0004】そして、カップ部103を覆う立体レース生地200については、カップ部103が椀状となる立体的な形状であるので、図5に示すように、既にレース模様が施されている長尺状のレース生地本体300からカップ部103毎に縁部301でのみ連結された一対のレース片310,320を裁断し、このレース片同士を縫合部210で縫製することによりカップ部103を覆うことが可能な立体的なレース生地200を作製することが行われていた。
【0005】すなわち、レース片310,320で共通する切欠線302同士、レース片310の切欠線311とレース片320の切欠線321をそれぞれ縫合して縫合部210とし、レース片310の切欠線312とレース片320の切欠線322が前記カップ部103の下縁部108の基底ラインに相当する椀状の立体レース生地200を形成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような作製方法によると、レース片310,320同士の縫合部210部分にレース模様が不連続となる部分が生じ見栄えが悪くなるととともに、縫合部210で縫い目がはっきり判るという問題点があった。レース模様のデザイン柄を工夫することにより、レース模様の不連続性はある程度回避することができるが、既にレース模様が施されたレース生地本体300を切断して縫合する性質上、完全になくすことは不可能であった。また逆に、模様の不連続性を目立たなくするために、レース模様のデザイン柄が制限されるという側面もあった。
【0007】また、長尺状のレース生地本体300からレース片310,320を裁断するので、立体レース生地200として使用できない裁断ロスが多くなり、作製効率が悪いという問題点があった。更に、レース生地本体300からのレース片310,320の裁断及びレース片同士の縫製に費用がかかるという問題点があった。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、ブラジャーのカップ部の表面を覆うために用いられる立体レース生地において、縫合の縫い目が目立たないようにするとともに、効率良く作製できる立体レース生地及びその作製方法、及び、この立体レース生地を使用したブラジャーを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1の発明は、第1のレース素材と第2のレース素材とを縫合することにより椀状に形成される立体レース生地であって、前記第1のレース素材及び第2のレース素材にレース模様を施し、該レース模様に沿って前記第1のレース素材と第2のレース素材とが縫合されたことを特徴としている。
【0010】請求項2の発明は、ブラジャーのカップ部の表面を覆うために用いられるレース模様を有する立体レース生地であって、次の構成を含むことを特徴としている。前記立体レース生地は、前記レース模様に沿った第1切断部を有する第1のレース素材と、前記レース模様に沿うとともに前記第1切断部に一致する切断線で構成された第2切断部を有する第2のレース素材とを具備している。そして、前記第1のレース素材の第1切断部と第2のレース素材の第2切断部とが縫合されることにより、椀状の形状を形成する。
【0011】請求項3の発明は、カップ部を具備するブラジャーにおいて、請求項1又は請求項2に記載の立体レース生地が前記カップ部の表面に装着されたことを特徴としている。
【0012】請求項4の発明方法は、レース模様を有する立体レース生地の作製方法であって、次の手順で行うことを特徴としている。前記レース模様に沿った第1切断部を有する第1のレース素材と、前記レース模様に沿うとともに前記第1切断部に一致する切断線で構成された第2切断部を有する第2のレース素材とを用意する。前記第1のレース素材の第1切断部と第2のレース素材の第2切断部とを立体的に縫合することにより、椀状形状となる立体レース生地を形成する。
【0013】本発明によれば、レース模様が施された第1のレース素材と第2のレース素材を用意し、各レース素材には前記レース模様に沿った第1切断部と第2切断部をそれぞれ有するとともに、第1切断部と第2切断線は一致する切断線で構成されているので、第1切断部と第2切断線とで縫合すれば、レース模様が縫合部で不連続になることがなく、椀状形状となるように立体的に縫合することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例としての立体レース生地について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は実施の形態の一例に係る立体レース生地の斜視説明図であり、図2は立体レース生地を構成するレース素材(レース片)を示す平面説明図である。
【0015】本発明の立体レース生地1は、第1のレース素材10と第2のレース素材20とを縫合部30(図1の太線で表わした部分)で縫合することにより、図の表方向に凸となる椀状に形成されるものである。この立体レース生地1は、従来例で説明した図3に示すブラジャー100のカップ部103を覆うように装着されるものである。図1では、縫合部30の存在を判り易くするために太線で表示してあるが、実際は通常の刺繍模様と同じ糸で縫合されるので、縫合部30が目立つことはない。
【0016】立体レース生地1は、カップ部103に装着した場合に、乳房の基底ライン(バージスライン)と一致する緩やかな湾曲線で形成された基底ライン部2と、基底ライン部2に連続する脇側部3と、脇側部3に連続し刺繍で縁取りされた上縁部4とを有している。
【0017】立体レース生地1を構成する第1のレース素材10及び第2のレース素材20には、それぞれレース模様が施されている。また、立体レース生地1は、椀状に形成された状態では、カップ部103にフィットする形状となっており、その表面のレース模様については模様が分断されることなく且つ縫合部30をレース模様と一致させているため、縫合部分が目立たないようになっている。
【0018】次に、上述の立体レース生地1の作製方法について説明する。立体レース生地1の構成部品として、レース模様が施されているとともに所望の形状を有する第1のレース素材10と第2のレース素材20とを予め作製しておく。第1のレース素材10は、図2に示されるように、緩やかな湾曲線となる基底ライン部11と、基底ライン部11に連続する脇側部12と、脇側部12に連続し刺繍で縁取りされた上縁部13と、前記基底ライン部11と上縁部13とを繋ぐ第1切断部14とを具備するレース片から構成されている。
【0019】そして、第1切断部14は、レース模様の柄を形成する刺繍部分の縁が連続することで形成されている。例えば、レース模様が花柄である場合には、図2に示すように、花や葉、枝や蔓を表現する刺繍部分を連続して接続した刺繍部で縁取りされて第1切断部14の切断線が構成されている。
【0020】第2のレース素材20は、緩やかな湾曲線となる基底ライン部21と、刺繍で縁取りされた上縁部22と、基底ライン部21と上縁部22とを繋ぐ第2切断部23とを具備するレース片から構成されている。そして、第2切断部23は、第1のレース素材10における第1切断部14のレース模様に沿って刺繍糸で縁取りされたジグザグ状の切断線を有して構成されている。
【0021】第1のレース素材10と第2のレース素材20とは、前記した第1切断部14と第2切断部23を縫合することで、図1のようなレース模様に沿って縫合部30で縫合された椀状の立体レース生地1とすることができる。すなわち、第1のレース素材10の基底ライン部11と、第2のレース素材20の基底ライン部21とにより基底ライン2が構成され、上縁部13と上縁部22とで上縁部4が構成される。
【0022】この立体レース生地1を、図3に示したようなブラジャー100のカップ部103の表面に装着することにより、カップ部103表面でレース模様が分断されず縫合部30が目立つことがないので、デザインがすっきりとした装飾的効果が高いブラジャーを得ることができる。
【0023】椀状となる立体レース生地1は、第1切断部14と第2切断部23との縫合部30の形状により椀状の高さ(カップ部の高さに相当)が異なるものとなるので、予め所望の高さが得られるように、第1切断部13及び第2切断部23の切断線(縫合部分)におけるレース模様をデザインする必要がある。また、ブラジャー100のカップ部103のサイズにより、立体レース生地1の椀状の高さが異なるようにするため、カップ部103のサイズに応じてレース模様を多少変化させる必要がある。
【0024】上記例によれば、椀状となる立体レース生地1は、左右で分断する第1のレース素材10と第2のレース素材20を縫合することで作製されるが、レース生地の立体形状やレース模様の関係で、立体レース生地1を上下方向で分断する2つのレース素材同士を縫合するようにしてもよい。
【0025】また、上記のような立体レース生地1の作製方法によれば、予め第1及び第2のレース素材10,20を作製して縫製することで立体レース生地1を作製できるので、レース生地本体からの裁断を必要とせず裁断ロスの発生を防ぐことができ、また切断の手間も省くことができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、縫合部分(第1切断部及び第2切断部)にレース模様が施された第1のレース素材と第2のレース素材とを縫合することにより立体レース生地を構成するので、レース模様が縫合部で不連続になることがない湾状形状の立体レース生地を得ることができる。
【0027】また、この立体レース生地をブラジャーのカップ部を覆うように装着すれば、レース模様の分断部分がなく縫合箇所が目立たないので、デザイン上優れたブラジャーを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】501117328
【氏名又は名称】中井 順子
【出願日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【代理人】 【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝 (外1名)
【公開番号】 特開2002−275708(P2002−275708A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−84299(P2001−84299)