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【発明の名称】 乳房サポート補整用部材および乳房カップ部に乳房サポート補整用部材を装着した女性用衣類
【発明者】 【氏名】澤本 幸司

【要約】 【課題】乳房サイズの特に大きな女性用の乳房カップ部を有する下着、特にブラジャーなどの乳房サポート補整用部材を装着した女性衣類において、乳房の大きさと重さに耐えられず横に広がり、乳房支持性及び形態補整性が発揮できなくなることなく、長期にわたって乳房サポート補整機能を発揮することのできる女性用衣類を提供することである。

【解決手段】湾曲状の乳房サポートおよび補整用の硬質プラスチック芯材3と該芯材3を内挿した熱可塑性合成樹脂繊維すなわちポリエステル系繊維からなる生地の袋体2からなる乳房サポート補整用部材1を女性用衣類の乳房カップ部8の下部周縁内側9ないし脇部周縁内側10に沿って配設したブラジャー7などの乳房カップ部を有する女性用衣類。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 湾曲状の乳房形状補整用の硬質プラスチック芯材と該硬質プラスチック芯材を内挿した熱可塑性合成樹脂繊維編地の袋体からなることを特徴とする乳房サポート補整用部材。
【請求項2】 湾曲状の乳房形状補整用の硬質プラスチック芯材はその周囲に熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体の生地が熱融着されて内挿されていることを特徴とする請求項1記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項3】 硬質プラスチック芯材は硬質プラスチックのプレートまたはワイヤーからなる芯材であることを特徴とする請求項1または2に記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項4】 硬質プラスチックはポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項5】 硬質プラスチックはPPSであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項6】 硬質プラスチックはPETであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項7】 熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体はポリエステル系繊維の編地の袋体からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項8】 熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体はポリエステル系繊維のループ状組紐地の袋体からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材を女性用衣類の乳房カップ部のカップ部下部周縁内側ないしカップ部脇部周縁内側に沿って配設したことを特徴とする乳房カップ部に乳房サポート補整用部材を装着した女性用衣類。
【請求項10】 乳房サポート補整用部材を女性用衣類を配設した女性用衣類は乳房カップ部を有する下着類からなることを特徴とする請求項9記載の乳房カップ部に乳房サポート補整用部材を装着した女性用衣類。
【請求項11】 乳房カップ部を有する下着類はブラジャーであることを特徴とする請求項10記載の乳房カップ部に乳房サポート補整用部材を装着した女性用衣類。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、女性衣類のうち、女性の乳房をサポートする乳房カップ部を有するキャミソール、ベビードール、ビスチェ、スリーインワンなどのファンデーションやブラジャーなどの下着類あるいは水着など(本明細書は、これらの下着類あるいは水着を総称して「下着類」という。)に関し、特にブラジャーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ファンデーション、特にブラジャーに代表される女性用の乳房カップ部を有する下着類は、乳房カップ部のカップ部下部周縁内側あるいはカップ部脇部周縁内側に乳房を支持するワイヤーを、すなわち、ワイヤータイプサポート部材を乳房カップ部の素材の生地中に挿着して乳房形状を補整する機能を有するものがある。これらに使用されているワイヤーは金属あるいは硬質プラスチックからなる棒状のもので、細くかつ非常に硬度の高いものである。そこでこれらを挿着した下着を着用すると、身体が局部的に締めつけられることとなるので着用感が良くなく、長時間にわたって使用することができなかった。また、何らかの力がこのワイヤーに加わってワイヤーが曲げられると折れてしまい、その折れたワイヤーの先端が乳房カップ部のワイヤーを挿入している生地から突出し、うっかり着用すると肌を傷つける恐れがあった。一方、ノンワイヤータイプのファンデーションもあるが、このノンワイヤータイプのものは乳房形状を補整する機能の点で満足できるものでなかった。
【0003】そこで、着用感が良好でありながら乳房形状の補整機能もあるファンデーションが求められており、乳房カップ部形成素材と同一または類似の素材からなる支持部材を補強的に用いたノンワイヤータイプのブラジャーが提案されている。しかし、乳房の補整機能は有するが、その補整機能は長期間にわたって維持されるものでなく、特に洗濯を繰り返すと乳房補整機能が失われるという問題があった。
【0004】さらに、ファンデーションなどの乳房カップ部を有する女性用衣類であって、乳房カップ部のカップ部下部周縁内側ないしカップ部脇部周縁内側に沿って、ポリエステル繊維などの熱可塑性樹脂繊維の編み地をモールド加工して形成した乳房サポート部材を乳房カップ部形成素材に内装した乳房カップを有するファンデーションすなわち女性用衣類が提案されおり、この女性用衣類に内装の乳房サポート部材はポリエステルパネル状サポート部材であるが、このものは着用感に優れかつ補整機能性にも優れたものとして一応の評価を受けている。
【0005】ところで、このポリエステルパネル状サポート部材を乳房カップ部に内装した女性用衣類においても、乳房サイズの小さな女性に対しては、乳房形状の補整機能は十分に果たされ有効であるが、乳房サイズの大きな女性、特にDカップやEカップと称されるカップのファンデーションにおいては、上記モールド加工して形成の乳房サポート部材、すなわちポリエステルパネル状サポート部材を設けたファンデーションすなわち女性用衣類でも長時間着用してくると乳房下部の重さに耐えられず乳房形状に押されて横に広がり、乳房形状の補整機能が弱くなるという問題が生じ、一層の対策が求められている。
【0006】そこで、出願人は、上記のポリエステルパネル状サポート部材を乳房カップ部に内装した女性用衣類において、乳房サイズの大きな女性、通常、DカップやEカップと称されるカップを使用するファンデーション、特にブラジャーにあって、ポリエステルパネル状サポート部材が乳房の大きさ及び重量に負けて横に広がり、乳房支持性及び形態サポート性が発揮できなくなる上記の問題点を解消するものとして、たとえ大きな乳房サイズに使用しても、乳房のサポート機能を有し、かつ、乳房補整機能を長時間にわたり発揮することのできる乳房カップ部材として、乳房カップ部を有する女性用衣類の乳房カップ部のカップ部下部周縁内側ないしカップ部脇部周縁内側に沿って配設の熱可塑性合成樹脂繊維の生地にモールド加工により形成した湾曲状の乳房形状補整硬質域を設けた乳房サポート部材において、乳房サポート部材の湾曲状の乳房形状補整硬質域に乳房カップ部のカップ部下部周縁内側ないしカップ部脇部周縁内側に並行に延び、かつ、外方向に突出する断面半円形の曲条を形成することで、その部分の剛性を高め、或いはこの断面半円形の曲条にさらに断面半円形のワイヤーを嵌着することで、乳房サポート補整用部材が乳房の大きさ及び重量に負けて横に広がることを防止した婦人衣類を発明している。ところで、このものはそれなりの効果を有する優れたものであるが、さらにコストを低下した乳房サポート補整用部材および該部材を装着した乳房の大きさ及び重量に負けて該乳房サポート補整用部材が横に広がることを防止した婦人衣類の開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記のポリエステルパネル状サポート部材を乳房カップ部に内装した女性用衣類において、乳房サイズの大きな女性、通常、DカップやEカップと称される乳房カップ部を有するファンデーション、特にブラジャーにあって、ポリエステルパネル状サポート部材が乳房の大きさ及び重量に負けて横に広がり、乳房支持性及び形態サポート性が発揮できなくなる上記の問題点を解消し、大きな乳房サイズに使用するものであっても乳房の乳房支持性及び形態サポート性を長期にわたり有し、乳房補整機能を長時間にわたり発揮することができ、かつ、乳房サポートおよび補整用の芯材が折れにくく、たとえ折れてもその折れ片の端部が突出することのない安全であり、この安全な芯材を装着した女性用衣類を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の解決するための手段は、請求項1の発明では、湾曲状の乳房形状補整用の硬質プラスチック芯材3と該硬質プラスチック芯材3を内挿した熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2からなることを特徴とする乳房サポート補整用部材1である。
【0009】請求項2の発明では、湾曲状の乳房形状補整用の硬質プラスチック芯材3はその周囲に熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2の生地が熱融着されて内挿されていることを特徴とする請求項1の手段の乳房サポート補整用部材1である。
【0010】請求項3の発明では、硬質プラスチック芯材3は硬質プラスチックのプレートまたはワイヤーからなる芯材であることを特徴とする請求項1または2における乳房サポート補整用部材1である。
【0011】請求項4の発明では、硬質プラスチックはポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項における乳房サポート補整用部材1である。
【0012】請求項5の発明では、硬質プラスチックはPPSであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段における乳房サポート補整用部材である。
【0013】請求項6の発明では、硬質プラスチックはPETであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段における乳房サポート補整用部材である。
【0014】請求項7の発明では、熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2はポリエステル系繊維の編地の袋体2からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項の手段における乳房サポート補整用部材1である。
【0015】請求項8の発明では、熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2はポリエステル系繊維のループ状組紐地の袋体2からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳房サポート補整用部材1である。
【0016】請求項9の発明では、請求項1〜8のいずれか1項の手段における乳房サポート補整用部材1を女性用衣類の乳房カップ部8のカップ部下部周縁内側9ないしカップ部脇部周縁内側10に沿って配設したことを特徴とする乳房カップ部8に乳房サポート補整用部材1を装着した女性用衣類である。
【0017】請求項10の発明では、乳房サポート補整用部材1を女性用衣類を配設した女性用衣類は乳房カップ部8を有する下着類からなることを特徴とする請求項9の手段の乳房カップ部8に乳房サポート補整用部材1を装着した女性用衣類である。
【0018】請求項11の発明では、乳房カップ部8を有する下着類はブラジャー7であることを特徴とする請求項10の手段の乳房カップ部8に乳房サポート補整用部材1を装着した女性用衣類である。
【0019】本発明の上記手段における作用を説明すると、請求項1の手段では、ファンデーション、特にブラジャー7などの下着類の乳房カップ部8において乳房形状をサポートしかつ補整するための保形用部材である乳房サポート補整用部材1を、熱可塑性合成樹脂繊維の生地から製造した袋体2に乳房カップ部8の下部および脇部周縁の形状に湾曲した硬質プラスチック芯材3を包み込んで乳房サポート補整用部材1としたので、乳房サイズの大きな女性、通常、DカップやEカップと称される乳房カップ部8を使用するブラジャー7に使用しても、従来のモールド成形したポリエステルパネル状サポート部材と異なり、硬質プラスチック芯材3であるので、乳房の大きさ及び重量に負けて横に広がり、乳房のサポート機能および形状補整機能が発揮できなくなるようなことがなく、長期にわたり乳房補整機能を発揮することのできる。さらに直接硬質プラスチック芯材3が下着類の生地に触れることなく、身体に優しく保形力を作用させると共に、硬質プラスチック芯材3に曲折する力が作用しても硬質プラスチック芯材3を包み込んだ熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2が硬質プラスチック芯材3の周囲を強い力で引っ張っているので極端な曲折が抑制されて折れにくく、仮に折れたとしてもその折れ片の先端がしっかりと熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2内に閉じ込められて下着類の生地から突出することが阻止されている。従って、肌を傷つけることが防護されている。なお、熱可塑性合成樹脂繊維生地からなる袋体2には、生地が丸生地またはダブルラッセル生地からなるものであるが、組紐編みの袋体2からなるもの、あるいは生地からなるテープ状の2枚の生地の間にサンドイッチ状に硬質プラスチック芯材3を挟持してその周縁を熱融着して結果的に袋体状になったものも含まれる。
【0020】請求項2の手段では、硬質プラスチック芯材3を包み込んだ熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2の生地の一部が熱により、例えば190℃程度の金型中における加熱により軟化されて生地の袋体2の中に内挿の硬質プラスチック芯材3の表面に熱融着されているので、硬質プラスチック芯材3に曲折する力が作用しても、熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2の生地がより強い張力を硬質プラスチック芯材3に及ぼすこととなり、硬質プラスチック芯材3が一層に折れ曲がり難くなっており、仮に折れたとしても折れ片の先が下着類の生地から突出し難く、この実施の形態の乳房サポート補整用部材1は安全である。
【0021】請求項3の手段では、硬質プラスチック芯材3の形状をプレート状またはワイヤー状の芯材とするもので、このような形状とすることでサポートおよび補整する箇所を局所的に限定することができる。
【0022】請求項4の手段では、硬質プラスチック芯材3の素材をポリカーボネートとするものであり、請求項5の手段では、硬質プラスチック芯材3の素材をポリプロピレン系のプラスチックであるPPSとするものであり、請求項6の手段では、硬質プラスチック芯材3の素材をポリエステル樹脂のPETとするものであり、これらの素材の有する優れた粘り強さ、機械的強度、対衝撃性、耐候性などの性質とその硬質プラスチック芯材3の周囲を包み込む熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2、特に、請求項7の手段の熱可塑性合成樹脂繊維がポリエステル系繊維からなる編地の袋体2、あるいは請求項8の手段の熱可塑性合成樹脂繊維がポリエステル系繊維からなるループ状組紐地の袋体2であるので、これらを複合すること、特に熱融着により複合することにより、素材同士の特性が相乗されて一層折れ難くなると共に装着時の違和感すなわち不快感がなくなると共に、より長期間にわたり重さに耐えることができ、垂れて延びることがなくなるなど、優れた機能の乳房サポート補整用部材1が得られる。
【0023】請求項9〜11の手段では、請求項9の手段で女性用衣類に、特に請求項10の手段で下着に、とりわけ請求項9の手段ではブラジャー7に、上記の請求項1〜8のいずれか1項の手段における乳房サポート補整用部材1を適用し、それらの乳房カップ部8のカップ下部周縁内側9ないしカップ脇部周縁内側10に沿って配設したので、乳房のサポート性および補整性に長期間にわたり発揮され、しかも身体の肌に優しくかつ折れにくく、折れても生地から突出することのない装着に安全な女性用衣類となる。
【0024】上記において、熱可塑性樹脂繊維生地からなる素材は加熱溶着時の金型の最高温度を約190℃とし、徐々に傾斜温度として低下させ熱融着することで、乳房サポート補整用部材1の硬質域を端縁になるに連れて軟らかくすることが容易にでき、硬度、形態サポート性、柔軟性と、適度の弾力性を兼備する所望の形状が容易に成形でき、装着感をより良好とすることができる。
【0025】さらに本発明の婦人衣類では、乳房サポート補整用部材1を硬度の異なるカップ部形成素材により挟持した状態で配設しているので、例えばファンデーションは肌に軟らかく接する必要のある側には、軟らかい素材とすることで、装着感をより高めることができる。
【0026】さらに、本発明で最も女性用衣類としてその真価が発揮できるのは請求項9の手段のブラジャー7である。
【0027】以上のように本発明による乳房カップ部8を有する女性用衣類では、その乳房カップ部8に金属製のワイヤーなどを一切使用していないので、縫製時にミシン針や縫い針などが誤って製品中に残留していないことを調べる検針装置にかけることができ、製品中にミシン針や縫い針を誤って残したものを除外できるので、安全であることを保証しやすい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】図1は、本発明の乳房サポート補整用部材1の平面図である。図2は本発明の乳房サポート補整用部材1の熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2の繊維5と硬質プラスチック芯材3であるプレートの熱融着を模式的に示す拡大模式図である。図3は本発明の女性用衣類の一実施の形態のブラジャー7の斜視図である。図4は図3のA−A線で切断し矢視で示す切断端面の一部を模式的に示す模式図である。図5は本発明の女性用衣類の他の実施の形態のブラジャー7の斜視図であり、(a)はブラジャー7の半体を裏側から見た図で、(b)は(a)のブラジャー7に適用した乳房サポート補整用部材1の平面図を示す図である。図6の(a)は乳房サポート補整用部材1の包み込み状とした熱可塑性合成樹脂繊維生地の斜視図で、(b)は包み込み状内に硬質プラスチック芯3を包み縫いした斜視図を示す。
【0030】本発明の乳房サポート補整用部材1は、図1に示すように、乳房の下部周縁の形状の部材からなる。この部材は素材が熱可塑性合成樹脂繊維生地からなる袋体2とこの袋体2に内挿された素材が硬質プラスチックである硬質プラスチック芯材3からなる。熱可塑性合成樹脂繊維生地にはポリエステル系繊維からなる生地を袋体2としたもの、特に編地あるいは組紐地からなり、これらを袋状に編んで袋体2としたものか、テープ状の生地を2枚合わせてその周縁4を融着して袋体2としたものか、あるいは1枚の生地を図6に示すように両端部を内側に丸めて包み込み状にして包状縫いして袋体2とするもので、この包状縫いの場合は、後から得られた袋体2に硬質プラスチック芯材3を挿入するのではなく、両端部を内側に丸めて包み込み状にすると同時に硬質プラスチック芯材3を包み込んでミシンで縫って仕上げるものである。編地としては例えば丸編地あるいはラッセル編地などである。なお、この周縁4の溶着は必ずしも周縁4の全面を溶着する必要はなく、部分的に周縁4が溶着されておればよい。特に、後者のテープ状の生地を2枚合わせてその周縁4を融着する場合は硬質プラスチック芯材3を2枚のテープ状生地の間に挟持して、例えば190℃に加熱した金型の間で加圧して加熱することでテープ状生地の周縁4を溶着するとともに、図2に示すように同時にテープ状生地の繊維5を硬質プラスチック芯材3に食い込ませて熱溶融食い込み6とする。本発明の乳房サポート補整用部材1はこのように熱溶融食い込み6であるので、硬質プラスチック芯材3に折り曲げ力が作用しても、食い込んだ熱可塑性合成樹脂繊維生地の繊維5が上記曲げ力に抗して硬質プラスチック芯材3を折り曲がり難くする。従って、硬質プラスチック芯材3がポキッと折れることはなく、たとえ曲げられても容易に元の形状に回復する。
【0031】上記の乳房サポート補整用部材1の硬質プラスチック芯材3は、特にポリカーボネートのプレートあるいはワイヤーからなるものとすることができる。もちろんポリカーボネートに限るものでなく、ポリプロピレン系素材のPPS、あるいは高伸度、高弾性のポリエステル樹脂のPETなど、乳房のサポートおよび形状補整に対して十分な強度と剛性と耐久性を有するものであればよい。ところでこの実施の形態では素材をポリカーボネートとすることで、機械的強度に優れているので、重いバストの荷重にも耐えることができ、長期間にわたり形状を維持して乳房をサポートし補整する。また、その形状をプレートとするときはその幅がワイヤーに比してやや広く平らな面を形成しているので肌面に沿いやすく装着感に優れている。さらに熱可塑性合成樹脂繊維生地の繊維5の食い込む部分も多くより曲がり難く、形状の維持力に優れている。一方、ワイヤーとするものは、その製造コストがより低くなる。ワイヤーの断面円形の凸条は、加熱した金型で加圧して熱可塑性合成樹脂繊維生地の繊維5を溶着して食い込ませる時に、この加圧力により平らに押すことで断面半円形に改善することができ、装着感の向上した乳房サポート補整用部材1を得ることができる。硬質プラスチック芯材3の素材をポリカーボネート、PPSあるいはPETのいずれにするか、およびその断面形状をプレート状とするかワイヤーの断面円形状とするかあるいは半円形状のもののいずれとするかは、乳房を支持する度合いにより選択することとなる。
【0032】上記のようにして製造の本実施の形態の乳房サポート補整用部材1を装着した女性用衣類として、ブラジャー7に適用した実施の形態について、図3および図4を参照して以下に説明する。ブラジャー7は左右の乳房カップ部8、8を有する。乳房カップ部8は、カップ部下部周縁内側9およびカップ部脇部周縁内側10のほぼ全域に沿って、ほぼ同一幅の乳房サポート補整用部材1がブラジャー7の裏側面、すなわち肌側の面に縫製により設けられている。また、裏側面に設ける代わりにブラジャー7を構成する素材間に装着して縫製されて設けられている。
【0033】図4は、図3に示す乳房サポート補整用部材1を設けたブラジャー7の切断端面のカップ部下部周縁9の一部を模式的断面図で、乳房カップ部8の下半部の表面側すなわち外側素材11と肌側の内側素材12の間に硬質プラスチック芯材3とその周囲を包み込んでいる熱可塑性合成樹脂繊維生地の袋体2からなる乳房サポート補整用部材1を内装している。この図4では硬質プラスチック芯材3がプレート状で幅広であるが、ワイヤー状とする場合はさらに幅狭とすることもできる。乳房サポート補整用部材1はブラジャー7の外側素材11および内側素材12に縫い付けたり、あるいは、乳房カップ部素材の内側にポリエステル繊維などの不織布を使用してモールド加工によりカップ形状を付与する際に、乳房サポート補整用部材1のポリエステル系繊維の袋体2を軽度に熱融着して取り付けることもできる。以上に説明した図4の実施の形態では、カップ部下部周縁内側9に乳房サポート補整用部材1を使用したものについて説明したが、図3のブラジャー7のカップ部脇部周縁内側10に乳房サポート補整用部材1を使用することもできることはいうまでもない。。
【0034】図5は、ブラジャー7の他の実施の形態を(a)で示し、このブラジャー7に適用する乳房サポート補整用部材1の実施の形態を(b)で示す。この実施の形態では、乳房サポート補整用部材1の硬質プラスチック芯材3は断面円形のワイヤー状のものからなり、その素材はポリエステル樹脂すなわちPETからなる。もちろん、ワイヤー状に代えてプレート状とすることもできる。この実施の形態では、硬質プラスチック芯材3のワイヤーをを挿入した袋体2は、その周縁のミシン目14に示すように硬質プラスチック芯材3の周囲をミシンで縫ってブラジャー7のカップ部下部周縁内側9およびカップ部脇部周縁内側に裏面から取り付けてある。この裏面から取り付ける代わりに、図6に示すように、(a)に示すように、熱可塑性合成樹脂繊維の生地の両端縁を上下から包み込み状13に内側に丸め、(b)に示すように、それらの間に硬質プラスチック芯材3を挿着して包み込み状13の端縁部をミシン目14のように縫製して乳房サポート補整用部材1とし、この乳房サポート補整用部材1をブラジャー7の乳房カップ部8の裏面側の素材の内側に縫製して留めるものとする。
【0035】以上の本発明に係る乳房サポート補整用部材1およびこれを適用した女性用衣類としてブラジャー7のそれぞれの実施の形態を説明したが、本発明に係る乳房サポート補整用部材1を乳房カップ部8を有するファンデーションとしての女性用衣類に使用する場合は、硬度の異なるカップ部形成素材の間に挟持させることにより種々の下着、すなわちブラジャー7その他のファンデーションなどに形成できることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る女性の乳房の形状の乳房カップ部を有する女性用衣類の乳房カップ部の下部周縁内側ないし脇部周縁内側に沿って配設する乳房サポート補整用部材を熱可塑性合成樹脂繊維の生地の袋体に湾曲状の硬質プラスチック芯材を内挿して、特にポリカーボネートのプレート状の芯材あるいはワイヤー状の芯材を内挿してこれらを加熱押圧することにより、袋体と芯材を軽く融着することで両者を係止し、相互のズレを防止し、乳房サポート補整用部材が容易に折れ曲がらなくし、たとえ折れても袋体から折れ片の端部が突出しにくくなっている。従って、この乳房サポート補整用部材を乳房カップ部を有する女性用の衣類の乳房カップ部の下部周縁内側ないし脇部周縁内側に沿って配設することで、女性用衣類の乳房カップ部の形状を乳房の重い荷重に耐えて湾曲状の乳房形状補整硬質機能が失われることがなく、乳房サイズの大きな乳房カップ部に使用するときでも乳房に押されて横に広がることなく長期にわたり乳房カップ部をサポートし、かつ補整機能を果たすことができ、さらにその製作においても複雑な素材や工程も要することなく、安価に乳房サポート補整用部材を製作することができるなどコスト的にも優れており、さらにこの乳房サポート補整用部材を挿着した衣類は装着時に異物感がなく装着感に優れており安心して装着できるなど、本発明は従来にない優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000253101
【氏名又は名称】リバー・ストーン株式会社
【出願日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【代理人】 【識別番号】100101085
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 健至
【公開番号】 特開2002−220706(P2002−220706A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−12154(P2001−12154)