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【発明の名称】 乳房カップを有する衣料
【発明者】 【氏名】田中 可奈子

【氏名】山口 順子

【要約】 【課題】一つの衣料で、着用者の目的に応じてバストアップ機能を主体に発揮させる様にしたり、又はバスト寄せの機能を主体に発揮させる様にしたりすることができる、機能変更可能な乳房カップを有する衣料を提供する。

【解決手段】乳房カップ1のほぼ下半部の湾曲縁2に沿ってカップワイヤー4を具備している乳房カップを有するブラジャーであって、前記ブラジャーは、カップワイヤー4のほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップ1が連結されており、前記左右の乳房カップの連結部は屈曲可能な第1の連結部7であり、更に前記第1の連結部7より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部8を有し、前記第2の連結部8がその長さが調節可能な連結部であるブラジャー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乳房カップのほぼ前中心側から下側並びに脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁に沿ってカップワイヤーを具備している乳房カップを有する女性用衣料であって、前記衣料は、カップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップが連結されており、前記左右の乳房カップの連結部は屈曲可能な第1の連結部であり、更に前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部を有し、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなることを特徴とする乳房カップを有する衣料。
【請求項2】 第1の連結部が、糸状物、紐状物、細幅テープ状物から選ばれた部材からなる連結部である請求項1に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項3】 第2の連結部が、ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターからなる請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項4】 第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているリボン状物からなる請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項5】 第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているチェーン状物からなり、一方のチェーン状物の先端部に他方のチェーン状物のチェーンを構成しているチェーンリングと係止しうる係止部を有するチェーン状物からなる請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項6】 第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられている紐状ないしテープ状物と、左右の紐状ないしテープ状物を所望の位置で併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなる請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項7】 第2の連結部が、一つの紐状ないしテープ状物からなり、左右の乳房カップを当該紐状ないしテープ状物でループ状に連結して、その紐状ないしテープ状物のフリーな両端部側の部分を所望の位置で併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなる請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項8】 第2の連結部が、左右の乳房カップのそれぞれにおいて、各々の乳房カップの前中心側縁の上方部分または第1の連結部にその一端が固定され他端がそれより下側で且つ乳房カップ最下点よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分に固定されていてその長さがその一端と他端間の乳房カップの縁の長さより長い紐状ないしテープ状物を有し、前記左右の紐状ないしテープ状物を併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなる請求項1または2のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項9】 乳房カップの脇上側近傍に長さの調節が可能な肩紐が取り付けられている請求項1〜8のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項10】 肩紐が、乳房カップの脇上側近傍にループ状に取り付けられた第1部分と、第1部分のループにスライド可能に取り付けられ且つ長さの調節が可能な第2部分とからなる肩紐である請求項9に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項11】 乳房カップを有する衣料が、ブラジャー、ブラスリップ、ブラキャミソール、ボディスーツ、水着から選ばれた衣料である請求項1〜10のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項12】 乳房カップを有する衣料が、乳房カップより下側に少なくともウェスト近傍まで延在している胴部を有している衣料である請求項1〜10のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項13】 胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部が前側で左右にセパレートし得る胴部からなる請求項12に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項14】 乳房カップを有する衣料が、ブラスリップ、ブラキャミソールから選ばれた衣料である請求項13に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項15】 胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部は前側の左右の乳房カップの第2の連結部の取り付け部分より少なくとも脇側の乳房カップの縁で連なって取り付けられている胴部であって、第2の連結部の下側にも開口スペースを有する請求項12に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項16】 胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側の一部で乳房カップに連なって取り付けられている胴部である請求項12に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項17】 胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側に連設されているバック布の一部に胴部の上部の一部が取り付けられている胴部を有している請求項12に記載の乳房カップを有する衣料。
【請求項18】 乳房カップを有する衣料が、ボディスーツ、水着、乳房カップ付きテディから選ばれた衣料である請求項15〜17のいずれかに記載の乳房カップを有する衣料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、乳房カップを有する衣料に関する。特に、本発明は着用者の好みにより、乳房の造形性を変化させることが可能な乳房カップを有する女性用衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラジャー、ブラスリップ、ブラキャミソール、ボディスーツ、水着などの乳房カップを有する衣料は女性用の被服として広く普及している。一般にこれらの女性用衣料は、乳房の形を整え、そのシルエットをできるだけ美しくするために乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁、すなわち乳房カップのほぼ前中心側から下側並びに脇側にかけての縁に沿ってほぼ円弧状のカップワイヤーを具備しているものが広く普及しており、前記カップワイヤーの剛性を利用してカップの変形を食い止めて乳房の形を美しく保とうとするものである。
【0003】そしてこれらの衣料は、同じ種類の衣料の中においても、その目的などによって、乳房カップの形状が1/2カップや3/4カップの衣料など、着用者の好みでどのようなバストシルエットとしたいかなどによって選ばれて用いられている。そしてバストアップさせたり、乳房を前中心側に寄せて左右の乳房の間の谷間の発現を強調するなどの補整が好んで行われている。一般的には、1/2カップタイプの乳房カップを有する衣料の補整機能は、主としてカップ部がバストを押し上げてバストアップさせる機能、いわゆる「上げ」の機能が主体であり、また、3/4カップタイプの乳房カップを有する衣料の補整機能は、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「寄せ」の機能が主体のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の乳房カップを有する衣料においては、着用者が「バストアップ」の補整をしたい時は、1/2カップタイプの乳房カップを有する衣料を着用し、着用者が「寄せ」の補整をしたい時は、3/4カップのタイプの乳房カップを有する衣料を着用するなど、2つのタイプの衣料を使い分けることが必要であり、それゆえ各種の乳房カップを有する衣料について、この要求を満足させるためには、各種の乳房カップを有する衣料それぞれについて、2つ以上の異なるカップのタイプの衣料を用意しておく必要がある。
【0005】本発明は、一つの衣料で、着用者の目的に応じて、「上げ」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは「寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることが出きる、機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明の乳房カップを有する衣料は、次のものである。
【0007】(1)本発明の乳房カップを有する衣料は、乳房カップのほぼ前中心側から下側並びに脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁に沿ってカップワイヤーを具備している乳房カップを有する女性用衣料であって、前記衣料は、カップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップが連結されており、前記左右の乳房カップの連結部は屈曲可能な第1の連結部であり、更に前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部を有し、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなることを特徴とする。
【0008】(2)また、前記(1)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第1の連結部が、糸状物、紐状物、細幅テープ状物から選ばれた部材からなる連結部であることが好ましい。
【0009】(3)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第2の連結部が、ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターからなることが好ましい。
【0010】(4)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているリボン状物からなることが好ましい。
【0011】(5)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているチェーン状物からなり、一方のチェーン状物の先端部に他方のチェーン状物のチェーンを構成しているチェーンリングと係止しうる係止部を有するチェーン状物からなることが好ましい。
【0012】(6)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられている紐状ないしテープ状物と、左右の紐状ないしテープ状物を所望の位置で併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなることが好ましい。
【0013】(7)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第2の連結部が、一つの紐状ないしテープ状物からなり、左右の乳房カップを当該紐状ないしテープ状物でループ状に連結して、その紐状ないしテープ状物のフリーな両端部側の部分を所望の位置で併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなることが好ましい。
【0014】(8)また、前記(1)項または(2)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、第2の連結部が、左右の乳房カップのそれぞれにおいて、各々の乳房カップの前中心側縁の上方部分または第1の連結部にその一端が固定され他端がそれより下側で且つ乳房カップ最下点よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分に固定されていてその長さがその一端と他端間の乳房カップの縁の長さより長い紐状ないしテープ状物を有し、前記左右の紐状ないしテープ状物を併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなることが好ましい。
【0015】(9)また、前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、乳房カップの脇上側近傍に長さの調節が可能な肩紐が取り付けられていることが好ましい。
【0016】(10)また、前記(9)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、肩紐が、乳房カップの脇上側近傍にループ状に取り付けられた第1部分と、第1部分のループにスライド可能に取り付けられ且つ長さの調節が可能な第2部分とからなる肩紐であることが好ましい。
【0017】(11)また、前記(1)〜(10)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、乳房カップを有する衣料が、ブラジャー、ブラスリップ、ブラキャミソール、ボディスーツ、水着から選ばれた衣料であることが好ましい。
【0018】(12)また、前記(1)〜(10)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、乳房カップを有する衣料が、乳房カップより下側に少なくともウェスト近傍まで延在している胴部を有している衣料であることが好ましい。
【0019】(13)また、前記(12)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部が前側で左右にセパレートし得る胴部からなることが好ましい。
【0020】(14)また、前記(13)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、乳房カップを有する衣料が、ブラスリップ、ブラキャミソールから選ばれた衣料であることが好ましい。
【0021】(15)また、前記(12)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部は前側の左右の乳房カップの第2の連結部の取り付け部分より少なくとも脇側の乳房カップの縁で連なって取り付けられている胴部であって、第2の連結部の下側にも開口スペースを有することが好ましい。
【0022】(16)また、前記(12)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側の一部で乳房カップに連なって取り付けられている胴部であることが好ましい。
【0023】(17)また、前記(12)項に記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側に連設されているバック布の一部に胴部の上部の一部が取り付けられている胴部を有している衣料であることが好ましい。
【0024】(18)また、前記(15)〜(17)項のいずれかに記載の本発明の乳房カップを有する衣料においては、乳房カップを有する衣料が、ボディスーツ、水着乳房カップ付きテディから選ばれた衣料であることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態例を挙げて、さらに本発明を具体的に説明するが。本発明はこの実施の形態に記載されているもののみに限定されるものではない。
【0026】図1は本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの一実施の形態例の正面図である。
【0027】図1において、1が乳房カップ、2が乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁であり、この湾曲縁は、乳房カップのほぼ前中心側から下側を通り、脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁である。そしてこの下半部の湾曲縁2に沿ってカップワイヤー4を具備している。カップワイヤー4は、通常、バイアステープなどが表裏より当てがわれて前記乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁2にほぼ沿ってバイアステープに包まれ、バイアステープの縁が縫製された袋状の空間に挿入されており、外部からは見えない様になっている。3は乳房カップ1の最下点である。5は乳房カップの脇上側の縁、6はバック布、7はカップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップ1を連結している第1の連結部であり、第1の連結部は、例えば、糸状物、紐状物、細幅テープ状物などからなるとか、この部分をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ような屈曲可能性を有していることが必要である。本発明において、「屈曲可能な第1の連結部」の「屈曲可能な」とは、上述の如く、第1の連結部をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ことを意味しており、これ以外の方向にも更に屈曲可能であってもよいことはもちろんである。8は前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部であり、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる。ここで「その長さが調節可能な」とは、第2の連結部の左右の乳房カップ間の長さが調節可能であることを意味しており、ゴム弾性体の如く取り付けられている第2の連結部を構成している素材自体の絶対的な長さが伸びたり縮んだりすると言う意味ではない。
【0028】尚、点線11はこのブラジャーを着用していると仮定した場合の乳房のバージスラインの一部を、説明の便宜上、模式的に示したものである。
【0029】9a、9bは肩紐であり、この肩紐は第1部分である9aとその長さが調節可能になっている第2部分9bとからなっており、この肩紐は9aの第1部分が、乳房カップの脇上側近傍にその両端が固着されて、ループ状に取り付けられていて、肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に縫製などによりその一端部が取り付けられている。肩紐の第2部分9bの他端はバック布6の端部近傍の上側の縁に通常の肩紐と同様にその長さの調節が可能な状態で取り付けられている。尚、図2は、肩紐第1部分9aと肩紐第2部分9bの結合部近傍を拡大して示した部分平面図である。図2において、20は肩紐第2部分9bの一端がリング10に通されて反転させた部分の縫合部分を示している。
【0030】しかして、図1aが第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図1bに比べて短めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態を示しており、この状態では、図1aの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整したブラジャーを着用すると、前述したような1/2カップタイプの乳房カップを有するブラジャーを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができるブラジャーとして使用できる。
【0031】一方、もし図1bに示した様に、第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図1aに比べて長めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態では、図1bの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図1aに比べて下に凸になって角度が狭くなている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整したブラジャーを着用すると、バストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、前述したような3/4カップタイプの乳房カップを有するブラジャーを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「寄せ」の機能を主体に発揮させることができるブラジャーとして使用できる。この場合に、左右の乳房カップが矢印Aで示した方向に回転している状態になるので、通常、肩紐は、その分に応じて長さを短めに調整することになる。そして肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に取り付けられているので、肩紐の第1部分9aのような機構を介さずに肩紐の第2部分9bの先端を直接乳房カップに縫製などにより固定した場合に比べて、矢印Aの方向に乳房カップが回転した状態でも肩紐の第2部分9bの先端部が前中心側に寄ってしまう(従って肩紐の第2部分が肩の首側に寄りすぎてしまう)のを防止でき且つカップ部がバストをサイドからプッシュする応力がより好適に発揮される様に補助する機能が発揮され好ましい。また、逆に図1bの状態から図1aの状態に戻した場合においては、矢印Aと逆方向に乳房カップが回転した状態になるが、その場合に肩紐の第2部分9bの先端部が脇側に開きすぎてしまう(従って肩紐の第2部分が肩の脇側に開きすぎてしまう)のを防止でき好ましい。
【0032】以上説明した様に、図1に示した本発明のブラジャーは、一つの衣料で、着用者の目的に応じて、「上げ」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは「寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図1bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0033】図3に、図1のブラジャーの第2の連結部8として用いたアジャスター30の一実施の形態を示した。図3aはアジャスター30の平面図、図3bはアジャスター30の側面図、図3cは図3aの長手方向断面図である。
【0034】図3に示すアジャスター30は、ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターの一実施の形態を示すものである。
【0035】図3において、38と39でロック機構を備えたスライダーを構成している。図3に示すアジャスター30は、中央長手方向にスリット31を形成するとともに、該スリット31の両側に鋸歯状ラック32を形成し、一端には取付け縫着部33を形成した可撓性部材からなる薄いスライドバンド34と、一端部内面に前記スリット31に位置する弾性脚35を、また他端部内面に鋸歯状ラック32に噛合する爪脚36をそれぞれ形成し、揺動中心軸37を支点として揺動するようにした係止操作片38を、スライド方向直角断面をスライドバンド34が挿通される凹形としたボックス部39の側壁に揺動自在に保持させ、該ボックス部39の一端部をスライド方向に延長させて自由端部を縫着片40とし、スライドバンド34が摺接する面の両側にはスライド規制突起41が列設されたカバー帯42を設けた調節具主体43とからなり、ボックス部39に挿通したスライドバンド34の鋸歯状ラック32に、係止操作片38の弾性脚5の弾性により爪脚36を噛合させ、スライドバンド34の自由端部を調節具主体43のカバー帯42で隠すようにした構造のアジャスターである。
【0036】上記のように構成したアジャスター30は、スライドバンド34の一端の縫着部33が、図1などで説明したように、左右の乳房カップの内のいずれか一方の乳房カップの前中心側の縁近傍部分の所定の位置に縫着されるとともに、調節具主体43の縫着片40が他方の乳房カップの前中心側の縁近傍部分の所定の位置に縫着される。そしてかかるアジャスター30を用いて左右のバンドをつないでアジャスター全体の長さを所望の長さに調整するには、スライドバンド34の自由端を調節具主体43に挿通して、調節具主体43に保持された係止操作片38を、弾性脚35の弾性によって鋸歯状ラック32に噛合している爪脚36の噛合を解除するように押圧操作して、スライドバンド34が調節具主体43に対しスライド自在の状態とし、任意の位置で係止操作片38の押圧を解放すると、爪脚36が弾性脚35の弾性よって鋸歯状ラック32に噛合し、所定の長さに設定され、これによって第2の連結部8として用いたアジャスター30の左右の乳房カップ間の長さを所望の長さに調節できるのである。この場合、スライドバンド34は、従来のベルト体と帯体との機能を発揮するようになるとともに、スライドバンド34の自由端部は、スライド規制突起41にガイドされてスムーズにスライドしてカバー帯42の裏面に隠蔽されるようになる。
【0037】上記に示したロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターの詳細は、実用新案登録第2561462号公報に記載されている。
【0038】ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターとしては、この図3に示したものに限定されるものではなく、それぞれの一端がそれぞれの左右の乳房カップの前中心側の縁近傍部分の所定の位置に縫着されている左右のバンドないしベルト状物のいずれか一方のバンドないしベルト状物の他端にロック機構を備えたスライダーが設けられており、当該スライダーに他方のバンドないしベルト状物の自由端部を挿通して所望の長さになったところで、他方のバンドないしベルト状物がスライドしないようにロックし得る機構(但し、必要に応じて、ロックを解除して、再度他方のバンドないしベルト状物がスライドし得る状態にできるロック機構)を有するものを、本発明においては「ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスター」と称しているので、かかる機能を有するロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターであり、本発明の目的の達成に支障のないものであれば、図3に示したもの以外のものでもよい。ただ図3に示したロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターは、プラスチックスを用いて比較的安価に製造でき、従って軽く、その長さの調整が着用状態においても容易であり、しかも、所定の長さに調整した場合に、着用中において、その長さを確実に保持でき、着用中における身体の動きによって掛かる応力に対しても、ズレが生じたりせず長さが変化しにくく信頼性が高く、必要な強度を有し、洗濯に対しても耐久性が良好で極めて好ましいアジャスターである。
【0039】次に図26に、アジャスター30に代わる他のロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターの一実施の形態の斜視図を示した。例えば必要に応じて、図3のアジャスター30の代わりに図26に示すようなアジャスター110のようなものを用いてもよいことを示すための代替態様の一例として図26のアジャスターを示したものである。
【0040】図26においては、アジャスター110の理解を容易にするために、アジャスター110が開放された状態の斜視図を示した。
【0041】図26において、111がロック機構を備えたスライダー(係止金具)であり、112は表面に多数の突条114が所定間隔置きに設けられている挿入スライドベルトでありその他方の端(突条114が設けられていない方の端)は図1などで説明したように、乳房カップの前中心側の縁近傍部分の所定の位置に縫着されている。113がもう一方の連結ベルトであり、よく知られた歯形顎を有するベルト固定金具122でその一端がスライダー111の端部に固定されている。この連結ベルト113の他方の端は、図1などで説明したように、挿入スライドベルト112が取り付けられている乳房カップと反対側の乳房カップの前中心側の縁近傍部分の所定の位置に縫着されている。スライダー(係止金具)111は、底壁115及びその上下両端部から表側に向かって突設された起立壁116、116からなるブラケット117と、ブラケット117の起立壁116、116に対して両側側部が回動自在に軸118により軸支された係止片119からなり、係止片119の軸支されている側の先端部にはロック用の係止用顎部120が係止片119本体に対してほぼ垂直方向に向いて突設されていて、係止片119の反対側の先端部には開閉操作部121が形成されている。そしてかかるアジャスター110を用いて左右のベルトをつないでアジャスター全体の長さを所望の長さに調整するには、スライダー(係止金具)111を図示した状態のような開放状態にしておいて、挿入スライドベルト112を矢印Nで示したように、ブラケット117の底壁115と係止片119の係止用顎部120の間の隙間に挿通し、挿入スライドベルト112を所望の長さ挿入したところで、係止片119の開閉操作部121を矢印Mの方向に軸118を中心軸として回すことにより、ロック用の係止用顎部120が挿入スライドベルト112の突条114、114のいずれかの間に食い込み、挿入スライドベルト112をロックする機構になっている。従って、挿入スライドベルト112の突条114、114間の所望の位置を選定してロックすれば第2の連結部8として用いたアジャスター110の左右の乳房カップ間の長さを所望の長さに調節できるのである。
【0042】前述したようにロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターとしては、この図3や図26に示したものに限定されるものではなく、それぞれ一端が乳房カップの前中心側の縁近傍部分の所定の位置に縫着されている左右のバンドないしベルト状物のいずれか一方のバンドないしベルト状物の他端にロック機構を備えたスライダーが設けられており、当該スライダーに他方のバンドないしベルト状物の自由端部を挿通して所望の長さになったところで、他方のバンドないしベルト状物がスライドしないようにロックし得る機構(但し、必要に応じて、ロックを解除して、再度他方のバンドないしベルト状物がスライドし得る状態にできるロック機構)を有するものを「ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスター」と称しているので、かかる機能を有するロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターであって、本発明の目的の達成に支障のないものであれば、図3や図26に示したもの以外のものでもよいことは容易に理解されるところであり、例えば、実開昭61−40914号に示されたサイズ調節具とか、実公平4−32978号に示された止具用ベルトなど各種のものが適用できる。
【0043】このような、アジャスターはその長さの調整が容易であり、しかも、所定の長さに調整した場合に、着用中において、その長さを確実に保持でき、着用中における身体の動きによって掛かる応力に対しても、ズレが生じたりせず長さが変化しにくく信頼性が高く、洗濯に対しても耐久性が良好で好ましい。
【0044】次に図4に、本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの別の一実施の形態例の正面図を示した。
【0045】図4に示したブラジャーは、第2の連結部8の態様が図1に示したブラジャーと異なるが、他の部分は、実質的に図1に示したブラジャーと同一であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0046】図4に示したブラジャーの第2の連結部8は、その部分の平面図を図5に示した様に、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているチェーン状物50からなり、一方のチェーン状物51(以下、第一部分のチェーン状物と称する。)の先端部に他方のチェーン状物52(以下、第ニ部分のチェーン状物と称する。)のチェーンを構成しているチェーンリングのいずれかと係止しうる係止部53を有するチェーン状物50からなるものである。係止部53はかかるチェーンでは、例えばチェーンのネックレスなどで慣用されている公知のもの(通常、これを「引き輪」と称している)を用いることができ、周知の様に引き輪は、中空パイプ状でその長さ方向にC字状(円弧状)に曲げられ開口部を有しているパイプ状物54と、パイプ状物54内にスライド可能に挿入されたノブ55を備えた針金状の開閉針56(円弧状)を有し、パイプ状物54の開閉針56の奥には、バネ(図示せず)が内蔵されており、このバネにより開閉針56の先端部近傍を押し出すことによってパイプ状物54のC字の開口部を閉じる構造になっており、第一部分のチェーン状物51と第ニ部分のチェーン状物52とを連結するには、第一部分のチェーン状物51の係止部53のノブ55を前述のバネの応力に逆らって奥に引いて開閉針56の先端部をパイプ状物54の内部に収め、パイプ状物54のC字の開口部が開閉針56の先端部が引かれることにより開口させ、開口した係止部53を第ニ部分のチェーン状物52のチェーンを構成しているいずれかの鎖リングの孔の上にもって行き、ノブ55を奥に引いていた指を離すことによりバネの反発力により開閉針56の先端部近傍を押し出し、パイプ状物54のC字の開口部を閉じることによって連結する。尚、パイプ状物54のノブ55が存在する近傍には、ノブ55が上記の様に動くに必要なスリットが設けられていることは当然である。
【0047】このようなチェーン状物により、第2の連結部8の左右の乳房カップ間の長さを調整するには、説明するまでもないが、第2の連結部8の左右の乳房カップ間の長さが所望の長さになるように第ニ部分のチェーン状物52を構成している鎖リングを選定して、第一部分のチェーン状物41の係止部53を結合することにより、第2の連結部8の長さを調整することができる。
【0048】図4に示した本発明のブラジャーも、図1に示した本発明のブラジャーと同様に、一つの衣料で、チェーン状物50により、第2の連結部8の長さを着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図4a参照)、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図4b参照)することができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図4bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0049】次に図6に、本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの更に別の一実施の形態例の正面図を示した。
【0050】図6に示したブラジャーは、第2の連結部8の態様が図1に示したブラジャーと異なるが、他の部分は、実質的に図1に示したブラジャーと同一であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0051】図6に示したブラジャーの第2の連結部8は、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているリボン状物60からなる。このようなリボン状物60により、第2の連結部8の長さを調整するには、説明するまでもないが、左右のリボン状物の長さを所望の長さになるように結ぶことにより、第2の連結部8の長さを調整することができる。
【0052】図6に示した本発明のブラジャーも、図1に示した本発明のブラジャーと同様に、一つの衣料で、リボン状物60により、第2の連結部8の長さを着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図6a参照)、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図6b参照)することができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図6bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0053】次に図7に、本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの更に別の一実施の形態例の正面図を示した。
【0054】図7に示したブラジャーは、第2の連結部8の態様が図1に示したブラジャーと異なるが、他の部分は、実質的に図1に示したブラジャーと同一であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0055】図7に示したブラジャーの第2の連結部8は、一つの紐状物71からなり、左右の乳房カップ1を当該紐状物71でループ状に連結してその紐状物71のフリーな両端部側の部分72を所望の位置で係止し得るクリップ73とを備えている連結部70である。
【0056】このクリップ73を図8に示した。図8aがクリップ73を上から見た平面図、図8bが側面図、図8cが底面図である。
【0057】クリップ73は、木材、プラスチック、金属、セラミックス、その他の固形物からなり、紐状物71のフリーな両端部側の部分72を通す孔80が開けられている。孔80の断面積は、紐状物71の断面積とほぼ同等かそれより若干小さい断面積を有しており、紐状物71が孔80の側壁との摩擦力で意図的に力をかけて引っ張らない限り紐状物71がずれないように固定できるようなクリップである。クリップ73は、この態様では、ベース部82と横に広がった鍔部81とを有しているがデザイン上の問題であり、鍔部81などはなくてもよい。また全体の平面形状はこの例では楕円形であるが、デザイン上の問題であり、機能を阻害しない限り円形、多角形など任意である。
【0058】紐状物71は乳房カップ1の第1の連結部7より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップ1の前中心側の縁近傍部分に紐状物71を通すための小ループ75が糸状物ないし紐状物で形成されている。図7に示される様に、紐状物71のフリーな両端部側の部分72をそれぞれ左右の小ループ75の孔にスライド可能に通し、更にクリップ73の孔80に通している。第2の連結部8の長さを調整するには、説明するまでもないが、クリップ73の孔80に通している紐状物71のフリーな両端部側の部分72をクリップ73の孔80の壁部と紐状物71の摩擦力よりも強い力で目的の方向に引っ張って、孔80中でスライドさせて出し入れして長さを調整すればよい。
【0059】長さ調整が完了すれば、クリップ73の孔80の壁部と紐状物71の摩擦力で紐状物71が孔80からすべって動かない様にしている。こうすることによって、第2の連結部8の長さを一定に保持しているが、必要に応じて、第2の連結部8の長さを一定に保持する機能を確実にするために、クリップ73の孔80から下に出ている紐状物71のフリーな両端部側の部分72を、互いに図6でした様に、結んでもよい。
【0060】尚、紐状物71のフリーな両端部側の部分72の先端部は、この例においては、孔80の断面積より大きな断面積を有する頭部74が設けられており、紐状物71が孔80から抜けてしまわない様にするためとか、装飾のために設けられている。頭部74は、糸による房状にしたり、樹脂などを含浸して形成したり、ガラス玉やビーズを取り付けたり、紐状物71のフリーな両端部側の部分の先に結び目を作るなど、本発明の目的が達成される限り、任意の手法で頭部を形成してよい。
【0061】ここで、「一つの紐状物」とは、次の図9で説明するような、紐状物が左右の乳房カップにそれぞれ取り付けられている左用と右用の2つに分かれたものではなく、左右の乳房カップに共通して用いられる一つの紐状物であって、左右の乳房カップに共通していれば2本以上の複数本が引き揃えられているものでもよいと言う意味であり、「一つの」とは、引き揃えられて使用される本数が1本であることを意味するものではない。むしろここで「一つの」とは、「左右の乳房カップに共通に用いられている」と言うような意味である。
【0062】図7に示した本発明のブラジャーも、図1に示した本発明のブラジャーと同様に、一つの衣料で、クリップ73により、第2の連結部8の長さを着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図7a参照)、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図7b参照)することができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図7bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0063】尚、この態様において、紐状物の代わりにテープ状物を用いてもよい。その場合には、クリップ73の孔80がテープ状物の断面形状に適合するような幅の狭いスリット状にしてもよいし、テープ状物が幅方向に丸められて通るような小さ目の孔にしてもよい。
【0064】またクリップ73の孔80は、この実施の形態では紐状物71のフリーな両端部側の部分72が2つの孔80それぞれに別個に通るように設計されているが、クリップ73の孔を1つにして、その孔を若干大きめの孔にして紐状物71のフリーな両端部側の部分72を2つまとめて通し、係止し得る様にしてもよい。上述したように、クリップが2つの孔を持っていて、紐状物71のフリーな両端部側の部分72が2つの孔80それぞれに別個に通る場合も、クリップ73の孔を1つにして、その孔を若干大きめの孔にして紐状物71のフリーな両端部側の部分72を2つまとめて通し、係止し得る様にした場合も含めて、いずれも紐状物のフリーな両端部側の部分がクリップに通されて係止されるので、本発明においては、この両者を含めて、「併せて係止し得る」と言う用語を使用している。以下の態様についても同様である。
【0065】また上記の態様において、紐状物71のフリーな両端部側の部分72のいずれか一方のみをクリップ73の孔80に例えば接着剤等の適宜の手法で固定しておいて、紐状物71の他方の端部側の部分72のみ孔80に摺動可能な態様とし、長さを調整する場合には、クリップ73の孔80の壁部と紐状物71の摩擦力よりも強い力で紐状物71を引っ張って、当該他方の端部側の部分72を孔80中でスライドさせて出し入れして長さを調整し、長さ調整を完了したら、クリップ73の孔80の壁部と紐状物71の摩擦力で紐状物71が孔80からすべって動かない様に係止しうる態様としてもよい。
【0066】また上記の態様において、クリップ73の代わりに、次の図9〜図12などで示すような他の構造のクリップを使用してもよいことはもちろんである。
【0067】次に図9に、本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの更に別の一実施の形態例の正面図を示した。
【0068】図9に示したブラジャーは、第2の連結部8の態様が図1に示したブラジャーと異なるが、他の部分は、実質的に図1に示したブラジャーと同一であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0069】図9に示したブラジャーの第2の連結部8は、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられている左右の2つの紐状物91、91と、左右の2つの紐状物91、91のフリーな両端部側の部分92、92を所望の位置で係止し得るクリップ93とを備えている連結部8である。
【0070】このクリップ93を図10に示した。図10(a)がクリップ93を分解した状態の上から見た分解平面図、図10(b)が分解側面図、図10(c)がクリップ93の完成状態での上から見た平面図である。
【0071】クリップ93は、ハウジング200とスプリング201と挿入体202とからなっており、ハウジング200には挿入体202が矢印X、Y方向に摺動可能に嵌合でき且つスプリング201が収まる穴204を有し、ハウジング200の一端には穴204をふさぐ蓋体203が固着されている。ハウジング200には穴204とは直交する向きで左右の2つの紐状物91、91(図9参照)を通すための左右の2つの紐状物91、91の断面積の合計よりも大きめの断面積を有する略楕円断面の穴205を有している。
【0072】挿入体202にも、同様に左右の2つの紐状物91、91(図9参照)を通すための左右の2つの紐状物91、91の断面積の合計よりも大きめの断面積を有する略楕円断面の穴206が設けられていると共に、ハウジング200の穴204にスプリング201と共に挿入体202を摺動可能に嵌合した場合に、挿入体202がハウジング200から抜け出てしまわないようにストッパー207が一体的に突設されている。ストッパー207は、挿入体202が矢印X方向に摺動した場合にストッパー207がハウジング200の穴205の顎208に引っ掛かり挿入体202がハウジング200から抜け出ないようになっている。
【0073】ハウジング200の穴204にスプリング201を挿入し且つ挿入体202が矢印X、Y方向に摺動可能に、且つ穴205と穴206の向きが同方向に向くように嵌合されている状態がこのクリップ93の完成状態の構造であり、その上から見た平面図が図10(c)に示されている。図9のように、このクリップ93を本発明の衣料に取り付けて使用するには、左右の2つの紐状物91、91(図9参照)のフリーな端部側の部分92、92をハウジング200の穴205と挿入体202の穴206に通した状態で使用される。そして乳房カップ間の距離を調節するには、挿入体202を矢印Y方向に摺動させて穴205と穴206の共通の穴の開口209の面積を大きくした状態にすることにより、穴205と穴206とで挟まれて係止されていた開口209中を通っている左右の2つの紐状物91、91の係止をゆるめ、左右の2つの紐状物91、91の長さを左右の乳房カップ間の長さが所望の長さになるように調整した後、挿入体202をスプリング201の反発力で矢印X方向に摺動させて穴205と穴206の共通の穴の開口209の面積を狭め、穴205と穴206とで左右の2つの紐状物91、91を挟んで係止することにより、調整する。
【0074】かかるクリップ93の素材は、本発明の目的に使用できるものであれば、特に限定されるものではないが、スプリング201を除いて、プラスチック、金属、セラミックス、木材、その他の固形物などからなっている。成形が容易であること、安価であること、肌に触れる際の着用感などから、プラスチックが好ましい。スプリング201は通常金属からなっている。
【0075】図9に示される様に、紐状物91、91のそれぞれのフリーな端部側の部分92、92の先端部は、この例においては、樹脂などを含浸して固めた頭部94が設けられており、係止中に紐状物91が開口209からから抜けてしまわない様になっている。頭部94は、樹脂などを含浸して形成する代わりに、紐状物91、91のフリーな端部側の部分の先に結び目を作って頭部を形成したり、糸による房状にしたり、ガラス玉やビーズを取り付けるなど、本発明の目的が達成される限り、任意の手法で頭部を形成してよいし、また、特に頭部は形成しなくてもかまわない。
【0076】図9に示した本発明のブラジャーも、図1に示した本発明のブラジャーと同様に、一つの衣料で、クリップ93により、第2の連結部8の長さを着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図9a参照)、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図9b参照)することができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図9bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0077】尚、この態様において、紐状物の代わりにテープ状物を用いてもよい。
【0078】またクリップ93の穴205や穴206、そしてその共通の穴の開口209は、この実施の形態では紐状物91、91のフリーな端部側の部分92、92が1つの開口209に紐状物91、91のフリーな端部側の部分92、92を2つまとめて通し、係止し得るように設計されているが、クリップ93の図10(c)の左側を対象面として、左右面対称にクリップ93を2つ突き合わせてつなげたようなクリップとして、左側の紐状物と右側の紐状物91、91のフリーな端部側の部分92、92をそれぞれに別個の開口に通し、それぞれ別個に係止し得る様にしてもよい。また、このような場合に、例えば、登録意匠第923684号に示されたような紐止め具(クリップ)を使用してもよい。このように、クリップが2つのひも状物をそれぞれ別個に通すための2つの開口を持っていて、紐状物91のフリーな両端部側の部分92が2つの開口にそれぞれに別個に通る場合も、クリップ93の開口を1つにして、その開口に紐状物91、91のフリーな端部側の部分92、92を2つまとめて通し、係止し得る様にした場合も含めて、いずれも左右の紐状物のそれぞれフリーな端部側の部分がクリップに通されて係止されるので、本発明においては、この両者を含めて、「併せて係止し得る」と言う用語を使用している。以下の態様についても同様である。
【0079】また上記の態様において、クリップ93の形状は、図示したものにのみ限定されるものではなく、ほぼ同様の原理を用いていれば、他の形状のものでもよい。
【0080】次に図11に、本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの更に別の一実施の形態例の正面図を示した。
【0081】図11に示したブラジャーは、第2の連結部8の態様が図1に示したブラジャーと異なるが、他の部分は、実質的に図1に示したブラジャーと同一であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0082】図11に示したブラジャーの第2の連結部8は、左右の乳房カップ1のそれぞれにおいて、乳房カップ1の第1の連結部7にその一端が固定され他端がそれより下側で且つ乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分に固定されていてその長さがその一端と他端間の乳房カップの縁の長さより長い紐状物101(101は図11中にはその符号を付していないが、図11において101aと101bの部分の両者を併せて1つで101である。)を有し、前記左右の紐状物101、101を併せて係止し得るクリップ103とを備えている連結部8である。すなわち左右の紐状物101、101は、その両者をまとめてクリップ103に通し、係止し得るように設計されている。左右の紐状物101のそれぞれの長さは図示されているように101aと101bの部分の合計長さになるが、この長さがその一端と他端間の乳房カップの縁の長さより長くしてある。そして図11(a)で示した状態は、クリップ103が比較的下方に位置して固定されている状態を示しており(左右の紐状物の101bの部分の長さが、図11(b)に比べて長くなっている状態)、左右の紐状物の101a、101aの部分の長さの合計が、図11(b)に比べて短くなっている状態を示している。従って、この状態では、図1(a)で説明したと同様の状態であり、図11(a)の左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整したブラジャーを着用すると、前述したような1/2カップタイプの乳房カップを有するのブラジャーを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができるブラジャーとして使用できる。
【0083】一方、もし図11(b)に示した様に、クリップ103を図11(a)に示した状態から、クリップ103の係止を解除してクリップ103を上方にスライドさせて係止させると、101bの部分の長さは短くなるが、101a、101aの部分の長さが長くなり、図11(b)の左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図11(a)に比べて下に凸になって角度が狭くなっている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整したブラジャーを着用すると、バストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、前述したような3/4カップタイプの乳房カップを有するのブラジャーを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させることができるブラジャーとして使用できる。
【0084】上記説明からも明らかなように、本発明で言う「第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる」の「その長さが調節可能な」とは、この実施の形態例においては、第2の連結部の左右の乳房カップ間の長さが調節可能であることを意味しており、本発明において「第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる」の「その長さが調節可能な」とは、このような場合も含む意味で使用しているものである。
【0085】用いたクリップ103の完成状態での上から見た平面図を図12に示した。
【0086】このクリップ103は、ハウジング全体の形状が球形に近い形状であることを除いて、その構造は図10で説明したクリップ93の構造と実質上同じであるので、同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略している。
【0087】図11に示した本発明のブラジャーも、図1に示した本発明のブラジャーと同様に、一つの衣料で、クリップ103により、第2の連結部8の長さ(左右の101a、101a部分の合計長さ)を着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図11a参照)、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図11b参照)することができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図11bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0088】尚、この態様において、紐状物101の代わりにテープ状物を用いてもよい。
【0089】またクリップ103の開口209は、この実施の形態では左右の紐状物101、101を1つの開口209に両者まとめて通し、係止し得るように設計されているが、クリップ103の図12の左側を対象面として、左右面対称にクリップ103を2つ突き合わせてつなげたようなクリップとして、左側の紐状物と右側の紐状物を、それぞれに別個の開口に通し、それぞれ別個に係止し得る様にしてもよい。また、このような場合に、例えば、登録意匠第923684号に示されたような紐止め具(クリップ)を使用してもよい。
【0090】上述したように、クリップが2つの開口を持っていて、紐状物101、101が2つの開口にそれぞれに別個に通る場合も、クリップ103の開口を1つにして、その一つの開口に紐状物101、101を2つまとめて通し、係止し得る様にした場合も含めて、いずれも紐状物がクリップに通されて係止されるので、本発明においては、この両者を含めて、「併せて係止し得る」と言う用語を使用している。
【0091】また上記の態様において、クリップ103の形状は、図示したものにのみ限定されるものではなく、ほぼ同様の原理を用いていれば、他の形状のものでもよいし、また、クリップ103の代わりに、前に説明した図8や図10で示すような他の構造のクリップを使用してもよいことはもちろんである。
【0092】次に図13に、本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラジャーの更に別の一実施の形態例の正面図を示した。
【0093】図13に示したブラジャーは、第1の連結部7と第2の連結部8の態様が図1に示したブラジャーと異なるが、他の部分は、実質的に図1に示したブラジャーと同一であり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略した。
【0094】図13に示したブラジャーの第1の連結部7と第2の連結部8は、両者の機能の一部を併せ持った引っかけ鉤付き連結調整具94aと第1の連結部7に相当する位置より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点よりも上の左右の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する紐状物94bを用いる態様のものである。
【0095】図14に第1の連結部7と第2の連結部8の両者の機能の一部を併せ持った引っかけ鉤付き連結調整具94aの斜視図(図14a)、正面図(図14b)、上から見た平面図(図14c)、右側面図(図14d)を示した。斜視図(図14a)においては、左右の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する紐状物94bの一部も鎖線で示し、連結調整具94aの鉤部に紐状物94bが引っかけられている状態を示した。
【0096】図13、図14において、引っかけ鉤付き連結調整具94aは、特に限定するものではないが、好ましくは合成樹脂などから成り、この例では略円盤状の基部95とその左右の脇側にそれぞれ張り出している連結用部96、96、連結用部96に設けられた取り付け用穴97、複数の鉤部99a、99bを有する基部95から下に伸びているストランド部98とからなる。かかる引っかけ鉤付き連結調整具94aは、連結用部96、96に設けられた取り付け用穴97、97に糸を通して、それぞれ左右の乳房カップ1、1の前中心側の上端部近傍に縫着されることにより、第1の連結部7を構成する。第1の連結部7の取り付け用穴97、97を中心点としてそれぞれ左右の乳房カップ1、1は少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)。本発明において、「屈曲可能な第1の連結部」の「屈曲可能な」とは、すでに説明したように、上記の様な態様も含めて、第1の連結部をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ことを意味しており、これ以外の方向にも更に屈曲可能であってもよいことはもちろんである。
【0097】第2の連結部8の一部を構成する紐状物94bは、その両端が、第1の連結部7に相当する95、96、97の位置より下側で且つ前記左右の乳房カップ1、1の最下点3、3よりも上の左右の乳房カップの前中心側の縁近傍部分に固着されており、左右の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結している。この紐状物94bの長さは、図13(b)で説明する状態、すなわちこの紐状物94bが取り付けられている紐状物94b左右の端部における左右の乳房カップ間の距離を最も長く調整したい場合の長さに匹敵する長さになっている。
【0098】そして図13(a)で示した状態は、紐状物94bが引っかけ鉤付き連結調整具94aの複数の鉤部99a、99bのうち、鉤部99bに引っかけられている状態(図14aも参照)を示しており、紐状物94b左右の端部間の直線距離、すなわち紐状物94bが乳房カップに取り付けられている取り付け位置間の左右の乳房カップ間の長さが、図13(b)に比べて短くなっている状態を示している。従って、この状態では、図1(a)で説明したと同様の状態であり、図13(a)の左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整したブラジャーを着用すると、前述したような1/2カップタイプの乳房カップを有するのブラジャーを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができるブラジャーとして使用できる。
【0099】一方、図13(a)に示した状態から、紐状物94bを連結調整具94aの鉤部99bから外した図13(b)に示した様な状態にすると、紐状物94bの左右の端部間の直線距離、すなわち紐状物94bが乳房カップに取り付けられている取り付け位置間の左右の乳房カップ間の長さが、図13(a)の状態に比べて長くなり、図13(b)の左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図13(a)に比べて下に凸になって角度が狭くなっている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整したブラジャーを着用すると、バストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、前述したような3/4カップタイプの乳房カップを有するのブラジャーを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させることができるブラジャーとして使用できる。
【0100】上記説明からも明らかなように、本発明で言う「第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる」の「その長さが調節可能な」とは、この実施の形態例においては、第2の連結部の紐状物94bの端部が乳房カップに取り付けられている部位における左右の乳房カップ間の長さが調節可能であることを意味しており、本発明において「第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる」の「その長さが調節可能な」とは、このような場合も含む意味で使用しているものである。
【0101】尚、紐状物94bが、引っかけ鉤付き連結調整具94aの鉤部99に引っかけられている状態として、図13(a)では複数の鉤部99a、99bのうち、鉤部99bに引っかけられている状態を示したが、必要に応じて鉤部99aに引っかけてもよい。鉤部99aに引っかけた場合には、紐状物94bが乳房カップに取り付けられている取り付け位置間の左右の乳房カップ間の距離が、図13(a)の状態に比べて更に短くなる。また、上記態様に於いては、引っかけ鉤付き連結調整具94aとして2つの鉤部99a、99bを有する鉤付き連結調整具を例示したが、鉤部は1つだけでもよいし、必要なら3つ以上設けてある鉤付き連結調整具を使用してもよい。
【0102】図13に示した本発明のブラジャーも、図1に示した本発明のブラジャーと同様に、一つの衣料で、引っかけ鉤付き連結調整具94aと紐状物94bにより、第2の連結部8の長さ(紐状物94bが取り付けられている取り付け位置間の左右の乳房カップ間の距離)を着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図13a参照)、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたり(図13b参照)することができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図13bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0103】尚、この態様において、紐状物94bの代わりにテープ状物等を用いてもよい。
【0104】また鉤付き連結調整具94aの基部95の形状とその左右の脇側にそれぞれ張り出している連結用部96、96の形状等は図示されたもののみに限定されるものではなく、他の多角形状にしたり、連結用部96をコップの把持部の様にループ状にしたり、その他本発明の目的を損なわない限り、適宜変更することは任意である。
【0105】次に図15に本発明の、乳房カップを有する衣料であるブラキャミソールの一実施の形態例の正面図を示した。また、図16にその背面図(図15aの状態の背面図)を示した。尚、図15においては肩紐の一部の図示を省略しているが、図16における肩紐から十分理解可能である。
【0106】このブラキャミソールは、ブラジャー部分に相当する部分は、図1で説明したブラジャーとほぼ同様であり、更に乳房カップより下側に腰骨近傍まで延在している胴部を有している衣料である。胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部が前側で左右にセパレートし得る胴部からなる。
【0107】図15及び図16において、1が乳房カップ、2が乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁であり、この湾曲縁は、乳房カップのほぼ前中心側から下側を通り、脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁である。そしてこの下半部の湾曲縁2に沿ってカップワイヤー4を具備している。カップワイヤー4は、通常、バイアステープなどが表裏より当てがわれて前記乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁2にほぼ沿ってバイアステープに包まれ、バイアステープの縁が縫製された袋状の空間に挿入されており、外部からは見えない様になっている。3は乳房カップ1の最下点である。5は乳房カップの脇上側の縁、7はカップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップ1を連結している第1の連結部であり、第1の連結部は、例えば、糸状物、紐状物、細幅テープ状物などからなるとか、この部分をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ような屈曲可能性を有していればよい。8は前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部であり、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる。
【0108】9a、9bは肩紐であり、この肩紐は第1部分である9aとその長さが調節可能になっている第2部分9b(図15においては、部分図のみ示した。)とからなっており、この肩紐は9aの第1部分が、乳房カップの脇上側近傍にその両端が固着されて、ループ状に取り付けられていて、肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に縫製などによりその一端部が取り付けられている。肩紐の第2部分9bの他端は胴部130a、130bのバック側の脇側寄りの上側の縁に通常のブラキャミソールの肩紐と同様にその長さの調節が可能な状態で取り付けられている。尚、この肩紐第1部分9aと肩紐第2部分9bの結合部近傍の構成については、この部分を拡大して示した部分平面図である図2で示したものと同様である。胴部130a、130bはその前側で左右にセパレートし得る胴部となっており、着用者基準で、130aが右側の胴部であり、130bが左側の胴部である。また、131aが右側の胴部の前縦縁、130bが左側の胴部の前縦縁であり、胴部130a、130bは、前側で胴部130bの一部が内側に隠れるように、胴部130aの一部が胴部130bの一部と前側でオーバーラップして存在し、前記右側の胴部の前縦縁131aと、左側の胴部の前縦縁130bの部分は互いに縫製されていないので、この部分を左右に開くと胴部が前側でセパレートできるようになっている。胴部130a、130bは、図16に示した様に、背面側では、後中心133で互いに接ぎ合わされている。なお、胴部130a、130bの脇上側の部分132a、132bの部分は、伸縮性の良好な生地が使用されている。
【0109】胴部130a、130bの前側から脇側の一部(132a、132bの部分)にかけての上縁は乳房カップ1の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられており、胴部130a、130bは乳房カップ1より下側に腰骨近傍までの丈で延在している。
【0110】乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部は、前述したようにその長さが調節可能な連結部であるから、そのそれぞれの端部は、それぞれ左右の乳房カップの前中心側の縁に取り付けられているだけであり、第2の連結部がその長さ方向の縁に沿って、胴部130a、130bに固定(縫合)されているものではない。
【0111】尚、図15において点線11はこのブラキャミソールを着用していると仮定した場合の乳房のバージスラインの一部を模式的に示したものである。
【0112】しかして、図15aが第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図15bに比べて短めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態を示しており、この状態では、図15aの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整したブラキャミソールを着用すると、1/2カップタイプの乳房カップを有するブラキャミソールを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができるブラキャミソールとして使用できる。
【0113】一方、もし図15bに示した様に、第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図15aに比べて長めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態では、図15bの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図15aに比べて下に凸になって角度が狭くなっている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整したブラキャミソールを着用すると、乳房カップ1においてバストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、3/4カップタイプの乳房カップを有するブラキャミソールを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「寄せ」の機能を主体に発揮させることができるブラキャミソールとして使用できる。この場合に、左右の乳房カップが矢印Aで示した方向に回転している状態になるので、通常、肩紐は、その分に応じて長さを短めに調整することになる。そして肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に取り付けられているので、肩紐の第1部分9aのような機構を介さずに肩紐の第2部分9bの先端を直接乳房カップに縫製などにより固定した場合に比べて、矢印Aの方向に乳房カップが回転した状態でも肩紐の第2部分9bの先端部が前中心側に寄ってしまう(従って肩紐の第2部分が肩の首側に寄りすぎてしまう)のを防止でき且つカップ部がバストをサイドからプッシュする応力がより好適に発揮される様に補助する機能が発揮され好ましい。また、逆に図15bの状態から図15aの状態に戻した場合においては、矢印Aと逆方向に乳房カップが回転した状態になるが、その場合に肩紐の第2部分9bの先端部が脇側に開きすぎてしまう(従って肩紐の第2部分が肩の脇側に開きすぎてしまう)のを防止でき好ましい。
【0114】以上説明した様に、図15、図16に示した本発明のブラキャミソールは、一つの衣料で、着用者の目的に応じて、「バストアップ(上げ)」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図15bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0115】次に図17に本発明の、乳房カップを有する衣料であるボディスーツの一実施の形態例の正面図を示した。また、図18にその右側面図(図17aの状態の右側面図)、図19にその背面図(図17aの状態の背面図)を示した。尚、これらの図において肩紐は、一部を省略して図示している。また正面図はその後側に見えるはずの図19におけるバック布6など、図示するとかえって図が複雑になり理解しづらくなるので図示を省略している。同様に背面図はその後側に見えるはずの図17における乳房カップ1や第2の連結部8であるアジャスター30など、図示するとかえって図が複雑になり理解しづらくなるので図示を省略している。以後の実施の形態例もほぼ同様の手法で図面を描いている。
【0116】このボディスーツは、ブラジャー部分に相当する部分は、図1で説明したブラジャーとほぼ同様であり、更に乳房カップより下側に股部まで延在している胴部を有している衣料である。このボディスーツは、胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部は前側の左右の乳房カップの第2の連結部の取り付け部分より少なくとも脇側の乳房カップの縁で連なって取り付けられている胴部であり、第2の連結部の下側にも開口スペースを有している。
【0117】すなわち、図17〜図19において、1が乳房カップ、2が乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁であり、この湾曲縁は、乳房カップのほぼ前中心側から下側を通り、脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁である。そしてこの下半部の湾曲縁2に沿ってカップワイヤー4を具備している。カップワイヤー4は、通常、バイアステープなどが表裏より当てがわれて前記乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁2にほぼ沿ってバイアステープに包まれ、バイアステープの縁が縫製された袋状の空間に挿入されており、外部からは見えない様になっている。3は乳房カップ1の最下点である。5は乳房カップの脇上側の縁、7はカップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップ1を連結している第1の連結部であり、第1の連結部は、例えば、糸状物、紐状物、細幅テープ状物などからなるとか、この部分をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ような屈曲可能性を有していればよい。8は前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部であり、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる。
【0118】9a、9bは肩紐であり、この肩紐は第1部分である9aとその長さが調節可能になっている第2部分9b(図17〜図19においては、部分図のみ示した。)とからなっており、この肩紐は9aの第1部分が、乳房カップの脇上側近傍にその両端が固着されて、ループ状に取り付けられていて、肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に縫製などによりその一端部が取り付けられている。肩紐の第2部分9bの他端はバック布6の端部近傍の上側の縁に通常の肩紐と同様にその長さの調節が可能な状態で取り付けられている。尚、この肩紐第1部分9aと肩紐第2部分9bの結合部近傍の構成については、この部分を拡大して示した部分平面図である図2で示したものと同様である。胴部140は伸縮性の生地から構成されており、前身頃141と後身頃142とからなり、左右の脇側のライン143で前身頃141と後身頃142が接ぎ合わされている。144はクロッチ部を示す。前身頃141は比較的伸縮パワーの弱い伸縮性の生地から構成されている。
【0119】胴部140の前側から脇側の一部にかけての上縁は乳房カップ1の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられており、胴部140は前側においては乳房カップ1より下側に伸びて、大腿部の鼠径溝をカバーし、後ろ側においては着用者の背中の大部分が露出するよう背部上縁ライン146から下側並びにヒップをカバーして、前身頃141と後身頃142がクロッチ部144で合体するようになっている。胴部140の前身頃141は、左右の乳房カップの第2の連結部の取り付け部分より少なくとも脇側の乳房カップ1の縁で湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられており、第1の連結部7と第2の連結部8の間は何も存在せずスペースとなっているが、第2の連結部8の下側にもV字状の開口スペース145を有している。また乳房カップ1には、前述の図1などで示したブラジャーと同様の伸縮性素材からなるバック布6が乳房カップ1の脇側の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられている。バック布6の背面側中央では、ブラジャーと同様の雌雄ホックで、左右のバック布6、6同士を開閉可能に係止し得る構造になっている。バック布6は乳房カップ1の脇側の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられ、且つ胴部の後身頃142と重なる部分で背部上縁ライン146にほぼ沿って後身頃142にも縫着されている。
【0120】尚、図17において点線11はこのボディスーツを着用していると仮定した場合の乳房のバージスラインの一部を模式的に示したものである。
【0121】しかして、図17aが第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図17bに比べて短めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態を示しており、この状態では、図17aの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整したボディスーツを着用すると、1/2カップタイプの乳房カップを有するボディスーツを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができるボディスーツとして使用できる。
【0122】一方、もし図17bに示した様に、第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図17aに比べて長めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態では、図17bの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図17aに比べて下に凸になって角度が狭くなっている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整したボディスーツを着用すると、乳房カップ1においてバストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、3/4カップタイプの乳房カップを有するボディスーツを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させることができるボディスーツとして使用できる。この場合に、左右の乳房カップが矢印Aで示した方向に回転している状態になるので、通常、肩紐は、その分に応じて長さを短めに調整することになる。そして肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に取り付けられているので、肩紐の第1部分9aのような機構を介さずに肩紐の第2部分9bの先端を直接乳房カップに縫製などにより固定した場合に比べて、矢印Aの方向に乳房カップが回転した状態でも肩紐の第2部分9bの先端部が前中心側に寄ってしまう(従って肩紐の第2部分が肩の首側に寄りすぎてしまう)のを防止でき且つカップ部がバストをサイドからプッシュする応力がより好適に発揮される様に補助する機能が発揮され好ましい。また、逆に図17bの状態から図17aの状態に戻した場合においては、矢印Aと逆方向に乳房カップが回転した状態になるが、その場合に肩紐の第2部分9bの先端部が脇側に開きすぎてしまう(従って肩紐の第2部分が肩の脇側に開きすぎてしまう)のを防止でき好ましい。尚、前述したように、胴部140は伸縮性の生地から構成されており、しかも、第1の連結部7と第2の連結部8の間は何も存在せず空間となっていて、且つ、第2の連結部8の下側にもV字状の開口スペース145を有しているので、矢印A方向に乳房カップを回転する事が容易にできる様になっている。すなわち、開口スペース145を設けることにより、胴部140の前身頃141や後身頃142が比較的よく伸びる伸縮性の生地から構成されているので、乳房カップが前述の様に回動した場合でも、開口スペース145の形が変形し、カップ位置の変化に胴部の身頃生地が追従することができる。また背面側においてもバック布6の後中心の下方には、背部上縁ライン146に至るまでの間に空間があるので、後身頃などの存在が乳房カップの回動を余り妨げない様になっている。胴部の身頃生地を構成する伸縮性の生地としては、特に限定するものではないが、トリコットなど比較的伸縮パワーの弱い上下によく伸びる伸縮性の生地や、それより伸縮パワーの強めのパワーネットなどが好適である。
【0123】なお、この実施の形態例では、第2の連結部8の下側に開けられている開口スペース145としてV字状の開口スペースを例示したが、開口スペースの形状は、この形状に限定されるものではなく、U字状の開口スペースとか、略半円状の開口スペースなど、本発明の目的が達成される限り、他の形状でもよい。
【0124】以上説明した様に、図17〜図19に示した本発明のボディスーツは、一つの衣料で、着用者の目的に応じて、「バストアップ(上げ)」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図17bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0125】次に図20に本発明の、乳房カップを有する衣料であるボディスーツの別の一実施の形態例の正面図を示した。また、図21にその右側面図(図20aの状態の右側面図)、図22にその背面図(図20aの状態の背面図)を示した。
【0126】このボディスーツは、ブラジャー部分に相当する部分は、図1で説明したブラジャーとほぼ同様であり、更に乳房カップより下側に股部まで延在している胴部を有している衣料である。
【0127】このボディスーツは、胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側に連設されているバック布の一部に胴部を構成する後身頃の上部が取り付けられている胴部を有しているボディスーツである。
【0128】すなわち、図20〜図22において、1が乳房カップ、2が乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁であり、この湾曲縁は、乳房カップのほぼ前中心側から下側を通り、脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁である。そしてこの下半部の湾曲縁2に沿ってカップワイヤー4を具備している。カップワイヤー4は、通常、バイアステープなどが表裏より当てがわれて前記乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁2にほぼ沿ってバイアステープに包まれ、バイアステープの縁が縫製された袋状の空間に挿入されており、外部からは見えない様になっている。3は乳房カップ1の最下点である。5は乳房カップの脇上側の縁、7はカップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップ1を連結している第1の連結部であり、第1の連結部は、例えば、糸状物、紐状物、細幅テープ状物などからなるとか、この部分をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ような屈曲可能性を有していればよい。8は前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部であり、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる。第1の連結部7と第2の連結部8の間は何も存在せずスペースとなっている。
【0129】9a、9bは肩紐であり、この肩紐は第1部分である9aとその長さが調節可能になっている第2部分9b(図20〜図22においては、部分図のみ示した。)とからなっており、この肩紐は9aの第1部分が、乳房カップの脇上側近傍にその両端が固着されて、ループ状に取り付けられていて、肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に縫製などによりその一端部が取り付けられている。肩紐の第2部分9bの他端はバック布6の端部近傍の上側の縁に通常の肩紐と同様にその長さの調節が可能な状態で取り付けられている。尚、この肩紐第1部分9aと肩紐第2部分9bの結合部近傍の構成については、この部分を拡大して示した部分平面図である図2で示したものと同様である。胴部140は伸縮性の生地から構成されており、前身頃141と後身頃142とからなり、左右の脇側のライン143で前身頃141と後身頃142が接ぎ合わされている。144はクロッチ部を示す。
【0130】また乳房カップ1には、前述の図1などで示したブラジャーと同様の伸縮性素材からなるバック布6が乳房カップ1の脇側の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられている。バック布6の背面側中央では、ブラジャーと同様の雌雄ホックで、左右のバック布6、6同士を開閉可能に係止し得る構造になっている。
【0131】そしてこのボディスーツにおいては、胴部140の前身頃141には、乳房カップ1は縫合されておらず、前身頃141は、乳房カップ1とは分離している。すなわち、前身頃141の上縁151は乳房カップ1の湾曲縁2に縫合されておらず乳房カップ1の湾曲縁2の脇側に連設されているバック布6と後身頃142が重なる部分で背部上縁ライン146にほぼ沿って後身頃142がバック布6に縫着されている。胴部140は前側においては前身頃141の上縁151は、脇側から下縁に沿って斜めに前中心側に向かって若干下がり、第2の連結具の下方に至っている。前身頃141は上縁151より下側に伸びて、大腿部の鼠径溝をカバーし、後ろ側においては着用者の背中の大部分が露出するよう背部上縁ライン146から下側並びにヒップをカバーして、前身頃141と後身頃142がクロッチ部144で合体するようになっている。
【0132】尚、図20において点線11はこのボディスーツを着用していると仮定した場合の乳房のバージスラインの一部を模式的に示したものである。
【0133】しかして、図20aが第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図20bに比べて短めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態を示しており、この状態では、図20aの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整したボディスーツを着用すると、1/2カップタイプの乳房カップを有するボディスーツを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができるボディスーツとして使用できる。
【0134】一方、もし図20bに示した様に、第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図20aに比べて長めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態では、図20bの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図20aに比べて下に凸になって角度が狭くなている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整したボディスーツを着用すると、乳房カップ1においてバストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、3/4カップタイプの乳房カップを有するボディスーツを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させることができるボディスーツとして使用できる。この場合に、左右の乳房カップが矢印Aで示した方向に回転している状態になるので、通常、肩紐は、その分に応じて長さを短めに調整することになる。そして肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に取り付けられているので、肩紐の第1部分9aのような機構を介さずに肩紐の第2部分9bの先端を直接乳房カップに縫製などにより固定した場合に比べて、矢印Aの方向に乳房カップが回転した状態でも肩紐の第2部分9bの先端部が前中心側に寄ってしまう(従って肩紐の第2部分が肩の首側に寄りすぎてしまう)のを防止でき且つカップ部がバストをサイドからプッシュする応力がより好適に発揮される様に補助する機能が発揮され好ましい。また、逆に図20bの状態から図20aの状態に戻した場合においては、矢印Aと逆方向に乳房カップが回転した状態になるが、その場合に肩紐の第2部分9bの先端部が脇側に開きすぎてしまう(従って肩紐の第2部分が肩の脇側に開きすぎてしまう)のを防止でき好ましい。尚、前述したように、胴部140は伸縮性の生地から構成されており、しかも、前身頃141は乳房カップとは縫合されていないので、矢印A方向に乳房カップを回転する事が容易にできる様になっている。また背面側においてもバック布6の後中心の下方には、背部上縁ライン146に至るまでの間に空間があるので、後身頃などの存在が乳房カップの回動を余り妨げない様になっている。
【0135】以上説明した様に、図20〜図22に示した本発明のボディスーツは、一つの衣料で、着用者の目的に応じて、「バストアップ(上げ)」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図20bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0136】次に図23に本発明の、乳房カップを有する衣料である乳房カップ付きテディの一実施の形態例の正面図を示した。また、図24にその右側面図(図23aの状態の右側面図)、図25にその背面図(図23aの状態の背面図)を示した。尚、これらの図において肩紐は、一部を省略して図示している。また正面図はその後側に見えるはずの図25におけるバック布6など、図示するとかえって図が複雑になり理解しづらくなるので図示を省略している。同様に背面図はその後側に見えるはずの図23における乳房カップ1や第2の連結部8であるアジャスター30など、図示するとかえって図が複雑になり理解しづらくなるので図示を省略している。
【0137】この乳房カップ付きテディは、ブラジャー部分に相当する部分は、図1で説明したブラジャーとほぼ同様であり、更に乳房カップより下側に股部まで延在している胴部を有している衣料である。この乳房カップ付きテディは、胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部は前側の左右の乳房カップの第2の連結部の取り付け部分より少なくとも脇側の乳房カップの縁で連なって取り付けられている胴部であり、第2の連結部の下側も胴部の前身頃の上側の縁とは、結合されていない態様のカップ付きテディである。
【0138】すなわち、図23〜図25において、1が乳房カップ、2が乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁であり、この湾曲縁は、乳房カップのほぼ前中心側から下側を通り、脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁である。そしてこの下半部の湾曲縁2に沿ってカップワイヤー4を具備している。カップワイヤー4は、通常、バイアステープなどが表裏より当てがわれて前記乳房カップのほぼ下半部の湾曲縁2にほぼ沿ってバイアステープに包まれ、バイアステープの縁が縫製された袋状の空間に挿入されており、外部からは見えない様になっている。3は乳房カップ1の最下点である。5は乳房カップの脇上側の縁、7はカップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップ1を連結している第1の連結部であり、第1の連結部は、例えば、糸状物、紐状物、細幅テープ状物などからなるとか、この部分をほぼ中心として、左右の乳房カップ1が少なくとも図の紙面に平行な方向に回動できる(左右の乳房カップ1の相互のなす角度が変えられる)ような屈曲可能性を有していればよい。8は前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点3よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部であり、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなる。第1の連結部7と第2の連結部8の間は何も存在せずスペースとなっている。
【0139】9a、9bは肩紐であり、この肩紐は第1部分である9aとその長さが調節可能になっている第2部分9b(図23〜図25においては、部分図のみ示した。)とからなっており、この肩紐は9aの第1部分が、乳房カップの脇上側近傍にその両端が固着されて、ループ状に取り付けられていて、肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に縫製などによりその一端部が取り付けられている。肩紐の第2部分9bの他端はバック布6の端部近傍の上側の縁に通常の肩紐と同様にその長さの調節が可能な状態で取り付けられている。尚、この肩紐第1部分9aと肩紐第2部分9bの結合部近傍の構成については、この部分を拡大して示した部分平面図である図2で示したものと同様である。胴部140は先に示したボディスーツと異なり、身体に密着しないようなタイプの胴部からなりナイロンやポリエステル繊維からなる生地など身体にピッタリと密着しないような生地から構成されており、前身頃141と後身頃142とからなり、左右の脇側のライン143で前身頃141と後身頃142が接ぎ合わされている。144はクロッチ部を示す。
【0140】胴部140の前身頃141の上縁161は乳房カップ1の湾曲縁2の最下点3近傍から脇側において、乳房カップ1の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられており、前身頃141の上縁161の乳房カップ1の湾曲縁2の最下点3近傍から前中心側の部分は、乳房カップ1の湾曲縁2には縫合されていない。胴部140は前側においては前身頃141が乳房カップ1より下側に伸びて、大腿部の鼠径溝をカバーし、後ろ側においては後身頃142の背部上縁ライン146から下側並びにヒップをカバーして、前身頃141と後身頃142がクロッチ部144で合体するようになっている。
【0141】胴部140の前身頃141はその上縁161近傍でギャザー162が設けられて上縁161に沿ってその裏側に伸縮性テープが取り付けられている。また後身頃142においても、その上縁146近傍でギャザー163が設けられて上縁146に沿ってその裏側に伸縮性テープが取り付けられている。
【0142】また乳房カップ1には、前述の図1などで示したブラジャーと同様の伸縮性素材からなるバック布6が乳房カップ1の脇側の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられている。バック布6の背面側中央では、ブラジャーと同様の雌雄ホックで、左右のバック布6、6同士を開閉可能に係止し得る構造になっている。バック布6は乳房カップ1の脇側の湾曲縁2に沿って縫合されて取り付けられているが、胴部の前身頃141や後身頃142と重なる部分、例えば接ぎライン143の上部などの部分においては、バック布6と前身頃141や後身頃142は縫合されていない。また背部上縁ライン146がバック布6と重なる部分においてもバック布6と後身頃142は縫合されていない。ただ、必要に応じて、これらの部分が互いに縫合される態様を採用することも可能である。
【0143】尚、図23において点線11はこの乳房カップ付きテディを着用していると仮定した場合の乳房のバージスラインの一部を模式的に示したものである。
【0144】しかして、図23aが第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図23bに比べて短めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態を示しており、この状態では、図23aの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は180度より少し下に凸になる程度の状態であり、この様に調整した乳房カップ付きテディを着用すると、1/2カップタイプの乳房カップを有する乳房カップ付きテディを着用した場合とほぼ同様なバストアップさせる機能、すなわち「上げ」の機能を主体に発揮させることができる乳房カップ付きテディとして使用できる。
【0145】一方、もし図23bに示した様に、第2の連結部8であるアジャスター30(図3参照)の長さを図23aに比べて長めに調節してその長さが変化しない様に保持した状態では、図23bの左右の乳房カップの例えば上辺縁のラインを比べてみると明らかな様に第1の連結部7を中心とすると両者の角度は図23aに比べて下に凸になって角度が狭くなっている。すなわち左右の乳房カップ1が第1の連結部7を中心として図の紙面に平行な矢印Aで示した方向に回転している状態であり、この様に調整した乳房カップ付きテディを着用すると、乳房カップ1においてバストの脇側部分に接触する距離が長く、バストの前中心側部分に接触する距離が短くなって胸中央部がよりオープンになり、3/4カップタイプの乳房カップを有する乳房カップ付きテディを着用した場合とほぼ同様に、カップ部がバストをサイドからプッシュする応力が作用するので、バージスライン11で示された如く、左右の乳房の谷間が発現しやすくなる、いわゆる「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させることができる乳房カップ付きテディとして使用できる。この場合に、左右の乳房カップが矢印Aで示した方向に回転している状態になるので、通常、肩紐は、その分に応じて長さを短めに調整することになる。そして肩紐の第2部分9bは肩紐第1部分9aにスライド可能にはめ込まれたリング10に取り付けられているので、肩紐の第1部分9aのような機構を介さずに肩紐の第2部分9bの先端を直接乳房カップに縫製などにより固定した場合に比べて、矢印Aの方向に乳房カップが回転した状態でも肩紐の第2部分9bの先端部が前中心側に寄ってしまう(従って肩紐の第2部分が肩の首側に寄りすぎてしまう)のを防止でき且つカップ部がバストをサイドからプッシュする応力がより好適に発揮される様に補助する機能が発揮され好ましい。また、逆に図23bの状態から図23aの状態に戻した場合においては、矢印Aと逆方向に乳房カップが回転した状態になるが、その場合に肩紐の第2部分9bの先端部が脇側に開きすぎてしまう(従って肩紐の第2部分が肩の脇側に開きすぎてしまう)のを防止でき好ましい。尚、前述したように、胴部140はギャザー161、163が設けられ上縁に沿って伸縮性テープも設けられており、また胴部140は先に示したボディスーツと異なり、身体に密着しないようなゆとりを持ったタイプの胴部からなっているので、矢印A方向に乳房カップを回転する事が容易にできる様になっている。すなわち、上記の態様とすることにより、乳房カップが前述の様に回動した場合でも、前身頃または後身頃に設けられたギャザーなどのいずれか一方が伸ばされることにより、カップ位置の変化に胴部の身頃生地が追従することができる。また背面側においてもバック布6と後身頃142とは縫合されていないので、後身頃などの存在が乳房カップの回動を余り妨げない様になっている。
【0146】以上説明した様に、図23〜図25に示した本発明の乳房カップ付きテディは、一つの衣料で、着用者の目的に応じて、「バストアップ(上げ)」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。しかも図23bの状態では、第2の連結部8の長さが長くなっているので、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用したい場合には、第2の連結部8の長さを長くした状態にして着用でき好ましい。
【0147】以上、図15〜図25に示した、ブラキャミソールやボディスーツ、乳房カップ付きテディにおいては、第2の連結部8として、いずれも図3で説明したような、アジャスター30を用いた例を示したが、第2の連結部8として、図4〜図14並びに図26で説明したような別の態様の第2の連結部を用いてもよい。
【0148】また、第2の連結部8としては、図1〜図26で説明したようなもののみに限られるものではなく、その長さが調節可能で、且つ第2の連結部8で連結された部分の乳房カップ間の距離が所定の長さに調節された際に、当該部分の乳房カップ間の距離がそれ以上開いてしまわないように、係止可能な機能を有するものであって、本発明の目的を達成しうるものであれば特に限定されるものではない。
【0149】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、次の様な優れた効果を有する乳房カップを有する衣料を提供できる。
【0150】(1)本発明の乳房カップを有する衣料は、乳房カップのほぼ前中心側から下側並びに脇側にかけてのほぼ下半部の湾曲縁に沿ってカップワイヤーを具備している乳房カップを有する女性用衣料であって、前記衣料は、カップワイヤーのほぼ前中心側の上端部近傍において前記左右の乳房カップが連結されており、前記左右の乳房カップの連結部は屈曲可能な第1の連結部であり、更に前記第1の連結部より下側で且つ前記左右の乳房カップ最下点よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分を相互に連結する第2の連結部を有し、前記第2の連結部はその長さが調節可能な連結部からなっている。
【0151】従って、第2の連結部の長さを着用者の目的に応じて短めに調整し、「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいはこの第2の連結部8の長さを長めに調整し、第1の連結部をほぼ中心として、左右の乳房カップをその外側の縁が上方に回動するような方向で回転させた位置で固定して着用する事により、「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、着用者の好みに応じて機能を変更することが可能な乳房カップを有する衣料を提供できる。従って一つの衣料で、あたかも1/2カップの乳房カップを有する衣料の様な「バストアップ」の機能を主体に発揮させる様にしたり、あるいは3/4カップの乳房カップを有する衣料の様な「バストの寄せ」の機能を主体に発揮させる様にしたりすることができ、一つの衣料で2つ以上の乳房カップを有する衣料の役割を果たすことができる。しかも、第2の連結部の長さを長くした状態で着用すると、締め付け感を軽減することができ、楽な状態で着用できる乳房カップを有する衣料を提供できる。
【0152】(2)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第1の連結部が、糸状物、紐状物、細幅テープ状物から選ばれた部材からなる連結部である本発明の好ましい態様とする事により、糸状物、紐状物、細幅テープ状物は、柔軟性があって容易に屈曲可能であり、従って、第1の連結部をほぼ中心として左右の乳房カップが容易に回動でき、肌触りもよく、着用感も良好な、乳房カップを有する衣料を提供でき好ましい。
【0153】(3)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第2の連結部が、ロック機構を備えたスライダーを有するアジャスターからなる本発明の好ましい態様とする事により、第2の連結部としてかかるアジャスターは、その長さの調整が容易であり、着用したままでも比較的容易に長さを変更することができ、しかも、所定の長さに調整した場合に、着用中において、その長さを確実に保持でき、着用中における身体の動きによって掛かる応力に対しても、ズレが生じたりせず長さが変化しにくく信頼性が高く、洗濯に対しても耐久性が良好で好ましい。
【0154】(4)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているリボン状物からなる本発明の好ましい態様とする事により、リボン状物は、かかる種類の女性用衣料に華やかな女性らしい装飾効果を付与すことができ、しかも第2の連結部としての長さの調整も容易であり、肌触りもごつごつしたところがなく良好で、安価であって好ましい。
【0155】(5)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられているチェーン状物からなり、一方のチェーン状物の先端部に他方のチェーン状物のチェーンを構成しているチェーンリングと係止しうる係止部を有するチェーン状物からなる本発明の好ましい態様とする事により、チェーン状物は金属からなっていて、光り輝く特有の金属光沢を有するので、かかる種類の女性用衣料にきらびやかな装飾効果をもたらすことができ、チェーン状のネックレスともマッチして着用でき、しかも長さの調整が可能であり第2の連結部としての機能を十分に発揮でき、また、比較的細いものであるので、じゃまにならず好ましい。
【0156】(6)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第2の連結部が、左右の乳房カップにそれぞれその一端が取り付けられている紐状ないしテープ状物と、左右の紐状ないしテープ状物を所望の位置で併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなる本発明の好ましい態様とする事により、かかる第2の連結部は、着用中においても容易にその長さの調整がしやすく好ましい。
【0157】(7)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第2の連結部が、一つの紐状ないしテープ状物からなり、左右の乳房カップを当該紐状ないしテープ状物でループ状に連結して、その紐状ないしテープ状物のフリーな両端部側の部分を所望の位置で併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなる本発明の好ましい態様とする事により、第2の連結部を構成する紐状物ないしテープ状物が、洗濯などによって劣化して破損部分が生じ、交換する必要が生じた場合でも、紐状物ないしテープ状物を縫製などにより衣料本体に取り付ける手間を必要とせず、紐状物ないしテープ状物さえあれば簡単に取り替えることができ好ましい。
【0158】(8)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、第2の連結部が、左右の乳房カップのそれぞれにおいて、各々の乳房カップの前中心側縁の上方部分または第1の連結部にその一端が固定され他端がそれより下側で且つ乳房カップ最下点よりも上の乳房カップの前中心側の縁近傍部分に固定されていてその長さがその一端と他端間の乳房カップの縁の長さより長い紐状ないしテープ状物を有し、前記左右の紐状ないしテープ状物を併せて係止し得るクリップとを備えている連結部からなる本発明の好ましい態様とする事により、クリップの係止を解いて、クリップを上下方向にスライドさせて係止させるだけで、容易に第2の連結部で連結された乳房カップの前中心側の縁近傍部分間の距離をきわめて簡単に調整できる。従って、衣料を着用したままでも極めて容易に上記距離を調整でき好ましい。
【0159】(9)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、乳房カップの脇上側近傍に長さの調節が可能な肩紐が取り付けられている本発明の好ましい態様とする事により、第2の連結部の長さの調整に応じて、肩紐の長さを調整することにより、具体的には、第2の連結部の長さを長めに調整し、乳房カップの外側の縁が上方に回転するように乳房カップを回動させた際には、その分に応じて肩紐の長さを短めに調整することにより、3/4カップタイプの乳房カップを有する衣料を着用した場合とほぼ同様な「バスト寄せ」の機能を主体に発揮させることができる状態を、肩紐が補助することになり、第2の連結部の長さを短めに調整し、乳房カップの外側の縁が上記と逆方向に回転するように乳房カップを回動させた際には、その分に応じて肩紐の長さを長めに調整することにより、1/2カップタイプの乳房カップを有するの衣料を着用した場合とほぼ同様な「バストアップ」の機能を主体に発揮させることができる状態を、肩紐が補助することになり好ましい。
【0160】(10)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、肩紐が、乳房カップの脇上側近傍にループ状に取り付けられた第1部分と、第1部分のループにスライド可能に取り付けられ且つ長さの調節が可能な第2部分とからなる肩紐である本発明の好ましい態様とする事により、上記(9)項に記載の効果が発揮されると共に、第2の連結部の長さを長めに調整した際に、肩紐の第2部分が肩の首側に寄りすぎたり、第2の連結部の長さを短めに調整した際に、肩紐の第2部分が肩の脇側に開きすぎてしまうことを防止でき好ましい。
【0161】(11)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、乳房カップを有する衣料が、ブラジャー、ブラスリップ、ブラキャミソール、ボディスーツ、水着から選ばれた衣料である本発明の好ましい態様とする事により、これらの衣料は、本発明の衣料の上述した機能を、極めて効果的に発現させることができ好ましい。
【0162】(12)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、乳房カップを有する衣料が、乳房カップより下側に少なくともウェスト近傍まで延在している胴部を有している衣料である本発明の好ましい態様とする事により、乳房カップより下側に胴部を有していることにより、乳房カップより上側にも身体をカバーするような部分が存在する衣料に比べて、乳房カップの前述した回動などの動きなど、本発明の衣料の上述した機能の発揮をあまり妨げずに、乳房カップを有し、且つ胴部を有している衣料にも適用でき好ましい。
【0163】(13)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部が前側で左右にセパレートし得る胴部からなる本発明の好ましい態様とする事により、乳房カップの前述した回動などの動きなど、本発明の衣料の上述した機能の発揮を妨げずに乳房カップを有し且つ胴部を有している衣料にも適用でき好ましい。
【0164】(14)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、前記(13)項に記載の乳房カップを有する衣料が、ブラスリップ、ブラキャミソールから選ばれた衣料である本発明の好ましい態様とする事により、ブラスリップやブラキャミソールは、前記(13)項に記載の胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられていて、左右にセパレートし得る胴部からなる態様を採用してもブラスリップ、あるいはブラキャミソールとしての本来の機能をあまり阻害することなく、上述した本発明の機能を効果的に発現できる衣料であり好ましい。
【0165】(15)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、胴部が乳房カップの下側に連なって取り付けられている胴部であり、前記胴部は前側の左右の乳房カップの第2の連結部の取り付け部分より少なくとも脇側の乳房カップの縁で連なって取り付けられている胴部であり、第2の連結部の下側にも開口スペースを有する本発明の好ましい態様とする事により、乳房カップの前述した回動などの動きなど、本発明の衣料の上述した機能の発揮を妨げずに、乳房カップを有し、且つ胴部を有している衣料にも適用でき好ましい。
【0166】(16)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側の一部で乳房カップに連なって取り付けられている胴部である本発明の好ましい態様とする事により、乳房カップの前述した回動などの動きなど、本発明の衣料の上述した機能の発揮を妨げずに、乳房カップを有し、且つ胴部を有している衣料にも適用でき好ましい。
【0167】(17)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、胴部が乳房カップの下側では乳房カップとは連結されておらず乳房カップの脇側に連設されているバック布の一部に胴部の上部の一部が取り付けられている胴部を有している本発明の好ましい態様とする事により、乳房カップの前述した回動などの動きなど、本発明の衣料の上述した機能の発揮を妨げずに、乳房カップを有し、且つ胴部を有している衣料にも適用でき好ましい。
【0168】(18)また、本発明の乳房カップを有する衣料において、前記(15)〜(17)項に記載の乳房カップを有する衣料が、ボディスーツ、水着、乳房カップ付きテディから選ばれた衣料である本発明の好ましい態様とする事により、ボディスーツ、水着、ないしは乳房カップ付きテディは、前記(15)〜(17)項に記載の胴部が存在する態様を採用してもボディスーツや水着あるいは乳房カップ付きテディとしての本来の機能をあまり阻害することなく、上述した本発明の機能を効果的に発現できる衣料であり好ましい。
【出願人】 【識別番号】000139399
【氏名又は名称】株式会社ワコール
【出願日】 平成12年12月28日(2000.12.28)
【代理人】 【識別番号】100095555
【弁理士】
【氏名又は名称】池内 寛幸 (外3名)
【公開番号】 特開2002−212805(P2002−212805A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2000−403193(P2000−403193)